JPH0931482A - 固形潤滑剤充填転がり軸受の製造方法 - Google Patents
固形潤滑剤充填転がり軸受の製造方法Info
- Publication number
- JPH0931482A JPH0931482A JP18015495A JP18015495A JPH0931482A JP H0931482 A JPH0931482 A JP H0931482A JP 18015495 A JP18015495 A JP 18015495A JP 18015495 A JP18015495 A JP 18015495A JP H0931482 A JPH0931482 A JP H0931482A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- molecular weight
- solid lubricant
- oil
- bearing
- lubricant
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Lubricants (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 極低温条件においても軸受の回転トルクを確
実に低く安定させることができ、しかも軸受の型式や大
きさにも広く対応できる所要硬度を有する固形潤滑剤を
充填した固形潤滑剤充填ころがり軸受を提供する。 【解決手段】 鉱油を基油とする潤滑グリース5〜95
重量%に、粘度平均分子量1×106 〜5×106 の超
高分子量ポリオレフィンの粉末95〜5重量%を混合分
散し、これを転がり軸受内部の内輪1と外輪2の間に注
入した状態で前記超高分子量ポリオレフィンのゲル化点
以上であって前記潤滑グリースの滴点以下の温度で加熱
し、その後、冷却して前記潤滑剤を固形状化し、この固
形潤滑剤Aに、前記鉱油の流動点より低流動点の合成潤
滑油を含浸または塗布して、固形潤滑剤充填転がり軸受
を製造する。
実に低く安定させることができ、しかも軸受の型式や大
きさにも広く対応できる所要硬度を有する固形潤滑剤を
充填した固形潤滑剤充填ころがり軸受を提供する。 【解決手段】 鉱油を基油とする潤滑グリース5〜95
重量%に、粘度平均分子量1×106 〜5×106 の超
高分子量ポリオレフィンの粉末95〜5重量%を混合分
散し、これを転がり軸受内部の内輪1と外輪2の間に注
入した状態で前記超高分子量ポリオレフィンのゲル化点
以上であって前記潤滑グリースの滴点以下の温度で加熱
し、その後、冷却して前記潤滑剤を固形状化し、この固
形潤滑剤Aに、前記鉱油の流動点より低流動点の合成潤
滑油を含浸または塗布して、固形潤滑剤充填転がり軸受
を製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、転がり軸受内に固形
潤滑剤を充填した固形潤滑剤充填転がり軸受の製造方法
に関する。
潤滑剤を充填した固形潤滑剤充填転がり軸受の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、各種の転がり軸受には、その内
部潤滑性を高めるため、鉱油などの基油に、リチウム石
鹸、アルミニウム石鹸またはポリウレアなどの増稠剤を
配合した半固形状のグリースが充填されている。特に、
建設、鉄鋼、農業機械または自動車部品など、水に接触
する頻度の高い機械、または高速で遠心運動する撚線機
などの機械に装着される軸受としては、充填したグリー
スの流動性を抑制して、長時間安定した潤滑特性を発揮
させるように密封装置を付設していた。
部潤滑性を高めるため、鉱油などの基油に、リチウム石
鹸、アルミニウム石鹸またはポリウレアなどの増稠剤を
配合した半固形状のグリースが充填されている。特に、
建設、鉄鋼、農業機械または自動車部品など、水に接触
する頻度の高い機械、または高速で遠心運動する撚線機
などの機械に装着される軸受としては、充填したグリー
スの流動性を抑制して、長時間安定した潤滑特性を発揮
させるように密封装置を付設していた。
【0003】しかし、シール板などの密封装置を転がり
軸受に付設すると、軸受を小型化する要求に応えること
ができないという問題がある。また、低温でも流動性が
よく、すなわち低温でも軸受回転トルクを低く保ち得る
グリースは、その流動性によって軸受内部の要所に部分
的に充填することが困難であるという問題もあった。
軸受に付設すると、軸受を小型化する要求に応えること
ができないという問題がある。また、低温でも流動性が
よく、すなわち低温でも軸受回転トルクを低く保ち得る
グリースは、その流動性によって軸受内部の要所に部分
的に充填することが困難であるという問題もあった。
【0004】このような問題を改善する技術として、超
高分子量ポリエチレンと、この融解温度より高い滴点を
有する潤滑グリースを混合分散し、超高分子量ポリエチ
レンの融解温度を越える程度に加熱して、グリースを前
記超高分子量ポリエチレンに分散保持させて適当な離油
率の固形潤滑剤とし、軸受内の要所に部分的に充填でき
る軸受用潤滑組成物が特公昭63−23239号に開示
された。
高分子量ポリエチレンと、この融解温度より高い滴点を
有する潤滑グリースを混合分散し、超高分子量ポリエチ
レンの融解温度を越える程度に加熱して、グリースを前
記超高分子量ポリエチレンに分散保持させて適当な離油
率の固形潤滑剤とし、軸受内の要所に部分的に充填でき
る軸受用潤滑組成物が特公昭63−23239号に開示
された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の軸受用潤滑組成物として、鉱油を基油としたグリース
を超高分子量ポリエチレンで固形状化したものは、転が
り軸受内での潤滑性の基本機能に問題は無いが、−10
℃〜−50℃といった極低温の条件で使用した場合に、
軸受の回転トルクが増大するという問題点がある。
の軸受用潤滑組成物として、鉱油を基油としたグリース
を超高分子量ポリエチレンで固形状化したものは、転が
り軸受内での潤滑性の基本機能に問題は無いが、−10
℃〜−50℃といった極低温の条件で使用した場合に、
軸受の回転トルクが増大するという問題点がある。
【0006】その原因は、主としてろう分を含む鉱油の
流動点が−10〜−20℃付近にあるため、流動点より
低温では、急速に含有ろう分が固形状化して流動性が失
われるためであると考えられる。
流動点が−10〜−20℃付近にあるため、流動点より
低温では、急速に含有ろう分が固形状化して流動性が失
われるためであると考えられる。
【0007】また、潤滑油のうち、比較的低温での流動
性に優れたポリオールエステル油などの合成潤滑油を基
油としたグリースを採用し、超高分子量ポリオレフィン
に分散して固形状化すれば、比較的低温でも回転トルク
が低く安定する軸受用潤滑組成物になる。しかし、この
組成物は鉱油を基油としたグリースを超高分子量ポリエ
チレンで固形状化したものに比べて軟質であり、例えば
スプリング硬さ(Hs)30未満となる場合が多いの
で、軸受用潤滑組成物の適用範囲(回転速度、軸受の大
きさ)に制限が大きくなって、実用性が低いという問題
点がある。
性に優れたポリオールエステル油などの合成潤滑油を基
油としたグリースを採用し、超高分子量ポリオレフィン
に分散して固形状化すれば、比較的低温でも回転トルク
が低く安定する軸受用潤滑組成物になる。しかし、この
組成物は鉱油を基油としたグリースを超高分子量ポリエ
チレンで固形状化したものに比べて軟質であり、例えば
スプリング硬さ(Hs)30未満となる場合が多いの
で、軸受用潤滑組成物の適用範囲(回転速度、軸受の大
きさ)に制限が大きくなって、実用性が低いという問題
点がある。
【0008】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決して、−10℃〜−50℃という極低温条件に
おいても軸受の回転トルクを確実に低く安定させること
ができ、しかも軸受の型式や大きさにも広く対応できる
所要硬度を有する固形潤滑剤を充填した固形潤滑剤充填
ころがり軸受を提供することである。
点を解決して、−10℃〜−50℃という極低温条件に
おいても軸受の回転トルクを確実に低く安定させること
ができ、しかも軸受の型式や大きさにも広く対応できる
所要硬度を有する固形潤滑剤を充填した固形潤滑剤充填
ころがり軸受を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、鉱油を基油とする潤滑グリー
ス5〜95重量%に、粘度平均分子量1×106 〜5×
106 の超高分子量ポリオレフィンの粉末95〜5重量
%を混合分散し、これを転がり軸受内部に注入した状態
で前記超高分子量ポリオレフィンのゲル化点以上の温度
でありかつ前記潤滑グリースの滴点以下の温度で加熱
し、その後冷却して前記潤滑剤を固形状化し、この固形
潤滑剤に前記鉱油の流動点より低流動点の合成潤滑油を
含浸する固形潤滑剤充填転がり軸受の製造方法を採用し
たのである。
め、この発明においては、鉱油を基油とする潤滑グリー
ス5〜95重量%に、粘度平均分子量1×106 〜5×
106 の超高分子量ポリオレフィンの粉末95〜5重量
%を混合分散し、これを転がり軸受内部に注入した状態
で前記超高分子量ポリオレフィンのゲル化点以上の温度
でありかつ前記潤滑グリースの滴点以下の温度で加熱
し、その後冷却して前記潤滑剤を固形状化し、この固形
潤滑剤に前記鉱油の流動点より低流動点の合成潤滑油を
含浸する固形潤滑剤充填転がり軸受の製造方法を採用し
たのである。
【0010】または、前記製造方法において、固形潤滑
剤に前記鉱油の流動点より低流動点の合成潤滑油を含浸
することに代えて、固形潤滑剤の表面に前記鉱油の流動
点より低流動点の合成潤滑油を塗布する固形潤滑剤充填
転がり軸受の製造方法を採用したのである。
剤に前記鉱油の流動点より低流動点の合成潤滑油を含浸
することに代えて、固形潤滑剤の表面に前記鉱油の流動
点より低流動点の合成潤滑油を塗布する固形潤滑剤充填
転がり軸受の製造方法を採用したのである。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明における超高分子量ポリ
オレフィン粉末は、超高分子量ポリエチレン、超高分子
量ポリプロピレン、超高分子量ポリブテンもしくはこれ
らの共重合体からなる粉末またはそれぞれ単独の粉末で
あってよく、各粉末の分子量は、粘度法により測定され
る平均分子量が1×106 〜5×106 のものである。
このような超高分子量の範囲にあるポリオレフィンは、
剛性及び保油性において通常の分子量のポリオレフィン
より優れ、高温に加熱してもほとんど流動することがな
い。
オレフィン粉末は、超高分子量ポリエチレン、超高分子
量ポリプロピレン、超高分子量ポリブテンもしくはこれ
らの共重合体からなる粉末またはそれぞれ単独の粉末で
あってよく、各粉末の分子量は、粘度法により測定され
る平均分子量が1×106 〜5×106 のものである。
このような超高分子量の範囲にあるポリオレフィンは、
剛性及び保油性において通常の分子量のポリオレフィン
より優れ、高温に加熱してもほとんど流動することがな
い。
【0012】潤滑組成物中の超高分子量ポリオレフィン
の配合割合は95〜5重量%であり、このような所定範
囲で組成物の所要の離油度、粘り強さおよび硬さに対応
させて増減させて配合すればよい。ただし、超高分子量
ポリオレフィンの量が多い程、所定温度で分散保持させ
た後のゲルの硬さが大きくなる。
の配合割合は95〜5重量%であり、このような所定範
囲で組成物の所要の離油度、粘り強さおよび硬さに対応
させて増減させて配合すればよい。ただし、超高分子量
ポリオレフィンの量が多い程、所定温度で分散保持させ
た後のゲルの硬さが大きくなる。
【0013】この発明における鉱油を基油とする潤滑グ
リースは、鉱油を石けんまたは非石けんで増稠した潤滑
グリースであって、石けん系の増稠剤としては、リチウ
ム石けん、ナトリウム石けん、アルミニウム石けん等が
挙げられる。なお、非石けん系の増稠剤としては、ベン
トナイト、シリカ、ポリウレア、インダンスレン、銅フ
タロシアニンなどが挙げられる。
リースは、鉱油を石けんまたは非石けんで増稠した潤滑
グリースであって、石けん系の増稠剤としては、リチウ
ム石けん、ナトリウム石けん、アルミニウム石けん等が
挙げられる。なお、非石けん系の増稠剤としては、ベン
トナイト、シリカ、ポリウレア、インダンスレン、銅フ
タロシアニンなどが挙げられる。
【0014】前記した鉱油系の潤滑グリースに、超高分
子量ポリオレフィンを分散保持させるには、材料を混合
した後、超高分子量ポリオレフィンがゲル化を起す温度
以上に加熱し、その後、常温程度にまで放冷し、好まし
くは液体冷却剤中で急冷して固形化させ、油性面すなわ
ち油が滲み出る面のある潤滑組成物とする。液体冷却剤
としては、潤滑油、研削液、防錆油または水を使用でき
る。
子量ポリオレフィンを分散保持させるには、材料を混合
した後、超高分子量ポリオレフィンがゲル化を起す温度
以上に加熱し、その後、常温程度にまで放冷し、好まし
くは液体冷却剤中で急冷して固形化させ、油性面すなわ
ち油が滲み出る面のある潤滑組成物とする。液体冷却剤
としては、潤滑油、研削液、防錆油または水を使用でき
る。
【0015】この発明の固形潤滑剤に含浸または塗布す
る潤滑油は、前記鉱油の流動点より低流動点の合成潤滑
油を採用し、例えばジエステル油、ポリオールエステル
油、ケイ酸エステル油、リン酸エステル油、シリコーン
油、合成炭化水素油、フッ素油、ポリアルキレングリコ
ール油などから適宜選択して使用することができる。
る潤滑油は、前記鉱油の流動点より低流動点の合成潤滑
油を採用し、例えばジエステル油、ポリオールエステル
油、ケイ酸エステル油、リン酸エステル油、シリコーン
油、合成炭化水素油、フッ素油、ポリアルキレングリコ
ール油などから適宜選択して使用することができる。
【0016】この発明の固形潤滑剤充填転がり軸受の製
造方法では、潤滑グリースと超高分子量ポリオレフィン
からなる固形潤滑剤の材料を混合した後、これを転がり
軸受内に充填する。その充填状態は、例えば図1および
図2に示されるように、ベアリングの内輪1と外輪2の
間で二枚の帯板からなる保持器3がリベット4によって
重ねて固定されている部分に、いわゆるスポットパック
と呼ばれる状態で充填し、軸受全体を超高分子量ポリオ
レフィンがゲル化を起す温度以上で潤滑グリースの滴点
以下の温度に加熱し、その後、室温まで放冷して固形化
させて固形潤滑剤Aを充填する。
造方法では、潤滑グリースと超高分子量ポリオレフィン
からなる固形潤滑剤の材料を混合した後、これを転がり
軸受内に充填する。その充填状態は、例えば図1および
図2に示されるように、ベアリングの内輪1と外輪2の
間で二枚の帯板からなる保持器3がリベット4によって
重ねて固定されている部分に、いわゆるスポットパック
と呼ばれる状態で充填し、軸受全体を超高分子量ポリオ
レフィンがゲル化を起す温度以上で潤滑グリースの滴点
以下の温度に加熱し、その後、室温まで放冷して固形化
させて固形潤滑剤Aを充填する。
【0017】また、図示以外の固形潤滑剤Aの充填状態
としては、内輪1と外輪2の間の全ての空隙に完全に充
填する、いわゆるフルパックといわれる状態であっても
よいのは勿論である。
としては、内輪1と外輪2の間の全ての空隙に完全に充
填する、いわゆるフルパックといわれる状態であっても
よいのは勿論である。
【0018】
〔実施例1〕超高分子量ポリオレフィン(三井石油化学
工業社製:ミペロン、ゲル化点136℃)と、低分子量
ポリオレフィンを含有する固形ワックス(三洋化成社
製:サンワックスと精工化学社製:サンタイトSの混合
物)と、潤滑グリース(リチウム石けん−鉱油系、滴点
183℃)を原材料として、表1に示す配合割合(重量
%)で混合し、この混合物をラジアル玉軸受(NTN社
製軸受6206)に図1および図2に示したようにスポ
ットパック状態に充填して、この軸受を150℃の恒温
層で30分間加熱し、その後、軸受を恒温槽から取り出
し室温まで放冷して混合物を固形状化した。
工業社製:ミペロン、ゲル化点136℃)と、低分子量
ポリオレフィンを含有する固形ワックス(三洋化成社
製:サンワックスと精工化学社製:サンタイトSの混合
物)と、潤滑グリース(リチウム石けん−鉱油系、滴点
183℃)を原材料として、表1に示す配合割合(重量
%)で混合し、この混合物をラジアル玉軸受(NTN社
製軸受6206)に図1および図2に示したようにスポ
ットパック状態に充填して、この軸受を150℃の恒温
層で30分間加熱し、その後、軸受を恒温槽から取り出
し室温まで放冷して混合物を固形状化した。
【0019】そして、ジエステル油(流動点−74℃)
を入れた容器内で軸受を浸漬し、この容器ごと1tor
r以下の真空オーブンに約15分間入れ、固形潤滑剤の
硬さ(Hs)と室温または低温(−40℃、−50℃)
での軸受回転性を以下の試験方法によって行ない、この
結果を表1中に併記した。
を入れた容器内で軸受を浸漬し、この容器ごと1tor
r以下の真空オーブンに約15分間入れ、固形潤滑剤の
硬さ(Hs)と室温または低温(−40℃、−50℃)
での軸受回転性を以下の試験方法によって行ない、この
結果を表1中に併記した。
【0020】 固形潤滑剤の硬さ(Hs) JIS K 6301 5.2によりHs(スプリング
硬さ)を測定した。
硬さ)を測定した。
【0021】 軸受回転性試験 −40℃と−50℃に設定した低温槽に、軸受6206
を2時間入れた後、その温度における軸受の回転性を手
動で回転可能であるか否かについて調べ、結果を表1中
に併記した。
を2時間入れた後、その温度における軸受の回転性を手
動で回転可能であるか否かについて調べ、結果を表1中
に併記した。
【0022】
【表1】
【0023】〔実施例2〕実施例1と全く同様にして、
固形潤滑剤を固形状化した軸受を製造し、この軸受を常
圧下でジエステル油に浸漬し、いわゆる浸漬法によって
固形潤滑剤の表面にジエステル油を塗布した。
固形潤滑剤を固形状化した軸受を製造し、この軸受を常
圧下でジエステル油に浸漬し、いわゆる浸漬法によって
固形潤滑剤の表面にジエステル油を塗布した。
【0024】得られた固形潤滑剤充填転がり軸受の性能
を前記した試験方法、によって調べ、結果を表1中
に併記した。
を前記した試験方法、によって調べ、結果を表1中
に併記した。
【0025】〔実施例3〕実施例1と全く同様にして、
固形潤滑剤を固形状化した軸受を製造し、この軸受の摺
動面と固形潤滑剤の隙間に注射器でジエステル油を注入
し、固形潤滑剤の表面にジエステル油を塗布した。
固形潤滑剤を固形状化した軸受を製造し、この軸受の摺
動面と固形潤滑剤の隙間に注射器でジエステル油を注入
し、固形潤滑剤の表面にジエステル油を塗布した。
【0026】得られた固形潤滑剤充填転がり軸受の性能
を前記した試験方法、によって調べ、結果を表1中
に併記した。
を前記した試験方法、によって調べ、結果を表1中
に併記した。
【0027】〔比較例1〕実施例1と全く同様にして、
固形潤滑剤を固形状化した軸受を製造し、この状態で固
形潤滑剤充填転がり軸受の性能を前記した試験方法、
によって調べ、結果を表1中に併記した。
固形潤滑剤を固形状化した軸受を製造し、この状態で固
形潤滑剤充填転がり軸受の性能を前記した試験方法、
によって調べ、結果を表1中に併記した。
【0028】表1の結果からも明らかなように、ジエス
テル油を固形潤滑剤に塗布または含浸していない比較例
1は、−40℃または−50℃の使用条件で回転不可能
であったが、ジエステル油を固形潤滑剤に塗布または含
浸した実施例1〜3は、室温および−40℃または−5
0℃の使用条件で回転可能であり、極低温条件でも使用
に耐える転がり軸受であった。また、実施例1〜3は、
固形潤滑剤のスプリング硬さHsが85であり、充分な
所要硬度を持っていた。
テル油を固形潤滑剤に塗布または含浸していない比較例
1は、−40℃または−50℃の使用条件で回転不可能
であったが、ジエステル油を固形潤滑剤に塗布または含
浸した実施例1〜3は、室温および−40℃または−5
0℃の使用条件で回転可能であり、極低温条件でも使用
に耐える転がり軸受であった。また、実施例1〜3は、
固形潤滑剤のスプリング硬さHsが85であり、充分な
所要硬度を持っていた。
【0029】
【効果】この発明は、以上説明したように、鉱油系の潤
滑グリースに、超高分子量ポリオレフィンを所定量混合
分散し、これを転がり軸受内部に注入して固形状化し、
この固形潤滑剤に低流動点の合成潤滑油を含浸または塗
布したので、−10℃〜−50℃という極低温条件にお
いても軸受の回転トルクを確実に低く安定させることが
でき、しかも所要硬度を有する固形潤滑剤を充填した固
形潤滑剤充填ころがり軸受を製造できるという利点があ
る。
滑グリースに、超高分子量ポリオレフィンを所定量混合
分散し、これを転がり軸受内部に注入して固形状化し、
この固形潤滑剤に低流動点の合成潤滑油を含浸または塗
布したので、−10℃〜−50℃という極低温条件にお
いても軸受の回転トルクを確実に低く安定させることが
でき、しかも所要硬度を有する固形潤滑剤を充填した固
形潤滑剤充填ころがり軸受を製造できるという利点があ
る。
【図1】実施例で製造した固形潤滑剤充填転がり軸受の
平面図
平面図
【図2】図1の要部を拡大して示す断面図
1 内輪 2 外輪 3 保持器 4 リベット A 固形潤滑剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 117:02 143:02) C10N 10:02 20:04 30:08 40:02 50:08 70:00
Claims (2)
- 【請求項1】 鉱油を基油とする潤滑グリース5〜95
重量%に、粘度平均分子量1×106 〜5×106 の超
高分子量ポリオレフィンの粉末95〜5重量%を混合分
散し、これを転がり軸受内部に注入した状態で前記超高
分子量ポリオレフィンのゲル化点以上の温度でありかつ
前記潤滑グリースの滴点以下の温度で加熱し、その後冷
却して前記潤滑剤を固形状化し、この固形潤滑剤に前記
鉱油の流動点より低流動点の合成潤滑油を含浸すること
からなる固形潤滑剤充填転がり軸受の製造方法。 - 【請求項2】 鉱油を基油とする潤滑グリース5〜95
重量%に、粘度平均分子量1×106 〜5×106 の超
高分子量ポリオレフィンの粉末95〜5重量%を混合分
散し、これを転がり軸受内部に注入した状態で前記超高
分子量ポリオレフィンのゲル化点以上の温度でありかつ
前記潤滑グリースの滴点以下の温度で加熱し、その後冷
却して前記潤滑剤を固形状化し、この固形潤滑剤の表面
に前記鉱油の流動点より低流動点の合成潤滑油を塗布す
ることからなる固形潤滑剤充填転がり軸受の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18015495A JPH0931482A (ja) | 1995-07-17 | 1995-07-17 | 固形潤滑剤充填転がり軸受の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18015495A JPH0931482A (ja) | 1995-07-17 | 1995-07-17 | 固形潤滑剤充填転がり軸受の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0931482A true JPH0931482A (ja) | 1997-02-04 |
Family
ID=16078347
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18015495A Pending JPH0931482A (ja) | 1995-07-17 | 1995-07-17 | 固形潤滑剤充填転がり軸受の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0931482A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007002213A (ja) * | 2005-05-24 | 2007-01-11 | Ntn Corp | 固形潤滑剤および固形潤滑剤封入転がり軸受 |
-
1995
- 1995-07-17 JP JP18015495A patent/JPH0931482A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007002213A (ja) * | 2005-05-24 | 2007-01-11 | Ntn Corp | 固形潤滑剤および固形潤滑剤封入転がり軸受 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5042401B2 (ja) | 自動車の燃料噴射制御用転がり軸受 | |
JPH11166608A (ja) | ボールねじ | |
US4525286A (en) | Enhanced grease | |
US5668092A (en) | Rock bit grease composition | |
JP3587613B2 (ja) | 転がり軸受とその製造方法 | |
EP0700986B1 (en) | Polymer thickened lubricating grease | |
US5874391A (en) | Polymer thickened lubricating grease | |
JP2006249368A (ja) | グリース組成物 | |
JP2960561B2 (ja) | 樹脂製減速装置用グリース組成物 | |
JP2912733B2 (ja) | 軸受用潤滑組成物 | |
JPH0931482A (ja) | 固形潤滑剤充填転がり軸受の製造方法 | |
JPS58219297A (ja) | グリ−ス組成物 | |
JPH0665891B2 (ja) | 多孔質滑り軸受およびその製造方法 | |
JP4980609B2 (ja) | 固形潤滑剤および固形潤滑剤封入転がり軸受 | |
JP5086564B2 (ja) | 固形潤滑剤および固形潤滑剤封入転がり軸受 | |
JPH09217752A (ja) | 転がり軸受 | |
JPS6323239B2 (ja) | ||
JP2862612B2 (ja) | 鉄道車両軸受用グリース | |
JPH0741783A (ja) | 固形グリース充填転がり軸受 | |
JPH0741784A (ja) | グリース充填多孔質滑り軸受 | |
JPH06128584A (ja) | 軸受用潤滑組成物 | |
JPH08183982A (ja) | 固形潤滑剤封入転がり軸受の製造方法 | |
JPH06287587A (ja) | 軸受用潤滑組成物 | |
JPH0464713A (ja) | 多孔質滑り軸受の製造方法 | |
JP5122730B2 (ja) | 固形潤滑剤および固形潤滑剤封入転がり軸受 |