JPH0719210Y2 - 多条施肥播種機における播種部伝動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、多条施肥播種機におけ
る播種機の転軸に伝動する播種部伝動装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の多条施肥播種機における
播種部伝動装置は、実公昭４８−３５０４１号公報に記
載されたように播種箱の前端部上に播種部入力軸を一側
へ突出させて横架し、その播種部入力軸の一側突出部と
機枠上の駆動回転する主軸をチエン伝動機構により連結
して構成している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】最近の畑作園芸では、
野菜栽培が多くなり、施肥播種機も畦幅を狭くして多畦
化している。

【０００４】ところが、上記従来の多条施肥播種機で
は、播種部の入力軸に伝動するチエン伝動機構が播種機
の台枠の側方に突出して付いているため、畦幅を狭くす
るにも限度がある上に、チエンが外れる等の点である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は、多条施肥播種
機の畦幅を希望の畦幅に狭くして播種部へ円滑良好に伝
動するために、多条施肥播種機の機枠（１）上に横架し
て車輪（２）より伝動回転する主軸（３）に駆動傘歯車
（４）を固定すると共に前方支持金（５）のボス（６）
を回転自在に嵌着し、その前方支持金（５）に軸受
（７）および前方止め具（８）を主軸（３）と直角方向
に向け取付けて該軸受（７）により支持する播種部入力
軸（９）の一端部に駆動傘歯車（４）と噛合する従動傘
歯車（１０）を固定し、機枠（１）の後方に配置する播
種箱（１１）の前端部には後方止め具（１２）付後方支
持金（１３）を取付け、自在軸（１４）の自在内軸（１
５）の両端部を播種部入力軸（９）の他端部と、播種箱
（１１）内の種子繰出し円盤（１６）の転軸（１７）の
前方突出部に継手（１８）、（１９）によりそれぞれ連
結し、自在軸（１４）の自在外チユーブ（２０）の両端
部を前方止め具（８）と後方止め具（１２）にそれぞれ
固定して多条施肥播種機における播種部伝動装置を構成
し、多条施肥播種機の畦幅を希望の畦幅に狭くして播種
部へ円滑良好に伝動する目的を、多条施肥播種機の主軸
と播種部入力軸を直角方向に配置してそれらを傘歯車機
構により連結し、その播種部入力軸と播種箱内の種子繰
出し円盤の転軸を自在軸により連結することにより実現
した。

【０００６】

【実施例】図面は、本考案の一実施例を示し、その構成
を図面について説明すれば、（１）は多条施肥播種機の
機枠で、その前端中央上に固設した三角状取付枠（２
１）の上下を、図示してないがトラクタの三点リンクヒ
ツチ（２２）に連結し、該機枠（１）の前部上に主軸
（３）を回転自在に横架する。

【０００７】（ａ）は機枠（１）の前部に左右方向に数
個並設した施肥機を示し、（２３）は施肥機（ａ）の肥
料タンクで、底部内には回転軸（２４）によつて図示し
てないが回転攪拌はね出し体を設ける。（２５）は肥料
タンク（２３）の下方に配設する施肥デイスクコルタ
で、両側の円板を上方から見て後方が拡開するハ字形に
配置し回転自在に軸支して成る。（２６）は肥料タンク
（２３）の送出し口後方に上口を臨ませて縦に配置した
肥料落下樋で、その下端は施肥デイスクコルタ（２５）
の後部内に臨ませる。（２７）は施肥デイスクコルタ
（２５）の直後に上方から見て前方が拡開するハ字形に
配置して回転自在に軸支した皿状の覆土円盤である。

【０００８】（４）は各施肥機（ａ）の中央部に対応し
て主軸（３）に固定した駆動傘歯車、（５）は前方支持
金で、その基端ボス（６）を主軸（３）に回転自在に嵌
着し、前方支持金（５）上には主軸（３）と直角方向に
向けて中間部に軸受（７）を、先端部に前方止め具
（８）をそれぞれ固定する。（９）は軸受（７）により
支持する播種部入力軸で、その一端部には駆動傘歯車
（４）と噛合する従動傘歯車（１０）を固定する。

【０００９】（ｂ）は各施肥機（ａ）の後方にそれぞれ
配置する播種機を示し、（２８）は播種機（ｂ）の台
枠、（１１）は台枠（２８）の中間部に取付けた播種箱
で、その後方の播種板（２９）の上部に種子落下口（３
０）を穿ち、播種板（２９）の前方に接近させて外周部
に多数の孔（３１）を並設した種子繰出し円盤（１６）
を転軸（１７）により架設し、播種箱（１１）の上方に
種子タンク（３２）を附設して種子落下口（３０）の後
方に種子落下樋（３３）を連設する。

【００１０】（１３）は後方支持金で、その基部を播種
箱（１１）の前端の中央部上に蝶ねじ（３４）により固
定して先端部下面に後方止め具（１２）を固定する。
（１４）は自在軸で、その自在内軸（１５）の両端部と
播種部入力軸（９）の他端部および転軸（１７）の前方
突出部とに前後の管状継手（１８）、（１９）をそれぞ
れ嵌合してそれらのピン孔に挿着するピン（３５）によ
り連結し、自在外チユーブ（２０）の両端部は前後の止
め具（８）、（１２）内にそれぞれ嵌合して締付け固定
する。

【００１１】（３６）は播種箱（１１）の下方に配置す
る播種溝切器で、両側の円板を上方から見て後方が拡開
するハ字形に配置し回転自在に軸支して成り、播種箱
（１１）の種子落下樋（３３）の下口を播種溝切器（３
６）の後部内に臨ませる。

【００１２】（３７）は台枠（２８）の前端に回転自在
に軸支した播種前鎮圧ローラ、（３８）は播種溝切器
（３６）の後方に配置した両側覆土金、（３９）は連結
杆で、その前端を主軸（３）に、後端を台枠（２８）の
軸杆（４０）にそれぞれ回転自在に嵌着する。（４１）
は台枠（２８）の後端に回転自在に軸支したつづみ形の
鎮圧ローラである。

【００１３】（２）は機枠（１）の中間部両側に軸支し
た車輪で、その車輪（２）の車軸（４２）と主軸
（３）、主軸（３）と回転軸（２４）をそれぞれチエン
伝動機構（４３）、（４４）により連結する。

【００１４】その作用を説明する。機械を圃場に入れて
タンク（２３）内に肥料を、タンク（３２）内より播種
箱（１１）内にわたつて種子をそれぞれ投入し、トラク
タの運転を開始して機械を前進させれば、車輪（２）が
接地回転し、その車輪（２）の車軸（４２）から伝動機
構（４３）を経て主軸（３）が回転し、該主軸（３）よ
り伝動機構（４４）、回転軸（２４）を経てタンク（２
３）内の回転攪拌はね出し体を駆動すると同時に、主軸
（３）から傘歯車（４）、（１０）、播種部入力軸
（９）、自在内軸（１５）、転軸（１７）を介して播種
箱（１１）内の種子繰出し円盤（１６）が回転する。

【００１５】従つて、漸次タンク（２３）内の肥料を回
転攪拌はね出し体により攪拌して落下樋（２６）内には
ね込み、その肥料は落下樋（２６）の下端からデイスク
コルタ（２５）で作つた施肥溝内に流落して施肥され、
その後、施肥溝上に後続の覆土円盤（２７）により覆土
する。

【００１６】一方、播種機（ｂ）はその播種前鎮圧ロー
ラ（３７）および鎮圧ローラ（４１）の接地回転により
播種箱（１１）付き台枠（２８）が支持されて進行し、
播種前鎮圧ローラ（３７）で上記施肥後の覆土上を地均
ししながら、順次播種箱（１１）内の種子を種子繰出し
円盤（１６）によつて落下樋（３３）内に送り込み、そ
の種子は落下樋（３３）の下端から溝切器（３６）で上
記の覆土上に作つた播種溝内に流落して播種され、その
後、播種溝上に後続の両側覆土金（３８）により覆土
し、その上を鎮圧ローラ（４１）により鎮圧して施肥お
よび播種作業が行われる。

【００１７】この播種部伝動装置は、一条用の施肥播種
機にも用いることができる。

【００１８】

【考案の効果】本考案の多条施肥播種機における播種部
伝動装置は、下記のような利点がある。

【００１９】（１）機枠に設けた主軸に前方支持金の基
端ボスを回転自在に嵌着し、その前方支持金の軸受によ
り支持して上記主軸と直角方向の播種部入力軸の一端部
と該主軸を傘歯車機構により連結して上記播種部入力軸
の他端部と播種箱内の種子繰出し円盤の転軸とを自在軸
により連結するから、その主軸より種子繰出し円盤の転
軸への伝動機構が播種機の中央部に位置して播種機の側
方に突出しない。従つて、多条施肥播種機を希望の畦幅
に狭くすることができ、畦幅を狭くして多畦化した畑に
も適合し、汎用性が大となつて作業能率を向上する。

【００２０】（２）自在軸の前端部およびこれに連結し
た従動傘歯車付播種部入力軸を取付ける前方支持金のボ
スを主軸に回転自在に嵌着したから、播種機の上下動に
よる自在軸の上下作動に応じ、自動的に適宜に自在軸が
上下方向へ主軸を軸として回動すると共に変形して自在
軸に無理な荷重が掛ることなく、自在軸による伝動を常
に円滑良好に行つて自在軸の寿命を増大する。

【００２１】（３）主軸の駆動傘歯車と噛合する従動傘
歯車を取付けた播種部入力軸は、該主軸に回転自在に嵌
着する前方支持金に支承したから、その従動傘歯車が常
に駆動傘歯車と正確に噛合保持されたまま該駆動傘歯車
上を転動して自在軸は上下作動し、駆動傘歯車より従動
傘歯車への伝動が円滑適切である。

【００２２】（４）自在軸を用いたから、外れる等の故
障が無く、また、錆びることも少ない。

【００２３】（５）構造は簡単で、容易安価に製作でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る多条施肥播種機の側面
図である。

【図２】その播種部への伝動要部の拡大側断面図で、中
間部を切欠して示す。

【図３】同上展開平面図で、中間部を切欠して示す。

【符号の説明】

ａ 施肥機 ｂ 播種機 １ 機枠 ２ 車輪 ３ 主軸 ４ 駆動傘歯車 ５ 前方支持金 ６ ボス ７ 軸受 ８ 前方止め具 ９ 播種部入力軸 １０ 従動傘歯車 １１ 播種箱 １２ 後方止め具 １３ 後方支持金 １４ 自在軸 １５ 自在内軸 １６ 種子繰出し円盤 １７ 転軸 １８ 継手 １９ 継手 ２０ 自在外チユーブ ２１ 三角状取付枠 ２２ 三点リンクヒツチ ２３ 肥料タンク ２４ 回転軸 ２５ 施肥デイスクコルタ ２６ 肥料落下樋 ２７ 覆土円盤 ２８ 台枠 ２９ 播種板 ３０ 種子落下口 ３１ 孔 ３２ 種子タンク ３３ 種子落下樋 ３４ 蝶ねじ ３５ ピン ３６ 播種溝切器 ３７ 播種前鎮圧ローラ ３８ 両側覆土金 ３９ 連結杆 ４０ 軸杆 ４１ 鎮圧ローラ ４２ 車軸 ４３ チエン伝動機構 ４４ チエン伝動機構

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 機枠上に横架して車輪より伝動回転する
   主軸に駆動傘歯車を固定すると共に前方支持金のボスを
   回転自在に嵌着し、上記前方支持金に軸受および前方止
   め具を上記主軸と直角方向に向け取付けてその軸受によ
   り支持する播種部入力軸の一端部に上記駆動傘歯車と噛
   合する従動傘歯車を固定し、上記機枠の後方に配置する
   播種箱の前端部には後方止め具付後方支持金を取付け、
   自在軸の自在内軸の両端部を上記播種部入力軸の他端部
   と、上記播種箱内の種子繰出し円盤の転軸の前方突出部
   に継手によりそれぞれ連結し、上記自在軸の自在外チユ
   ーブの両端部を上記前方止め具と上記後方止め具にそれ
   ぞれ固定してなる多条施肥播種機における播種部伝動装
   置。