JPH0739789Y2 - 折りたたみコンテナー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、積み重ねた時等の荷重に対する強度を大にし
た折りたたみコンテナーに関するものである。

［従来の技術］ 従来、折りたたみ可能なコンテナーとして本考案の考案
者が考案した実開昭51−132341号公報，実開昭54−1466
28号公報に記載されたものがある。

これらの折りたたみコンテナーは、第３図に示すように
フレーム１と、底板２と、フレーム１に軸７にて回動可
能に取付けられた板状部分４と底板２に軸８にて回動可
能に取付けられた板状部分５を連結部６にて折れ曲がり
得るように連結した二組の側板３と、フレーム１に軸10
にて回動可能に取付けられた二組のあおり板９とにて構
成されている。

この折りたたみコンテナーは、第２図に示す状態から両
側板の板状部分３をその連結部分６を伸ばして底板２に
対して直立せしめた後に両あおり板を起こして底板２に
対して直立せしめることによって組立てられる。そして
組立てた状態にて荷物を収納し運搬するため等に用いら
れる。

又空のコンテナーを、まずあおり板10を倒し更に側板３
の連結部６の部分より折り曲げることにより折りたたむ
ことが出来る。そして折りたたんだ状態では、これが極
めて薄型となるためコンテナーを保管する上で極めて便
利である。

［考案が解決しようとする課題］ 以上のような構造の折りたたみコンテナーは、これを組
立て内容物を収納した状態にて複数個積み重ねた場合等
のように、上方より荷重が掛かった場合、あおり板が倒
れる方向に座屈するおそれがあった。又そのために係止
突起等の防止構造も考えられたが、運搬時の横ゆれで係
止が外れ、あおり板が不用意に回動することもあった。

本考案は、横ゆれを防止することにより組立てたコンテ
ナーに上方より荷重が掛かっても座屈するおそれのない
折りたたみコンテナーを提供することを目的としてい
る。

［課題を解決するための手段］ 本考案の折りたたみコンテナーは、前記従来例のように
フレームと，底板と，連結部にて折れ曲がるようになっ
た側板とあおり板とにて構成されていて、組立てた時の
側板に平行な断面の形状が上方の辺が僅かに短い台形状
をなすものである。つまりあおり板を立てた時このあお
り板と底板とのなす角が90°より僅かに小さい角をなす
ようにしたものである。

このような本考案の折りたたみコンテナーは、組立てた
状態にて上方より荷重が掛かった時に、あおり板は内方
へ倒れる方向に力が働き、互いの方向へ倒れようとする
ために、座屈に対する強度が大になり又横ゆれに対して
も安定したものとなる。

［実施例］ 本考案の折りたたみコンテナーは、その基本構造は、第
３図に示すような従来のものと類似のもので、フレーム
と、底板と、上下の板状部分がその連結部において折れ
曲がるようになった側板と、あおり板とよりなり、折り
たたみが可能なもので、その組立てた時の状態が例えば
第１図に示すように上方のフレーム側が小さくなった台
形状をなすようにしたものである。つまり第１図に示す
側板に平行な面にて切断した時の断面形状が、台形であ
って、底板とあおり板とのなす角が90°ではなく90°よ
りも僅かに小さい角度になっている。例えば底板の側板
の側の長さをフレームの同方向の長さより長くすること
によって形成される。

この実施例の折りたたみコンテナーは、第２図に示すよ
うに内容物を収納した状態にて積み重ねた時、上側のコ
ンテナーの荷重によりあおり板に下方を向く力が加わっ
ても、内側へ向かう力となり座屈のおそれがなく又横ゆ
れを生ずることもない。

尚あおり板は図示するような両面が平行な板状のものに
限らず、一方の面が他の面に対して傾斜したものもあ
り、凹凸を有するもの等もある。したがって外側面が底
板に対して90°より小さい角をなす場合でも内側の面が
底板に対し90°より大になることもある。このように外
側の面が底面に対して90°より小であっても座屈や横ゆ
れに対する防止効果があまり得られないことがある。し
たがって、あおり板の内側の面が底板に対し90°より小
さい角をなすようにすることがより望ましい。

更にあおり板の下端部においては、いずれも外側へ向か
う力となり、係止のための突起等を設けなくてもあおり
板が内側へ回動することがなく、内容物に傷をつけるこ
ともない。

又第２図にように、両あおり板が下方に向かうにつれて
広くなるので、内容物を収納した時、より多くが下方に
詰まることになり、その結果、あおり板は更に台形をな
す方向に固定化されるためにこれによっても荷重に対す
る安定度が増大することになる。

本考案の折りたたみコンテナーの考えは、第４図に示す
ような、左右の側板の取付け位置をずらして、両側板を
折り曲げた時に互いに重なるようにした深型タイプの折
りたたみコンテナーにおいても適用できる。つまり組立
てた時にそのあおり板と底板とのなす角を90°以下にす
ればよい。

［考案の効果］ 本考案の折りたたみコンテナーは、組立てた時の状態で
その側板に平行な断面形状が上方の辺の小さい台形にな
るようにしたことにより座屈に対する強度が大で又横ゆ
れに対しても安定であり、更にあおり板がその先端が内
方へ回動するおそれもなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のコンテナーの一実施例の断面図、第２
図は本考案のコンテナーを積み重ねた状態を示す断面
図、第３図は従来の折りたたみコンテナーの斜視図、第
４図は従来の深型タイプの折りたたみコンテナーの斜視
図である。 １……フレーム,2……底板,3……側板,9……あおり板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フレームと、底板と、前記フレームおよび
   前記底板に対して夫々回動し得るように取付け更に連結
   部分にて折れ曲がるように連結した２枚の板状部分から
   なる側板と、前記フレームに対して回動し得るように取
   付けられたあおり板とを備え、前記あおり板を倒し前記
   側板を連結部分にて折りまげて折りたたみ又前記側板を
   伸ばし前記あおり板を立てることによって組立てるよう
   にしたコンテナーで、組立状態にて前記底板と前記あお
   り板とのなす角が90°よりも僅かに小になるようにした
   ことを特徴とする折りたたみコンテナー。