JPH0741034A - ガラス板用合紙 - Google Patents
ガラス板用合紙Info
- Publication number
- JPH0741034A JPH0741034A JP21230793A JP21230793A JPH0741034A JP H0741034 A JPH0741034 A JP H0741034A JP 21230793 A JP21230793 A JP 21230793A JP 21230793 A JP21230793 A JP 21230793A JP H0741034 A JPH0741034 A JP H0741034A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- zeolite
- glass plate
- paper
- glass
- metal ions
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】ガラス板の保管および運搬時に、ガラス板のヤ
ケの発生を抑え、かつガラス板の撥水性化および紙跡付
着の起こらないガラス板用合紙を得る。 【構成】ゼオライト、特には水素型またはアンモニウム
型のゼオライト、の粉末を抄紙工程で添加し、合紙にゼ
オライトを添加する。
ケの発生を抑え、かつガラス板の撥水性化および紙跡付
着の起こらないガラス板用合紙を得る。 【構成】ゼオライト、特には水素型またはアンモニウム
型のゼオライト、の粉末を抄紙工程で添加し、合紙にゼ
オライトを添加する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス板を複数枚積層
して保管、運搬する際に、ガラス板の損傷防止および作
業性向上のために、ガラス板間にスペーサーとして使用
する合紙に関する。
して保管、運搬する際に、ガラス板の損傷防止および作
業性向上のために、ガラス板間にスペーサーとして使用
する合紙に関する。
【０００２】
【従来の技術】一般にガラス板を保管、運搬する際に、
多数枚のガラス板を積層するが、この際、ガラス板の損
傷防止および作業性向上のために、従来より、紙やパウ
ダー状の樹脂などを、ガラス板間にスペーサーとして使
用している。
多数枚のガラス板を積層するが、この際、ガラス板の損
傷防止および作業性向上のために、従来より、紙やパウ
ダー状の樹脂などを、ガラス板間にスペーサーとして使
用している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術に
は、いくつかの課題がある。
は、いくつかの課題がある。
【０００４】紙をスペーサーとして使用する場合、紙が
水分を吸収するためガラスのヤケは起こりにくくなる
が、その効果は完全でない。また、紙中の樹脂分がガラ
ス板に付着し、ガラス板表面が撥水性になったり、ひど
いときには紙跡と称する容易に除去できない汚れ跡とな
る課題がある。
水分を吸収するためガラスのヤケは起こりにくくなる
が、その効果は完全でない。また、紙中の樹脂分がガラ
ス板に付着し、ガラス板表面が撥水性になったり、ひど
いときには紙跡と称する容易に除去できない汚れ跡とな
る課題がある。
【０００５】紙跡付着を低減させるため、合紙にアルミ
ニウム化合物をアルミナ換算で０．９重量％以上添加す
る方法が知られている（特開昭６０−１６６２４６）。
しかし、この方法では効果が充分でない。
ニウム化合物をアルミナ換算で０．９重量％以上添加す
る方法が知られている（特開昭６０−１６６２４６）。
しかし、この方法では効果が充分でない。
【０００６】一方、パウダー状の合成樹脂、たとえばメ
タクリル酸エステル樹脂などは、水分がその周囲に集ま
りやすく、しかも樹脂自体は水分を吸収しないため、水
分によるガラス板の侵食が起こり、ヤケの原因となりや
すかった。
タクリル酸エステル樹脂などは、水分がその周囲に集ま
りやすく、しかも樹脂自体は水分を吸収しないため、水
分によるガラス板の侵食が起こり、ヤケの原因となりや
すかった。
【０００７】本発明は、前述の課題を解決しようとする
ものであり、ガラス板を保管、運搬する際に、ヤケおよ
び紙跡の発生を従来例に比べ著しく抑えることができる
ようなガラス板用合紙を提供することを目的とする。
ものであり、ガラス板を保管、運搬する際に、ヤケおよ
び紙跡の発生を従来例に比べ著しく抑えることができる
ようなガラス板用合紙を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の目的を
達成すべくなされたものであり、ゼオライトを含むガラ
ス板用合紙を提供する。
達成すべくなされたものであり、ゼオライトを含むガラ
ス板用合紙を提供する。
【０００９】ゼオライトは、一般にアルミノケイ酸のア
ルカリ金属塩からなる鉱物であり、天然ではモルデナイ
トとして産出され、また工業用にも合成される。アルミ
ニウムとケイ素の比率やアルカリ金属の種類によって、
各種のゼオライトに分類される。本発明で使用されるゼ
オライトにおいては、アルミニウムとケイ素の比率は任
意でよい。また、水素型またはアンモニウム型のゼオラ
イトとは、アルカリ金属の一部または全部を、水素また
はアンモニウムで置換したものである。
ルカリ金属塩からなる鉱物であり、天然ではモルデナイ
トとして産出され、また工業用にも合成される。アルミ
ニウムとケイ素の比率やアルカリ金属の種類によって、
各種のゼオライトに分類される。本発明で使用されるゼ
オライトにおいては、アルミニウムとケイ素の比率は任
意でよい。また、水素型またはアンモニウム型のゼオラ
イトとは、アルカリ金属の一部または全部を、水素また
はアンモニウムで置換したものである。
【００１０】ゼオライトの水素型またはアンモニウム型
への置換は、以下のようにして行うのが簡便である。ま
ずゼオライトを塩化アンモニウムの水溶液中に入れ、撹
拌して一夜放置する。これを濾過してゼオライトをよく
水洗し、乾燥させる。以上のようにしてアンモニウム型
ゼオライトが得られる。これをさらに４７０℃で２時間
加熱処理すると水素型ゼオライトとなる。
への置換は、以下のようにして行うのが簡便である。ま
ずゼオライトを塩化アンモニウムの水溶液中に入れ、撹
拌して一夜放置する。これを濾過してゼオライトをよく
水洗し、乾燥させる。以上のようにしてアンモニウム型
ゼオライトが得られる。これをさらに４７０℃で２時間
加熱処理すると水素型ゼオライトとなる。
【００１１】ゼオライトを合紙中に添加する方法とし
て、紙を抄造する際に他の原料と一緒に添加する方法、
あるいは紙をプレス後乾燥させる工程の前でゼオライト
のスラリー液をスプレーする方法などが考えられる。
て、紙を抄造する際に他の原料と一緒に添加する方法、
あるいは紙をプレス後乾燥させる工程の前でゼオライト
のスラリー液をスプレーする方法などが考えられる。
【００１２】
【作用】本発明において、ゼオライトを含む合紙は、保
管、運搬中に、空気中の水分によるガラスのヤケの進
行、および合紙中の樹脂分の付着によるガラス表面の撥
水性化、紙跡の進行を大いに抑制する。その作用は、ゼ
オライト自体が水分を吸収すること、およびガラス板表
面に水分が吸着した場合でも、ガラス板内部から溶出す
るアルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオン
と、ゼオライトの水素イオンまたはアンモニウムイオン
とがイオン交換することにより、ガラス板表面が強アル
カリ性になることを防止することによる。
管、運搬中に、空気中の水分によるガラスのヤケの進
行、および合紙中の樹脂分の付着によるガラス表面の撥
水性化、紙跡の進行を大いに抑制する。その作用は、ゼ
オライト自体が水分を吸収すること、およびガラス板表
面に水分が吸着した場合でも、ガラス板内部から溶出す
るアルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオン
と、ゼオライトの水素イオンまたはアンモニウムイオン
とがイオン交換することにより、ガラス板表面が強アル
カリ性になることを防止することによる。
【００１３】その結果、ガラス板表面における、アルカ
リ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンと、空気中
の二酸化炭素あるいは合紙中の樹脂分との反応生成物の
付着といった、いわゆるガラス板のヤケ、あるいは撥水
性化、紙跡の進行を防止することができる。ゼオライト
を含む合紙が有するこういった作用は、ゼオライトが水
素型あるいはアンモニウム型であることによって一層発
揮される。
リ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンと、空気中
の二酸化炭素あるいは合紙中の樹脂分との反応生成物の
付着といった、いわゆるガラス板のヤケ、あるいは撥水
性化、紙跡の進行を防止することができる。ゼオライト
を含む合紙が有するこういった作用は、ゼオライトが水
素型あるいはアンモニウム型であることによって一層発
揮される。
【００１４】
（実施例１）市販のゼオライトを塩化アンモニウム水溶
液で処理し、アンモニウム型ゼオライトを作成し、これ
を抄紙工程で添加して、ゼオライト含有合紙を得た。ゼ
オライト含有量は１重量％とした。なお原料のパルプに
は、樹脂分を０．３重量％含むものを用いた。次に、１
０ｍｍ角に切った３ｍｍ厚のフロートガラス板を用意
し、トップ面を上にしたガラスと合紙を交互に１０枚程
度重ね置き、恒温恒湿耐久試験用試料とした。なお準備
したガラス板は、あらかじめよくイソプロパノールなど
で脱脂洗浄したものを用いた。
液で処理し、アンモニウム型ゼオライトを作成し、これ
を抄紙工程で添加して、ゼオライト含有合紙を得た。ゼ
オライト含有量は１重量％とした。なお原料のパルプに
は、樹脂分を０．３重量％含むものを用いた。次に、１
０ｍｍ角に切った３ｍｍ厚のフロートガラス板を用意
し、トップ面を上にしたガラスと合紙を交互に１０枚程
度重ね置き、恒温恒湿耐久試験用試料とした。なお準備
したガラス板は、あらかじめよくイソプロパノールなど
で脱脂洗浄したものを用いた。
【００１５】試料についての撥水性化の進展度を調べる
ため、試料を２０℃、相対湿度８０％に保った恒温恒湿
槽の中に１０日間トップ面が上になるようにセットし
た。評価は、ガラスのトップ面に息を吐いたときに生じ
る、しわ状の曇りの程度を基準に、４段階で行った（Ａ
が最良で、Ｂ、Ｃ、Ｄの順に悪くなる）。
ため、試料を２０℃、相対湿度８０％に保った恒温恒湿
槽の中に１０日間トップ面が上になるようにセットし
た。評価は、ガラスのトップ面に息を吐いたときに生じ
る、しわ状の曇りの程度を基準に、４段階で行った（Ａ
が最良で、Ｂ、Ｃ、Ｄの順に悪くなる）。
【００１６】（実施例２）実施例１のアンモニウム型ゼ
オライトを４７０℃で２時間加熱処理し、水素型ゼオラ
イトを得た。これを用いて実施例１と同様に合紙に添加
し、恒温恒湿耐久試験を行った。
オライトを４７０℃で２時間加熱処理し、水素型ゼオラ
イトを得た。これを用いて実施例１と同様に合紙に添加
し、恒温恒湿耐久試験を行った。
【００１７】（実施例３）未処理のゼオライトを実施例
１と同様に合紙に添加し、恒温恒湿耐久試験を行った。
１と同様に合紙に添加し、恒温恒湿耐久試験を行った。
【００１８】（比較例１）実施例１で使用したパルプを
原料にゼオライトを添加せずに合紙を抄造し、実施例１
と同様の恒温恒湿耐久試験を行った。
原料にゼオライトを添加せずに合紙を抄造し、実施例１
と同様の恒温恒湿耐久試験を行った。
【００１９】（比較例２）樹脂分を重量％で０．１％含
むパルプを原料にゼオライトを添加せずに合紙を抄造
し、実施例１と同様の恒温恒湿耐久試験を行った。
むパルプを原料にゼオライトを添加せずに合紙を抄造
し、実施例１と同様の恒温恒湿耐久試験を行った。
【００２０】表１は、恒温恒湿耐久試験結果、すなわ
ち、恒温恒湿槽から取り出した試料に息を吐いたときに
生じるしわ状の曇りの程度の評価結果を示す。比較例
１、２のガラス板の試料の曇りの程度に比べて、実施例
１〜３のガラス板の試料の曇りの程度が小さく、特に実
施例１、２のガラス板の試料はほとんど曇りが生じてい
ないことがわかる。このことは、実施例１〜３では、ガ
ラスの撥水性化および紙跡付着の進行がゼオライト含有
合紙によって抑制されていることを意味する。
ち、恒温恒湿槽から取り出した試料に息を吐いたときに
生じるしわ状の曇りの程度の評価結果を示す。比較例
１、２のガラス板の試料の曇りの程度に比べて、実施例
１〜３のガラス板の試料の曇りの程度が小さく、特に実
施例１、２のガラス板の試料はほとんど曇りが生じてい
ないことがわかる。このことは、実施例１〜３では、ガ
ラスの撥水性化および紙跡付着の進行がゼオライト含有
合紙によって抑制されていることを意味する。
【００２１】
【表１】
【００２２】
【発明の効果】本発明の合紙は、ガラス板の保管および
運搬時に、ガラスのヤケの発生を抑制し、かつ紙の樹脂
分によるガラス板表面の撥水性化および紙跡付着が起こ
ることを抑制する効果を持っている。
運搬時に、ガラスのヤケの発生を抑制し、かつ紙の樹脂
分によるガラス板表面の撥水性化および紙跡付着が起こ
ることを抑制する効果を持っている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 工藤 透 神奈川県横浜市鶴見区末広町１丁目１番地 旭硝子株式会社京浜工場内
Claims (2)
- 【請求項１】ゼオライトを含むガラス板用合紙。
- 【請求項２】ゼオライトが水素型あるいはアンモニウム
型である請求項１のガラス板用合紙。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21230793A JPH0741034A (ja) | 1993-08-04 | 1993-08-04 | ガラス板用合紙 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21230793A JPH0741034A (ja) | 1993-08-04 | 1993-08-04 | ガラス板用合紙 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0741034A true JPH0741034A (ja) | 1995-02-10 |
Family
ID=16620401
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21230793A Pending JPH0741034A (ja) | 1993-08-04 | 1993-08-04 | ガラス板用合紙 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0741034A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6488804B2 (en) * | 1998-08-24 | 2002-12-03 | Gemtron Corporation | Method of manufacturing a stack of spaced lites |
| JP2004277991A (ja) * | 2003-02-28 | 2004-10-07 | Futamura Chemical Industries Co Ltd | ガラス状板材の合紙 |
| WO2020045380A1 (ja) | 2018-08-29 | 2020-03-05 | 王子ホールディングス株式会社 | ガラス合紙およびその製造方法 |
-
1993
- 1993-08-04 JP JP21230793A patent/JPH0741034A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6488804B2 (en) * | 1998-08-24 | 2002-12-03 | Gemtron Corporation | Method of manufacturing a stack of spaced lites |
| JP2004277991A (ja) * | 2003-02-28 | 2004-10-07 | Futamura Chemical Industries Co Ltd | ガラス状板材の合紙 |
| WO2020045380A1 (ja) | 2018-08-29 | 2020-03-05 | 王子ホールディングス株式会社 | ガラス合紙およびその製造方法 |
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