JPH074094B2 - 粒状物繰出装置における動力伝達装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、播種機や施肥機等の種子や粒状肥料を繰り
出す粒状物繰出装置の動力伝達装置に関するものであ
る。

従来技術 従来、粒状物繰出装置の駆動軸自体に２個の一方向の伝
動クラッチを取付けて一方のクラッチをクランク機構に
連接杆を介して連接回転し、他方のクラッチを繰出装置
の機枠側に止着して繰出装置の繰出ロールの逆転を防止
する構成の粒状物繰出装置の動力伝達装置は公知であっ
た。

発明が解決しようとする問題点 従来技術では、左右に所定の間隔を配して設けられる粒
状物繰出装置の繰出ロールを駆動する左右に長い駆動軸
自体にクランク機構から動力を受ける一方向伝動クラッ
チと駆動軸の逆転を防止する一方向伝動クラッチとを設
けていたが、格別に所定の位置に一方向伝動クラッチを
取付ける場合、その組み立てが面倒である他、組み立て
時に軸の歪みが発生する等して的確な駆動をすることが
困難であった。

問題点を解決するための手段 この発明は、前記の問題点を解決するために、次の技術
手段を講じた。

即ち、この発明は、種子や粒状の肥料等の粒状物を収容
する収容タンク10の下部にあって、粒状物を繰り出す繰
出ロールＢを繰出ケース15内に架設する粒状物繰出装置
11を左右に一定の間隔を配して設け、この左右の繰出ロ
ール15、15を単一の駆動軸22で回転伝動するに、この左
右の繰出ケース間に位置する前記駆動軸22に嵌挿されて
固定される覆筒24を設け、この覆筒24に一方向伝動クラ
ッチを２個並設し、一方の伝動クラッチ25を適宜クラン
ク機構から連接杆30を介して駆動し、他方の伝動クラッ
チ26は該覆筒24の逆転を防止するよう繰出ロールＢを内
装するケース15側に一体的に取付けてなる粒状物繰出装
置における動力伝達装置とした。

発明の作用および効果 この発明によると、覆軸24に２個の一方向伝動クラッチ
25、26を挿通止着したアッセンブリー部品を左右の粒状
物繰出装置の繰出ロールＢ、Ｂを駆動する軸に嵌挿して
該覆筒24を軸に止着し、一方の伝動クラッチを繰出装置
のケース側に固定し、他方のクラッチをクランクに連接
の連接杆に連接するだけでよいから、組み立てが極めて
簡単になり、しかも、逆回転が防止された覆筒24を介し
て駆動軸22が回転伝動されるから繰出ロールＢ、Ｂが逆
転せずに的確に駆動され正確に粒状物を繰出し得る作用
効果を奏する。

実施例 この発明の一実施例である施肥装置付き田植機粒状物繰
出装置の動力伝達装置を図面に基づき詳細に説明する。

１は乗用牽引車である。２は田植機で前記牽引車１の後
部に昇降リンク機構３を介して装着されている。この田
植機２は、機枠を兼ねる植付伝動ケース４の前側部上部
に前側が上位に傾斜する苗載せ台５を左右往復移動する
ように設け、ケース４の後部に前記苗載せ台５から苗を
分割して移植する移植装置６を設け、下部には整地フロ
ート7a、7bを装着している。そして、この田植機２は左
右方向に所定の間隔で前記移植装置６を複数基備えた複
条型の田植機になっている。

施肥機８は、前記植付伝動ケース４の後部にステー９を
介して、肥料の収容タンク10とその下部に取付けられた
肥料繰出装置11及びこの繰出装置11の下部に取付けられ
た漏斗12とで構成された繰出部ユニットＡが装着され、
前記田植機２の整地フロート7a、7bに取付けられた作溝
器13と前記漏斗12とを移送ホース14で連結して繰り出さ
れた肥料が水田中に撒かれるように構成している。そし
て、この施肥機８は前記移植装置６の基数と同数だけ左
右横方向に装備されている。

肥料繰出装置11を詳細に説明すると、前記肥料収容タン
ク10と漏斗12に連通する開口部を有した繰出ケース15に
軸受を兼ねていて基部側の外周に螺子を穿設する筒状の
螺子軸16を一体的に設け、この螺子軸16の先端部側の螺
子の無い部分にブッシュ17、18を挿通固定してこのブッ
シュ部分に肥料を汲み込んで繰り出す粒状物の繰出ロー
ルＢを支架ならしめている。そして、この繰出ロールＢ
は溝付きロール19とフオークロール20とからなり、前記
ブッシュ17、18に溝付きロール19を回転自在に嵌合し、
このロール19の繰出溝19aに嵌合して軸方向に移動自在
なフオーク20aを有するフオークロール20を設け、前記
螺子軸16にボス部が螺合するギヤ21のボス部を前記フオ
ークロール20に回転自在で軸方向には連繋するように係
合ならしめている。そして、前記螺子軸16の筒内に挿通
されて回転自在な駆動軸22と溝付きロール19との間にク
ラッチ23を設けて、繰出装置の動力を断続可能に構成し
ている。

この駆動軸22の回転伝動機構は、前記左右の繰出装置1
1、11間に位置する駆動軸22に、一方向回転クラッチ2
5、26を挿通止着した覆筒24を嵌挿して、この覆筒24の
一端側を一方の繰出ケース15にブッシュ27を介して支架
させ、前記一方の回転クラッチ25の外輪25aに止着の作
動アーム28を前記植付伝動ケース４の外側面に位置して
回転されるクランク29に連接杆30を介して連接し、他方
の回転クラッチ26の外輪26aに止着のアーム31を前記繰
出ケース15にボルト32で固着し、且つ、該覆筒24を前記
駆動軸22にセットボルト33で固着している。

尚、実施例の一方向回転クラッチ25、26は前記覆筒24に
挿通される前記外輪25a、26aの各内周面に軸心からの径
が小から大に移行するテーパカム面（イ）を連続的に複
数個設けて、覆筒と外輪との間にスチールロール34をカ
ム面に対応して介装した構成であるが、この一方向回転
クラッチの構造に限らず、周知の爪車式のラチェット機
構であってもよいこと勿論である。

上例の作用について説明すると、施肥機８の肥料収容タ
ンク10に粒状の肥料を収納して、田植作業を開始する
と、移植装置６の作動と共に植付伝動ケース４の側面に
突出するクランク29が回転され、連接杆30を介して一方
向回転クラッチ25が作動される。即ち、連接杆30の上動
時にはスチールロール34がカム面（イ）の小径側に移動
して該スチールロール34を介して外輪25a側から覆筒24
が回転され、この覆筒24からセットボルト33を介して駆
動軸22が伝動回転される。また、連接杆30の下動時には
スチールロール34がカム面（イ）の大径側に移動して動
力が覆筒24に伝わらない。また、この時、覆筒24が付き
回りせんとするがもう一方の回転クラッチ26の外輪26a
が繰出ケース15に取付けられているから確実にこの付き
回り逆動がぼうしされて駆動軸22が正確に伝動される。

このようにして、駆動軸22が前記移植装置６の回転伝動
系から回転され、各繰出装置11、11・・・の溝付きロー
ル19がクラッチ23を介して伝動回転され、その溝19aに
嵌合するフオークロール20も回転される。したがって、
該フオークロール20で埋められていない溝付きロール19
の溝部19aに肥料が汲み込まれて下部の漏斗12内に排出
され、移送ホース14を流下して作溝器13内へ排出され植
付けと同時に肥料が施される。

したがって、繰出装置11の粒状物繰出ロールＢはクラン
ク機構で逆動することなく的確に駆動され正確に粒状物
が繰り出されることになる。また、この繰出ロールＢの
駆動軸22の伝動構成はその組み立てが簡単となる。

尚、前記移送ホース14の下端部と作溝器13との連接は、
基部側の外周に鍔35aとリブ35bとを有する樹脂製のく字
状管35を介して行う構成とし、この場合、このく字状管
35の設定は、前記田植機２の機体側に、薄すい鉄板で出
来たリング金具36をステー37を介して取付け、このリン
グ金具36に前記く字状管35を挿通してその突起リブ35b
をリング金具36に穿設の孔36aに嵌合するよう当該リン
グ金具36を押圧変形して第７図のように回り止めと落下
防止とを兼ねさせた取付け構造にしている。

【図面の簡単な説明】

図は、この発明の一実施例の乗用型施肥機付き田植機を
示し、第１図は全体の側面図、第２図は全体の平面図、
第３図は第１図の拡大側面図、第４図は要部の拡大平断
面図、第５図は要部の側断面図、第６図は要部の平断面
図、第７図は要部の側面図を示す。 図中の記号、10は収容タンク、11は粒状物繰出装置、15
は繰出ケース、22は駆動軸、24は覆筒、25、26は一方向
伝動クラッチ、29はクランク、30は連接杆である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】種子や粒状の肥料等の粒状物を収容する収
   容タンク10の下部にあって、粒状物を繰り出す繰出ロー
   ルＢを繰出ケース15内に架設する粒状物繰出装置11を左
   右に一定の間隔を配して設け、この左右の繰出ロール1
   5、15を単一の駆動軸22で回転伝動するに、この左右の
   繰出ケース間に位置する前記駆動軸22に嵌挿されて固定
   される覆筒24を設け、この覆筒24に一方向伝動クラッチ
   を２個並設し、一方の伝動クラッチ25を適宜クランク機
   構から連接杆30を介して駆動し、他方の伝動クラッチ26
   は該覆筒24の逆転を防止するよう繰出ロールＢを内装す
   るケース15側に一体的に取付けてなる粒状物繰出装置に
   おける動力伝達装置。