JPH0634726Y2 - 液状化粧料容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、マスカラ、アイライナー、アイシャドー等
の液状化粧料の容器に関する。

（従来の技術） 従来、この種の化粧料容器は、容器本体開口部のキャッ
プの螺合するねじ部が通常のピッチを有し、キャップを
本体に対し数回回転させることにより嵌着させるもので
あり、これを簡単にするため比較的ねじピッチに大きい
ものを用いることも提案されているが、ねじの回転方向
に対する位置合わせが必要で部品の作成が困難である。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記従来のもののうち、通常のピッチを
もつねじ部は、締付けに要するキャップの回転が多くな
り１回の操作では充分に締付けることができず、気密が
働かないこととなり、収容する化粧料が乾燥してしまう
おそれがある。また、締付ける回転数を少くするため、
ねじのピッチを大きくし回転を少くしてキャップを締付
けることとしても、部品数が多く製作が困難となり、僅
かの力で反転し、気密を充分に保持することができなく
なるものである。

そこで、この考案は上記従来のものの欠点を改善するも
のであり、簡単な構成でキャップの締付けを迅速、か
つ、完全にして充分に気密状態を保持しようとするもの
である。

（課題を解決するための手段） そのために、液状化粧料を収容する容器本体に、キャッ
プを嵌合するに当り、それぞれの開口端に設けるねじ部
をピッチの大きいものとし、かつ、本体ねじ部のねじ基
部には周溝を設け、キャップには端縁に上記周溝に係合
する複数個の突出部を同一周上に設けるとともに、キャ
ップに設ける刷毛軸基部に栓パッキンを配置し、締付け
時本体開口端縁に緊密に当接して圧縮するようにしたも
のである。

（作用） 上記構成をもつので、容器本体に収容する化粧料内に刷
毛を挿入するよう、刷毛軸をもつキャップを本体に嵌合
すると、螺合ねじ部のねじピッチが大きいため、片手で
本体を把持しながらキャップを少し回転させるだけでキ
ャップの着脱をすることができ、しかも、螺合に当り、
キャップ内端縁の突出部が周溝に嵌合する際、音を発し
て嵌合の完了を知らせることができ、更には、本体開口
縁にキャップ内での栓パッキンが当接圧縮して嵌着し、
気密を保持して栓周溝と突出部との係止を一層強固にす
るとともに、周溝に複数個の突出部が係合するから、特
に精度を要することなく確実に係合することができる。

（実施例） この考案を、図に示す実施例により更に説明する。第１
図、第２図は第１実施例を示し、（１）は、容器本体で
あり、この本体（１）内には液状化粧料を収容する。
（２）は本体（１）の開口部に固定される口ねじであ
り、この口ねじ（２）開口端には、軸方向直角に設ける
環状の周溝（５）とピッチの大きい雄ねじ部（３）が形
成され、口ねじ（２）内には弾性材よりなるしごき片
（４）が取付られる。

一方、上記本体（１）の雄ねじ部（３）に螺合する雌ね
じ部（７）を具える内キャップ（10）は、キャップ
（６）内に固着され、開口端内縁には締付け時、本体
（１）の周溝（５）に嵌着する３個の突出部（９）を設
けてなり、その内キャップ（10）内部に、刷毛（12）を
もつ軸（11）の端部を固着してなるものである。なお、
軸（11）のしごき片（４）に当接する部分には可動パッ
キン（13）を嵌合し、しごき片（４）周囲に付着する化
粧料の容器内への還流を容易にする。（14）はキャップ
（６）の開口端縁と内キャップ（10）の本体（１）への
締付け時、内キャップ（10）の突出部（９）が周溝
（５）内に雄ねじ部（７）基部をのり越えて嵌合する
時、間隙（14）だけ半径方向に変形し、そののり越えを
容易にするものである。（８）は、雌ねじ部（７）の基
部、すなわち、軸（11）の内キャップ（10）との固着部
分に設ける弾性材よりなる栓パッキンであり、キャップ
（６）を本体（１）に嵌合する時、本体（１）の開口端
縁［口ねじ（２）の開口端縁］に当接し、変形して開口
部を密閉して本体（１）内の気密を保持する。また、ピ
ッチの大きいねじとして多条ねじにより構成してもよ
い。

この第１実施例は上記構成をもち、キャップの本体より
の着脱は、キャップを少し回転させるだけで行うことが
でき、その着脱時には本体の周溝をキャップの突出部が
のり越えることにより、カチッという音を生じ、作動を
確認できるとともに、この嵌合によりキャップが外され
ることがない。刷毛軸に対するしごき片、可動パッキン
の作用は従来のものと同様である。

第３図は第２実施例であって、栓パッキン（８）をしご
き片（４）の右端により兼用する場合を示し、しごき片
（４）の右端を口ねじ（２）内壁に沿い延長し口ねじ
（２）の開口端縁より突出して栓パッキン（８′）を形
成し、その開口端縁外方に傾斜して形成する周縁にこれ
を係止して保持させるものであり、このようにして内キ
ャップ（10）の雌ねじ部（７）の基部にしごき片（４）
の弾性材（８′）を配置して気密保持をすることも可能
である。

（考案の効果） 以上のとおり、この考案は簡単な構成により、迅速、容
易にキャップの着脱を行い、嵌着時のキャップの外れる
ことを防止し、特別の精度を要することなしに、突出部
と周溝の係合が確実にでき、締付け時の確認と完全な気
密の保持が図れる等の優れた効果をもつものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の縦断側面図、第２図は要部
の斜視図を示し、第３図は他の実施例を示す。 １……容器本体、２……口ねじ、３……雄ねじ部 ４……しごき片、５……周溝、６……キャップ ７……雌ねじ部、8,8′……栓パッキン ９……突出部、10……内キャップ、11……軸 12……刷毛、14……間隙

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】液状化粧料を収容する容器本体の開口部外
   周にピッチの大きい雄ねじ部を設け、その基部に周溝を
   設けるとともに、上記本体開口部にしごき片を設けてな
   り、かつ、上記雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有するキ
   ャップの内周端縁に上記周溝に係合する複数個の突出部
   を同一周上に設けるとともに、前記本体の開口部端縁に
   締付け時当接して圧縮される栓パッキンをキャップの上
   記雌ねじ部の基部に配置し、この基部には先端に刷毛を
   もち外周をしごき片に接する軸を取付けてなる液状化粧
   料容器。