JP2003213055A - 木質板エッジ用化粧シート - Google Patents
木質板エッジ用化粧シートInfo
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Abstract
性、シート加工性、スリット加工性、貼り加工性、接着
力及びブロツキング性が良好な木質板エッジ用化粧シー
トを提供する。 【解決手段】 ポリプロピレン樹脂とタルクとを含有す
る基材シートを作製する。ポリプロピレン樹脂として
は、JIS K6758による23℃に於ける曲げ弾性
が1300MPa以上、JIS K6758による23
0℃に於けるメルトフローレートが0.5〜10g/1
0分のものを使用する。この基材シートの少なくとも一
方の面に2層のプライマー層を形成する。基材シート上
に形成した第1プライマー層は架橋型の樹脂を含有し、
第1プライマー層上に形成した第2プライマー層は非架
橋型の樹脂からなる。
Description
化粧シートに関し、更に詳しくは、建築材料、家具、電
気製品などに用いられる、MDF(中質繊維板)、パー
チクルポード、積層板等の化粧木質板を製造するに際
し、木口に貼り付けて使用される木質板エッジ用化粧シ
ートに関するものである。
木質板エッジ用化粧シートは、ポリ塩化ピニル樹脂(P
VC)を使用して製造されていた。しかしながら、ポリ
塩化ピニル樹脂は塩素を含むため、廃棄処分するために
焼却すると、有害な塩酸ガスやダイオキシンを発生する
という問題点があった。このような問題点を回避するた
めに、塩素を含まず、しかも、ポリ塩化ピニル樹脂と同
等の性能と価格とを有する木質板エッジ用化粧シートの
開発が望まれていた。
して、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合
体(ABS)、エチレングリコール及びシクロヘキサン
ジオールとテレフタル酸との共重合体(PETG)樹脂
等が従来より使用されている。しかし、これらの樹脂は
ポリ塩化ピニル樹脂に比較して高価であり、また、AB
S樹脂は焼却により猛毒のシアン化水素ガスを発生する
という問題点あった。また、塩素を含まず、かつ、ポリ
塩化ピニル樹脂と同等の価格の樹脂としてオレフィン樹
脂があるが、オレフィン樹脂シートはカッティング性
(以下、「スリット加工性」ともいう。)が悪く、切断
面が平滑にならないという問題点があった。また、シー
ト加工性、スリット加工性、貼り加工性、接着力、ブロ
ツキング性等の点でも問題があった。
な物質を発生せず、しかも、切断加工性、シート加工
性、スリット加工性、貼り加工性、接着力及びブロツキ
ング性が良好な木質板エッジ用化粧シートを提供するこ
とである。
化粧シートは、木質板の木口に貼り合わせて使用される
ポリオレフィン系樹脂を含有する合板用化粧シートであ
って、前記ポリオレフィン系樹脂としてのポリプロピレ
ン樹脂と、タルクとを含有し、前記ポリプロピレン樹脂
のJIS K6758による23℃に於ける曲げ弾性が
1300MPa以上であり、JIS K6758による
230℃に於けるメルトフローレートが0.5〜10g
/10分であることを特徴とする。
により、温度変化による収縮が大きくなり、木質板から
剥離し難くなると共に、スリット加工時にフィルムが変
形し難くなる。しかも、木質板の切断面を平坦にするこ
とが可能となる。また、タルクを含有することにより、
カッティング性がさらに向上し、スリット加工時の切断
面を平坦にすることができる。
は、上述の木質板エッジ用化粧シートを基材シートと
し、この基材シートの少なくとも一方の面に2層のプラ
イマー層を形成し、前記基材シート上に形成された第1
プライマー層は架橋型の樹脂を含有し、該第1プライマ
ー層上に形成された第2プライマー層は非架橋型の樹脂
からなることを特徴とする。
2層のプライマー層を形成した構成とすることにより、
温度変化が生じても容易に剥離しない木質板エッジ用化
粧シートが得られる。
て説明する。本発明の木質板エッジ用化粧シートに使用
し得るポリオレフィン樹脂は、温度変化による寸法変化
が大きく、曲げ弾性の高いポリプロピレン樹脂である。
具体的には、JIS K6758による23℃に於ける
曲げ弾性が1300MPa以上であるポリプロピレン樹
脂が好適に使用される。ポリプロピレン樹脂の曲げ弾性
が1300MPaより低いと、樹脂の結晶性が低くなる
ため温度変化による収縮が小さくなり、木質板から剥離
し易くなるので好ましくない。また、ポリプロピレン樹
脂が柔らかいために、スリット加工時にフィルムが変形
し易く、木質板の切断面が凹凸になるので好ましくな
い。
は、ポリプロピレン単独重合体又はエチレンを2重量%
以下で含有した共重合体であってもよい。エチレンの含
有量が2重量%より多いと、曲げ弾性が1300MPa
以下になってしまうので好ましくない。
として、JIS K6758による230℃に於けるメ
ルトフローレート(MFR)が0.5〜10g/10分
のものが用いられる。メルトフローレートが0.5g/
10分より低いと粘度が高くなって表面平滑性が悪くな
り、シート加工が困難となるので好ましくない。また、
メルトフローレートが10g/10分より高いと粘度が
低くなり、シートの幅縮みが大きくなり、シート加工が
困難となるので好ましくない。
では、タルクを添加することにより、カッティング性が
さらに向上し、スリット加工時の切断面が平滑になる。
また、タルクの添加量は、上記ポリオレフィン樹脂10
0重量部に対して3〜25重量部であることが好まし
い。タルクの添加により、以下のような効果が発揮され
る。即ち、スリット加工時においては途中で加工速度を
変化させることがあるが、カッティング性が悪いとスリ
ット加工の速度が変化した際にシートにかかる張力が変
化し、シートが弛んで切断面がキザキザになり易い、し
かし、タルクを添加することにより、このようなな問題
点は全く改善される。タルクの添加量が3重量部より少
ないとカッティング性が低下し、25重量部より多いと
シートの機械物性が脆くなり、木質板に貼り合せた後の
定寸カット又は幅トリミングに於いて欠け易くなるので
好ましくない。また、タルクの平均粒子径は、1〜15
μmであることが好ましい。平均粒子径が1μmより小
さいと粉砕により調製するのが難しくなり、また、上記
範囲を外れるものは入手が困難である。
ッジ用化粧シートを基材シートとし、その基材シートの
少なくとも一方の面に2層のプライマー層が形成され
る。通常、木質板エッジ用化粧シートは、汎用のエチレ
ン酢酸共重合体樹脂又はウレタン系樹脂等のホットメル
ト接着剤を用いて木口に貼り合せられるが、この接着剤
に接着するように、化粧シートの少なくとも一方の面に
コロナ放電処理等が行われ、塗れ指数を38dyn/c
m以上にした後、第1プライマー層が塗工され、更にそ
の上に第2プライマー層が塗工される。
上に加熟溶融して塗工されるが、接着剤の温度で上層の
プライマ−が溶融して接着剤と混合することにより強固
な接着力を発揮する。そのため、第2プライマーとして
は、上記のホットメルト接着剤と相溶性の良いエチレン
酢酸ビニル(EVA)系共重合体樹脂とウレタン樹脂と
をブレンドしたものが好適に用いられる。架橋剤を添加
すると、ウレタン樹脂が架橋することにより融点が高く
なりホットメルト接着剤の温度で溶融しなくなるのでホ
ットメルト接着剤との接着力が劣ってしまう。そのた
め、本発明では架橋剤は使用されない。
0重量部中の酢酸ビニルの含有量が30〜70重量部で
あるものが好ましく、また、JIS K6730による
190℃に於けるメルトフローレートが40〜500g
/10分であるものが好ましい。酢酸ビニル含量が30
重量部より低いと接着力が不足し、70重量部より多い
とベタツキが多くシートに塗工し巻き取った後にフロッ
キングが発生し易くなるので好ましくない。また、メル
トフローレートが40g/10分より低いと溶剤への溶
解性が悪くなり、塗工するのに不便となり、メルトフロ
ーレートが500g/10分より高いとベタツキが多く
なり、シートに塗工し巻き取った後にブロッキングが発
生し易くなるので好ましくない。
ジイソシアネート及び硬化剤としてのp−フェニレンジ
アミン系化合物により構成されるものが好適に用いられ
る。ポリオールの例としては、ブチレンアジペート、エ
チレンアジペート、エチレン・ブチレンアジペート等が
挙げられるが、特にブチレンアジペート(PBA)が好
適に用いられる。ジイソシアネートの例としては、トリ
レンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンジイソ
シアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロ
ンジイソシアネート等が用いられるが、特にMDI及び
HDIが好適に用いられる。硬化剤の例としては、エチ
レンジアミン、4,4’−メチレンビス−(2−クロル
アニリン)(MOCA)、トリメチレンジ−p−アミノ
ベンゾエート等が用いられるが、特にMOCAが好適に
用いられる。
万〜25万のものが好適に用いられる。ポリウレタン樹
脂の重量平均分子量が10万より小さいと、ベタツキが
多くなり、シートに塗工し巻き取った後ブロッキングが
発生し易くなるので好ましくない。また、ポリウレタン
樹脂の重量平均分子量が25万より大きいと、融点が高
くなり、ホットメルト接着剤で接着するときに溶融せ
ず、接着性が低下するので好ましくない。
共重合体樹脂が30〜70重量部、上記ポリウレタン樹
脂が70〜30重量部で混合されたものが使用される。
エチレン酢酸共重合体樹脂の含有量が30重量部より低
くウレタン樹脂の含有量が70重量部より高いと、ホッ
トメルト接着剤への接着性が低下するので好ましくな
い。また、エチレン酢酸共重合体樹脂の含有量が70重
量部より高くウレタン樹脂の含有量が30重量部より低
いと、ウレタン系ホットメルト接着剤への接着性が低下
するばかりか、第1プライマー層ヘの接着性が低下する
ので好ましくない。
工して巻き取った後にブロッキングが生ずるのを防止す
るために、第2プライマー層を構成する樹脂100重量
部に対してシリカ(珪酸塩)を8〜20重量部で添加す
ることが好ましい。シリカの添加量が8重量部より低い
と、塗工層のベタツキが多くなり、ブロッキングを防止
する効果が発揮されなくなる。また、20重量部より多
いと、シリカの分散が悪くなり、凝集塊が多数存在して
異物となり、外観が悪くなるばかりか、接着力が低下す
るので好ましくない。
均1次粒子径は、10〜10000nmであることが好
ましい。現在販売されているシリカの平均1次粒子径
は、いずれもこの範囲内に入る。平均1次粒子径が10
nmより小さいと、凝集しやすく分散が困難となり、1
0000nmより大きいと、第2プライマー層の厚さに
対して粒子が大き過ぎ、第2のプライマー層の表面から
シリカ粒子の頭が高く出過ぎることとなり、接着剤との
接触面積が小さくなり、接着性が低下するので好ましく
ない。
とは、適切な溶剤に混合されて塗工される。溶剤は、第
2プライマー層を構成する樹脂が溶融し、かつ、シリカ
が分散し易く、塗工後シートの耐熱性の範囲内で乾燥す
るものなら何でも使用することができる。このような溶
剤の例として、トルエン、キシレン、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル等
を単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
で、木質板エッジ用化粧シートには強固な接着力が要求
される。しかし、シート状のポリプロピレンは接着性に
乏しいため、表面をコロナ放電処理して水酸基、アルデ
ヒド基、カルボキシル基などを導入して接着力を付与し
ている。しかし、これらの基は表面に点在しているだけ
であるので、エチレン酢酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂
等が有する極性基だけでは接着力が不足してしまうこと
となる。そのため、イソシアネート、エポキシ等の架橋
剤を用いコロナ放電処理されたポリプロピレンのシート
表面の官能基とプライマー樹脂の官能基とを化学結合さ
せて接着力を高める必要がある。ところが、第2プライ
マーに架橋剤を添加すると、前述のように融点が高くな
ってしまう。そこで、本発明に於いては、ポリプロピレ
ンシートと第2プライマー層と間に、ポリプロピレンシ
ートと強固に接着すると共に、第2のプライマーとも接
着性が良好な第1のプライマー層が設けられる。
ルとジイソシアネートから調製されるポリウレタン樹脂
を主成分としている。使用し得るポリエステルオールと
しては、ブチレンアジペート、エチレンアジペート、エ
チレン・ブチレンアジペート等が挙げられるが、特にブ
チレンアジペートが好適に使用される。使用し得るジイ
ソシアネートとしては、トリレンジイリシアネート、
4、4’−ジフェニレンジイソシアネート(MDI)、
キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート(HDI)イソホロンジイソシアネート(IP
DI)等が用いられるが、特にMDI、HDIが好適に
用いられる。ポリウレタン樹脂の好ましい重量平均分子
量は5万〜25万である。重量平均分子量が5万より小
さいと、ベタツキが多くなり、シートに塗工し巻き取っ
た後にブロッキングが生じやすくなるので好ましくな
い。また、重量平均分子量が25万より大きいと、溶解
性が悪くなり塗工に不便となるので好ましくない。
巻き取った後にブロッキングが生ずるのを防止するため
に、第1プライマー層を構成する樹脂100重量部に対
してシリカ(珪酸塩)を8〜20重量部で添加すること
が好ましい。シリカの添加量が8重量部より低いと、塗
工層のベタツキが多くなり、ブロッキングを防止する効
果が発揮されなくなる。また、20重量部より多いと、
シリカの分散が悪くなり、凝集塊が多数存在して異物と
なり、外観が悪くなるばかりか、接着力が低下するので
好ましくない。
均1次粒子径は、10〜10000nmであることが好
ましい。前述のように、現在販売されているシリカの平
均1次粒子径は、いずれもこの範囲内に入る。平均1次
粒子径が10nmより小さいと、凝集しやすく分散が困
難となり、10000nmより大きいと、第1プライマ
ー層の厚さに対して粒子が大き過ぎ、第1のプライマー
層の表面からシリカ粒子の頭が高く出過ぎることとな
り、第2プライマー層との接触面積が小さくなり、接着
性が低下するので好ましくない。
は、適切な溶剤に混合されて塗工される。溶剤は、第1
プライマー層を構成する樹脂が溶融し、かつ、シリカが
分散し易く、塗工後シートの耐熱性の範囲内で乾燥する
ものなら何でも使用することができる。このような溶剤
の例として、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル等を
単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
脂の架橋剤としては、トリイソシアネート系のものを使
用することができる。具体的には、トリフェニルメタン
ジイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)
チオフオスフェート、トリメチルプロパノールとヘキサ
メチレンジイソシアネートのウレタンアダクト体、トリ
メチルプロパノールとトリレンジイリシアネートのウレ
タンアダクト体、トリメチルプロパノールとイリホロン
ジイソシアネートのウレタンアダクト体、ヘキサメチレ
ン−1−アミノ−6−イソシアネートとヘキサメチレン
ジイソシアネートとのビュレット変性体、ヘキサメチレ
ン−1−アミノ−6−イソシアネートとヘキサメチレン
ジイソシアネー卜とのビュレット変性体等が用いられ
る。好適には、ウレタンアダクト体やビュレット変性体
が用いられる。
脂100重量部に対して5〜20重量部で添加される。
架橋剤の添加量が5重量部より少ないと、接着力が不足
し、20重量部より多いと硬化後に第1プライマー層が
硬くなり、割れ易く接着力が低くなってしまうので好ま
しくない。架橋剤も、適切な溶剤で希釈してポリウレタ
ン樹脂溶液と混合して使用することができ、溶剤として
は、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルエチルイソブチルケトン、酢酸エチル等を単
独で又は2種類以上混合して用いることができる。ウレ
タン樹脂溶液と架橋剤とは、予め混合して用いられる。
2プライマー層を構成する樹脂には、滑剤として、C
a、Zn、Mg、Ba等の金属とステアリン酸、ラウリ
ン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸との塩、ステアロアミ
ド、パルミトアミドなどの高級脂肪酸アマイド、平均分
子量1,000〜2,000の低分子量のポリエチレ
ン、メチレンビスステアロアミド等のビスステアロアミ
ド、ブチルステアレート等の脂肪酸エステル、ステアリ
ルステアレートミリシルセロチネチート等のエステルワ
ックスグリセルモノステアレート等の多価アルコールの
部分エステル等を添加してもよい。これらの滑剤は、樹
脂100重量部に対して0.01〜5重量部で添加する
ことが好ましい。
2プライマー層を構成する樹脂には、酸化防止剤とし
て、2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、テト
ラキス−(メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)−メタ
ン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート等のヒン
ダードフェノール系化合物、トリスノニルフォスファイ
ト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォス
ファイト等の亜リン酸エステル等を添加してもよい。酸
化防止剤の添加量は、樹脂100重量部に対して0.0
1〜5重量部である。
2プライマー層を構成する樹脂には、光安定剤として、
ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合
物、シアノアクリレート系化合物、フェニルサリシレー
ト系化合物、ヒンダードアミン系化合物等を添加しても
よい。これらの光安定剤の添加量は、樹脂100重量部
に対して0.01〜5重量部である。
るシート並びに第1及び第2プライマー層を構成する樹
脂には、顔料として、酸化チタン、カーボンブラック、
酸化鉄、アゾ系化合物、フタロシアニン系化合物、酸化
チタン・酸化アンチモン・酸化ニツケル固溶体等の市販
のものを添加してもよい。顔料の添加量は、樹脂100
重量部に対して0〜50重量部である。
シートの作製は、通常使用されているいずれの方法によ
って行うことができ、例えば、押し出し成型法、カレン
ダー成型法等が使用される。このシートに使用される各
成分はシート化の前に良く混合され、150〜250℃
で溶融・混練され、所定の厚さと幅に成型される。成型
後、少なくとも片面にコロナ放電処理、プラズマ放電処
理等の接着性向上のための表面処理を行ってもよい。
塗工は、スプレー、キスコーター、メイヤーバーコータ
ー、グラビアコーター、ロールコーター、リバースコー
ター、バーコーター等の通常使用される方法により行う
ことができる。塗工に際しては、まず、第1プライマー
層となる各成分の5〜20%溶液が、乾燥後に0.5〜
2μmの厚さとなるように塗工され、23℃〜150℃
の温風等で乾燥される。その上から、第2フライマー層
となる各成分の5〜20%溶液が、乾燥後に0.3〜6
μmの厚さとなるように塗工され、23℃〜150℃の
温風等で乾燥される。第1プライマー層及び第2プライ
マー層の厚さが、それぞれ0.3μmより薄いと、接着
力が十分ではなくなり、それぞれ上記厚さより厚いと、
巻取り後にブロッキングが生じ、シート展開時にプライ
マー層が剥ぎ取られてしまうので好ましくない。
は、0.3から0.6mmであることが好ましい。ここ
で、総厚とは、第1プライマー層及び第2プライマー層
を有する木質板エッジ用化粧シートの場合は、基材シー
トの層厚並びに第1及び第2プライマー層の層厚の合計
をいい、第1プライマー層及び第2プライマー層を有し
ていない木質板エッジ用化粧シートの場合は、基材シー
トの層厚を言う。総厚が0.3mmより薄いと、シート
が柔らかくなり過ぎ、スリット加工が困難となる。ま
た、0.6mmより厚いと、シートが硬くなり、木口の
曲面への貼り合せが困難となるばかりか、化粧シートと
してのコストが高くなり、経済的でないので好ましくな
い。
し、表2に示す配合により、木質板エッジ用化粧シート
(基材シート)を作製した。更に、その基材シートの一
方の面に第1及び第2プライマー層を形成することによ
り、実施例及び比較例の木質板エッジ用化粧シートを作
製した。
ト)の作製〕表1及び表2に示すポリプロピレン樹脂及
びタルクに、ポリプロピレン樹脂100重量部に対し、
酸化防止剤としてイルガノックス1010を0.1重量
部、顔料として酸化チタン5重量部を添加し、タンブラ
ーで均一に混合した。この混合物を二軸押し出し機を用
いてダイス温度150〜250℃の丸ダイスから押し出
してカットすることにより、ペレットを作製した。次
に、このペレットを一軸押し出し機を用い、ダイス温度
150〜250℃のTダイスにより押し出して、表2示
す厚さのシートを60cm幅で成型した。次に、得られ
たシートの裏面にコロナ放電処理を行い、塗れ指数を4
6dyn/cmとした。
ートとヘキサメチレンジイソシアネートから調製された
重量平均分子量約20万のポリウレタンを、メチルエチ
ルケトン(MEK)とトルエンの1対1の混合溶剤で濃
度1O重量%で希釈した。この溶液にアエロジル130
(日本アエロジル株式会社製、平均1次粒子径16n
m)をポリウレタン100重量部に対して10重量部で
混合し、分散させた。この分散物に、架橋剤としてヘキ
サメチレン−1−アミノ−6−イソシアネートとヘキサ
メチレンジイソシアネートとのビュレット変性体をポリ
ウレタン100重量部に対して10重量部で添加して混
合することにより、第1プライマーを調製した。
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、及び4,4’
−メチレンビス−(2−クロルアニリン)から調製され
る重量平均分子量17万のポリウレタン樹脂と、酢酸ビ
ニル含有量50%でJIS K6730によるメルトフ
ローレートが200g/10分のエチレン酢酸ビニル共
重合体樹脂とを1対1に混合し、この混合物をMEKと
トルエンの1対1の混合溶媒に、濃度10重量%で溶解
させた。この溶液にアエロジル130(日本アエロジル
株式会社製、平均1次粒子径16nm)をポリウレタン
樹脂及びエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂の100重量
部に対して10重量部で混合し分散させることにより、
第2プライマーを調製した。
で作製した基材シートのコロナ放電処理を施した面に、
上記の第1フライマーを、乾燥後に表2に示す厚さにな
るようにグラビアコーターで塗工し、60〜120℃の
温風で15秒間乾燥することにより、第1フライマー層
を形成した。次に、第1フライマー層の上に、第2プラ
イマーを、乾燥後に表2に示す厚さになるようにグラビ
アコーターで塗工し、60〜120℃の温度で30秒乾
燥することにより、第2プライマー層を形成した。この
シートをスリット機で幅32mmに切断することによ
り、木質板エッジ用化粧シートを得た。
施例及び比較例について、シート加工性、スリット加工
性、貼り加工性、切断加工性、接着力及びブロツキング
性について評価した。その結果を表2に併せて示した。
各評価基準は、以下のとおりである。
低粘度に起因する幅縮みや、高粘度に起因する表面平滑
性を、以下の基準により評価した。
後の切断面の平滑性を、以下の基準により評価した。
り合せ加工を行い、以下の基準により評価した。
ーナーで浮き無し ×:半径30mmのコーナーで浮き有り。
に貼り合せた後、シート長さがパーチクルボードより余
った部分を式カッターで切断し、切断面に欠けが無いか
を評価した。
レン酢酸ビニル樹脂のホットメルト接着剤を200g/
cm2で塗工し、それと同時にシートプライマー面を貼
り合せた後、室温で180゜剥離試験を行い、剥離力を
評価した。
0℃で24時間加温し、その後、巻き取ったシートを展
開した時のシートの性状を、以下の基準により評価し
た。
の木質板エッジ用化粧シートは、比較例のシートに比較
して優れたシート加工性、スリット加工性、貼り加工
性、切断加工性、接着力及びブロツキング性を示した。
ッジ用化粧シートは、ポリプロピレン樹脂を使用してい
るにもかかわらず、優れたシート加工性、スリット加工
性、貼り加工性、切断加工性、接着力及びブロツキング
性を発揮することができる。しかも、焼却処分しても、
塩化水素ガス、ダイオキシン等の有害物質を発生せず、
環境汚染のない木質板エッジ用化粧シートを安価に提供
することが可能となる。
Claims (12)
- 【請求項1】 木質板の木口に貼り合わせて使用される
ポリオレフィン系樹脂を含有する合板用化粧シートであ
って、 前記ポリオレフィン系樹脂としてのポリプロピレン樹脂
と、タルクとを含有し、前記ポリプロピレン樹脂のJI
S K6758による23℃に於ける曲げ弾性が130
0MPa以上であり、JIS K6758による230
℃に於けるメルトフローレートが0.5〜10g/10
分であることを特徴とする木質板エッジ用化粧シート。 - 【請求項2】 前記タルクの添加量は、前記ポリプロピ
レン樹脂100重量部に対して3〜25重量部であるこ
とを特徴とする請求項1記載の木質板エッジ用化粧シー
ト。 - 【請求項3】 前記タルクの平均粒子径が1〜15μm
であることを特徴とする請求項1又は2記載の木質板エ
ッジ用化粧シート。 - 【請求項4】 請求項1乃至3の何れかに記載の木質板
エッジ用化粧シートを基材シートとし、該基材シートの
少なくとも一方の面に2層のプライマー層が形成され、
前記基材シート上に形成された第1プライマー層は架橋
型の樹脂を含有し、該第1プライマー層上に形成された
第2プライマー層は非架橋型の樹脂からなることを特徴
とする木質板エッジ用化粧シート。 - 【請求項5】 前記第1プライマー層は、ポリエステル
ポリオール及びジイソシアネートから得られる重量平均
分子量10〜25万のポリウレタン樹脂100重量部
を、トリイソシアネート5〜20重量部を用いて架橋し
た樹脂であることを特徴とする請求項4記載の木質板エ
ッジ用化粧シート。 - 【請求項6】 前記第2プライマー層は、ポリエステル
ポリオール、ジイソシアネート及びp−フェニレン系ジ
アミン化合物からなる重量平均分子量10〜25万のポ
リウレタン樹脂30〜70重量部と、酢酸ビニルを30
〜70重量部で含有しJIS K6730による190
℃に於けるメルトフローレートが40〜500g/10
分のエチレン酢酸ビニル共重合体70〜30重量部とを
含有する樹脂であることを特徴とする請求項4又は5記
載の木質板エッジ用化粧シート。 - 【請求項7】 前記第1プライマー層は、該第1プライ
マー層を構成する前記樹脂100重量部に対してシリカ
8〜20重量部を添加したことを特徴とする請求項4乃
至6の何れかに記載の木質板エッジ用化粧シート。 - 【請求項8】 前記第2プライマー層は、該第2プライ
マー層を構成する前記樹脂100重量部に対してシリカ
8〜20重量部を添加したことを特徴とする請求項4乃
至7の何れかに記載の木質板エッジ用化粧シート。 - 【請求項9】 前記シリカは、1次粒子径10〜10,
000nmの微粒子であることを特徴とする請求項7又
は8に記載の木質板エッジ用化粧シート。 - 【請求項10】 前記第1プライマー層の厚さが0.5
〜2μmであることを特徴とする請求項4乃至9の何れ
かに記載の木質板エッジ用化粧シート。 - 【請求項11】 前記第2プライマー層の厚さが0.5
〜6μmであることを特徴とする請求項4乃至10の何
れかに記載の木質板エッジ用化粧シート。 - 【請求項12】 総厚が0.3〜0.6mmであること
を特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の木質板
エッジ用化粧シート。
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