JP2534520Y2

JP2534520Y2 - 予混合バーナ

Info

Publication number: JP2534520Y2
Application number: JP1990108932U
Authority: JP
Inventors: 謙治新屋; 克己槇原
Original assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date: 1990-10-19
Filing date: 1990-10-19
Publication date: 1997-04-30
Anticipated expiration: 2005-10-19
Also published as: JPH0473741U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、予混合バーナ装置、特に連続焼鈍炉の直火
加熱バーナ等のように、直火加熱炉，無酸化炉，還元炉
等の酸化または還元雰囲気炉で用いられるバーナ装置に
関する。

〔従来の技術〕

第４図は、燃料と空気とをあらかじめ混合して燃焼さ
せる、従来の予混合バーナの一例を示す、全体構成図で
ある。

メインバーナ（2a）には、ベンチュリミキサ（3a）で
予混合された燃料と空気の混合気が供給される。同メイ
ンバーナ（2a）に点火するために、混合気噴出部にパイ
ロットバーナ（2b）で形成される小火炎（6b）をさらす
必要がある。パイロットバーナ（2b）には、メインバー
ナ（2a）と同様にベンチュリミキサ（3b）で予混合され
た燃料・空気の混合気を供給し、昇圧器（７）で数KVに
昇圧された電圧を金属製の点火用電極（８）とパイロッ
トバーナ筒（９）との間にかけ、放電によって発生する
スパークによって点火する。パイロットバーナ（2b）が
点火した後、そのパイロットバーナの小火炎（6b）を火
種としてメインバーナ（2a）に点火することができる。

なお、第４図において、（１）は炉壁、（4a），（4
b）はメインバーナおよびパイロットバーナの燃料配管
にそれぞれ設けられたゼロガバナ、（5a），（5b）はメ
インバーナおよびパイロットバーナ空気配管にそれぞれ
設けられた流量調整弁、（6a）はメインバーナ火炎、
（11）は燃料ノズル、（21）はフレームロッド、（22）
は火炎検出用の電圧印加装置、（23）は電流計をそれぞ
れ示す。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前記した従来の予混合バーナには、次のような解決す
べき課題があった。

パイロットバーナ（2b）は、メインバーナ（2a）で形
成される火炎（6a）からの熱輻射を受けて温度が上昇し
ないように配置しておかなければならない。同時にま
た、パイロットバーナ（2b）で形成される小火炎（6b）
によりメインバーナ（2a）を確実に点火できる位置に配
置する必要もある。さらに、パイロットバーナ（2b）内
に設置されている点火用電極（８）についても、パイロ
ットバーナ自体の火炎により加熱されない構造としてお
く必要がある。しかし、従来は、これらの条件を同時に
満たすことは困難であった。

メインバーナ（2a），パイロットバーナ（2b）の両方
に燃料と空気を供給するために、それぞれ独立した配
管，弁，ガバナ，ミキサ等が必要で不経済であった。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、前記従来の課題を解決するために、燃料と
空気とを混合した混合気をノズル板の上流側より流入さ
せ、同ノズル板先端に開けられた噴口から噴出させて燃
焼させる予混合バーナにおいて、上記ノズル板の上流側
に配され、側面に上記ノズル板へ流入した混合気の一部
を導く予混合ガス流入孔が開けられるとともに、先端が
上記ノズル板先端の中心に設けられた貫通穴に装入され
て同ノズル板の下流側に連通する金属管と、同金属管の
軸心部に設けられた電極と、同電極と上記金属管との間
にスパーク発生用の電圧を印加する手段と、上記ノズル
板の先端部周囲を覆い、上記貫通穴からの点火用火炎及
び上記噴口からの混合気を導く保炎筒とを具備したこと
を特徴とする予混合バーナを提案するものである。

〔作用〕

本考案は前記のように構成されており、電極と金属管
との間に例えば数KVの電圧を印加してスパークを発生さ
せ、同金属管に予混合ガス流入孔から流入しスパーク部
分を流れる予混合ガスに点火して、小火炎を形成させ
る。この小火炎を火種として、燃料ノズルから噴出する
主予混合ガスに点火する。すなわち、パイロットバーナ
に相当する火炎をメインバーナの燃料ノズル内に形成さ
せるのである。

〔実施例〕

第１図は本考案の一実施例を示す全体構成図、第２図
は同じく燃料ノズル周辺を詳細に示す縦断面図である。

まず第１図において、空気は流量調整弁（105）を経
て、ベンチュリミキサ（103）へ送られる。燃料はゼロ
ガバナ（104）で２次圧力を一定に調整され、ベンチュ
リミキサスロート部で吸引される。そしてベンチュリ部
で空気と燃料の予混合ガスが形成される。メインバーナ
（102）の燃料ノズルノズル板（111）には、第２図に示
されるように、中央に貫通穴（112）が開けられてお
り、その貫通穴（112）に金属管（113）の先端が下流側
から装入されている。この金属管（113）の軸心部に
は、点火用電極（108）および絶縁碍子（115）が同心円
状に配置されている。また金属管（113）の側面には予
混合ガス流入孔（114）が開けられている。この予混合
ガス流入孔（114）から流入して金属管（113）と点火用
電極（108）との間の環状断面部分を通過する予混合ガ
スに、金属管（113）と点火用電極（108）の間で発生す
るスパークにより点火して、小火炎（106b）を形成さ
せ、更にこれにより燃料ノズル（111）を通過する予混
合ガスに点火して、メインバーナ火炎（106a）を形成さ
せる。

なお第１図において、（101）は炉壁、（107）は昇圧
器、（121）はフレームロッド、（122）は火炎検出用の
電圧印加装置、（123）は電流計である。

さてここで、予混合ガス流入孔（114）の径をd,孔数
をＮとすれば、その総面積Ｓは、予混合ガスの供給圧力をＰとすれば、予混合ガス流入
孔を流れる予混合ガス量Ｑはで表わされる。

ここで、K:流量係数（−） w:予混合ガス比重量（kg/m³） g:重力加速度（m/s²） P:予混合ガス供給圧力（mmAq） S:予混合ガス流入孔面積（m²）一例として、ｄ＝2.5mm,N＝4,P＝200mmAqとすると、使用する燃料の低位発熱量をH_Lとすれば、上記ガスの
燃焼発熱量Ｈは、ここで、A:燃料の理論空気量（m³ _air／m³ _fuel） H_L：燃料の低位発熱量（kcal/m³） H:予混合ガス燃焼発熱量（kcal/h）ここで、燃料としてLPGを使用するとすれば、となり、この燃焼発熱量はメインバーナ（102）を点火
するのに十分な熱量である。

また、燃料の種類を例えば、LNG,COG等に変える場合
には、その燃料の発熱量H_Lに応じて、予混合ガス流入孔
（114）の径ｄあるいは孔数Ｎを変えてＱを好適に保つ
ことにより、メインバーナ（102）に点火させるに必要
な燃焼発熱量を得ることができる。

このようにして形成された小火炎（106b）を火種とし
て、燃料ノズル（111）からその周囲に噴出されている
主予混合ガスに点火させるのであるが、本実施例では火
種と燃料ノズルから噴出する予混合ガスを極く近傍に配
置できるので、確実に点火することができる。また、点
火用の金属管（113）はメインバーナ内に設置されるの
で、その外部を流れる多量の予混合ガスで冷却され、温
度が上昇することはない。さらに火種である小火炎（10
6b）は、その周囲をメインバーナ（102）の保炎筒（102
A）で囲まれているので、保炎性は良好であり、負荷変
動や空燃比変動に対しても、極めて安定で失火すること
はない。

次に本考案の他の実施例を第３図により説明する。本
実施例は、ベンチェリミキサ（203）をメインバーナ（2
02）と一体型としたものであって、前記第１の実施例と
同様に、燃料ノズル（211）に貫通穴（212）を開け、そ
の内部に点火用電極を有する金属管（213）を同心状に
配置している。そして、ベンチュリミキサ（203）で形
成された予混合ガスを予混合ガス流入孔（214）から流
入させ、金属管（213）と点火用電極との間の環状断面
流路を通過させて、スパークにより点火し小火炎（206
b）を形成させる。この小火炎（206b）でメインバーナ
（202）に点火し、メインバーナ火炎（206a）を形成さ
せる。

本実施例ではベンチュリミキサ（203）とメインバー
ナ（202）とを一体型としているので、可燃性予混合ガ
スの配管内保持体積が極めて小さい。したがって、操作
ミスあるいはその他の原因で万一逆火した場合でも、逆
火はベンチュリミキサ（203）のスロート部で止まっ
て、配管内ガスが爆発する心配はなく、安全に運転でき
る。

なお第３図において、（201）は炉壁、（204）はゼロ
ガバナ、（205）は空気流量調整弁、（207）は昇圧器、
（221）はフレームロッド、（222）は火炎検出用電圧印
加装置、（223）は電流計をそれぞれ示す。

〔考案の効果〕

本考案により、次の効果が得られる。

メインバーナ燃料ノズル内に点火用電極を有する金属
管を具備し、ここで点火用の小火炎を形成させるので、
メインバーナに確実に点火できる。

上記小火炎は、周囲をメインバーナの保炎筒で囲まれ
ているので、負荷や空気比が変動しても、極めて安定で
失火の恐れがない。

パイロットバーナ自体が不要となるので、これに伴な
い空気配管、燃料配管，ベンチュリミキサ，ゼロガバ
ナ，流量調整弁も不要となり、コストを大幅に低減でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体構成図、第２図は
同じく燃料ノズル周辺を詳細に示す縦断面図である。第
３図は本考案の他の実施例を示す全体構成図である。第
４図は従来の予混合バーナの一例を示す全体構成図であ
る。（１），（101），（201）……炉壁；（2a），（102），（202）……メインバーナ；（102A）……保炎筒；（2b）……パイロットバーナ；（3a），（3b），（103），（203）……ベンチュリミキ
サ；（4a），（4b），（104），（204）……ゼロガバナ；（5a），（5b），（105），（205）……空気流量調整
弁；（6a），（106a），（206a）……メインバーナ火炎；（6b），（106b），（206b）……小火炎；（７），（107），（207）……昇圧器；（８），（108）……点火用電極；（９）……パイロットバーナ筒；（11），（111），（211）……燃料ノズル；（112），（212）……貫通穴；（113），（213）……金属管；（114），（214）……予混合ガス流入孔；（115）……絶縁碍子；（21），（121），（221）……フレームロッド；（22），（122），（222）……火炎検出用電圧印加装
置；（23），（123），（223）……電流計；

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】燃料と空気とを混合した混合気をノズル板
の上流側より流入させ、同ノズル板先端に開けられた噴
口から噴出させて燃焼させる予混合バーナにおいて、上
記ノズル板の上流側に配され、側面に上記ノズル板へ流
入した混合気の一部を導く予混合ガス流入孔が開けられ
るとともに、先端が上記ノズル板先端の中心に設けられ
た貫通穴に装入されて同ノズル板の下流側に連通する金
属管と、同金属管の軸心部に設けられた電極と、同電極
と上記金属管との間にスパーク発生用の電圧を印加する
手段と、上記ノズル板の先端部周囲を覆い、上記貫通穴
からの点火火炎及び上記噴口からの混合気を導く保炎筒
とを具備したことを特徴とする予混合バーナ。