JPH0741777Y2 - 軒樋吊り具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、軒樋吊り具に関し、詳
しくは軒樋の外観を高めるとともにかかる構成を有効に
利用して軒樋の支持を安定させるとともに確実な支持を
容易におこなえるようになそうとする技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、断面略Ｕ字状の軒樋１( 本考案の
図１において示す) で施工時に屋外側になる屋外側壁２
から上方に起立片３を立ち上げることによって、軒樋１
にパラペットのような外観を付与して、軒先部の外観を
軒樋１において高めることがおこなわれている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
軒樋１の屋外側壁２から上方に起立片３を立ち上げて、
外観を高めるのに、軒樋１の形状が通常にものとは大き
く異なり、軒樋１の支持を安定化させ難く、その支持に
苦慮するという問題があった。本考案はこのような問題
に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、特殊な形状の軒樋をその構成を有効に利用して軒樋
の支持を安定させるとともに確実な支持を容易におこな
える軒樋吊り具を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案の軒樋吊り具は、
断面略Ｕ字状の軒樋１で屋外側において立ち上げた屋外
側壁２から斜め内側上方に起立片３を立ち上げて設ける
とともに、その起立片３の上端から内方に垂下する垂下
片４を設け、垂下片４の下方部に屋外側耳部５が形成さ
れ、その起立片３と垂下片４とで下方に開口して形成さ
れている屈曲凹部２５の内面に沿うように屈曲した挿入
部２６を吊り具本体９に形成し、その挿入部２６の内側
下端部分に、軒樋１の屋外側耳部５を下から支える受部
８を略Ｌ形に屈曲して形成し、かつ屋外側耳部５を上か
ら弾性的に押圧する押さえ片１０を吊り具本体９に設け
て成るものである。

【０００５】

【作用】このように構成することによって、上記目的を
達成したものである。つまり、断面略Ｕ字状の軒樋１で
屋外側において立ち上げた屋外側壁２から斜め内側上方
に起立片３を立ち上げて設けるとともに、その起立片３
の上端から内方に垂下する垂下片４を設け、垂下片４の
下方部に屋外側耳部５が形成され、その起立片３と垂下
片４とで下方に開口して形成されている屈曲凹部２５の
内面に沿うように屈曲した挿入部２６を吊り具本体９に
形成し、その挿入部２６の内側下端部分に、軒樋１の屋
外側耳部５を下から支える受部８を略Ｌ形に屈曲して形
成し、かつ屋外側耳部５を上から弾性的に押圧する押さ
え片１０を吊り具本体９に設けることによって、屋外側
壁２をパラペットのような外観になして、軒樋１にて軒
先部の外観を高めており、屈曲凹部２５内に挿入された
吊り具本体９側の挿入部２６により内側から沿うように
して起立片３が支持され、その起立片３の変形または破
損を防止し、垂下片４の下端の屋外耳部５を受部８にて
受け、そして吊り具本体９側の弾性を備えた押さえ片１
０にて屋外側耳部５の上部を押さえ、特殊な形状の軒樋
１を安定して支持するとともにその弾性を備えた押さえ
片１０の弾性変形にて軒樋１の支持を容易にかつ迅速に
おこなえるようにしたものである。

【０００６】

【実施例】以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。軒樋１は断面略Ｕ字状に形成され、施工時に屋外側
になる屋外側壁２から斜め上方に起立片３を立ち上げて
ある。この起立片３の上端から屋内側に向けて垂下片４
を垂下して、下方に開口する屈曲凹部２５が形成してあ
る。垂下片４の下端に中空の屋外側耳部５を全長に形成
してある。そして軒樋１の屋内側壁６の上端に中空の屋
内側耳部７を形成してある。

【０００７】吊り具本体９は帯鉄を曲成して形成してあ
り、その屋内側端部には釘１２等により鼻板等の家屋の
取付部に取付けられる取付片部１３が垂下され、取付片
部１３の上方には横片１４と下降片１５とで、軒樋１の
屋内側耳部７を挿入し得る挿入部１６が形成され、この
挿入部１６にＬ形に形成された載設片１７とばね板から
なる押さえ１８を設け、載設片１７から垂下したガイド
片１９をガイドとして軒樋１の屋内側耳部７をスライド
させて上昇させ、ばね板製の押さえ１８を上方に弾性変
形させ、そして屋内側耳部７が載設片１７に載設され、
この載設状態を押さえ１８にて維持するようにしてあ
る。

【０００８】吊り具本体９の先端には先端部材２１がリ
ベットのような取付具２２にて取付けてある。そして先
端部材２１は軒樋１の屋外側耳部５の下面５a と屋外側
耳部５の外側面５b を支持するＬ形の受部８と軒樋１の
起立片３の内面に沿う立上げ片２０とを一連に形成し
て、屈曲凹部２５に挿入する挿入部２６を形成してあ
り、先端部材２１は吊り具本体９とは別体に構成され、
曲げ加工を要して複雑な形状となる先端部材２１を吊り
具本体９とは別体に製作でき、全体としての製作を容易
にしてある。

【０００９】そして受部８に載設された屋外側耳部５の
上面５c 及び内側面５d を支持する逆Ｌ形のばね性の押
さえ片１０を吊り具本体９の上面に受部８と対向させて
設けてある。この押さえ片１０と吊り具本体９とはリベ
ット等にて取付けてある。そして押さえ片１０の上片１
０a の屋外側端部から屋外側耳部５の下面５a に押され
て屋内側に押さえ片１０を弾性変位させるための被押さ
え片１１を内方上方に延出してある。

【００１０】しかして、屋外側壁２から上方に起立片３
を立ち上げるとともに起立片３の上端から屋内側に向け
て垂下片４を垂下し、垂下片４の下端に屋外側耳部５を
全長に形成するという特殊な形状の軒樋１であっても、
屋外側耳部５を押し下げることで、被押さえ片１１を介
してばね性の押さえ片１０を屋内側に弾性変形させ、そ
して屋外側耳部５の下面５a をＬ形の受部８に当接する
ことで、被押さえ片１１がそのばね性で弾性復元して、
逆Ｌ形の被押さえ片１１とＬ形の受部８とで、屋外側耳
部５を確実に保持し、特殊な形状の軒樋１の吊り下げ作
業を容易に行えるのである。

【００１１】そして本考案に実施される軒樋１はその起
立片３が斜め内方に緩やかに傾斜していて、その施工後
においてはパラペットのような外観となるものである。
図３は他の実施例を示していて、先端部材２１の下端に
振れ防止片２３を屋内側に曲成し、この振れ防止片２３
を吊り具本体９の先端の当たり片２４の下端面に当接さ
せて、先端部材２１の振れ防止を行うようにしたもので
ある。

【００１２】

【考案の効果】以上要するに本考案は、断面略Ｕ字状の
軒樋で屋外側において立ち上げた屋外側壁から斜め内側
上方に起立片を立ち上げて設けるとともに、その起立片
の上端から内方に垂下する垂下片を設け、垂下片の下方
部に屋外側耳部が形成され、その起立片と垂下片とで下
方に開口して形成されている屈曲凹部の内面に沿うよう
に屈曲した挿入部を吊り具本体に形成し、その挿入部の
内側下端部分に、軒樋の屋外側耳部を下から支える受部
を略Ｌ形に屈曲して形成し、かつ屋外側耳部を上から弾
性的に押圧する押さえ片を吊り具本体に設けてあるか
ら、屋外側壁を立ち上げてパラペットのような外観にな
して、軒樋にて軒先部の外観を高めることができ、屈曲
凹部内に挿入された吊り具本体側の挿入部により内側か
ら沿うようにして起立片が支持されて、その起立片の変
形または破損を防止しているとともに、垂下片の下端の
屋外耳部を受部にて受けているから、その支持部分によ
り軒樋全体の荷重は分散支持されて荷重が集中すること
がなく、そして吊り具本体側の弾性を備えた押さえ片に
て屋外側耳部の上部を押さえ、特殊な形状の軒樋を安定
して支持するとともに、その弾性を備えた押さえ片の弾
性変形にて軒樋の着脱操作を、容易にかつ迅速におこな
えるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の施工状態の断面図である。

【図２】同上の吊り具の斜視図である。

【図３】同上の他の実施例の部分側面図である。

【符号の説明】

１ 軒樋 ２ 屋外側壁 ５ 屋外側耳部 ８ 受部 ９ 吊り具本体 １０ 押さえ片 ２５ 屈曲凹部 ２６ 挿入部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 断面略Ｕ字状の軒樋で屋外側において立
   ち上げた屋外側壁から斜め内側上方に起立片を立ち上げ
   て設けるとともに、その起立片の上端から内方に垂下す
   る垂下片を設け、垂下片の下方部に屋外側耳部が形成さ
   れ、その起立片と垂下片とで下方に開口して形成されて
   いる屈曲凹部の内面に沿うように屈曲した挿入部を吊り
   具本体に形成し、その挿入部の内側下端部分に、軒樋の
   屋外側耳部を下から支える受部を略Ｌ形に屈曲して形成
   し、かつ屋外側耳部を上から弾性的に押圧する押さえ片
   を吊り具本体に設けて成ることを特徴とする軒樋吊り
   具。