JPS6341856Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、多条播種機における点播株間の変
更を一箇所の操作によつて行う点播株間変更装置
に係るものである。

（従来の技術） 従来のこの種の点播株間の変更は、例えば実公
昭53−26326号公報に記載されている主軸８と各
播種機ｂの伝動軸１８とを連結するチエン伝動機
構の伝動軸１８に取付けた鎖車を交換し、機械の
進行速度に対する種子移送板１６の回転速度を変
更して行つている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来の点播株間変更方法においては、例え
ば四畦用播種機であれば、その点播株間を変更す
る場合には四個の鎖車を変換しなければならな
い。ところで、その鎖車を交換するのに多くの手
間が掛つて可成りの時間を要する点に問題があ
る。

（問題点を解決するための手段） そこで、この考案は、上記の問題点を解決する
ために、多条播種機のフレーム１上にミツシヨン
台板２を立設して該ミツシヨン台板２に主軸３、
播種駆動軸４、株間変更の入力軸５および出力軸
６をそれぞれ回転自在に並架し、その主軸３と多
条播種機の車輪７の車軸８および入力軸５、播種
駆動軸４と出力軸６および各播種機ａにおける種
子容器９内の種子移送板１０の転軸１１に伝動す
る回転軸１２をそれぞれチエン伝動機構１３，１
４，１５，１６により連結し、入力軸５と出力軸
６の突出部には互いに噛合する交換歯車１７，１
８をそれぞれ着脱可能に取付ける。

（作用） 多条播種機をトラクタに連結して牽引すれば、
その播種機の車輪７の接地回転により該車輪７の
車軸８から伝動機構１３、主軸３、伝動機構１
４、入力軸５、歯車１７，１８、出力軸６、伝動
機構１５、播種駆動軸４、各伝動機構１６、回転
軸１２、伝動機構、転軸１１を経て各播種機ａの
種子移送板１０は回転する。

そこで、点播株間を変更する場合には、歯車１
７，１８を適宜所要の歯車の交換歯車と取り替え
れば、入力軸５より歯車１７，１８を経て伝動さ
れる出力軸６、およびその出力軸６に伝動機構で
連結した種子容器９内の種子移送板１０の回転速
度が変化して点播株間を変更することができる。

（実施例） 図面はこの考案の一実施例に係る多条施肥播種
機を示し、そのフレーム１の前端中央部上に固設
した取付枠１９を図示していないがトラクタの三
点リンクヒツチ２０に連結する。

ｂはフレーム１の前部に設けた施肥機を示し、
２１は施肥機ｂの適当数の肥料タンクで、フレー
ム１の前部上に左右方向に並設し、それらの肥料
タンク２１の下部内に通しそ主軸３を架設して図
示してないが主軸３の肥料タンク２１内には撹拌
はね出し爪を設ける。２２は肥料タンク２１の下
方に装設したコルターで、上方から見て後方が拡
開する∧形に配置する。２３は肥料タンク２１の
下部後方のはね出し口に上口を臨ませた肥料落下
樋で、その下端はコルター２２の後部内に臨ませ
る。

ミツシヨン台板２はフレーム１の前方中央部上
に立設し、その播種駆動軸４は両側に長く突出さ
せて両先端部をフレーム１上の軸受により支持す
る。また、入力軸５および出力軸６の一側突出部
にチエン伝動機構１４，１５の鎖車を、他側突出
部に交換歯車１７，１８をそれぞれ取付ける。１
７ａ，１８ａおよび１７ｂ，１８ｂは、それぞれ
歯車１７，１８と歯数が異なる組合せの交換歯車
で、それらの交換歯身１７，１８、１７ａ，１８
ａ，１７ｂ，１８ｂには入力軸５および出力軸６
との係合孔２４，２５をそれぞれ設ける。２６は
入力軸５および出力軸６のピン孔にそれぞれ抜き
差し可能に挿入する歯車止めピンで、その基部通
孔に円環２７を挿着する。

２８は各肥料タンク２１にそれぞれ対応させて
前端を播種駆動軸４に回転自在に嵌着した台枠、
２９は台枠２８の前部両側に設けた皿状の覆土円
盤で、口縁部を対向させ、上方から見て後方が拡
開するハ字形に配置する。

種子容器９は台枠２８の中間部に取付け、その
播種板３０の上部に種子落下口３１を穿ち、播種
板３０の前方に接近させて外周部に多数の孔３２
を並設した種子移送板１０を転軸１１により架設
し、該転軸１１と回転軸１２を傘歯車機構３３に
より連結し、種子容器９上には種子ホツパ３４を
附設する。３５は種子容器９の下方に設けた播種
溝切器、３６は種子容器９の種子落下口３１の後
方に連設した種子落下樋でその下端は播種溝切器
３５内に臨ませる。３７は種子容器９の後方に配
設した両側覆土金、３８は台枠２８の後端に取付
けた両側支持腕で、その先端間に鎮圧ローラ３９
を回転自在に軸支する。４０はフレーム１の後端
上に設けたサドルである。

次にその作用を説明する。機械を圃場に入れ、
肥料をタンク２１内に、種子をホツパ３４内より
容器９の下部内にわたつてそれぞれ投入し、トラ
クタの運転を開始して機械を前進させれば、車輪
７が接地回転し、その車軸８から伝動機構１３を
経て主軸３を駆動すると共に、その主軸３から伝
動機構１４、入力軸５、歯車１７、１８、出力軸
６、伝動機構１５、播種駆動軸４、各伝動機構１
６、回転軸１２、傘歯車機構３３、転軸１１を経
て移送板１０は回転する。従つて、タンク２１内
の肥料を主軸３の撹拌はね出し爪により撹拌しな
がら落下樋２３内にはね込んでその肥料は落下樋
２３の下端からコルター２２内に落下する。ま
た、容器９内の種子は順次移送板１０の孔３２内
に入り、播種板３７に沿つて持上げられ、その孔
３２内の種子は該孔３２が落下口３１に臨んだと
き落下口３１に臨んだとき落下口３１から落下樋
３６内を経て溝切器３５内に落下する。而して、
鎮圧ローラ３９が接地回転してこれにより台枠２
８を支承し、コルター２２、覆土円盤２９、溝切
器３５および覆土金３７がそれぞれ適度に土中に
喰込んで機械は進行する。

それ故、コルター２２で形成された施肥溝内に
施肥され、その後、土中への喰込み抵抗によつて
自転しながら後続する両側円盤２９により施肥溝
上に覆土する。次いで、その覆土上に溝切器３５
で形成された播種溝内に種子が適当間隔で点播さ
れ、該播種溝上に後続の覆土金３７によつて覆土
し、その上をローラ３９で鎮圧して施肥および播
種作業が完了する。

その際、入力軸５および出力軸６の止めピン２
６を抜き差し操作して歯車１７，１８を歯車１７
ａ，１８ａまたは１７ｂ，１８ｂと交換すれば、
それに応じ順次入力軸５の回転数に対する出力軸
６の回転数が変化し、機械の進行速度に対する移
送板１０の回転速度が変化して種子の点播株間が
変更される。

（考案の効果） この考案は、次のような顕著な効果を有する。

(1) 多条播種機のフレーム上にミツシヨン台板を
立設し、そのミツシヨン台板に並架した入力軸
と出力軸とを交換歯車により連結し、該出力軸
から播種駆動軸を経て各播種機の回転軸へ伝動
するから、その一箇所の交換歯車を取り替える
簡単な操作により、すべての播種機の点播株間
を同時に等しく変更することができて作業上有
益である。

(2) ミツシヨン台板が一枚の板で、これに入力軸
および出力軸を並架し、それらの軸の突出部に
チエン伝動機構の鎖車および交換歯車を取付け
たから、そのチエン伝動機構のチエンを掛けた
り、交換歯車の取り替え、バツクラツシユの調
整等を簡易に行うことができて取扱い上便利で
ある。

(3) 構造が簡単で、小型且つコンパクトに構成し
て容易安価に製作できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係る多条施肥播
種機の側断面図、第２図はその点播株間変更要部
の拡大側面図、第３図は同上後面図、第４図は交
換歯車の説明側面図、第５図は播種部の拡大側断
面図である。 ａ……播種機、１……フレーム、２……ミツシ
ヨン台板、３……主軸、４……播種駆動軸、５…
…入力軸、６……出力軸、７……車輪、８……車
軸、９……種子容器、１０……種子移送板、１１
……転軸、１２……回転軸、１３，１４，１５，
１６……チエン伝動機構、１７，１８……交換歯
車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多条播種機のフレーム上にミツシヨン台板を立
   設して該ミツシヨン台板に主軸、播種駆動軸、株
   間変更の入力軸および出力軸をそれぞれ回転自在
   に並架し、その主軸と多条播種機の車輪の車軸お
   よび上記入力軸、播種駆動軸と上記出力軸および
   各播種機における種子容器内の種子移送板の転軸
   に伝動する回転軸をそれぞれチエン伝動機構によ
   り連結し、上記入力軸と出力軸の突出部には互い
   に噛合する交換歯車をそれぞれ着脱可能に取付け
   てなる多条播種機における点播株間変更装置。