JPH0741569A - 熱可塑性プラスチックフィルム、積層体及び前記フィルムの製造方法 - Google Patents

熱可塑性プラスチックフィルム、積層体及び前記フィルムの製造方法

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JPH0741569A
JPH0741569A JP9632794A JP9632794A JPH0741569A JP H0741569 A JPH0741569 A JP H0741569A JP 9632794 A JP9632794 A JP 9632794A JP 9632794 A JP9632794 A JP 9632794A JP H0741569 A JPH0741569 A JP H0741569A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アンチブロッキング性を有し、しかも風合い
等の良好な熱可塑性プラスチックフィルムと積層体及び
前記熱可塑性プラスチックフィルムが安定して得られる
製造方法を提供する。 【構成】 熱可塑性プラスチックフィルムは、平均粒径
が30μm以下の天然有機物微粉末を1〜40wt%含有し、
インフレーション、Tダイ又はカレンダー成形法で成形
されたものである。前記天然有機物微粉末は、皮革粉
末、シルク粉末及びセルロース粉末、ウール粉末、キチ
ン粉末より選ばれた1種以上である。また、前記天然有
機物微粉末は、その含有水分量が10wt%以下のものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、風合い、吸放湿性、透
湿性、結露抑制性、アンチブロッキング性等に優れた熱
可塑性プラスチックフィルム、積層体及び前記フィルム
の製造方法に関する。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】従来のポ
リエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系やその他
の熱可塑性プラスチックフィルムは、吸放湿性、結露抑
制性が低く、またべたつき等もあって風合いが悪かっ
た。しかも、熱可塑性プラスチックフィルムは、重ねた
際に互いに付着して容易には剥離できなくなるブロッキ
ング現象が生じやすい欠点があり、これを避けるため、
従来、アンチブロッキング剤としてワックス等を添加し
ていた。しかし、ワックス等が添加された熱可塑性プラ
スチックフィルムは、風合いが悪くなり、しかも透湿
性、吸放湿性、結露抑制性が低下するという問題点があ
る。
【0003】特開平3-195800号公報、特開平1-293142号
公報等に係る発明の場合、皮革粉末、絹粉末を配合し
て、これらの欠点を改良しようと試みている。しかし、
これらの天然有機物粉末は、水分含量が多いため、粉末
の分散が悪くなっている。また、水分によって天然有機
物粉末及びプラスチックの加水分解が起きやすいため、
フィルム成形時の安定性の問題(メヤニ、発泡等)が生
じて連続生産が不可能となる。また、得られたフィルム
の風合い、吸放湿性、透湿性、結露抑制性等も不良であ
って、その配合効果が充分に得られていなかった。そこ
で、本発明は、アンチブロッキング性を有し、しかも風
合い等の良好な熱可塑性プラスチックフィルムと積層体
及び前記熱可塑性プラスチックフィルムが安定して得ら
れる製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明に係る熱
可塑性プラスチックフィルムは、平均粒径が30μm以下
の天然有機物微粉末を1〜40wt%含有し、インフレーシ
ョン、Tダイ又はカレンダー成形法で成形されたもので
ある。前記天然有機物微粉末の平均粒径が30μmより大
きいと、フィルムの風合いが悪くなり(ざらつく感
じ)、また製造時にピンホールが生じやすい。
【0005】前記天然有機物微粉末の含量が、1wt%よ
り少ないと吸放湿性、透湿性、結露抑制性等の配合効果
が現れにくくなり、またポリウレタン等のブロッキング
の起こしやすいプラスチックではフィルム製造時にブロ
ッキングを起こして加工性が悪くなる。また、40wt%を
超えると微粉末同士が凝集してフィルムの外観や風合い
が悪くなり、また成形時の安定性が悪くなる。なお、好
ましい含量は、5〜15wt%である。前記熱可塑性プラス
チックの代表例としては、塩化ビニル樹脂、ポリスチレ
ン、アクリル系樹脂(例えばAS、ABS等)、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリカーボネート、ウレタン系、エステル系、オレ
フィン系等の熱可塑性エラストマー等がある。
【0006】前記天然有機物微粉末の具体例は、皮革粉
末、シルク(絹)粉末、セルロース粉末、ウール粉末、
キチン粉末であり、これらのうちの1種又は2種以上を
任意に選んで熱可塑性プラスチックに添加する。前記天
然有機物微粉末は、配合前に乾燥処理を施しておく必要
がある。具体的には、使用前、天然有機物微粉末に50〜
200℃で0.5〜30時間、好ましくは100〜150℃で2〜16時
間の乾燥処理を施し、水分量を10wt%以下にする。水分
量が10wt%を超えると、フィルム成形時又はコンパウン
ド成形時に発泡したり、短時間でメヤニが発生し、安定
性が悪くなる。また、水分を多量に含むことにより、樹
脂中への分散も悪くなり、得られたフィルムの風合いが
悪くなる。
【0007】更に、水分量が10wt%を超えると、天然有
機物微粉末、樹脂(ポリウレタン等)に加水分解が起き
て天然有機物粉末配合による効果が得られにくくなる。
なお、好ましい水分量は3wt%以下、より好ましくは1
wt%以下である。この熱可塑性プラスチックフィルム中
には、適当な添加剤、例えば熱安定剤等を添加してもよ
い。
【0008】このような熱安定剤としては、例えばフェ
ノール系抗酸化剤、アミン系抗酸化剤、イオウ系抗酸化
剤、リン系抗酸化剤等を用いることができるが、フェノ
ール系抗酸化剤が最も効果がある。熱安定剤は、フィル
ム中、5wt%以下、好ましくは0.5wt%以下となるよう
に添加する。この熱可塑性プラスチックフィルムの製造
方法は、平均粒径が30μm 以下の天然有機物微粉末を1
〜40wt%含有する熱可塑性プラスチックをインフレーシ
ョン、Tダイ又はカレンダー成形法でフィルムに成形す
ることを特徴とする。前記熱可塑性プラスチックの吸湿
性の大きいものは、使用前に含有水分が3wt%以下、好
ましくは1wt%以下となるように乾燥処理を施してお
く。なお、乾燥温度が高すぎると、ペレットのブロッキ
ングや黄変が生じたり、物性低下の原因となる。
【0009】また、本製造方法においては、未混練のま
ま、フィルムを成形してもよいが、フィルム成形前に前
記天然有機物微粉末を含有する熱可塑性プラスチックを
予め混練しておくのが良い。即ち、前記天然有機物微粉
末を含有する熱可塑性プラスチック(コンパウンド)
と、前記天然有機物微粉末を含有しない熱可塑性プラス
チックとを用意し、前記天然有機物微粉末が1〜40wt%
となるように両者を混合してフィルムに成形するのが好
ましい。このようなコンパウンドとすることにより、混
合物中の天然有機物微粉末の分散性を向上させることが
できるようになる。前記コンパウンド作製の際、単軸押
出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダ
(混練機)等を使用できる。
【0010】前記コンパウンドを作製する時に、天然有
機物微粉末を乾燥処理しても、天然有機物微粉末は吸湿
性が大きいため、作製後のコンパウンドには、水分が多
量に含まれている。そこで、このようなコンパウンドに
ついても、使用前に50〜200℃で10分〜24時間、好まし
くは80〜135℃で2〜16時間の予備乾燥を施すのがよ
い。乾燥温度及び乾燥時間が前記範囲より下の場合、乾
燥不足となって、発泡現象やメヤニが発生することがあ
り、また、乾燥温度及び乾燥時間が前記範囲より上の場
合、物性の低下、ペレットのブロッキング及び黄変が生
じやすい。この乾燥により、前記天然有機物微粉末を含
有する熱可塑性プラスチックの水分量を5wt%、好まし
くは2wt%以下、より好ましくは0.5wt%以下にするこ
とが可能となる。
【0011】前記予備乾燥を施したコンパウンドは、再
び吸湿しないようにして成形機に供給する。そのために
は、予備乾燥後、原料を直ちに成形機のホッパーに供給
するか、ホッパーと接続した乾燥機を使用するのがよ
い。予備乾燥後、成形機に供給するまでに吸湿の可能性
がある場合には、成形機のホッパーにドライヤーを取り
付けて50〜200℃、好ましくは80〜135℃程度で乾燥させ
るのがよい。乾燥機の種類は任意でよく、例えば熱風乾
燥機、真空乾燥機、除湿乾燥機等を使用できる。本発明
に係る熱可塑性プラスチックフィルムは、単独でも使用
可能であるが、別種のフィルム、シート等との積層体と
しても実用に供することができる。このような積層体を
構成する素材としては、プラスチック、不織布、織物、
編み物、発泡体、天然皮革、合成皮革等がある。また、
積層法としては、接着剤による貼り合わせ(ラミネー
ト)、金型を使用した型押し時の貼り合わせ(熱成形)
あるいは共押出し等を選ぶことができる。
【0012】
【実施例】実施例1 熱風乾燥機を使用し、熱可塑性ポリウレタンを105℃で
4時間、コラーゲン微粉末(平均粒径5μm)を120℃
で8時間それぞれ乾燥させた。次に、乾燥熱可塑性ポリ
ウレタンが69.4wt%、乾燥コラーゲン微粉末が30wt%、
熱安定剤であるフェノール系抗酸化剤が0.6wt%となる
ように各原料を混合した後、これらの原料を二軸押出機
で混練し、コンパウンドを作製した。
【0013】次に、前記コンパウンドに対して135℃で
6時間の予備乾燥を施した後、この乾燥コンパウンドが
30wt%、前記熱可塑性ポリウレタンが70wt%となるよう
に混合した。引き続き、これらの原料をホッパー付属の
ドライヤーにより135℃の温度で乾燥させながらインフ
レーション装置に供給し、本実施例に係る熱可塑性ポリ
ウレタンフィルム(厚さ30μm)を製造した。この熱可
塑性ポリウレタンフィルムのコラーゲン微粉末含有量
は、9wt%であった。
【0014】この製造工程において、コンパウンド作製
前の天然有機物微粉末の水分量を、120℃、4時間で乾
燥処理を行ってその重量変化を測定することにより求め
た。また、フィルム成形中の発泡の有無、メヤニ発生ま
での時間及びアンチブロッキング性を調べた。それらの
結果を表1に示す。また、前記コンパウンドの水分量を
測定した。その結果を表3に示す。前記アンチブロッキ
ング性は、インフレーション成形した円筒状フィルムを
開口する際の剥がし易さで評価したものである。その評
価基準は、○…アンチブロッキング性が良好、△…普
通、×…アンチブロッキング性が不良、とした。
【0015】次に、このコラーゲン微粉末含有の熱可塑
性ポリウレタンフィルムに対して、風合いの評価を行
い、また透湿度、吸放湿量及び結露量の測定を行った。
それらの結果を表2に示す。前記風合いの評価は、無作
為に選んだ10人にタッチ感、柔らかさ等の手触りを評価
してもらうことにより行った。その評価基準は、◎…非
常に良い、○…良い、△…普通、×…悪い、である。前
記透湿度は、JIS L-1099 A-1法に準じて測定した。
【0016】前記吸放湿量の測定は、次の要領で行っ
た。フィルム膜厚を測定し、均一な厚さのフィルムを
選定する。フィルムを1辺12cmの正方形にカットす
る。このフィルムを同じ大きさのアルミ板に載せ、測
定面が1辺10cmの正方形となるように周囲にビニルテー
プを貼る。温度23℃、相対湿度(RH)30%の恒温恒湿槽
にサンプルを入れて12時間放置する。この恒温恒湿槽
から前記サンプルを取り出して重量を測定し、記録す
る。2台目の恒温恒湿槽(温度30℃、RH80%)に速や
かにサンプルを入れる。1時間おきに4時間目まで重
量測定を行って、その値を記録する。そして、前記で
の測定値との重量差が吸湿量となる。1台目の恒温恒
湿槽に再びサンプルを入れ、1時間おきに4時間目まで
重量測定を行って、その値を記録する。そして、前記
での4時間目の測定値との重量差が放湿量となる。
【0017】前記結露量の測定は、次の要領で行った。
先ず、試験室の雰囲気を23℃、RH50%に保ち、熱板上に
水を含ませたろ紙を置いて水蒸気を発生させ、その上方
に10×10cmのサンプルを置いて結露させる。この際、ろ
紙とサンプルの間で水蒸気が逃げないように密閉系にし
ておく。10分経過後、サンプルを取り出し、吸取り紙に
結露分を吸い取らせ、その重量変化により結露量を測定
する。なお、表2の総合評価は、成形安定性、風合い、
吸放湿性等を総合的に判断したものであり、◎…非常に
良い、○…良い、△…普通、×…不良、である。
【0018】実施例2〜4 実施例1において、フィルム中のコラーゲン微粉末の含
量のみを変え、その他は同様にして実施例2〜4に係る
コラーゲン微粉末含有の熱可塑性ポリウレタンフィルム
を製造した。即ち、フィルム中のコラーゲン微粉末の含
量を実施例2では、3wt%とし、実施例3では、6wt%
とし、実施例4では、35wt%とした。実施例5 実施例1において、コラーゲン微粉末の乾燥時間を3時
間にしたこと以外は、同様にして実施例5に係るフィル
ムを製造した。
【0019】実施例6 実施例1において、コラーゲン微粉末の代わりに平均粒
径5μmの絹(シルク)粉末を用いたこと以外は同様に
して実施例6に係るフィルムを製造した。実施例7 実施例1において、コラーゲン微粉末の代わりに平均粒
径8.2μmの木粉(セルロース粉末)を用いたこと以外
は同様にして実施例7に係るフィルムを製造した。
【0020】実施例8 実施例1において、コラーゲン微粉末の代わりにウール
粉末を用いたこと以外は同様にして実施例8に係るフィ
ルムを製造した。実施例9 実施例1において、コラーゲン微粉末の代わりにキチン
粉末を用いたこと以外は同様にして実施例9に係るフィ
ルムを製造した。
【0021】実施例10 熱風乾燥機を使用して平均粒径5μmのコラーゲン微粉
末を120℃、8時間乾燥させた。次に、直鎖状低密度ポ
リエチレンが60wt%、前記コラーゲン微粉末が40wt%に
なるように混合して、バンバリーミキサーでコンパウン
ドを作製した。次に、前記コンパウンドに対して110
℃、8時間の予備乾燥を施した後、このコンパウンドが
30wt%、直鎖状低密度ポリエチレンが70wt%となるよう
に両者を混合しT−ダイ成形法で本実施例に係るポリエ
チレンフィルム(厚さ30μm)を製造した。このポリエ
チレンフィルムのコラーゲン微粉末含有量は12wt%であ
った。
【0022】実施例11 実施例10において、直鎖状低密度ポリエチレンの代わり
にポリプロピレンを用いたこと以外は、同様にして実施
例11に係るフィルムを製造した。そして、上記実施例2
〜11のフィルムについても、実施例1と同様に、コンパ
ウンド作製前の天然有機物微粉末の水分量、フィルム成
形中の発泡の有無等を調べ、更に得られたフィルムにつ
いて風合いを評価し、吸放湿性等を測定した。それらの
結果を表1,2に示す。
【0023】比較例1 実施例1において、コラーゲン微粉末の乾燥を行わなか
ったこと以外は、同様にして本比較例に係るフィルムを
製造した。比較例2〜5 比較例2では、実施例1において、前記熱可塑性ポリウ
レタンに対する予備乾燥を105℃、4時間で行い、また
コラーゲン微粉末のかわりにアンチブロッキング剤とし
てワックスを3wt%となるように添加して熱可塑性ポリ
ウレタンフィルムを製造した。
【0024】比較例3では、比較例2において、前記ワ
ックスを添加しないで熱可塑性ポリウレタンフィルムを
製造した。比較例4では、実施例1において、前記コン
パウンドに対する予備乾燥及びホッパー付属のドライヤ
ーによる乾燥を行わないで熱可塑性ポリウレタンフィル
ムを製造した。そして、この工程におけるコンパウンド
の水分量を測定した。その結果を表3に示す。比較例5
では、実施例1おいて、熱安定剤である前記フェノール
系抗酸化剤を添加しないで熱可塑性ポリウレタンフィル
ムを製造した。
【0025】そして、比較例1〜5についても、実施例
1と同様に、コンパウンド作製前の天然有機物微粉末の
水分量、フィルム成形中の発泡の有無等を調べ、更に得
られたフィルムについて風合いを評価し、透湿度等を測
定した。それらの結果を表1,2に示す。ただし、比較
例3についてはブロッキングが起こってフィルムが得ら
れなかったため、風合いの評価、透湿度等の測定はでき
なかった。なお、コラーゲン微粉末含量が45wt%のフィ
ルムを製造しようとしたが、フィルム成形安定性が悪
く、安定したフィルムが得られなかった。また、平均粒
径が30μmを超えるコラーゲン微粉末を含有するフィル
ムを製造しようとしたが、フィルムにピンホール等が生
じたり、成形性が悪かったりして、安定したフィルムが
得られなかった。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】表1,2より、本実施例によれば、平均粒
径が30μm以下であって、かつ水分量が10wt%以下の天
然有機物微粉末を1〜40wt%含有して構成された熱可塑
性プラスチックフィルムであるため、風合いに優れ、透
湿性、吸放湿性及び結露抑制性についても良好であるこ
とがわかる。また、フィルム成形時において、発泡がな
く、メヤニ発生までの時間が長く、しかもアンチブロッ
キング性が良好であることがわかる。
【0030】一方、比較例1によれば、天然有機物微粉
末の水分量が10wt%を超えるため、分散性が悪く、また
フィルム成形時において、発泡が生じたりして天然有機
物微粉末の配合効果が小さいことがわかる。比較例2に
よれば、アンチブロッキング剤がワックスであるため、
透湿性、吸放湿性及び結露抑制性が実施例ほど良好でな
いことがわかる。
【0031】また、比較例3によれば、天然有機物微粉
末もアンチブロッキング剤も添加されていないため、ア
ンチブロッキング性に問題があることがわかる。比較例
4によれば、コンパウンドの乾燥を行わなわなかったた
め、実施例1と比べてコンパウンドの水分量が多く(表
3参照)、フィルム成形中に発泡し、また、メヤニ発生
までの時間が短くなったことがわかる。比較例5によれ
ば、熱安定剤であるフェノール系抗酸化剤を添加しなか
ったため、メヤニ発生までの時間が短くなった。
【0032】実施例12 熱風乾燥機を使用してコラーゲン微粉末(平均粒径5μ
m)を120℃、8時間乾燥させた。次に、直鎖状低密度
ポリエチレンが80wt%、前記コラーゲン微粉末が20wt%
となるように混合して、バンバリーミキサーでコンパウ
ンドを作製し、引き続きカレンダー成形法で本実施例に
係るポリエチレンフィルム(厚さ30μm)を製造した。
このポリエチレンフィルムのコラーゲン微粉末含有量は
20wt%であった。
【0033】そして、実施例1と同様に、コンパウンド
作製前の天然有機物微粉末の水分量測定し、更にフィル
ム中の微粉末の分散状態及びフィルムの風合いを評価し
た。それらの結果を表4に示す。表4の微粉末の分散状
態の欄で、◎…分散状態が非常に良好、×…分散状態が
不良、を意味する。比較例6 実施例12において、コラーゲン微粉末の乾燥を行わなか
ったこと以外は、同様にして本比較例に係るフィルムを
製造した。そして、実施例12と同様に、特性の測定及び
評価を行った。それらの結果を表4に示す。
【0034】
【表4】
【0035】表4より、実施例12のポリエチレンフィル
ムによれば、成形方法がカレンダー成形法の場合である
が、乾燥した水分量の少ないコラーゲン微粉末を使用し
ているため、特性が良好であることがわかる。一方、比
較例6のポリエチレンフィルムによれば、乾燥していな
い水分量の多いコラーゲン微粉末を使用しているため、
特性が不良である。
【0036】実施例13 ナイロン50%とポリエステル50%の混紡繊維の織布より
なる基材に、ドライラミネート用ウレタン系接着剤を用
いて実施例1により得られたフィルムを接着し、熱可塑
性プラスチックが一層として形成された積層体を製造し
た。比較例7 比較例1で作製したポリウレタンフィルムを用い、実施
例13の方法に従って積層体を製造した。実施例13と比較
例7の積層体について、実施例1と同様に風合いの評価
を行い、また吸放湿量の測定を行った。それらの結果を
表5に示す。
【0037】
【表5】
【0038】表5より、実施例13の積層体は、実施例1
により得られたフィルムを一層として有するものである
ため、風合い及び吸放湿性が良好であることがわかる。
一方、比較例7の積層体は、比較例1により得られたフ
ィルムを一層として有するものであるため、風合い及び
吸放湿性が不良である。
【0039】
【発明の効果】本発明に係る熱可塑性プラスチックフィ
ルムによれば、風合いに優れ、透湿性、吸放湿性及び結
露抑制性についても良好である。また、本発明に係る熱
可塑性プラスチックが複数層の一層として形成された積
層体についても同様の特性が得られる。本発明に係る熱
可塑性プラスチックフィルムの製造方法によれば、フィ
ルム成形時において、発泡がなく、メヤニ発生までの時
間が長く、しかもアンチブロッキング性も良好である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が30μm以下の天然有機物微粉
    末を1〜40wt%含有し、インフレーション、Tダイ又は
    カレンダー成形法で成形された熱可塑性プラスチックフ
    ィルム。
  2. 【請求項2】 前記天然有機物微粉末が、皮革粉末、シ
    ルク粉末及びセルロース粉末、ウール粉末、キチン粉末
    より選ばれた1種以上である請求項1記載の熱可塑性プ
    ラスチックフィルム。
  3. 【請求項3】 前記天然有機物微粉末が含有水分量10wt
    %以下であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性
    プラスチックフィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のフィル
    ムが複数層の一層として形成された積層体。
  5. 【請求項5】 平均粒径が30μm以下の天然有機物微粉
    末を1〜40wt%含有する熱可塑性プラスチックをインフ
    レーション、Tダイ又はカレンダー成形法でフィルムに
    成形することを特徴とする熱可塑性プラスチックフィル
    ムの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記天然有機物微粉末を含有させた熱可
    塑性プラスチックと、前記天然有機物微粉末を含有しな
    い熱可塑性プラスチックとを前記天然有機物微粉末が1
    〜40wt%となるように混合してフィルムに成形すること
    を特徴とする請求項5記載の熱可塑性プラスチックフィ
    ルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記天然有機物微粉末を含有させた熱可
    塑性プラスチックの水分量を5wt%以下にして、フィル
    ムに成形することを特徴とする請求項6記載の熱可塑性
    プラスチックフィルムの製造方法。
JP6096327A 1993-05-24 1994-05-10 熱可塑性プラスチックフィルム、積層体及び前記フィルムの製造方法 Expired - Fee Related JP3014585B2 (ja)

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