JPH0741021Y2 - トナー回収装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、トナー回収装置に関し、さらに詳細にいえ
ば、乾式トナーを使用した静電式の複写機等の画像形成
装置に装備され、画像形成装置の感光体から除去したト
ナーを、トナー回収容器に回収するトナー回収装置に関
するものである。

〈従来の技術と考案が解決しようとする問題点〉 従来、画像形成装置においては、感光体から除去したト
ナーを、搬送部材により搬送し、画像形成装置本体に取
り外し自在に装着されたトナー回収容器内に落下させて
溜めておき、一定の量になると、トナー回収容器を画像
形成装置から取り外すと共に、床面や衣服等を汚さない
ようにトナー回収容器に蓋をして廃棄場所まで運び、ト
ナーを廃棄していた。

このようなトナー回収装置においては、蓋がトナー回収
容器に装着されたままで、画像形成装置本体に装着され
ると、トナーは、トナー回収容器中に回収されずにトナ
ー回収容器や蓋の上に堆積し、飛散して、画像形成装置
内が汚染される。

そこで、トナー回収容器の装着部を、回収位置と開放取
出し位置とに変位しうるように回動可能に設け、トナー
回収容器に蓋をした状態で、該トナー回収容器を上記装
着部に装着すると、上記蓋が所定部に衝突して、上記ト
ナー回収容器が所定の回収位置にセットできないように
したものが提供されている（実開昭59−89370号公報参
照）。

しかし、このような構成では、トナーを廃棄すべくトナ
ー回収容器を取り外す際において、トナー回収容器が少
なくとも回収位置から開放取出し位置まで回動する間
は、トナー回収容器には、蓋がされていないので、回動
に伴う振動や回動終端における衝撃によってトナーが飛
散してしまうという問題点があった。

〈考案の目的〉 この考案は上記問題点を解決するためになされたもの
で、トナー回収容器が蓋をしたまま取り付けられるとい
う不都合が防止されると共に、トナーの廃棄のためにト
ナー回収容器を取り外す際に、トナーが飛散することの
ないトナー回収装置を提供することを目的としている。

〈問題点を解決するための手段〉 上記目的を達成するためのこの考案のトナー回収装置と
しては、画像形成装置本体側に、上記トナー回収容器が
蓋を取り外した状態で画像形成装置本体に装着されるこ
とを許容し且つトナー回収容器が蓋を取り外した状態で
画像形成装置本体から取り外されることを阻止するよう
にトナー回収容器の所定部と係合する係合手段と、上記
トナー回収容器と当接し、トナー回収容器が蓋を装着し
た状態で画像形成装置本体に装着されることを阻止する
ように、トナー回収容器を取り外し方向に付勢する付勢
手段とを設けていると共に、トナー回収容器の蓋に、ト
ナー回収容器に装着された状態でトナー回収容器と係合
手段との係合を解除する係合解除手段を設けていること
を特徴とするものである。

〈作用〉 上記の構成のトナー回収装置によれば、トナー回収容器
を画像形成装置本体に装着する際に、蓋を取り外してい
ないと、蓋の係合解除手段によりトナー回収容器と係合
手段との係合が阻止されると共に、トナー回収容器は、
付勢手段により取り外し方向に押し戻されるので、これ
を画像形成装置本体の正規の位置に装着することができ
ない。したがって、トナー回収容器に蓋がついているこ
とを直ちに認識することができ、蓋をしたまま装着され
ることによる不都合、すなわちトナーがトナー回収容器
や蓋の上に堆積し、飛散して、画像形成装置本体内に飛
散するという不都合を防止できる。また、逆に、トナー
回収容器に蓋をした状態でないと、係合手段の係合が解
除されないので、トナー回収容器を取り外すことができ
ないことになる。したがって、トナーの廃棄の際に、ト
ナーが飛散するのを確実に防止することができる。

〈実施例〉 以下実施例を示す添付図面によって詳細に説明する。

第１図（ａ）に示すように、この実施例のトナー回収装
置は、画像形成装置本体の所定部に設けられた収納部
（１）と、上記収納部（１）に収納され、回収口（21）
付近の側面に凹部（22）を有するトナー回収容器（２）
と、上記回収口（21）を覆う蓋（５）とによって、主要
部が構成されている。

さらに、詳細に説明すれば、上記収納部（１）は、上面
の開放した箱状の容器からなり、内側面の上部に係合手
段としての板ばね（３）を有している。上記板ばね
（３）は、上端部が収納部（１）にスポット溶接等によ
り取り付けられると共に、下端部が収納部（１）の内側
に突き出しており、上記トナー回収容器（２）の凹部
（22）と係合して、トナー回収容器（２）の取り外しを
阻止することができる（第１図（ｂ）参照）。また、収
納部（１）の底面には、付勢手段としての板ばね（４）
が設けられており、トナー回収容器（２）が収納部
（１）内に収納されると、トナー回収容器（２）の下面
を上方に付勢する（第１図（ｂ）参照）。

上記トナー回収容器（２）は、収納部（１）内に収納可
能な箱状の容器であり、上面の回収口（21）は、トナー
搬送路（８）の開口部（8a）の下方に位置しており、ス
クリュ（９）によりトナー搬送路（８）内を送られて開
口部（8a）から落下するトナーを回収するためのもので
ある（第１図（ｂ）参照）。この回収口（21）は、トナ
ー回収容器（２）の上面からやや突出した状態で、トナ
ー回収容器（２）の一側部側に密接した位置に設けられ
ている。

上記トナー回収容器（２）の蓋（５）は、下方の開放し
た角筒であり、上面部（5a）が回収口（21）を覆うこと
ができると共に、周縁部（5b）は、一側部側が他側部側
よりも下方に延びた形状になっており、この延びた部分
により、係合解除手段（６）が形成されている。すなわ
ち、蓋（５）がトナー回収容器（２）に装着されたとき
に、係合解除手段（６）は、トナー回収容器（２）の凹
部（22）と、係合手段としての板ばね（３）との間に進
出して、板ばね（３）を凹部（22）から離脱させ、上記
係合を解除するものである（第１図（ｃ）参照）。

この実施例によれば、トナー回収容器（２）から蓋
（５）を取り外し忘れて、トナー回収容器（２）を収納
部（１）に取り付けようとした場合には、蓋（５）に設
けた係合解除手段（６）により、トナー回収容器（２）
の凹部（22）と係合手段（３）の係合が阻止されると共
に、トナー回収容器（２）は、付勢手段（４）により取
り外し方向に押し戻されるので、トナー回収容器（２）
に蓋（５）がついていることを、直ちに認識することが
できる。したがって、トナー回収容器（２）に蓋（５）
をしたまま装着されることによる不都合、すなわちトナ
ーがトナー回収容器（２）や蓋（５）の上に堆積し、飛
散して、画像形成装置本体内に飛散するという不都合を
防止できる。また、逆に、トナー回収容器（２）に蓋
（５）をしなければ、係合手段（３）の係合が解除され
ないので、トナー回収容器（２）を取り外すことができ
ない。したがって、トナーの廃棄の際に、トナーが飛散
するのを確実に防止することができる。

さらに、係合手段（３）が、板ばねからなるので、構造
が簡単で、スペースを取らないと共に、製造コストが安
くて済む。

なお、この考案のトナー回収装置は、上記実施例に限定
されるものでなく、例えば、第２図に示すように、トナ
ー回収容器（２）に、蓋（５）を一時的に保管すること
のできる蓋収納部（７）を設けることもできる。この蓋
収納部（７）は、蓋（５）の内面形状に合致するよう
に、トナー回収容器（２）の上面に溝部（7a）を、側面
に凹部（7b）を形成したものであり、トナーの廃棄時に
しか使用しない蓋（５）の保管場所として、最も適して
おり、蓋（５）の紛失防止に役立つ。

また、収納部（１）は、容器状のものでなくても良く、
トナー回収容器（２）を保持可能な形状のものであれば
良い。

さらに、付勢手段（４）に密着長の短い円錐コイルばね
を用いることもできる。

〈考案の効果〉 以上のように、この考案のトナー回収装置によると、ト
ナー回収容器から蓋を取り外し忘れて、トナー回収容器
を取り付けようとすると、蓋の係合解除手段により、ト
ナー回収容器と係合手段との係合が解除されると共に、
トナー回収容器は、付勢手段により取り外し方向に押し
戻されて、正規の位置に取り付けることができない。し
たがって、トナー回収容器が蓋をしたまま取り付けられ
るということを直ちに認識することができ、ひいては、
蓋をしたまま装着されることによる不都合、すなわちト
ナーがトナー回収容器や蓋の上に堆積し、飛散して、画
像形成装置本体内に飛散するという不都合を防止でき
る。また、逆に、トナー回収容器に蓋をした状態でない
と、係合手段の係合が解除されないので、トナー回収容
器を取り外すことができず、トナーの廃棄の際に、トナ
ーが飛散するのを確実に防止することができるという種
々の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）はこの考案の一実施例のトナー回収装置を
示す概略構成図、 第１図（ｂ）はトナー回収容器の取付け状態を示す概略
構成図、 第１図（ｃ）はトナー回収容器の取り外し過程を示す概
略構成図、 第２図は他の実施例を示す概略構成図。 （１）…画像形成装置本体としての収納部、（２）…ト
ナー回収容器、（３）…係合手段としての板ばね、
（４）…付勢手段としての板ばね、（５）…蓋、（６）
…係合解除手段。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】感光体から除去されたトナーを、画像形成
   装置本体から取り外し可能に設けられたトナー回収容器
   に回収するトナー回収装置において、上記画像形成装置
   本体側に、蓋を取り外した状態で画像形成装置本体に装
   着されることを許容し且つトナー回収容器が蓋を取り外
   した状態で画像形成装置本体から取り外されることを阻
   止するようにトナー回収容器の所定部と係合する係合手
   段と、上記トナー回収容器と当接し、トナー回収容器が
   蓋を装着した状態で画像形成装置本体に装着されること
   を阻止するように、トナー回収容器を取り外し方向に付
   勢する付勢手段とを設けていると共に、トナー回収容器
   の蓋に、トナー回収容器に装着された状態でトナー回収
   容器と係合手段との係合を解除する係合解除手段を設け
   ていることを特徴とするトナー回収装置。
2. 【請求項２】係合手段が、トナー回収容器の取り外し方
   向に沿う外面と係合する板ばねである上記実用新案登録
   請求の範囲第１項記載のトナー回収装置。