JPWO2019208690A1 - ガラス合紙とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

ガラス板のヤケの発生を抑制し、ガラス合紙中の樹脂分のガラス板への付着を低減させ、ガラス板表面の撥水性化を低減させることが可能なガラス合紙とその製造方法を提供する。化学パルプを主成分とし、第2族元素の含有量が0.1〜3.0質量%であり、坪量が10〜300g/m2であるガラス合紙である。また、前記化学パルプの製造工程および抄紙工程の少なくとも1つの工程で、前記第2族元素を含有する水を使用することを特徴とするガラス合紙の製造方法である。また、前記化学パルプの製造工程、抄紙工程および抄紙後の工程の少なくとも1つの工程で、前記化学パルプに前記第2族元素を含有する化合物を添加することを特徴とするガラス合紙の製造方法である。

Description

本発明は、ガラス板同士の間に挿入するガラス合紙とその製造方法に関する。
近年、ガラス板の多用途化により、ガラス合紙に対する品質要求が厳しくなっている。例えば、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板では、ガラス基板表面に対して微細な電子部材等が形成されるため、表面に僅かな傷や汚染があった場合、断線等の不良の原因となり、製品欠陥となる。そのため、ガラス基板表面には高度の清澄性が求められる。
ガラス基板の大型化・量産化に伴い、搬送効率を高める目的で、ガラス基板を重ねて搬送する場合が多い。ガラス基板を重ねると、ガラス合紙とガラス基板との接触圧力が高まるので、ガラス合紙中の微量成分、異物等がガラス基板に付着する(汚染する)確率が高まる。その一方で、ガラス基板への高精細な加工に伴い、ガラス基板表面にはより高度な清澄性が要求されている。このような事情により、ガラス合紙に対する品質要求水準は益々高度化しつつある。
ガラス基板表面の汚染にはいくつかの原因が考えられる。ガラス合紙中の樹脂分がガラス基板表面に付着して、ガラス基板表面が撥水性になる場合がある。また、タッチパネル用のガラス基板で使用されるソーダガラスでは、紙面とガラス基板表面の接触期間が長くなると、ガラス基板表面に紙肌模様やヤケが生じ易いという問題がある。ヤケとは、ガラス基板中のナトリウムイオン等の可溶性成分と水とがイオン交換反応し、ガラス基板表面が侵食されて荒らされたり、溶出成分と空気中の二酸化炭素などの酸性ガスとが反応して反応生成物が析出して、表面が白く曇って見える現象である。
ガラス合紙中の樹脂分は主に、木材由来の粘着性天然樹脂である。樹脂分は、原料パルプの製造工程や原料パルプからガラス合紙を抄造する工程で、木材、パルプおよび紙から遊離した樹脂酸(アビエチン酸)、脂肪酸(ステアリン酸、オレイン酸)等である。これらの樹脂分がガラス基板の表面に付着すると、ガラス基板表面が撥水性となるため、ガラス基板表面への微細な電子回路の形成が阻害される。
パルプの製造工程や抄紙工程においては、樹脂分による弊害を低減させるために、ピッチコントロール剤が使用されることがある。ピッチコントロール剤とは、ガラス合紙の製造工程や抄紙工程で、樹脂分が製造装置等に付着しないようにするための添加剤であり、具体的には、タルク、硫酸バンド(硫酸アルミニウム)、界面活性剤、カチオン系ポリマー等が使用されている。
ガラス板、特にフラットパネルディスプレイ用として用いられるガラス基板の表面は、出荷前や電子部品等の実装工程前に、水を主体とする媒体で洗浄される。この洗浄工程により、ガラス基板表面に付着した紙粉等の異物はほとんど洗い流されるが、粘着性を有する樹脂分や異物、ガラスとの親和性の高い物質等は、洗浄後もガラス基板表面に付着している場合がある。
このようなガラス基板表面の汚染を防止するために、種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1には、表面に存在するタルクの割合を低減させ、代わりに、非タルク系のピッチコントロール剤として界面活性剤、カチオン系ポリマー、硫酸バンド(硫酸アルミニウム)等を使用することが開示されている。
また、特許文献2には、ガラス板のヤケの発生を抑え、かつガラス板の撥水性化および紙跡付着が起こらないガラス板用合紙として、ゼオライトを含むガラス板用合紙が開示されている。
特開2016−125146号公報 特開平7−41034号公報
特許文献1に記載のピッチコントロール剤を使用する方法では、樹脂分とピッチコントロール剤からなる凝集物が生じることがあるので、極めて高い清澄性が要求されるガラス基板向けの合紙用途には必ずしも十分なものではなかった。また、特許文献2に記載のゼオライトを配合する方法では、ヤケに対する効果が十分ではなかった。
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、ガラス板のヤケの発生を抑制し、ガラス合紙中の樹脂分のガラス板への付着を低減させ、ガラス板表面の撥水性化を低減させることが可能なガラス合紙とその製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解消するために、ヤケの発生における金属イオンの影響について検討を加えたところ、カルシウムやマグネシウム等の第2族元素の含有量が比較的多いガラス合紙はヤケの発生が少なくなることを見出した。また、ガラス合紙に第2族元素を所定量添加すると、ヤケの発生が少なくなり、撥水性化も低減することを見出した。本発明は、このような知見を基に生まれたものである。すなわち、本発明は以下のような構成を有している。
(1)化学パルプを主成分とし、第2族元素の含有量が0.1〜3.0質量%であり、坪量が10〜300g/mであるガラス合紙。
(2)前記第2族元素がカルシウムおよびマグネシウムの少なくとも一方である前記(1)に記載のガラス合紙。
(3)化学パルプを主成分とし、第2族元素の含有量が0.1〜3.0質量%であり、坪量が10〜300g/mであるガラス合紙の製造方法であって、前記化学パルプの製造工程および抄紙工程の少なくとも1つの工程で、前記第2族元素を含有する水を使用することを特徴とするガラス合紙の製造方法。
(4)化学パルプを主成分とし、第2族元素の含有量が0.1〜3.0質量%であり、坪量が10〜300g/mであるガラス合紙の製造方法であって、前記化学パルプの製造工程、抄紙工程および抄紙後の工程の少なくとも1つの工程で、前記化学パルプに前記第2族元素を含有する化合物を添加することを特徴とするガラス合紙の製造方法。
(5)前記第2族元素を含有する化合物が炭酸カルシウムであることを特徴とする前記(4)に記載のガラス合紙の製造方法。
本発明のガラス合紙によれば、ガラス板のヤケの発生を抑制し、ガラス合紙中の樹脂分のガラス板への付着を低減させ、ガラス板表面の撥水性化を低減させることができる。また、本発明のガラス合紙の製造方法によれば、前記ガラス合紙を製造することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。以下に示す実施形態は一例であり、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。
本実施形態のガラス合紙は、化学パルプを主成分とし、第2族元素を含有する。以下、各成分について説明する。
(化学パルプ)
本実施形態のガラス合紙(以下、適宜「合紙」とも記載する。)は、化学パルプを主成分とする。ここで、化学パルプを主成分とするとは、合紙の質量に対して、化学パルプが50質量%を超えることを意味する。化学パルプの質量は、合紙の質量に対して、70質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。化学パルプとは化学的なプロセスを経て製造されたセルロースパルプのことであり、例えば、クラフトパルプ(KP)、サルファイトパルプ(SP)、ソーダパルプ(AP)等が挙げられる。木材を原料とする化学パルプの場合は、針葉樹パルプでも広葉樹パルプでもよく、またはこれらを混合したものでもよい。さらに、木材パルプとしては、木材由来の粘着性天然樹脂分の含有量が低いクラフトパルプ(KP)が好適である。また、木材を原料としない化学パルプとしては、例えば、楮、三椏、麻、ケナフ等を原料とする非木材繊維パルプが挙げられる。
化学パルプ以外のパルプとしては、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグランドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ;砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)、リファイナーグランドウッドパルプ(RGP)等の機械パルプが挙げられる。本実施形態のガラス合紙は、化学パルプ以外のパルプを1種または2種以上混合したものでもよい。
古紙パルプは一般に、粘着異物、夾雑物、樹脂分が多いため、合紙のパルプ原料としては、古紙パルプよりも、バージンパルプが好ましい。
化学パルプの叩解度は、200〜700mlcsfであることが好ましい。ここで、叩解度とは、JIS P8121によるカナダ標準ろ水度(Canadian standard freeness)のことである。化学パルプの叩解度を200〜700mlcsfの範囲とすることによって、合紙として必要な機械的強度と加工性を有したものとすることができる。化学パルプの叩解度が200mlcsf未満の場合は、合紙の密度が高くなって、クッション性が低くなるため、ガラス表面に傷が付きやすくなる。一方、化学パルプの叩解度が700mlcsfより高い場合は、紙力が弱くなるため、流通過程や製造工程において破断するおそれがある。化学パルプの叩解度は350〜600mlcsfであることがより好ましい。叩解度を200〜700mlcsfに調製するために、パルプを叩解する方法については、公知の方法を使用することができる。
(第2族元素)
第2族元素とは、カルシウム、マグネシウム、バリウム、ベリリウム、ストロンチウム等の第2族の金属元素である。これらの中でも、合紙に含有される第2族元素として重要なものがカルシウムおよびマグネシウムの少なくとも一方である。カルシウムとマグネシウムの金属イオンの含有量が多い水を硬水といい、含有量が少ない水を軟水という。水の硬度は、水中に含まれるカルシウムとマグネシウムの金属イオンの量(mg/l)によって表わされる。また、水の硬度の指標として、電気伝導率が用いられる。
(ガラス板のヤケ)
ガラス板のヤケとは、ガラス中のナトリウムと水の水素イオンとがイオン交換反応することによって引き起こされる。ガラス板のヤケが発生するメカニズムとしては次の2つのものが考えられる。ガラス板表面に水滴が付着すると、ガラス中の微量のナトリウムイオンが水中に溶け出し、ガラス板表面で水酸化ナトリウムが生成し、ガラス板表面が浸食されて荒らされ、ガラス板が白濁する。また、ガラス板表面の水滴が蒸発する際に、ナトリウムイオンと空気中の二酸化炭素とが反応して、炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムが生成し、ガラス板表面に付着して、ガラス板が白濁する。
(ガラス合紙)
合紙は主としてセルロースパルプからなるが、パルプはヘミセルロース成分中にカルボキシ基を有している。そして、パルプ中のカルボキシ基は、パルプ製造工程や抄紙工程で使用する用水中の第2族元素のイオン(カルシウムイオン、マグネシウムイオン等)と反応して塩を生じる。使用する水の硬度(電気伝導率)が低い場合は生成する塩が少なくなり、水の硬度が高い場合は生成する塩が多くなる。さらに、合紙中に第2族元素を添加することによって、更に多くの塩を生じさせることができる。
本発明者は、合紙の製造時に、第2族元素の含有量が多い用水を使用した場合には、第2族元素の含有量が少ない用水を使用した場合と比べて一般に、ヤケが発生しにくい傾向があるということを見出した。合紙がヤケを起こす理由の明確な解明は今後の研究を待たなければならないが、パルプ中にカルボキシ基(−COOH)が多い場合は、その遊離した水素イオンとガラス中のナトリウムイオンとのイオン交換量が多くなり、ヤケの発生量が多くなるものと推定される。しかし、合紙の製造時に使用する用水中の第2族元素との反応によって水素イオンと第2族元素イオンとの交換による塩を生じさせて、パルプ中のカルボキシ基(−COOH)の遊離した水素イオン含有量を少なくした場合は、ヤケの発生量が少なくなるものと考えられる。
一方、合紙中の樹脂分は、樹脂酸(アビエチン酸)、脂肪酸(ステアリン酸、オレイン酸)等のカルボキシ基を有する化合物であり、パルプ懸濁液中では、コロイダルピッチとして存在している。合紙中に第2族元素が存在すると、第2族元素から生じた2価の陽イオンの電荷力によるパルプ繊維への定着作用によって、樹脂分(コロイダルピッチ)とパルプ繊維との結合力が増すと考えられる。その結果、樹脂分のガラス板への転移量が少なくなり、樹脂分のガラス板への付着(汚染)が低減すると考えられる。
また、樹脂分は、パルプのカルボキシ基と同様に、パルプ製造工程や抄紙工程で使用する用水中の第2族元素のイオンと反応して塩を生じる。樹脂酸や脂肪酸が塩になると水への溶解度が低くなり、融点は高くなる。さらに、脂肪酸や樹脂酸は、脂肪酸カルシウムや樹脂酸カルシウムなどの塩に変わると、粘着性が低減し、ガラス板との親和性が低下し、ガラス板への付着(汚染)が低減すると考えられる。
本実施形態の合紙は、第2族元素の含有量が0.1〜3.0質量%である。第2族元素の含有量が0.1質量%以上であると、パルプ中のカルボキシ基の遊離した水素イオンの含有量が少なくなり、ヤケの発生量を低減させることができる。また、樹脂分のガラス板への付着を低減させることができ、ひいてはガラス板表面の撥水性化を低減させることができる。一方、第2族元素の含有量が3.0質量%を超えると、第2族元素の塩が合紙中に析出して、ガラス板を汚染する懸念がある。第2族元素の含有量は、より好ましくは0.15〜0.5質量%である。合紙中の第2族元素の含有量は、合紙の灰分量を測定し、更に、灰分中の第2族元素の含有量を蛍光X線分析によって測定することによって求めることができる。
合紙中の第2族元素の含有量を0.1〜3.0質量%に制御するための方法としては、化学パルプの製造工程および抄紙工程の少なくとも1つの工程で、第2族元素を含有する水を使用する方法(第1の方法)と、化学パルプの製造工程、抄紙工程および抄紙後の工程の少なくとも1つの工程で、化学パルプに第2族元素を含有する化合物を添加する方法(第2の方法)がある。
第1の方法では、化学パルプの製造工程および抄紙工程の少なくとも1つの工程に用いる用水中の第2族元素の含有量を適宜制御することにより、最終的に得られる合紙中の第2族元素の含有量を調整することができる。第2族元素を含有する水の硬度としては、70〜500(mg/l)が好ましく、120〜400(mg/l)がより好ましい。また、水の電気伝導率としては、14〜100mS/mが好ましく、24〜33mS/mがより好ましい。第2族元素を含有する水は、化学パルプの製造工程および抄紙工程の両方で用いてもよいし、いずれか一方の工程で用いてもよい。化学パルプの製造工程または抄紙工程に用いる用水中に第2族元素の金属イオンが溶解していると、化学パルプは、その内部に含有するカルボキシ基が金属イオンと塩を形成して、第2族元素を内部に保持することができる。
第2の方法としては、化学パルプの製造工程および抄紙工程の少なくとも1つの工程で原料中に第2族元素を含有する化合物を添加する方法(内添法)、化学パルプの製造工程および抄紙工程の少なくとも1つの工程で第2族元素を含有する化合物を溶解・分散させた水を用いる方法(用水法)、抄紙後の工程で第2族元素を含有する化合物を溶解・分散させた水溶液を合紙の表面に塗工する方法(塗工法)などがある。パルプの表層や内部、パルプスラリー中の樹脂分(コロイダルピッチ)に作用し易いという観点から、内添法や用水法が好ましい。
(炭酸カルシウム)
第2の方法において、第2族元素を含有する化合物としては、炭酸カルシウムが好ましい。炭酸カルシウムは、各種の紙の填料として従来から使用されている添加剤である。炭酸カルシウムは、水に難溶であるため、大部分の炭酸カルシウムは固形分として紙に留めることができるが、一部は溶解する。水に対する溶解度は0.00015mol/L(25℃)であり、カルシウムイオンを生じる。また、炭酸カルシウム水溶液は塩基性を示す。
合紙に対する炭酸カルシウムの添加量としては0.15〜3.0質量%が好ましく、0.3〜1.5質量%がより好ましい。炭酸カルシウムの添加量が3.0質量%を超えると、炭酸カルシウムの溶解度を超えて、合紙中に炭酸カルシウム粒子が保持されて、ガラス板を汚染する懸念がある。そのため、炭酸カルシウムの添加量は極力少ないことが好ましい。合紙中に析出する炭酸カルシウム粒子の含有量を低減させるには、炭酸カルシウム粒子が合紙中に保持されないようにするため、歩留向上剤を使用しないことが好ましい。炭酸カルシウムとしては、夾雑物が少ないという理由から、合成法による軽質炭酸カルシウムが好ましい。
以上説明してきたように、合紙中の第2族元素の含有量を規定することによって、ガラス板のヤケの発生を抑制し、合紙中の樹脂分のガラス板への付着を低減させ、ガラス板表面の撥水性化を低減させることができる。
(抄紙用薬品)
合紙の抄紙時に用いる抄紙用薬品については、ガラス表面を汚染しない範囲内で、公知の各種薬品を使用することができる。抄紙用薬品としては、例えば、ポリアクリルアミド等の紙力増強剤、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン等の耐水化剤、柔軟剤、帯電防止剤、消泡剤、スライムコントロール剤、填料、染料等が挙げられる。これらの抄紙用薬品はいずれもガラス板を汚染する恐れを有するものであるので、添加する場合であっても、合計で0.1質量%以下とすることが好ましい。
(ガラス合紙の製造方法)
合紙の製造方法には特に制限はなく、種々の抄紙機を用いて、適切な抄造条件を選択することによって、抄造することができる。抄紙機としては、具体的に、長網フォーマ、ツインワイヤーフォーマ、円網フォーマ、傾斜フォーマなどを挙げることができる。合紙の層構成は、単層であってもよいし、多層であってもよい。合紙中の第2族元素の含有量を0.1〜3.0質量%に制御するための方法としては、前記した第1の方法または第2の方法を用いることができる。
(ガラス合紙の特性)
合紙の坪量は、小さい方が運搬時の質量が少なくなるため好ましいが、小さ過ぎると、ガラス板に対して十分な緩衝性を付与することができない。一方、合紙の坪量は、ある程度大きい方が緩衝性の点で好ましいが、大き過ぎると運搬時の質量が大きくなり好ましくない。緩衝性と運搬容易性とのバランス、用途を考慮すると、合紙の坪量は10〜300g/mである。また、合紙のより好ましい坪量は35〜80g/mである。
合紙の厚さは、緩衝性、作業性の観点から、25〜250μmであることが好ましい。また、合紙の密度は、0.4〜1.2g/cmであることが好ましい。
合紙のpH(JIS P 8133−2)は、中性またはアルカリ性が好ましい。具体的には、合紙のpHは、6以上が好ましく、8以上がより好ましい。
本実施形態の合紙は、タッチパネル用ガラス基板、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイといったフラットパネルディスプレイ用のガラス基板を複数枚積層して保管、運搬する際に、ガラス基板を保護するために使用される。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、配合を示す数値は、固形分または有効成分の質量基準の数値(質量%)である。また、特に記載のない場合については、抄造した紙はJIS P8111に準じて処理を行なった後、測定および評価試験に供した。
(実施例1〜4、比較例1)
実施例および比較例に用いた材料は、下記のとおりである。
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP):市販の針葉樹晒クラフトパルプ
軽質炭酸カルシウム:奥多摩工業社製TP−121−5S
用水の電気伝導率の測定は、JIS K 0130:2008に準拠して、HORIBA社製ポータブル型電気伝導率計ES−51を用いて測定した。
[実施例1]
原料パルプとして、市販NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)100%のバージンのパルプスラリー(叩解度450mlcsf)を使用し、電気伝導率25mS/mの用水を用いて、抄紙薬品を添加せずに、長網抄紙機で抄紙した。抄紙後、乾燥させて、坪量50g/mのガラス合紙を得た。得られたガラス合紙の第2族元素含有量は0.21%であり、pH(JIS P 8133−2)は6.6であった。
[実施例2]
軽質炭酸カルシウムを絶乾パルプに対して0.3質量%添加し、電気伝導率3mS/mの水を用いた以外は、実施例1と同様にしてガラス合紙を得た。得られたガラス合紙の第2族元素含有量は、0.17%であり、pH(JIS P 8133−2)は6.6であった。
[実施例3]
軽質炭酸カルシウムの添加量を0.9質量%とした以外は、実施例2と同様にしてガラス合紙を得た。得られたガラス合紙の第2族元素含有量は、0.25%であり、pH(JIS P 8133−2)は9.3であった。
[実施例4]
軽質炭酸カルシウムの添加量を3質量%とした以外は、実施例2と同様にして、ガラス合紙を得た。得られたガラス合紙の第2族元素含有量は、0.41%であり、pH(JIS P 8133−2)は9.4であった。
[比較例1]
軽質炭酸カルシウムを添加しなかった以外は、実施例2と同様にして、ガラス合紙を得た。得られたガラス合紙の第2族元素含有量は、0.08%であり、pH(JIS P 8133−2)は6.5であった。
(評価内容)
得られたガラス合紙の評価内容は以下のとおりである。
<合紙中の第2族元素の含有量>
ガラス合紙の灰分をJIS P8251に準じて求めた。得られた灰分中の第2族元素の含有量(質量%)は、蛍光X線分析装置(日本電子株式会社製、JSX−3600M)を用いて質量濃度の測定値から得た。ガラス合紙中の第2族元素含有量m(質量%)を次式(1)によって求めた。
m=a×b・・・(1)
ここで、m:第2族元素含有量(質量%)
a:ガラス合紙の灰分(質量%)
b:灰分中の第2族元素含有量(質量%)
<ガラス板のヤケの評価>
210mm×210mmガラス合紙に200mm×200mmのタッチパネル用ガラス板を載せ、その組み合わせを3セット交互に積層し、その上に1kgの錘を載せて圧力を掛け、温度50℃、湿度90%RHの環境下に4日間静置して試料とした。ガラス板の表面を水洗いし、乾燥した後、ガラス板表面に息を吐いたときに生じるしわ状の曇りの程度を観察した(n=3)。ガラス板のヤケの評価を以下の基準で行った。○と△を合格と判定した。
○:曇りがない
△:曇りが少しあるが、使用可能なレベルである
×:曇りがある
<ガラス板の撥水性の評価>
210mm×210mmガラス合紙に200mm×200mmのフラットパネルディスプレイ用ガラス板を載せ、その組み合わせを3セット交互に積層し、その上に1kgの錘を載せて圧力を掛け、温度50℃、湿度90%RHの環境下に4日間静置して試料とした。ガラス板の表面を水洗いし、乾燥した後、ガラス板表面に脱イオン水をかけ、撥水性の程度を観察した(n=3)。ガラス板の撥水性の評価を以下の基準で行った。
○:撥水なく優れる
×:撥水が見られ劣る
Figure 2019208690
表1に、実施例1〜4および比較例1の評価結果を示した。実施例1〜4のガラス合紙は、ガラス板のヤケと撥水性に優れていた。特に、第2族元素の含有量が0.17〜0.25質量%の実施例1〜3は、ガラス板のヤケにおいてさらに優れたものであった。一方、比較例1のガラス合紙は、ガラス板のヤケおよび撥水性が劣っていた。

Claims (5)

  1. 化学パルプを主成分とし、第2族元素の含有量が0.1〜3.0質量%であり、坪量が10〜300g/mであるガラス合紙。
  2. 前記第2族元素がカルシウムおよびマグネシウムの少なくとも一方である請求項1に記載のガラス合紙。
  3. 化学パルプを主成分とし、第2族元素の含有量が0.1〜3.0質量%であり、坪量が10〜300g/mであるガラス合紙の製造方法であって、
    前記化学パルプの製造工程および抄紙工程の少なくとも1つの工程で、前記第2族元素を含有する水を使用することを特徴とするガラス合紙の製造方法。
  4. 化学パルプを主成分とし、第2族元素の含有量が0.1〜3.0質量%であり、坪量が10〜300g/mであるガラス合紙の製造方法であって、
    前記化学パルプの製造工程、抄紙工程および抄紙後の工程の少なくとも1つの工程で、前記化学パルプに前記第2族元素を含有する化合物を添加することを特徴とするガラス合紙の製造方法。
  5. 前記第2族元素を含有する化合物が炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項4に記載のガラス合紙の製造方法。
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