JPH0740364U - 油圧制御弁構造 - Google Patents

油圧制御弁構造

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JPH0740364U
JPH0740364U JP7018393U JP7018393U JPH0740364U JP H0740364 U JPH0740364 U JP H0740364U JP 7018393 U JP7018393 U JP 7018393U JP 7018393 U JP7018393 U JP 7018393U JP H0740364 U JPH0740364 U JP H0740364U
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hydraulic
steering
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oil
spool
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JP7018393U
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善紀 見市
哲志 御室
正 菅原
高広 前村
忠夫 田中
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Mitsubishi Motors Corp
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Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、油圧制御弁構造に関し、中立アン
ダラップを設定しながらも本来の役割である油圧制御を
十分な精度で行なえるようにすることを目的とする。 【構成】 油圧回路内に設けられて、スプール弁7A
と、スプール弁7Aを収納するケース7Bと、ケース7
Bに形成された複数の油圧ポートA,B,P,Tと、ス
プール弁7Aに形成されて複数の油圧ポートA,B,
P,Tのうちのいくつかを相互に連通させうるスプール
溝7Cとをそなえ、スプール弁7Aの進退位置に応じて
油圧回路内の作動油の経路を切り替えるとともに、作動
油の流量を調整しうる油圧制御弁7において、油圧ポー
トの開口の該スプール弁進退方向縁部を縁端部に向かっ
て次第に縮小するように構成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、自動車等の車両に設けられた油圧式パワーステアリング機構を利用 した自動操舵機構の油圧回路に用いて好適の、油圧制御弁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、油圧ピストン等の油圧式アクチュエータへの供給油圧を調整するため には、油圧制御弁が用いられることが多く、このような油圧制御弁には、スプー ル弁を利用したものが普及している。即ち、油圧源からの油圧を供給される圧力 ポートと、油圧を除去する排圧ポートと、油圧式アクチュエータ側へ通じる出力 ポートとをそなえたスプールケース内にスプール弁を設けて、このスプール弁を 進退させることで、例えば出力ポートに圧力ポートを連通させたり、出力ポート に排圧ポートを連通させたりすることにより、アクチュエータの油圧を調整する 油圧制御弁が広く普及している。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、自動車の操舵機構において、車両に種々のセンサを設け、これらの センサからの情報に基づいて操舵角制御信号を設定し、油圧や電動モータ等によ り操舵機構を積極的、且つ自動的に操舵させるような自動操舵機構が多数提案さ れている。
【0004】 このような自動操舵機構を含んだ操舵装置(ステアリングシステム)に要求さ れる操向の制御(ラック位置による位置制御)と力制御(油圧式パワーステアリ ング機構の場合は圧力制御)とを両立させた自動操舵機構付き操舵装置を実現す るには、例えば、図3に示すような油圧回路を構成すればよい。 つまり、図示しない車両には、ステアリングホイール系36と並列的に自動操 舵機構5が設けられており、パワーステアリング機構4を利用して自動操舵を行 なうようになっている。
【0005】 また、この自動操舵機構5の油圧回路では、自動操舵の作動油圧を4輪操舵( 4WS)装置や自動制動装置の作動油圧としても共用できるようになっており、 図3に示すように、ポンプ10から吐出された作動油は、分流弁12を介して一 方は4WS装置(主に後輪側の油圧シリンダ)に供給されるようになっている。 さらに、この分流弁12の下流側ではさらに油路が分岐しており、自動制動装置 と自動操舵機構5との2系統に作動油圧が供給されるようになっている。
【0006】 このうち、図3は自動操舵機構5における油圧回路図であり、符号27は油圧 源切替弁,符号7は油圧制御弁としての舵角制御弁,符号15はEPSバルブを 示している。そして、油圧源切替弁27を駆動して油圧経路を切り替えることに より、ポンプ10からの作動油が舵角制御弁7かEPSバルブ15かのどちらか 一方に供給されるようになっている。
【0007】 また、符号8はモード切替弁であって油圧源切替弁27と連動して切り替えら れるようになっており、このモード切替弁8の制御によりEPSバルブ15によ る操舵アシストモードか舵角制御による自動操舵モードかのどちらか一方に切り 替えられるのである。 モード切替弁8の下流側には、操舵機構4が設けられている。この操舵機構4 は、油圧シリンダ4Aとステアリングラック2とステアリングホイール(ハンド ル)28とEPSバルブ15とから構成されており、油圧シリンダ4A内には油 圧室41,42がそれぞれ設けられている。そして、これらの油圧室41,42 に所要の油圧の作動油が供給されると、この作動油の油圧に応じてラック2に操 舵力が作用して、操舵機構4はパワーステアリング機構か、又は自動操舵機構と して作動するようになっている。
【0008】 また、油圧源切替弁27と操舵角制御弁7との間の油路29には自動操舵力制 御弁としてのリリーフバルブ13が介装されている。この油路29には、自動操 舵モードになった場合に油圧シリンダ4Aに供給される作動油が通るようになっ ており、このリリーフバルブ13の開閉状態を制御することにより油圧シリンダ 4Aに流入する作動油の油圧を調整できるようになっている。なお、本実施例で は、舵角制御弁7,モード切替弁8,リリーフバルブ13,油圧源切替弁27は 、ともに電磁弁(ソレノイドバルブ)により構成されている。
【0009】 そして、これらの電磁弁の切替動作は、コントローラ1により制御されるよう になっており、このコントローラ1で、自動操舵用操舵力の設定が行なわれ、車 速検出手段19B等の検出情報による車両の状態や道路状況の情報に基づいて操 舵アシストモードか自動操舵モードかを設定するようになっている。また、ステ アリングラック2には、ラック2の変位を検出するラック位置検出センサ20が 設けられており、このラック位置検出センサ20からの情報もコントローラ1に フィードバックされるようになっている。
【0010】 そして、操舵アシストモード時には、油圧源切替弁27が図中左方向に駆動さ れるとともに、モード切替弁8が図中右方向に駆動されて、高圧の作動油がEP Sバルブ15に供給されるようになっている。 そして、EPSバルブ15では、コントローラ1からの制御信号やステアリン グシャフト28Aの捩じれ角等に基づいて、油圧シリンダ4Aへ供給する作動油 の量が設定されて、EPSバルブ15からの作動油がモード切替弁8に送られる ようになっている。また、モード切替弁8は、EPSバルブ15からの作動油を 直接油圧シリンダ4Aへ供給するような状態に制御されているので、油圧シリン ダ4Aの油圧室41,42に所定量の作動油が供給されて、ドライバの操舵力が 低減されるのである。
【0011】 また、自動操舵時には、油圧源切替弁27が図中右方向に駆動されるとともに 、モード切替弁8が図中左方向に駆動される。これにより、作動油は油路29を 通って舵角制御弁7に達する。そして、コントローラ1は、主にラック位置検出 センサ20からの情報に基づいて舵角制御弁7の制御量を設定して、ステアリン グラック2の位置を制御するのである。
【0012】 ところで、図3に示すように、コントローラ1には駆動回路24Cが付設され ている。この駆動回路24Cは、コントローラ1で設定された制御指令電圧をリ リーフバルブ13のソレノイド14に供給する電流に変換するもので、リリーフ バルブ13では、駆動回路24Cからの電流により開閉状態が制御されるように なっている。
【0013】 また、この駆動回路24Cには、車速対応調整手段47が設けられており、自 動操舵モード時には、車速検出手段19Bからの情報に基づいて、リリーフバル ブ13により設定された操舵力が、車速の増加に応じて小さくなるように自動操 舵用操舵力が調整されるようになっている。 この車速対応調整手段47には、図4に示すような作動油圧特性マップがそな えられており、自動操舵モード時の自動操舵力、すなわち作動油の油圧は、この 作動油圧特性マップに基づいて設定されるようになっている。
【0014】 ここで、このマップの特性について説明する。通常、車速が大きくなるほど操 舵には大きな力が必要なくなり、低速走行時ほど操舵には大きな力が必要である 。そこで、本考案では、図4のマップに示すように、自動操舵時の操舵力を車速 が高まるにつれて低下させるような特性にしているのである。 つまり、自動操舵時にドライバが自動操舵制御に抗してステアリングホイール 28を操舵するためには、油圧シリンダ4Aへ供給される作動油の油圧に打ち勝 つ操舵力が必要であるが、作動油の油圧が一定に保たれていると、ドライバには この油圧に抗する操舵力が大きな負担になることが考えられるからである。
【0015】 このように、車速対応調整手段47では、作動油圧特性マップを用いて、コン トローラ1に入力された車速情報やフィードバックされた作動油圧情報に基づい て、必要な作動油圧が得られるようにリリーフバルブ13の制御信号を設定する ようになっている。 そして、車速が大きくなるのに応じて自動操舵力が小さくなるように設定し、 高速になるほどドライバの操舵が自動操舵に対して打ち勝ち易くなるようにする ことにより、高速走行時には、ドライバの意思による人為的な操舵に対しても十 分に車両が反応するようになっているのである。
【0016】 上述の構成により、車両の操舵方向が自動的に制御されるようになり、自動操 舵モード時には、作動油の油圧は、駆動回路24C内に設けられた車速対応調整 手段47により車速に応じて調整される。具体的には、この時の操舵力の大きさ は、図4に示す作動油圧特性マップにしたがって、車速が高まるにつれて除々に 低下していく。そして、これによりドライバが自動操舵に抗して操舵しようとし た時の操舵力の負担が低減されるのである。
【0017】 つまり、車速対応調整手段47において、車速に応じた作動油圧が設定される と、この作動油圧が得られるようにリリーフバルブ13の開閉状態が制御されて リリーフバルブ13の開閉状態に応じて自動操舵の作動油圧が調整される。 この作動油圧の調整は、例えば車速が高くなると、一制御周期中にリリーフバ ルブ13が開状態に駆動される時間が長く設定され、これによりポンプ10から の作動油の一部がリリーフバルブ13を介してドレーンされて油圧シリンダ4A に供給される油圧が低圧となる。
【0018】 また、これとは逆に、車速が低い場合は、一制御周期中にリリーフバルブ13 が閉状態に駆動される時間が長くなり、比較的高圧の作動油が油圧シリンダ4A に供給される。これにより、低速時においても確実に転舵が行なわれる。 したがって、車両の速度が高くなればなるほど、ドライバの操舵が自動操舵に 対して打ち勝ち易くなり、自動操舵時にドライバの意思と異なる方向へ操舵が行 なわれた場合や、不測の事態により、ドライバの判断により自動操舵とは異なる 方向へ咄嗟に操舵にした場合に、ドライバは大きな操舵力を強いられることなく 操舵することができ、車両を十分コントロールすることができるのである。
【0019】 ところで、自動操舵モードによる操舵方向とドライバが操舵しようとする方向 が異なる場合、操舵機構4がドライバ操舵の方向に操舵されるように舵角制御弁 7の中立付近には、アンダラップ領域〔図2(b)参照〕が設けられている。 このようなアンダラップ領域(以下、単にアンダラップという)が設定されて いるのは、ドライバが自動操舵力に抗してステアリングホイールを操作した時に 、油圧シリンダ4Aの各油室41,42の作動油が移動できるようにして、ドラ イバ操舵ができるようにするためである。
【0020】 しかしながら、このような中立アンダラップが設定されていると、例えば、車 両の操舵輪に路面から外乱が入力された時に、この外乱によりステアリングラッ ク2が移動して油圧室41,42の作動油圧が変化してしまい、この作動油圧の 変化が舵角操舵弁7のスプール弁〔図1(a)参照〕に影響を与えてしまうこと が考えられる。つまり、具体的には、路面外乱により舵角操舵弁7のスプールが 変位してしまうことが考えられるのである。
【0021】 一方、通常の舵角操舵弁7等の油圧制御弁では、各油圧のポート開口部の形状 は、図1(c)に示すように、略長方形に形成されている。したがって、流量特 性も図2(b)に示すように、リニア(線形)なものとなり、スプールの変位が 微少であっても、ポート部分の開口面積がスプール変位に比例して変化するので ある。これにより、スプールの僅かな変位に対しても、ステアリングラック2に 影響を与えるような量の作動油が、油圧室41,42のどちらか一方に多めに供 給されてしまう。
【0022】 また、この舵角操舵弁7は高い精度の要求される弁であるので、スプール弁の 僅かな変位であっても、即座にコントローラ1にスプール弁の動きがフィードバ ックされて、スプール弁の位置制御を行なおうとする。 しかしながら、このスプール位置の制御時に、スプールを元の位置へ戻す変位 量が大き過ぎると、今度は油圧室41,42の他方に作動油が供給されてしまう のである。
【0023】 このように、上述のような路面外乱が入力されると、中立アンダラップ部分か らの油圧の変動により、スプール弁の位置制御が困難になり、最終的にはスプー ル弁が発振してしまう場合がある。 なお、この舵角操舵弁7は電磁弁であるので、図2中横軸の指示電圧Vがスプ ールの移動量に対応している。
【0024】 このため、油圧シリンダ4Aに高周波のステップ入力があった場合や、ステア リングシャフト28Aにそなえられたトーションバー(図示省略)の剛性負荷に より、舵角操舵弁7のスプールが発振してしまい、舵角制御弁7のゲインを増加 させるることが困難になる。また、これにより自動操舵機構5の精度も低下して しまうおそれがある。
【0025】 このように、従来の油圧制御弁では、中立アンダラップを設定すると、スプー ル弁の位置制御を正確に行なうことが困難になり、スプール弁の発振という事態 も考えられ、中立アンダラップの設定と、本来の役割である油圧制御とを十分な レベルで両立させることが困難であるという課題がある。 本考案は、上述の課題に鑑み創案されたもので、例えば、舵角制御弁の中立付 近でのアンダラップ領域の流量特性を非線型に設定し、等価的にゲインを下げて 舵角操舵弁の発振を抑制できるようにするとともに、舵角制御弁の精度を向上さ せることができるなど、中立アンダラップを設定しながらも本来の役割である油 圧制御を十分な精度で行なえるようにした、油圧制御弁構造を提供することを目 的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
このため、本考案の油圧制御弁構造は、油圧回路内に設けられて、スプール弁 と、該スプール弁を収納するケースと、該ケースに形成された複数の油圧ポート と、該スプール弁に形成されて、該複数の油圧ポートのうちのいくつかを相互に 連通させうるスプール溝とをそなえ、該スプール弁の進退位置に応じて該油圧回 路内の作動油の経路を切り替えるとともに、該作動油の流量を調整しうる油圧制 御弁において、該油圧ポートの開口の該スプール弁進退方向縁部が、縁端部に向 かって次第に縮小されていることを特徴としている。
【0027】
【作用】
上述の本考案の油圧制御弁構造では、油圧回路内にそなえられた油圧制御弁の スプール弁の進退位置に応じてこの油圧回路内の作動油の経路が切り替えられる とともに、作動油の流量を調整される。 そして、この油圧制御弁では、油圧ポートの開口幅が、縁部に向かって次第に 縮小しているので、油圧制御弁の流量特性が中立付近で非線形なものとなり、感 度が低下して、発振が防止される。
【0028】
【実施例】
以下、図面により、本考案の一実施例について説明すると、図1はその構成を 示す模式図であって、(a)はその内部を示す模式図、(b)はその油圧ポート の開口形状を示す模式的な断面図であって(a)におけるA−A断面図、(c) は従来の油圧ポートの開口形状を示す断面図であって(b)に対応する図、図2 はその流量特性を示すグラフであって、(a)は油圧ポートの開口形状が図1( b)に示す形状のものの流量特性を示すグラフ、(b)は油圧ポートの開口形状 が図1(c)に示す従来の形状のものの流量特性を示すグラフである。
【0029】 本考案の油圧制御弁構造は、すでに説明した図3に示すような自動操舵機構5 における油圧回路内の油圧制御弁に適用されている。なお、この油圧回路は、上 述のものと同様に構成されている。 つまり、この車両(図示省略)には、ステアリングホイール系36と並列的に 自動操舵機構5が設けられており、パワーステアリング機構4を利用して自動操 舵を行なうようになっている。
【0030】 そして、この自動操舵機構5の油圧回路では、自動操舵の作動油圧を4輪操舵 (4WS)装置や自動制動装置の作動油圧としても共用できるようになっており 、ポンプ10から吐出された作動油は、分流弁12を介して一方は4WS装置( 主に後輪側の油圧シリンダ)に供給されるようになっている。また、この分流弁 12の下流側ではさらに油路が分岐しており、自動制動装置と自動操舵機構5と の2系統に作動油圧が供給されるようになっている。
【0031】 このうち、図3は、自動操舵機構5における油圧回路図であり、符号27は油 圧源切替弁,符号7は油圧制御弁としての舵角制御弁,符号15はEPSバルブ を示している。そして、油圧源切替弁27を駆動して油圧経路を切り替えること により、ポンプ10からの作動油が舵角制御弁7かEPSバルブ15かのどちら か一方に供給されるようになっている。
【0032】 また、符号8は、モード切替弁であって油圧源切替弁27と連動して切り替え られるようになっており、このモード切替弁8の制御によりEPSバルブ15に よる操舵アシストモードか舵角制御による自動操舵モードかのどちらか一方に切 り替えられるのである。 モード切替弁8の下流側には、操舵機構4が設けられている。この操舵機構4 は、油圧シリンダ4Aとステアリングラック2とステアリングホイール(ハンド ル)28とEPSバルブ15とから構成されており、油圧シリンダ4A内には油 圧室41,42がそれぞれ設けられている。そして、これらの油圧室41,42 に所要の油圧の作動油が供給されると、この作動油の油圧に応じてラック2に操 舵力が作用して、操舵機構4がパワーステアリング機構か、又は自動操舵機構と して作動するようになっている。
【0033】 また、油圧源切替弁27と操舵角制御弁7との間の油路29には自動操舵力制 御弁としてのリリーフバルブ13が介装されている。この油路29には、自動操 舵モードになった場合に油圧シリンダ4Aに供給される作動油が通るようになっ ており、このリリーフバルブ13の開閉状態を制御することにより油圧シリンダ 4Aに流入する作動油の油圧を調整できるようになっている。なお、本実施例で は、舵角制御弁7,モード切替弁8,リリーフバルブ13,油圧源切替弁27は 、ともに電磁弁(ソレノイドバルブ)により構成されている。
【0034】 そして、これらの電磁弁の切替動作は、コントローラ1により制御されるよう になっている。このコントローラ1では、車速検出手段19B等のセンサからの 検出情報による車両の状態や道路状況の情報に基づいて操舵アシストモードか自 動操舵モードかを設定するようになっている。また、ステアリングラック2には 、ラック2の変位を検出するラック位置検出センサ20が設けられており、この ラック位置検出センサ20からの情報もコントローラ1にフィードバックされる ようになっている。
【0035】 そして、操舵アシストモード時には、油圧源切替弁27が図中左方向に駆動さ れるとともに、モード切替弁8が図中右方向に駆動されて、高圧の作動油がEP Sバルブ15に供給されるようになっている。 そして、EPSバルブ15では、コントローラ1からの制御信号やステアリン グシャフト28Aの捩じれ角等に基づいて、油圧シリンダ4Aへ供給する作動油 の量が設定されて、EPSバルブ15からの作動油がモード切替弁8に送られる ようになっている。また、モード切替弁8は、EPSバルブ15からの作動油を 直接油圧シリンダ4Aへ供給するような状態に制御されているので、油圧シリン ダ4Aの油圧室41,42に所定量の作動油が供給されて、ドライバの操舵力が 低減されるのである。
【0036】 また、自動操舵時には、油圧源切替弁27が図中右方向に駆動されるとともに 、モード切替弁8が図中左方向に駆動される。これにより、作動油は油路29を 通って舵角制御弁7に達する。そして、コントローラ1は、主にラック位置検出 センサ20からの情報に基づいて舵角制御弁7の制御量を設定して、ステアリン グラック2の位置を制御するのである。
【0037】 ところで、図3に示すように、コントローラ1には駆動回路24Cが付設され ている。この駆動回路24Cは、コントローラ1で設定された制御指令電圧をリ リーフバルブ13のソレノイド14に供給する電流に変換するもので、リリーフ バルブ13では、駆動回路24Cからの電流により開閉状態が制御されるように なっている。
【0038】 また、この駆動回路24Cには、車速対応調整手段47が設けられており、自 動操舵モード時には、車速検出手段19Bからの情報に基づいて、リリーフバル ブ13により設定された操舵力が、車速の増加に応じて小さくなるように自動操 舵用操舵力が調整されるようになっている。 この車速対応調整手段47には、作動油圧特性マップがそなえられており、自 動操舵モード時の自動操舵力、すなわち作動油の油圧は、例えば図4に示すよう な作動油圧特性マップに基づいて設定されるようになっている。
【0039】 ここで、このマップの特性について説明する。通常、車速が大きくなるほど操 舵には大きな力が必要なくなり、低速走行時ほど操舵には大きな力が必要である 。そこで、本考案では、図4のマップに示すように、自動操舵時の操舵力を車速 が高まるにつれて低下させるような特性にしているのである。 つまり、自動操舵時にドライバが自動操舵制御に抗してステアリングホイール 28を操舵するためには、油圧シリンダ4Aへ供給される作動油の油圧に打ち勝 つ操舵力が必要であるが、作動油の油圧が一定に保たれていると、ドライバには この油圧に抗する操舵力が大きな負担になることが考えられるからである。
【0040】 このように、車速対応調整手段47では、作動油圧特性マップを用いて、コン トローラ1に入力された車速情報やフィードバックされた作動油圧情報に基づい て、必要な作動油圧が得られるようにリリーフバルブ13の制御信号を設定する ようになっている。 そして、車速が大きくなるのに応じて自動操舵力が小さくなるように設定し、 高速になるほどドライバの操舵が自動操舵に対して打ち勝ち易くなるようにする ことにより、高速走行時には、ドライバの意思による人為的な操舵に対しても十 分に車両が反応するようになっているのである。
【0041】 ところで、舵角制御弁7の構成について説明すると、図1(a)に示すように 、舵角制御弁7のスプール弁7Aには、スプール溝7C,7D,7Eが形成され ている。 また、スプール弁7Aを収納しているケース7Bには、油圧ポートA,B,P ,Tが形成されており、図3に示すように、油圧ポートA及び油圧ポートBはモ ード切替弁8へ、油圧ポートPはポンプ10へ、油圧ポートTはオイルリザーバ 11へ接続されている。
【0042】 また、符号7Fは油圧ポートTからケース7B内の他端部7Gに導かれた油路 であり、各油圧ポートA,B,Pとは直接には通じていない。 そして、スプール弁7Aがケース7B内を軸方向に駆動されることにより、ス プール溝7Cを介して各油圧ポートA,B,P,Tのうち所定の油圧ポート同士 が相互に連通するようになっている。
【0043】 つまり、図1(a)に示す状態では、スプール溝7Cを通じて油圧ポートAと 油圧ポートPとが連通し、スプール溝7Eを通じて油圧ポートBと油圧ポートT とが連通しており、自動操舵モード時には、油圧ポートAと連通する油圧シリン ダ4Aの左油室41へ作動油が供給され、油圧ポートBと連通する油圧シリンダ 4Aの右油室42の作動油が排出される。そして、スプール弁7Aが図中、右方 向へやや前進すると、油路7F及びスプール溝7Dを通じて油圧ポートAと油圧 ポートTとが僅かに連通し、スプール溝7Cを通じて油圧ポートAと油圧ポート Pと油圧ポートBとが僅かに連通し、スプール溝7Eを通じて油圧ポートBと油 圧ポートTとが僅かに連通した中立オーバラップの状態となる。
【0044】 さらに、スプール弁7Aが右方向へ前進すると、油路7F及びスプール溝7D を通じて油圧ポートAと油圧ポートTとが完全に連通し、スプール溝7Cを通じ て油圧ポートPと油圧ポートBとが完全に連通し、自動操舵モード時には、油圧 ポートAと連通する油圧シリンダ4Aの左油室41の作動油が排出され、油圧ポ ートBと連通する油圧シリンダ4Aの右油室42へ作動油が供給される。
【0045】 また、図1(b)に示すように、各油圧ポートA,B,P,Tの開口部の形状 は、油圧ポートの開口幅が縁部に向かって次第に縮小していくように形成されて いる。これにより、舵角制御弁7の流量特性は、図2(a)に示すような非線形 な特性に設定されるのである。 つまり、舵角制御弁7への指示電圧Vを低下させてスプール弁7Aが油圧ポー トA(又は、油圧ポートB)の開口部を閉塞するように作動しても、この油圧ポ ートAを通過しうる作動油の量は線形の特性とはならないようになっているので ある。
【0046】 これにより、舵角制御弁7の中立付近におけるスプール弁7Aの感度が低下す るので、舵角制御弁7が中立位置に制御されている時のアンダラップを確保する ことができ、スプール弁7Aの発振も防止することができるようになる。 本考案の一実施例としての自動操舵機構付き操舵装置は、上述のように構成さ れているので、コントローラ1では、図示しないセンサからの情報に基づいて操 舵アシストモードか自動操舵モードかを設定する。
【0047】 操舵アシストモードに設定された時は、ポンプ10から吐出された作動油は、 分流弁12及び油圧源切替弁27を介してEPSバルブ15へ導かれる。そして 、このEPSバルブ15では、コントローラ1からの制御信号やステアリングシ ャフト28Aの捩じれ角等に基づいて操舵をアシストする量が設定される。そし て、EPSバルブ15からの作動油がモード切替弁8を介して油圧シリンダ4A の油圧室41,42に供給されるのである。
【0048】 また、自動操舵モードに設定された場合は、ポンプ10から吐出された作動油 は、分流弁12,油圧源切替弁27及び油路29を通って舵角制御弁7に達する 。また、モード切替弁8は、コントローラ1の制御信号により図中左側に駆動さ れる。そして、舵角制御弁7の駆動状態によって、ラック2の駆動方向が決定さ れる。つまり、舵角制御弁7が図中右方向に駆動されると、作動油はモード切替 弁8を介して油圧シリンダ4Aの左側の油圧室42に供給され、ステアリングラ ック2を図中左方向に駆動させる。またこれとは逆に、舵角制御弁7が左方向に 駆動されると、作動油は油圧シリンダ4Aの右側の油圧室41に供給され、ステ アリングラック2を図中右方向に駆動させるのである。そして、これにより車両 の操舵方向が制御されるのである。
【0049】 また、自動操舵モード時には、作動油の油圧は、駆動回路24C内に設けられ た車速対応調整手段47により車速に応じて調整される。具体的には、この時の 操舵力の大きさは、図4に示す作動油圧特性マップにしたがって、車速が高まる につれて除々に低下していく。そして、これによりドライバが自動操舵に抗して 操舵しようとした時の操舵力の負担が低減されるのである。
【0050】 つまり、車速対応調整手段47において、車速に応じた作動油圧が設定される と、この作動油圧が得られるようにリリーフバルブ13の開閉状態が制御されて リリーフバルブ13の開閉状態に応じて自動操舵の作動油圧が調整される。 この作動油圧の調整は、例えば車速が高くなると、一制御周期中にリリーフバ ルブ13が開状態に駆動される時間が長く設定され、これによりポンプ10から の作動油の一部がリリーフバルブ13を介してドレーンされて油圧シリンダ4A に供給される油圧が低圧となる。
【0051】 また、これとは逆に、車速が低い場合は、一制御周期中にリリーフバルブ13 が閉状態に駆動される時間が長くなり、比較的高圧の作動油が油圧シリンダ4A に供給される。これにより、低速時においても確実に転舵が行なわれる。 したがって、駆動回路24Cに設けられた操舵力特性マップにより車速が大き くなるのに応じて自動操舵力が小さく設定されるので、車両の速度が高くなれば なるほど、ドライバの操舵が自動操舵に対して打ち勝ち易くなり、自動操舵時に ドライバの意思と異なる方向へ操舵が行なわれた場合や、不測の事態により、ド ライバの判断により自動操舵とは異なる方向へ咄嗟に操舵にした場合に、ドライ バは大きな操舵力を強いられることなく操舵することができ、車両を十分コント ロールすることができるのである。
【0052】 一方、各油圧ポートA,B,P,Tの開口部は、図1(b)に示すように、そ の開口のスプール弁進退方向縁部が、縁端部に向かって次第に縮小されているの で、舵角制御弁7の流量特性を非線形に設定することができ、中立アンダラップ 付近におけるスプール弁7Aの感度を鈍らせることができる。 これにより、路面外乱が入力されても、ステアリングラック2が過敏に反応す ることがなくなり、また、舵角制御弁7のスプール弁7Aの微少な変位に対する 油圧変動も小さくなる。
【0053】 これにより、スプール弁7Aの発振を防止することができ、自動操舵機構5の ゲインを増加させることができる。また舵角制御弁7自体の精度を向上させるこ とができるのである。 なお、本実施例では、自動操舵機構の作動油を4WSや自動制動装置とも共用 するような構成となっているが、本考案は、勿論このような構成のみに限定され るものではなく、これらとは異なる油圧機構と組み合わせても良く、さらには、 なんら他の油圧機構と組み合わせなくても良い。
【0054】
【考案の効果】
以上詳述したように、本考案の油圧制御弁構造によれば、油圧回路内に設けら れて、スプール弁と、該スプール弁を収納するケースと、該ケースに形成された 複数の油圧ポートと、該スプール弁に形成されて該複数の油圧ポートのうちのい くつかを相互に連通させうるスプール溝とをそなえ、該スプール弁の進退位置に 応じて該油圧回路内の作動油の経路を切り替えるとともに、該作動油の流量を調 整しうる油圧制御弁において、該油圧ポートの開口の該スプール弁進退方向縁部 が、縁端部に向かって次第に縮小されるという構成により、油圧制御弁の流量特 性が非線形に設定されることとなり、中立アンダラップ付近の感度を鈍らせるこ とができる。これにより、油圧制御弁の発振を防止することができて、弁の制御 ゲインを増加させることができる。また油圧制御弁の精度を向上させることもで きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例としての油圧制御弁構造にお
ける構成を示す模式図であって、(a)はその内部を示
す模式図、(b)はその油圧ポートの開口形状を示す模
式的な断面図であって(a)におけるA−A断面図、
(c)は従来の油圧ポートの開口形状を示す断面図であ
って(b)に対応する図である
【図2】本考案の一実施例としての油圧制御弁構造にお
ける流量特性を示すグラフであって、(a)は油圧ポー
トの開口形状が図1(b)に示す形状のものの流量特性
を示すグラフ、(b)は油圧ポートの開口形状が図1
(c)に示す従来の形状のものの流量特性を示すグラフ
である
【図3】本考案の案出過程において考案された自動操舵
機構付き操舵装置の油圧系統を模式的に示す油圧回路図
である。
【図4】本考案の案出過程において考案された自動操舵
機構付き操舵装置の自動操舵圧特性を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 コントローラ 2 ステアリングラック 4 操舵機構 4A 油圧シリンダ 5 自動操舵機構 7 油圧制御弁としての舵角制御弁(自動操舵制御バル
ブ) 7A スプール弁 7B ケース 7C,7D,7E スプール溝 7G ケース他端部 8 モード切替弁 10 ポンプ 11 オイルリザーバ(オイルタンク) 12 分流弁 13 リリーフバルブ 14 ソレノイド 15 EPSバルブ 19B 車速検出手段 20 ラック位置検出センサ 24C 駆動回路 27 油圧源切替弁 28 ステアリングホイール(ハンドル) 28A ステアリングシャフト 29,7F 油路 36 ステアリングホイール系 41,42 油圧室 47 車速対応調整手段 A,B,P,T 油圧ポート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 前村 高広 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)考案者 田中 忠夫 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧回路内に設けられて、スプール弁
    と、該スプール弁を収納するケースと、該ケースに形成
    された複数の油圧ポートと、該スプール弁に形成されて
    該複数の油圧ポートのうちのいくつかを相互に連通させ
    うるスプール溝とをそなえ、 該スプール弁の進退位置に応じて該油圧回路内の作動油
    の経路を切り替えるとともに、該作動油の流量を調整し
    うる油圧制御弁において、 該油圧ポートの開口の該スプール弁進退方向縁部が、縁
    端部に向かって次第に縮小されていることを特徴とす
    る、油圧制御弁構造。
JP7018393U 1993-12-27 1993-12-27 油圧制御弁構造 Withdrawn JPH0740364U (ja)

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