JPH0740849Y2

JPH0740849Y2 - 予混合バーナ

Info

Publication number: JPH0740849Y2
Application number: JP1988052799U
Authority: JP
Inventors: 謙治新屋; 一正三原
Original assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date: 1988-04-21
Filing date: 1988-04-21
Publication date: 1995-09-20
Anticipated expiration: 2003-04-21
Also published as: JPH01157954U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、予混合バーナ装置、特に連続焼鈍炉の直火加
熱バーナ等のように、直火加熱炉、無酸化炉、還元炉等
の還元または無酸化ふん囲気炉で用いられるバーナ装置
に関する。

〔従来の技術〕

燃料と空気とをあらかでめ混合して燃焼させる従来の予
混合バーナの一例について、第４図により説明する。

メインバーナ（2a）には、ベンチュリミキサ（3a）で予
混合された燃料と空気の混合気が供給される。同メイン
バーナ（2a）に点火するために、混合気噴出部にパイロ
ットバーナ（2b）で形成される小火炎（6b）をさらす必
要がある。パイロットバーナ（2b）にはメインバーナ
（2a）と同様にベンチュリミキサ（3b）で予混合された
燃料・空気の混合気を供給し、昇圧器（７）で数kVに昇
圧された電圧を金属製の点火用電極（８）とパイロット
バーナ筒（９）との間にかけ、放電によって発生するス
パークによって点火を行なうものである。パイロットバ
ーナ（2b）が点火した後、パイロットバーナの小火炎
（6b）を火種としてメインバーナ（2a）に点火すること
ができる。

なお、第４図において、（１）は炉壁、（4a）および
（4b）はメインバーナおよびパイロットバーナの燃料配
管にそれぞれ設けられたゼロガバナ、（5a）および（5
b）はメインバーナおよびパイロットバーナの空気配管
にそれぞれ設けられた流量調整弁、（6a）はメインバー
ナ火炎、（11）はノズル穴を有する燃料ノズル板、（2
1）はフレームロッド、（22）は火炎検出用の電圧印加
装置、（23）は電流計である。

〔考案が解決しようとする課題〕

前記した従来の予混合バーナには、次のような解決すべ
き問題があった。

パイロットバーナ（2b）は、メインバーナ（2a）で
形成される火炎（6a）からの熱輻射を受けて温度が上昇
しないように配置しておかなければならない。同時にま
た、パイロットバーナ（2b）で形成される小火炎（6b）
によりメインバーナ（2a）を確実に点火できる位置に配
置する必要もある。さらに、パイロットバーナ（2b）内
に設置されている点火用電極（８）についても、パイロ
ットバーナ自体の火炎により加熱されない構造としてお
く必要がある。しかし、従来は、これらの条件を同時に
満たすことは困難であった。

メインバーナ（2a），パイロットバーナ（2b）の両
方に燃料と空気を供給するために、それぞれ独立した配
管，弁，ガバナ，ミキサ等が必要で不経済であった。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は前記課題を解決する手段として、燃料と空気と
をあらかじめ混合して燃焼させる予混合バーナにおい
て、燃料ノズル板に設けられた複数の貫通穴の一に間隙
をへだてて挿入された棒状の電極と、上記貫通穴の一の
内面と上記電極との間に電圧を印加する手段とを具えた
ことを特徴とする予混合バーナを提案するものである。

〔作用〕

本考案は前記のように構成されており、貫通穴の一と電
極との間に数kVの電圧を印加してスパークを発生させ、
この部分を流れる予混合ガスに点火して小火炎を形成さ
せる。この小火炎を火種として、燃料ノズル板の他の貫
通穴（ノズル穴）から噴出する主予混合ガスに点火す
る。すなわち、パイロットバーナに相当する火炎をメイ
ンバーナ内に形成させるのである。

〔実施例〕

本考案の一実施例を第１図および第２図を用いて説明す
る。第１図は全体構成図、第２図は燃料ノズル周辺の詳
細図である。

まず第１図において、空気は流量調整弁（105）を経
て、ベンチュリミキサ（103）へ送られる。燃料はゼロ
ガバナ（104）で二次圧力を一定に調整され、ベンチュ
リミキサスロート部で吸引され、ベンチュリミキサ部で
空気と燃料の予混合気が形成される。形成された予混合
ガスは複数の貫通穴を有する燃料ノズル板（111）へ送
られる。それら貫通穴のうち中央の貫通穴（112）の内
部に間隙をへだてて点火用電極（108）を同心状に配置
する。点火用電極（108）の先端には、絶縁碍子（113）
を取付け、電気リークを防止する。貫通穴（112）の内
面と電極（108）との間のアニュラス部分を通過する予
混合ガスにスパークで点火して小火炎（106b）を形成さ
せ、これにより他の貫通穴（ノズル穴）を通過した予混
合ガスに点火して、メインバーナ火炎（106a）を形成さ
せる。

なお第１図において、（101）は炉壁、（107）は昇圧
器、（121）はフレームロッド、（122）は火炎検出用の
電圧印加装置、（123）は電流計である。

さて、点火用電極（108）の直径は通常約3mmであり、ス
パーク用の印加電圧を10kVとすれば、スパークギャップ
は約1.5mmとれることになる（実績値）。そこで燃料ノ
ズル（111）の貫通穴（112）の直径を6mmとすれば、予
混合ガスのアニュラス流路断面積Ａは、となる。予混合ガスの供給圧力をP_f（mmAq）で表わす
と、その流量Q_fはで表わされる。

ここで ζ：流量係数（−） γ：予混合ガス比重量（kg/m³） g :重力加速度（m/S²） P_fを200mmAq,γを1.29kg/m³とすれば燃料にLPGを使用すれば、上記ガスの燃料発熱量H_fはここで Q_f :予混合ガス流量（Nm³/h） A_f :LPGの理論空気量（Nm³／Nm³） H_Lf:LPGの低位発熱量（kcal/Nm³）この式に現実の数値を当てはめるととなり、この燃焼発熱量はメインバーナ（102a）を点火
するのに十分な熱量である。

また、燃料の種類を（例えば、LNG、CO等に）変える場
合には、その燃料の発熱量（H_Lf）に応じて、燃料ノズ
ル板（111）中央の貫通穴（112）の径あるいは電極（10
8）の径を変えて、アニュラー流路面積Ａを好適に保つ
ことにより、メインバーナ（102a）に点火するのに必要
な燃焼発熱量を得ることができる。

このようにして形成された小火炎（106b）を火種とし
て、その周囲に燃料ノズル板（111）の他の貫通穴から
噴出する主予混合ガスに点火しようとするものである
が、火種と噴出する主予混合ガスを極く近傍に配置でき
るので、確実に点火を行なうことができる。また、点火
用の電極（108）はメインバーナ（102a）内に設置され
るので、その内部を流れる多量の予混合ガスで冷却さ
れ、温度が上昇することはない。さらに火種である小火
炎（106b）は、その周囲をメインバーナ（102a）の保炎
筒で囲まれているため、保炎性は良好であり、負荷変動
や空燃料比変動に対しても、極めて安定で失火すること
はない。

次に本考案の他の実施例を第３図により説明する。本実
施例は、ベンチュリミキサ（203）をメインバーナ（202
a）と一体型としたものであって、前記第一の実施例と
同様に、燃料ノズル板（211）に開けられた複数貫通穴
の一（202）の内部に間隙をへだてて点火用電極（208）
を同心状に配置している。そして、ベンチュリミキサ
（203）で形成された予混合ガスを、その貫通穴（212）
と点火用電極（208）との間のアニュラス流路を通過さ
せ、スパークにより点火して小火炎（206b）を形成させ
る。この小火炎（206b）でメインバーナ（202a）全体に
点火し、メインバーナ火炎（206a）を形成させる。本実
施例ではベンチュリミキサ（203）とメインバーナ（202
a）とを一体型としているので、可燃性予混合ガスの配
管内保持体積が極めて小さい。したがって、操作ミスあ
るいはその他の原因で万一逆火した場合でも、逆火はベ
ンチュリミキサ（203）のスロート部で止まって、配管
内ガスが爆発する心配はなく、安全な運転ができる。

なお第３図において、（201）は炉壁、（204）はゼロガ
バナ、（205）は空気流量調整弁、（207）は昇圧器、
（213）は絶縁碍子、（221）はフレームロッド、（22
2）は火炎検出用電圧印加装置、（223）は電流計であ
る。

〔考案の効果〕

本考案によれば次の効果が奏せられる。

メインバーナ燃料ノズル板内に点火用電極を具備し
ここで点火用の小火炎を形成させるので、メインバーナ
に確実に点火できる。

上記小火炎は、周囲をメインバーナの保炎筒で囲ま
れているので、負荷や空燃比が変動しても、極めて安定
で失火の恐れがない。

点火用の電極はメインバーナ内に設けられ、多量の
予混合ガスで冷却されるので、焼損する心配がない。

パイロットバーナ自体が不要となると同時に、これ
に伴なう空気配管，燃料配管，ベンチュリミキサ，ゼロ
ガバナ，流量調整弁も不要となり、コストを大幅に低減
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の全体構成図、第２図は同じ
く燃料ノズル周辺の詳細図、第３図は本考案の他の実施
例の全体構成図、第４図は従来の予混合バーナの一例の
全体構成図である。（１），（101），（201）…炉壁（2a），（102a），（202a）…メインバーナ（2b）…パイロットバーナ（3a），（3b），（103），（203）…ベンチュリミキサ（4a），（4b），（104），（204）…ゼロガバナ（5a），（5b），（105），（205）…空気流量調整弁（6a），（106a），（206a）…メインバーナ火炎（6b），（106b），（206b）…小火炎（７），（107），（207）…昇圧器（８），（108），（208）…点火用電極（９）…パイロットバーナ筒（11），（111），（211）…燃料ノズル板（112），（212）…中央の貫通穴（113），（213）…絶縁碍子（21），（121），（221）…フレームロッド（22），（122），（222）…火炎検出用電圧印加装置（23），（123），（223）…電流計

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】燃料と空気とをあらかじめ混合して燃焼さ
せる予混合バーナにおいて、燃料ノズル板に設けられた
複数の貫通穴の一に間隙をへだてて挿入された棒状の電
極と、上記貫通穴の一の内面と上記電極との間に電圧を
印加する手段とを具えたことを特徴とする予混合バー
ナ。