JPH0740516A - 多層構造体 - Google Patents

多層構造体

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JPH0740516A
JPH0740516A JP18646793A JP18646793A JPH0740516A JP H0740516 A JPH0740516 A JP H0740516A JP 18646793 A JP18646793 A JP 18646793A JP 18646793 A JP18646793 A JP 18646793A JP H0740516 A JPH0740516 A JP H0740516A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 熱成形時にピンホール、クラック、局所的偏
肉などを生じない、しかもガスバリアー性がそこなわれ
ない、エチレン−ビニルアルコール共重合体層を含む多
層構造体を提供する。 【構成】 下記の式(1)〜(3)を満足するエチレン
−ビニルアルコール共重合体の層と、この層の少くとも
片面に熱可塑性樹脂層を有する多層構造体。 Tc(A)≦130℃ (1) Hc(A)≦20mJ/mg (2) 1≦100×Hc(A)/Hc(T)≦30 (3) 但し、Tc(A)は示差熱量計(DSC)で10℃/分
で降温した場合のエチレン−ビニルアルコール共重合体
の結晶化ピーク温度を示し、2つ以上のピーク温度のう
ち最も低い温度を示す。Hc(A)はTc(A)でのエ
チレン−ビニルアルコール共重合体の結晶化発熱量(m
J/mg)であり、Hc(T)は2つ以上のピーク温度
を有するエチレン−ビニルアルコール共重合体の全結晶
化発熱量(mJ/mg)を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エチレン−ビニルアル
コール共重合体(以下「EVOH」と略記する)層を含
む多層構造体に関する。詳しくは、加熱延伸成形時にピ
ンホール、クラック、局所的偏肉などの発生がなく、し
かも透明性およびガスバリアー性に優れたEVOHと熱
可塑性樹脂との多層構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】EVOHは、今日、食品等の包装用フィ
ルム、特に酸素、臭気、フレイバー等に対するバリアー
性が必要な食品、保香性を必要とする他の製品などに対
する使用を目的とする分野において、有効性が認められ
ている。そして、EVOHは、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポ
リ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂層と、アイオノマー、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体などで代表される各種接着
性樹脂層とを積層してなる多層構造体の形で用いられ
る。ところで、各種方法で製造した多層構造体(フィル
ム、シート、パリソンなど)を容器などに二次加工する
場合、特にEVOHの融点以下で延伸成形を行う場合、
EVOH層に小さなボイド、クラック、局所的偏肉など
が多発し、その結果、成形容器の外見、透明性、酸素バ
リアー性が大巾に悪化する。
【0003】そこで従来、加熱延伸時に発生するEVO
H層のピンホール、クラックなどを防止する目的で、E
VOH層に各種可塑剤の添加(特開昭53−8806
7,特開昭59−20345)、ポリアミド系樹脂のブ
レンド(特開昭52−141785,特開昭58−36
412)等が検討されてはいるが、いずれの場合も、下
記の点で十分満足すべきものではない事が判明した。す
なわち、各種可塑剤の添加系においては、加熱延伸特性
を充分改善する為には、可塑剤をEVOH100重量部
に対して、10〜20重量部添加する必要があり、ガス
バリアー性の大巾な低下、EVOH層との層間接着強度
の低下など多くの問題があり使用に耐えない。一方、ポ
リアミド系樹脂の添加系においては、EVOHとの化学
反応性が大きい為か、成形物に多数のゲル状物の存在、
顕著な着色などの為、使用に耐えない。また、ゲル着色
が比較的少ないポリアミド系樹脂の添加系においては、
EVOHとポリアミドとの相溶性が十分でない為か、見
掛け上、良好な容器が得られるが、特に、加熱高速延伸
成形時微少なピンホールが存在するためか、ガスバリア
ー性の測定値のバラツキが大きく、ガスバリアー性容器
としての信頼性がなく、使用に耐えなかった。また、特
公昭63−56893に記載のエチレン含有量の異なる
二種類のEVOHにポリアミドをEVOH/ポリアミド
の重量比で5/95〜95/5ブレンドしてなる組成物
は熱成形性などが改良されるとしているが、長期運転
時、ゲルなどが発生し外観不良が生じ易い事、ゲルなど
が加熱高速延伸成形時ピンホールを生じさせる為か、ガ
スバリアー性の測定値のバラツキが大きかったり、さら
に悪い事にはスクラップなどの回収再使用時、着色、ゲ
ル発生などの異常が多発する傾向にあった。それゆえ、
透明性、高ガスバリアー性、及び、ガスバリアー性容器
としての信頼性(バラツキが良好であるEVOHの開発
が重要な課題の一つである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、EVOHの
優れたガスバリアー性をそこなうことなく、かつEVO
H多層構造体を容器などに二次加工する場合に生じるE
VOH層のクラック、ピンホール、局所的偏肉などの発
生を防止し、透明性、高ガスバリアー性、及び、信頼性
の高いガスバリアー性を有するEVOH樹脂含有加熱延
伸多層構造体を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題は、下記式
(1)〜(3)を満足するエチレン含有量20〜60モ
ル%、鹸化度80%以上のEVOHの層と、該層の少く
とも片面に熱可塑性樹脂層を有する多層構造体を提供す
ることにより解決される。 Tc(A)≦130℃ ・・・(1) Hc(A)≦20mJ/mg ・・・(2) 1≦100×Hc(A)/Hc(T)≦30 ・・・(3) 但し、Tc(A)は示差熱量計(DSC)で10℃/分
で降温した場合のEVOHの結晶化ピーク温度を示し、
2つ以上のピーク温度のうち最も低い温度を示す。ま
た、Hc(A)はTc(A)でのEVOHの結晶化発熱
量(mJ/mg)であり、Hc(T)は2つ以上のピー
ク温度を有するEVOHの全結晶化熱量(mJ/mg)
を示す。なお、mJはミリジュール、mgはミリグラム
である。
【0006】本発明者らは、熱可塑性樹脂、例えばポリ
スチレン(PS)と種々のEVOHとを積層した多層シ
ートを用いて二軸延伸、熱成形性の評価を行ない延伸性
とEVOHの樹脂特性及び延伸条件特に延伸温度、加熱
操作方法と延伸性との関連を評価した結果、延伸操作
時、すなわち延伸前の原反を加熱昇温する操作に於い
て、目標とする延伸温度に昇温する過程でまず最初に延
伸温度より10〜30℃高い温度迄昇温後、延伸温度ま
で放熱し延伸すると延伸性(ボイド、クラック、ムラ)
が改善されることを見出だした。そこで、更に検討した
結果、延伸温度がEVOHの結晶化開始温度Tc(A)
より低い場合には延伸性が大巾に改善される事、中でも
結晶化発熱量Hc(A)が小さい程有効である事が判明
した。けれども、これ等EVOHのガスバリアー性は悪
く、高いバリアー性が要求される分野には使用できない
欠点があることが分かった。そこで種々検討した結果、
下記に示す様に特殊な重合条件を採用することにより、
上記式(1)〜(3)を満足させた結果、高ガスバリア
ー性を維持しつつ延伸性良好なEVOHを見出だし本発
明を完成するにいたった。
【0007】本発明において、EVOHとは、エチレン
−ビニルエステル共重合体のけん化物であり、エチレン
含有量20〜60モル%、好適には25〜50モル%、
さらにビニルエステルとして酢酸ビニルを用いてその成
分のけん化度が80%以上、好適には85%以上、さら
には90%以上のものが使用できる。エチレン含有量2
0モル%未満では溶融成形性が悪く、一方、60モル%
以上では、ガスバリアー性が不足する。また、けん化度
が80%未満では、ガスバリアー性および熱安定性が悪
くなる。
【0008】また、該EVOHは本発明の目的が阻害さ
れない範囲で、他の共単量体[例えば、プロピレン、ブ
チレン、不飽和カルボン酸又はそのエステル{(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル(メチル、エ
チル)など}、ビニルピロリドン(N−メチル−ビニル
ピロリドンなど)、ビニルシラン系化合物(ビニルメト
キシシランなど)を共重合体することも出来る。
【0009】そして、EVOHの溶融粘性指数(MI)
(2160g荷重下、190℃で測定:ただし、融点が
190℃付近あるいは190℃を越えるものは2160
g荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラ
フで絶対温度の逆数を横軸、メルトインデックスを縦軸
としてプロットし、190℃に外挿した値)に関して
は、0.1〜50g/10min.好適には、0.2〜
25g/10min.である。組成物の溶融粘性指数が
0.1g/10min.未満、あるいは、50g/10
min.以上の場合、多層構成体製造時EVOH組成物
層の厚みムラのためか、外観良好な成形物が得られない
場合がある。
【0010】更に、添加剤(可塑剤、熱安定剤、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フィラー、他の樹脂な
ど)を本発明の目的が阻害されない範囲で使用する事が
できる。特にゲル発生防止対策として、ハイドロタルサ
イト系化合物、ヒンダードフェノール系、ヒンダードア
ミン系熱安定剤、高級脂肪族カルボン酸の金属塩(たと
えば、ステアリン酸カルシュウムなど)の一種、また
は、二種を0.01〜1重量%添加する事は好適であ
る。
【0011】上記式(1)〜(3)を満足するEVOH
を製造する方法としては、エチレンとビニルエステルと
を重合触媒の存在下で共重合するに当り、重合温度、重
合圧力あるいは、溶剤を使用する場合には溶剤濃度等の
うち、少くともその1つを重合工程中に、段階的にある
いは急激に変更させて、エチレン−ビニルエステル共重
合体を製造し、その後、酸または塩基触媒でビニルエス
テル部分をけん化してEVOHを製造する。この場合、
重合工程において (i)重合温度を重合反応完了時間のおよそ3/4の時
点で20〜50℃上昇または低下させる。 (ii)重合圧力を重合反応完了時間のおよそ3/4の時
点で10〜30Kg/cm2上昇または低下させる。 (iii)重合工程中、溶剤濃度を10〜30%上昇または
低下させる。などの方法があり、これ等を組合せて行う
方法も採用できる。更に、重合槽を直列に2槽以上配置
し、それぞれの重合槽の重合条件を異にして運転する方
法があり、上記式(1)〜(3)を満足するEVOHを
製造するにはこの方法を採用するのがより好適である。
【0012】また上記式(1)〜(3)を満足するEV
OHを製造するには、エチレン−ビニルエステル共重合
体のけん化工程の条件も影響を及ぼし、酸又はアルカリ
触媒の添加量の低下、含水率の増加、副成する酢酸メチ
ルの溜去速度の低減等、得られるEVOHのガスバリア
ー性の悪化が生じない程度にけん化度下げるなどそのけ
ん化度を調整することによって達せられるもので、ビニ
ルエステルに対するけん化度(モル%)を80〜99.
5モル%、好適には85〜99.2モル%、より好適に
は90〜99.0モル%以内におさめることが重要であ
る。けん化度80モル%以下ではガスバリアー性が十分
でなく、一方、99.5モル%以上になると上記式
(1)〜(3)を満足する条件が選定し難く、また該E
VOHフィルムの延伸性が不十分となる。
【0013】前記のような製造方法によって製造された
EVOHの結晶化ピークを示差熱量計(DSC)で測定
した場合、結晶化ピークは2個以上を有し、そのうちの
最も低温側のピーク温度Tc(A)及び結晶化熱量Hc
(A)がEVOHの延伸性に大きく影響し、Tc(A)
=130℃以下、好適には125℃以下、より好適には
120℃以下である。Tc(A)が130℃以上となる
とEVOHの延伸性の改善効果が十分ではない。また、
Hc(A)に関しては20mJ/mg以下、好適には1
5mJ/mg以下が、より好ましくは10mJ/mg以
下である。Hc(A)が20mJ/mg以上では、EV
OHフィルム(層)の延伸性あるいは/及びガスバリア
ー性が十分ではなく好ましくない。一方、EVOHに由
来する2つ以上のピークのうち、最も低温側のピーク温
度Tc(A)に相当する結晶化発熱量Hc(A)(mJ
/mg)は、EVOHに由来する全結晶化発熱量Hc
(T)(mJ/mg)の1〜30%であることが好まし
く、好適には2〜17%、より好適には3〜15%であ
る。1%以下ではEVOHフィルム(層)の延伸性ある
いは/及びガスバリアー性が十分ではなく、また30%
以上になるとガスバリアー性が悪く使用に耐えない。
【0014】次に、本発明のEVOHを、多層構造体、
とくに加熱延伸多層構造体に使用する場合について説明
する。本発明のEVOHからなる層の少なくとも片面に
積層する熱可塑性樹脂とは、下記の温度で延伸成形可能
な樹脂であれば良く、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピ
レン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリ塩化ビニル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂な
どが好適なものとして挙げられる。また、EVOHと該
熱可塑性樹脂とを多層化するために使用される接着性樹
脂としては、EVOH層と該熱可塑性樹脂層とを強固に
接着するものであれば、特に限定されるものではない
が、不飽和カルボン酸又はその無水物、例えば無水マレ
イン酸をオレフィン系重合体または共重合体、例えば低
密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチ
レン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(SLDP
E)などのポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体
(メチルエステルまたはエチルエステル)にグラフト結
合させたものが好適にもちいられる。
【0015】本発明のEVOHは、周知の溶融成形法、
圧縮成形法によりフィルム、シート、ボトル、などの任
意の成形品に成形する事が出来るが、前述したとおり、
該成形物を多層構造体の一層として使用するとき、顕著
な特徴が発揮されるので、以下この点について説明を加
える。まず、多層構造体を得る方法としては、該EVO
Hと熱可塑性樹脂とをしばしば接着性樹脂を介して押出
ラミネート法、ドライラミネート法、共押出ラミネート
法、共押出シート成形法、共押出パイプ成形法、共射出
成形法、溶液コート法などにより積層体を得、次いで該
積層体を真空圧空深絞り成形、二軸延伸ブロー成形など
により、EVOHの融点以下の範囲で再加熱し延伸操作
を行う方法、あるいは、該積層体(フィルム又はシー
ト)を二軸延伸機に供し、加熱延伸する方法、さらに
は、EVOHと熱可塑性樹脂とを共射出二軸延伸ブロー
成形する方法などがあげられる。さらに、多層構造体の
厚み構成に関しても、特に限定されるものではないが、
成形性及びコスト等を考慮した場合、全厚みに対するE
VOH層の厚み比率は2〜20%程度が好適である。ま
た、多層構造体の構成としては、EVOH層/接着性樹
脂層/熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層
/EVOH層、熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/EVO
H層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層
/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/熱可塑性
樹脂層/接着性樹脂層/EVOH層が代表的なものとし
てあげられる。両外層に熱可塑性樹脂層を設ける場合
は、該樹脂が異なっていてもよいし、また、同じもので
もよい。また、成形時発生するトリムなどのスクラップ
を熱可塑性樹脂層にブレンドしたり、別途、回収層をも
うけて再使用される場合も多い。
【0016】多層構造体を加熱延伸して成形物を製造す
るに当っては、その温度条件を (X−10)℃≧Y≧(X−110)℃ (但し、XはEVOHの融点を、またYは加熱温度℃を
示す。)の範囲内で行うとよい。Yが(X−10)℃よ
り高い場合は、加熱延伸成形時EVOHが軟化、融解す
るため、添加剤を加えなくても成形が可能である。一
方、Yが(X−110)℃より低い場合、熱可塑性樹脂
のガラス転移温度が室温以下となるため、成形物の形
状、寸法安定性が悪くて使用に耐えない。本発明におい
て、加熱延伸多層構造体は前記のとおり、多層構造体を
加熱延伸することにより得られるもので、カップ、ボト
ルなどの容器あるいはシート、フィルム状物であり、ま
た加熱とは該多層構造体を加熱延伸に必要な温度に所定
の時間放置し、該多層構造体が熱的にほぼ均一になる様
に操作する方法であればよく、操業性を考慮して、種々
のヒーターで加熱、均一化する方法が好ましい。加熱操
作は、延伸と同時におこなってもよいし、また、延伸前
に行っても良い。また、延伸操作とは、熱的に均一に加
熱された多層構造体をチャック、プラグ、真空力、圧空
力などにより、容器、カップ、ボトル、フィルム状に均
一に成形する操作を意味し、一軸延伸、二軸延伸(同時
または遂次)のいずれでも採用できる。また、延伸倍
率、延伸速度は目的に応じて適宜選択できるが、本発明
において高速延伸とは、延伸速度が5×10%/mi
n.以上の高速で均一に延伸する方法を意味し、必ずし
も成形品が配向している必要はない。
【0017】また、本発明において、EVOHの含水率
については、特に限定するものではないが、0.001
〜10重量%以内である事が好適である。一般的には、
EVOHと熱可塑性ポリエステルとの組成物を作る工
程、あるいは、組成物を多層構造体に成形する工程にお
いては、EVOHの含水率は0.001〜1重量%と可
能な限り低いほうが望ましい。一方多層構造体の熱成形
においては、EVOH層の含水率は0.01〜10重量
%と、EVOH層発泡が発生しない範囲で含水率が高い
ほうが好適である。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこの実施例により限定されるもの
ではない。 実施例1エチレン−ビニルアルコール共重合体の製造 酢酸ビニル90重量部及びメタノール10重量部をオー
トクレーブに入れ、60℃に昇温後、エチレンガスを吹
込み40Kg/m2の圧力まで昇圧する。その後、重合
触媒アゾビスイソブチロニトリル(AZN)のメタノー
ルを連続して注入し、重合率40%に達した段階で圧力
をエチレンガスで65Kg/m2に昇圧し、さらに重合
率50%になるまで重合を行なった後、重合系の温度を
常温にもどし、重合禁止剤、酢酸銅を投入した。重合溶
液を常圧下にオートクレーブより取り出した後、未反応
のエチレン及び酢酸ビニルを除去した。その後80℃、
メタノール蒸気を吹込み下に、けん化触媒であるNaO
Hメタノール溶液を添加しつつ、酢酸メチルを除去して
けん化を行った。この時、得られたエチレン−ビニルア
ルコール共重合体(EVOH)が式(1)〜(3)を満
足させるため、添加する触媒の量及びメタノール蒸気吹
込み量をコントロールする事が重要であり、今回のテス
トの場合、けん化前重合物のメタノール溶液の濃度は2
0重量%であり、1000gの該溶液にメタノール蒸気
を10ml/minで吹込み、水酸化ナトリウムを該重
合体に含まれる酢酸ビニルに対するモル比で0.03に
なるように添加した場合に次のEVOHが得られた。 エチレン含有量 35モル% けん化度 99.1% メルトインデックス(MI.190℃,2160荷重)
2.3g/10min. Tc(A)=120℃ Hc(A)=5mJ/mg 100×Hc(A)/Hc(T)=8%多層構造体の製造 上記のEVOHを用いて3種5層共押出装置により、ポ
リスチレン樹脂層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性
樹脂層/ポリスチレン樹脂層からなる多層シートを作成
した。シートの構成は、両最外層のポリスチレン樹脂層
(旭化成(株)製、スタイロン691)が各425μ、
また接着性樹脂層(東ソー(株)製、メルセン−542
0、マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体)が
各50μ、さらにEVOH層が50μである。容器の製造 この多層シートを真空圧空熱成形機により130℃で成
形して容器を製造した。得られた容器の外観は、クラッ
ク、ムラ、偏肉もなく透明性も良好であった。この容器
を20℃、65%RHの条件下で調湿し、ガスバリアー
性を測定したところ(測定にモコン社製10/50型を
使用)、表1に示したように0.8cc.20μ/
2.day・atm.と非常に良好なガスバリアー性
を示した。また、この容器を無作為に10個サンプルと
して取り出して各サンプルの酸素透過率を測定し、測定
値のバラツキ(R=最大値−最小値)は0.3cc・2
0μ/m2・24hr・atm.と非常に小さく良好な
ガスバリアー性容器がそろっていた。(表1の「熱成形
容器の特性(3時間後)」のガスバリアー性の欄、(R
=最大−最小)参照)。
【0019】実施例2 実施例1において最初のエチレンガスの圧力を35Kg
/m2にし、重合率40%に達した段階でエチレン圧力
を50Kg/m2に昇圧する。さらにメタノールを20
重量部追加した以外は実施例1と同様の操作を行なっ
た。その結果、次のEVOHが得られた。 エチレン含有量 32モル% けん化度 99.0% Tc(A)=121℃ Hc(A)=6mJ/mg 100×Hc(A)/Hc(T)=8% このエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いたこと
以外は、実施例1と同じ構造を有する多層構造体を製造
した。この多層構造体を用いて実施例1と同様熱成形容
器を製造して、その外観およびガスバリアー性を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0020】実施例3 実施例1の多層構造体に用いたポリスチレン樹脂層(旭
化成(株)製、スタイロン691)に代えてポリスチレ
ン樹脂層(フィリップス社製、K−レジン、KR−5)
を用いたこと以外は実施例1を繰り返して熱成形容器を
製造した。その容器の外観およびガスバリアー性を測定
し、結果を表1に示す。
【0021】実施例4 実施例1の多層構造体に用いたポリスチレン樹脂層に代
えてポリプロピレン樹脂層(三菱油化(株)製、ノーブ
レンEX−6、ランダムポリプロピレン透明425μ)
を用い、また接着性樹脂層に無水マレイン酸変性ポリプ
ロピレン(三井石油化学(株)製、アドマーQF−50
0、50μ)を用いた以外は実施例1の方法を繰返して
熱成形容器を製造した。その容器の外観およびガスバリ
アー性を測定し、結果を表1に示す。
【0022】比較例1 実施例1において水酸化ナトリウムの添加量を酢酸ビニ
ルに対するモル比0.06に変更した以外は実施例1と
同様に行なった。得られたEVOHのエチレン含有量3
2モル%、けん化度99.6モル%、Tc(A)=16
0℃、Hc(A)=70mJ/mg、100×Hc
(A)/Hc(T)=0であった。このエチレン−ビニ
ルアルコール共重合体を用いて実施例1の方法を繰返し
て熱成形容器を製造した。この容器の外観およびガスバ
リアー性を測定し、結果を表1に示す。表1の結果から
明らかなように熱成形容器の外観からクラックが発生し
ていることが認められ、ガスバリアー性も良くなく、ま
たサンプル間のバラツキの大きいものであった。
【0023】比較例2 実施例1においてエチレン圧力を最初40Kg/m2
重合率40%の段階で57Kg/m2に変更し、かつ水
酸化ナトリウムのモル比を0.005に変更した以外は
実施例1と同様に行なった。得られたEVOHのエチレ
ン含有量34モル%、けん化度99.4モル%、Tc
(A)=145℃、Hc(A)=5mJ/mg、100
×Hc(A)/Hc(T)=10であった。このエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体を用いて、実施例1の方
法を繰返した。得られた熱成形容器の外観およびガスバ
リアー性を測定し、結果を表1に示す。
【0024】比較例3 実施例1において、重合圧力変更時期を重合率20%の
段階で実施した以外は実施例1と同様に行なった。得ら
れたEVOHのエチレン含有量35モル%、けん化度9
8.5モル%、Tc(A)=120℃、Hc(A)=4
5mJ/mg、100×Hc(A)/Hc(T)=40
であった。このエチレン−ビニルアルコール共重合体を
用いて、実施例1の方法を繰返した。得られた熱成形容
器の外観およびガスバリアー性を測定し、結果を表1に
示す。
【0025】比較例4 内部に冷却コイルをもつ容量50l(第1重合槽)及び
容量70l(第2重合槽)の攪拌機付重合槽2基を、直
列に配置して用いた流系操作において、エチレン−酢酸
ビニル共重合体を製造するため、以下に示す条件により
連続重合を行った。 第1重合槽 酢酸ビニル供給量 5850g/hr メタノール供給量 650g/hr 温 度 60℃ エチレン圧力 40kg/cm2G 2,2´−アゾビス・イソブ 2.1g/hr チロニトリル 平均滞留時間 2.0hr 第2重合槽 温 度 60℃ エチレン圧力 57kg/cm2G 平均滞留時間 4.9hr 酢酸ビニル及びメタノールは、第1重合槽に供給し、第
1重合槽から流出する重合反応液は、全量第2重合槽へ
供給する。このとき第1重合槽および第2重合槽におい
て測定した酢酸ビニルの重合率はそれぞれ18%、38
%であり、第1重合槽および第2重合槽における該共重
合体の生成量(重量)は、ほぼ同じであった。得られた
該共重合体のエチレン含量は、37モル%であった。該
共重合反応液中に溶存するエチレンを、圧力を常圧に減
ずることによって放散させ、除去した後、追出塔に供給
し、塔下部からのメタノール蒸気の導入によって、未反
応酢酸ビニルを塔頂より除去した後、該共重合体の45
%のメタノール溶液を得た。次いで該共重合体のメタノ
ール溶液を塔式ケン化塔に導入し、さらに水酸化ナトリ
ウムを該共重合体に含まれる酢酸ビニル成分に対するモ
ル比が0.05となる如く該反応器に供給し、塔下部よ
り、メタノール蒸気を吹き込み、塔頂より副生する酢酸
メチルを除去しながらけん化反応を行い、塔底よりEV
OHのメタノール溶液を得た。該メタノール溶液に重量
比メタノール/水=7/3の混合蒸気を吹き込み、該溶
液中の溶剤組成を、水/メタノール混合系に変えた後、
5℃のメタノール10%水溶液中にストランド状に吐出
させ、凝固析出させ、切断して、該EVOHをペレット
状物として単離した。充分水洗した後、希薄酢酸水に浸
漬処理して65〜110℃で乾燥した。
【0026】
【表1】
【0027】(註)表1中の (A)エチレン−ビニルアルコール共重合体 PS1 旭ダウ スタイロン691 (透明ポリスチレン) PS2 フィリップス K−レジンKR−5 (透明ポリスチレン) PP 三菱油化 ノーブレンEX−6 (透明ランダムポリプロピレン) Ad1 東洋ソーダ メルセンM−5420 (無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体) Ad2 三井石油化学 アドマーQF−500 (無水マレイン酸変性ポリプロピレン)
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本願発明の多層構造
体は、エチレン−ビニルアルコール共重合体層の優れた
ガスバリアー性をそこなうことなく、容易に熱成形によ
り容器などの成形物に二次加工できるばかりでなく、成
形物のEVOH層のクラック、ピンホール、局所的偏肉
などの発生を防止し、透明性、高いガスバリアー性を有
するEVOH層を含む成形物が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)〜(3)を満足するエチレ
    ン含有量20〜60モル%、けん化度80%以上のエチ
    レン−ビニルアルコール共重合体の層と、該層の少くと
    も片面に熱可塑性樹脂層を有する多層構造体。 Tc(A)≦130℃・・・・・・・・・・・・(1) Hc(A)≦20mJ/mg・・・・・・・・・(2) 1≦100×Hc(A)/Hc(T)≦30・・(3) 但し、Tc(A)は示差熱量計(DSC)で10℃/分
    で降温した場合のエチレン−ビニルアルコール共重合体
    の結晶化ピーク温度を示し、2つ以上のピーク温度のう
    ち最も低い温度を示す。また、Hc(A)はTc(A)
    でのエチレン−ビニルアルコール共重合体の結晶化発熱
    量(mJ/mg)であり、Hc(T)は2つ以上のピー
    ク温度を有するエチレン−ビニルアルコール共重合体の
    全結晶化発熱量(mJ/mg)を示す。なおmJはミリ
    ジュール、mgはミリグラムである。
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