JPH0740331Y2 - 化粧料容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、口紅等の固形化粧料を収容する化粧料容器
のキャップと、中筒の嵌合構造の改良に関する。

（従来の技術） 従来、口紅等の固形化粧料をネジ筒の回動により中筒よ
り露出の上使用する化粧料容器があり、その化粧料の変
質、保護をするために、中筒にキャップを被嵌させてな
るものがある。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記キャップの中筒への嵌合が充分でな
いため、外気が侵入して中筒内に充填する化粧料がとも
すれば変質するおそれがあり、また、このキャップの嵌
合を密にすると、使用に当りキャップの回動、あるい
は、軸方向の移動に伴い中筒が回動し、化粧料が中筒よ
り押出される結果、化粧料がキャップ内頂面に衝突して
折損、変形するおそれがあるものである。そこで、この
考案は上記従来のものの欠点を改良するものであり、簡
単な構造により密封を完全にして変質等を防止するとと
もに、使用する化粧料の折損変形等のないようにするも
のである。

（課題を解決するための手段） そのために、化粧料を充填する中筒の底部に、中皿を嵌
挿するとともに中皿周縁の気密リブを介して中筒内壁に
密着し、かつ、中筒の上部に被嵌される中栓の内壁より
内方に突出する気密リブを、中筒の外壁に密着させると
共に、上記中栓の気密リブと容器径方向断面のほぼ同一
位置で中栓の外周に設ける突条が、キャップ内壁に遊嵌
されてなり、中皿と一体的に結合するネジ軸をネジ筒の
回動により軸方向に移動させて中筒より化粧料を押出し
てなるものである。

（作用） 上記構成をもつので、中筒より化粧料を押出す中皿の周
縁が中筒内壁に密着して、中筒の間隙より化粧料に対し
て侵入する外気を阻止し、同時に中筒を被嵌する中栓が
中筒外壁に密着して中筒内に侵入する外気を阻止して内
部を密封することにより、化粧料の変質を防止し、しか
も、上記中栓がキャップ内壁に遊嵌してあるから、キャ
ップの回動又は、移動によりキャップの嵌着時に中筒が
回動して化粧料を押出し化粧料を折損、変形することが
ないものである。

（実施例） この考案を図に示す実施例により更に説明する。（１）
はネジ筒であり、外筒（２）、リング（３）と一体に固
定され、ネジ筒（１）の雌ネジ（17）に断面角形のネジ
軸（６）の雄ネジ（18）が螺合し、ネジ筒（１）の外周
には継手筒（16）が嵌合し、この継手筒（16）の上端の
角孔（19）にはネジ軸（６）が嵌挿され、その上方に中
皿（７）が一体的に結合される。中皿（７）の上端縁に
は気密リブ（８）が外方に突出して形成され、中筒
（９）内壁に密着する。中皿（７）と中筒（９）内には
固形化粧料（10）が充填され、中皿（７）の軸方向の移
動により化粧料（10）を中筒（９）内より押出すもので
ある。

中筒（９）の上部には中栓（11）が被嵌され、中栓（1
1）の内壁より内方に突出する気密リブ（14）は、中筒
（９）の外壁に密着し、中栓（11）の外壁周に設ける突
条（13）は、上記気密リブ（14）と容器径方向断面のほ
ぼ同一位置に形成され、キャップ（５）内壁に設ける環
状凹溝（12）内に僅かな間隙もしくは多少当接させるよ
うに遊嵌される。また、中栓（11）の頂面には空気孔
（20）を設け、その周囲外方には空気孔（20）をとり囲
むように環状リブ（15）を設け、キャップ（５）の内頂
面に密着する。

リング（３）の他方に延びる係合片（４）は、キャップ
（５）の遊嵌時、キャップ（５）の内壁に当接して、中
筒（９）を覆いキャップ（５）を係止する。

この実施例は上記の構成をもつので、化粧料の使用後、
キャップ（５）を中筒（９）に嵌着すると、中栓（11）
の気密リブ（14）は中筒（９）の外壁に密着し、同様、
中皿（７）の気密リブ（８）は中筒（９）の内壁に密着
し、中栓（11）の頂面外周にある環状リブ（15）は、キ
ャップ（５）内頂面に密着して、化粧料を中筒（９）内
に密封する。（20）は空気孔であり、キャップ（５）を
中筒（９）に嵌着時、キャップ（５）内の空気を逃がし
て、その嵌着を確実にする。（21）はストッパーであ
り、ネジ軸（６）が中皿（７）を最上部まで押出した
時、継手筒（16）の角孔（19）の内縁に係止して、これ
より脱出することを防止するものである。なお、中栓
（11）の外頂面とキャップ（５）頂部裏面とは当接して
いるので密封するための環状リブ（15）は必ずしも必要
としないものである。

化粧料（10）の中筒（９）よりの押出しは、通常によう
にキャップ（５）を外し、中筒（９）を把持し、外筒
（２）を回動することにより行い、ネジ筒（１）とネジ
軸（６）の螺合により中皿（７）を進退することにより
するものである。

（考案の効果） 以上のとおり、キャップ嵌着時、化粧料を密封すること
によりその変質を完全に防止し、キャップを取外す時に
も、中栓がキャップに対し遊嵌してあるので、キャップ
の若干の回動を移動に対して中筒が回動せずに取外すこ
とができ、化粧料の移動によるキャップ頂面への衝突に
より折損、変形を防止でき、しかも、中栓とキャップの
結合は、中栓の弾性を利用し、突条を押え込みながらキ
ャップ内に治具等を用いて挿入することにより、キャッ
プ内壁の凹溝内に突条が係止するから、その組付が容易
で、テープ、接着剤が不要であり、凹溝と突条の係止に
より中筒に中栓の気密リブがたとえ密着付着することが
あっても、キャップを外すときに中栓が中筒と一体にな
つて外れることがないという優れた効果をもつものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の縦断面図である。 １……ネジ筒、２……外筒、３……リング ５……キャップ、６……ネジ軸、７……中皿 8,14……気密リブ、９……中筒、10……化粧料 11……中栓、12……環状凹溝、13……突条 15……環状リブ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】化粧料を充填する中筒の底部に、ネジ筒の
   回動により上下動するネジ軸と一体的に結合する中皿を
   嵌挿し、この中皿周縁の気密リブを中筒内壁に密着さ
   せ、かつ、中筒の上部に被嵌される中栓の内壁より内方
   に突出する気密リブを、中筒の外壁に密着させるととも
   に、上記中栓の気密リブと容器径方向断面のほぼ同一位
   置で中栓の外壁周に設ける突条が、キャップ内壁に設け
   る環状凹溝内に遊嵌されてなる化粧料容器。