JPH0739714B2 - 建築物における面構造体 - Google Patents

建築物における面構造体

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JPH0739714B2
JPH0739714B2 JP25794091A JP25794091A JPH0739714B2 JP H0739714 B2 JPH0739714 B2 JP H0739714B2 JP 25794091 A JP25794091 A JP 25794091A JP 25794091 A JP25794091 A JP 25794091A JP H0739714 B2 JPH0739714 B2 JP H0739714B2
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昇 山坂
雅浩 田村
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元旦ビューティ工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は建築物における屋根や内
外壁などの面構造体に関し、特に、隣接する一方の面板
の納めが壁取合,ケラバ等で、他方の面板の納めが一般
面であるものに有用な面構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の表面が平滑な縦葺き面構造体とし
ては、樋部材が吊子を兼ねているもの(たとえば、本願
出願人の提案による特開平 2-24441号公報参照)や、樋
部材と吊子を別部材としたもの(たとえば、本願出願人
の提案による特開平2-266053号公報参照)があり、そし
て、吊子に対する面板の取り付けについては、いずれの
ものも面板を吊子に嵌め込んで弾性的に係合させること
によって、面構造を構成しているため、以下のような問
題がある。
【0003】弾性嵌合による面板の固定は、施工性に極
めて優れているものであるが、下地のレベル精度と面板
自体のロール成形精度による影響を受けやすい。すなわ
ち、施工現場における下地レベルは、下地が例え鉄骨製
であっても設計図面のように平滑であるとは限らず、ま
た、面板の成形は、素材や板厚が変わった場合には、個
々に成形条件の調整が必要で、繁忙期に、微妙な調整を
期待することは困難であり、このような下地レベル精度
と面板の寸法精度が不良である場合には、面板を吊子に
弾性嵌合させ難くなるため、一転して施工性が極めて低
下するという問題がある。
【0004】また、下地精度に問題がなくとも、面構造
体が設計(意匠)上の理由から流れ方向(長手方向)に
曲率を有する場合にあっては、嵌合部分に変形が生じて
前記の問題を招きやすく、このことは、この種の表面が
平滑な縦葺きのもの、すなわち、面板を吊子に被せるタ
イプにあっては、強度の脆弱化を他のタイプの縦葺きの
ものに比べて招きやすい。
【0005】さらに、隣接する一方の面板の納めが、壁
取合やケラバ等である場合には、現場における施工上の
理由によって、その納めの施工と一般面の施工を別けて
行うほうが都合が良いケースがある。この点、前記した
従来の面構造体のものは、納めの施工と一般面の施工を
同時にしか行えないものであり、施工法が限定されて、
融通性がない構造上の問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする課題
は、隣接する面板の納めが異なる態様のものであって
も、その施工が同時施工に限定される点、そして、施工
性の良否を、下地のレベル精度や面板自体のロール成形
精度あるいは面構造体の形態によって左右されざるを得
ない構成である点、面構造体に求められる形態によって
は、固定状態の強度不足を招きやすい構成である点であ
り、これらの課題を解決すると共に、面板における端部
構成の簡素化を計り、面板の成形性を改善し且つ成形歪
が発生し難くし、さらに、素材や板厚変更時の成形機の
調整性を良くしたものである。
【0007】
【課題を達成するための手段】本発明が前記の課題を達
成するために講じた手段は、吊子を、第1吊子部材と第
2吊子部材とで構成すると共にこの第2吊子部材を左第
2吊子部材と右第2吊子部材とによる左右別体のものに
構成し、比較的に単純な形状に工夫した面板の端縁を、
第1吊子部材に左右両第2吊子部材をスライドさせて嵌
合することにより、挟持し得るように創意したことを特
徴とするものである。
【0008】具体的には、縦長状の面板と吊子と樋部材
とからなり、面板は、左右側端を折り下げて形成した左
挟持部と右挟持部を有し、吊子は、双方の対向面部中央
に相互に適合する一対の嵌合凸部と嵌合溝部をスライド
させて嵌合可能に形成した第1吊子部材および別体で左
右一対の第2吊子部材を備え、第1吊子部材は、下部の
左右両側に下地部材への取付け用フランジを、上部の左
右に前記面板の左右両挟持部をそれぞれ裏側から挟持す
る左右両挟持面部を有し、左第2吊子部材は、上部に前
記面板の右挟持部を表面側から挟持する左挟持面部を有
し、右第2吊子部材は、上部に前記面板の左挟持部を表
面側から挟持する右挟持面部を有し、樋部材は、長尺状
で、第1吊子部材の内側におけるフランジ間に位置し
て、左右両側縁に第1吊子部材の高さに略等しい立ち上
げ部を有している構成としたことを特徴とする。
【0009】また、本発明では、第1吊子部材の表面側
に保持部を形成し、この保持部に化粧部材を保持してい
ることを特徴とする。
【0010】本発明における下地材としては、母屋等の
構造部材および構造部材と本構造体間に介装される木毛
セメント板、ALCパネル等が挙げられる。
【0011】面板裏面における左右の第1吊子部材間に
配設されて、フランジ上に支持されているバックアップ
材としては、木毛セメント板、木片セメント板、発泡ポ
リスチレン等の樹脂成形材等の断熱、吸音性能を有する
野地材が挙げられ、このバックアップ材の厚さは第1吊
子部材の高さにほぼ等しい。また、面板にPEF(ポリ
エチレンフォーム)を裏張りして形成したり、面板の裏
面にバックアップ材の厚さ相当の硬質ウレタンフォーム
やイソシアヌレートフォーム等の樹脂を、あらかじめ面
板と一体化させた態様のものとするも良い。
【0012】第1吊子部材および左右両第2吊子部材
は、アルミニウムやエンジニアリングプラスチック等の
押出成形材による押出成形品、あるいは射出成形品であ
る。
【0013】化粧部材を面板と同色にする場合には、面
板と同じ板材で化粧部材または左右両第2吊子部材を覆
うカバーを成形する。これに関連して、面構造体の表面
を形成する部材の着色は、同色あるいは異色いずれにす
るも良く、たとえば、面板と化粧部材を色違いにして所
望の意匠のものとすることもできる。
【0014】そして、第1吊子部材下端の一部を上側
に、または、左右両第2吊子部材上端の一部を下側に、
プレス等で曲げ加工する等して、スライド嵌合時に両部
材が下側への動きを干渉するようにすることにより、極
めて平滑な下地への施工等における左右両第2吊子部材
のずれ下がりが発生せず、第1吊子部材および左右両第
2吊子部材による面板の良好な挟持状態を持続出来る。
【0015】さらに、面板における左右の両挟持部の先
に係止片部を形成すると共に、左右両第2吊子部材に係
止鍔部を前記係止片部と係止可能な態様に形成しておけ
ば、第1吊子部材および左右両第2吊子部材による面板
の良好な挟持状態を堅固な保持状態に向上することが出
来る。
【0016】
【作用】下地部材に樋部材を敷くと共に樋部材の長手方
向の適宜箇所に第1吊子部材を、同樋部材を跨いで固定
して、各第1吊子部材で樋部材を下地部材側に押圧保持
する。この第1吊子部材の左右間隔は、左右の第1吊子
部材の隣り合う左挟持面部と右挟持面部に対して面板の
左右両挟持部が載置可能な範囲であれば良く、具体的に
は、左右の第1吊子部材の隣り合う左挟持面部と右挟持
面部との間の幅間隔が面板における左右両挟持部間の幅
間隔と同等ないし近似した範囲にする。
【0017】次に、左右の第1吊子部材における隣り合
う左挟持面部および右挟持面部上に左右の面板の左右両
挟持部を載置して、左右の第1吊子部材間に亘り面板を
乗せる。
【0018】然る後に、各第1吊子部材の脇における左
右の隣り合う面板の右挟持部上に左第2吊子部材の左挟
持面部を乗せ、この左第2吊子部材の左挟持面部を面板
の右挟持部に押し付けながら第1吊子部材側にスライド
させ、第1吊子部材と左第2吊子部材双方の嵌合凸部と
嵌合溝部を嵌合させて合体させると共に、面板の左挟持
部上に右第2吊子部材の右挟持面部を乗せ、この右第2
吊子部材の右挟持面部を面板の左挟持部に押し付けなが
ら第1吊子部材側にスライドさせ、第1吊子部材と右第
2吊子部材双方の嵌合凸部と嵌合溝部を嵌合させて合体
させることにより、面板の左右両挟持部を、裏側の第1
吊子部材の左右両挟持面部と表側の左右両第2吊子部材
の左右両挟持面部との間に挟持して固定する。
【0019】それにより、面板は、第1吊子部材に左右
両第2吊子部材を同時あるいは別々にそれぞれスライド
させて嵌合して、この第1吊子部材と左右両第2吊子部
材間に面板を挟持するところの簡単な施工法によって確
実且つ強固に保持・固定され、施工上の融通性に富むと
共に施工性も向上して、有用な面構造体である。さら
に、面板の左右端部形態が簡易形状に工夫されていて、
成形が容易で成形歪も発生し難く有利である。しかも、
隣接する左右の第1吊子部材の固定位置が、おおよその
左右間隔幅であれば良いため、施工性を一層向上し得
る。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の各実施例を、
縦葺き屋根構造の例について詳細に説明する。
【0021】図1乃至図3に例示した第1実施例の縦葺
き屋根構造では、1は縦長状の面板すなわち屋根板を、
2は第1吊子部材を、3は左第2吊子部材を、4は右第
2吊子部材を、5は樋部材を、6はバックアップ材を、
7は下地部材を示している。
【0022】屋根板1は、所望の幅を有する長尺の縦長
状のもので、その左右側端には、同端部から下側に折り
曲げた下がり片部8,8を経て左挟持部9と右挟持部10
を左右対称の水平状に形成し、この左右両挟持部9,10
先には垂下片部11をそれぞれ形成している。そして、左
右両挟持部9,10表面側には下がり片部8の高さに相当
する段部12を形成して、この段部12,12 間に左右両第2
吊子部材3,4および化粧部材13の表面側が納まり、屋
根板1と化粧部材13が同一面状になるようにしてある。
【0023】この屋根板1は、通常の場合、所定幅を有
する長尺の強靭な金属薄鋼板を材料に用い、これをその
長手方向に沿いロール成形させるか、或いは、所定長さ
に截断した上でベンダー折曲げ加工などにより一連に賦
形成形させて形成してある。
【0024】第1吊子部材2は、所望の幅を有する短尺
状のもので、下部の左右両側に下地部材7への取付け用
フランジ14,14 を形成し、このフランジ14,14 の内側端
から起立部15,15 をそれぞれ立ち上げると共に、起立部
15,15 上端から内側に水平状に延びる上部16,16 には、
その左側の上部16の表面側に前記屋根板1の右挟持部10
を裏面側から挟持する左挟持面部17を、右側の上部16の
表面側に前記屋根板1の左挟持部9を裏面側から挟持す
る右挟持面部18を左右対称状にそれぞれ形成している。
【0025】そして、左右の上部16,16 の内側端から下
側に鉛直状に下がる下がり部19,19下端間には、この左
右の下がり部19,19 下端間に亘る水平状の内底部20を形
成し、内底部20の表面側左右には略倒T形状嵌合溝部2
1,21 を左右対称状に形成すると共に、内底部20におけ
る左右の嵌合溝部21,21 の開口縁の内側部分から背凭れ
部22,22 をそれぞれ起立形成して、この左右の背凭れ部
22,22 先端に鈎形状の保持部23,23 を対向状に形成し、
同内底部20の裏面側中央には脚部24を垂下形成してい
る。脚部24の垂下長さは、左右のフランジ14,14 を直線
で結ぶラインに対して樋部材5における後述の底部25の
厚さに相当する長さを残している比率関係に形成してあ
る。
【0026】第1吊子部材2と同じ短尺状の左第2吊子
部材3と右第2吊子部材4は左右対称形状のもので、左
第2吊子部材3は水平状の上部26の裏面側に前記屋根板
1の右挟持部10を表面側から挟持する左挟持面部27を形
成し、そして、上部26の右端部の裏面側から下がり部28
を垂下形成すると共に、この下がり部28の下端には略倒
T形状の嵌合凸部29を第1吊子部材2の左側の嵌合溝部
21に対してスライドさせることにより嵌合可能に形成し
ている。また、嵌合凸部29の裏面側の当り部29a は嵌合
溝部21の底部すなわち内底部20に載乗して当接するよう
にしてある。
【0027】下がり部28の垂下長さは、嵌合溝部21と嵌
合凸部29との嵌合状態で、表面側の左挟持面部27が裏面
側の左挟持面部17との間に屋根板1の右挟持部10を挟持
して固定可能な比率関係に形成してある。
【0028】右第2吊子部材4は、上部30の裏面側に前
記屋根板1の左挟持部9を表面側から挟持する右挟持面
部31を有し、上部30の左端部の裏面側から垂下した下が
り部32下端には略倒T形状の嵌合凸部33を第1吊子部材
2の右側の嵌合溝部21に対してスライドさせることによ
り嵌合可能に形成している。また、嵌合凸部33の裏面側
の当り部33a は嵌合溝部21の底部すなわち内底部20に載
乗して当接するようにしてあり、そして、下がり部32の
垂下長さは、嵌合溝部21と嵌合凸部33との嵌合状態で、
表面側の右挟持面部31が裏面側の右挟持面部18との間に
屋根板1の左挟持部9を挟持して固定可能に形成してあ
る。
【0029】第1吊子部材2および左第2吊子部材3
は、前記の構造形状の整形開口部を有する成形ダイスか
ら押出成形したものを、所要の短尺状に切断して成形し
たアルミニウム製のものである。右第2吊子部材4は左
第2吊子部材3を左右反転して用いる。
【0030】樋部材5は、第1吊子部材2の左右両起立
部13,13 間に位置し得る所定幅の長尺状のもので、底部
25の左右両側縁には第1吊子部材2の上部16の高さに略
等しい左右の立ち上げ部34,34 をそれぞれ有している。
【0031】この樋部材5は、通常の場合、所定幅を有
する長尺の強靭な金属薄鋼板を材料に用い、これをその
長手方向に沿いロール成形させるか、或いは、所定長さ
に截断した上でベンダー折曲げ加工などにより一連に賦
形成形させて形成してある。
【0032】バックアップ材6は木毛セメント板で、屋
根板1と下地部材7との間における左右の第1吊子部材
間に位置し得る厚さと幅を有している。
【0033】化粧部材13は、隣接する屋根板1の左右両
段部12,12に亘り覆設可能な所望の幅を有する長尺の縦
長状のもので、その表面部35の裏面側中央に略矢形状の
係止片部36を垂設して、第1吊子部材2の保持部23に係
止可能に形成している。この化粧部材13は、前記の構造
形状の整形開口部を有する成形ダイスから押出成形した
長尺状のアルミニウム製のものである。
【0034】前記した第1実施例の縦葺き屋根構造の葺
き上げは次のように行われる。
【0035】母屋材上の木毛セメント板製下地部材7に
樋部材5を棟側から軒側にかけて左右等間隔状に敷設
し、各樋部材5にはその長手方向の適宜箇所毎に第1吊
子部材2をそれぞれ跨がせ、この第1吊子部材2のフラ
ンジ14,14 を下地部材7にネジなどの止め具37で固定す
ると共に、上部16で立ち上げ部34,34 を、脚部24で底部
25をそれぞれ下地部材7側に押え付けて、樋部材5を下
地部材7に押付け固定する。この状態では、樋部材5の
上向き開口部38は長手方向の各第1吊子部材2間が解放
している。
【0036】次に、左右の第1吊子部材2間に亘りバッ
クアップ材6を敷設して、バックアップ材6の左右端部
をフランジ14,14 で支持する。続いて、各バックアップ
材6およびバックアップ材6を間に隣り合う左右の第1
吊子部材2,2の段部12,12上に屋根板1をそれぞれ覆
設して、各屋根板1の左挟持部9を右挟持面部18に、右
挟持部11を左挟持面部17にそれぞれ載置させる。この状
態では、樋部材5の上向き開口部30は、長手方向の各第
1吊子部材1の間における左右の屋根板1間の空間を残
して、各第1吊子部材1および左右両挟持部9,10で覆
われており、そして、軒棟方向の各第1吊子部材1にお
ける嵌合溝部21は、隣り合う屋根板1,1の間に上側か
ら見えている。
【0037】然る後に、左右に隣り合う屋根板1,1の
左右両挟持部9,10が載置されている長手方向の各第1
吊子部材2に対して左右両第2吊子部材3,4を同時あ
るいは別々に、その左挟持面部27,右挟持面部31を屋根
板1,1の隣り合う段部12,12 における左挟持部9そし
て右挟持部10にそれぞれ乗せて、下側に押し付けながら
棟側あるいは軒側から当該第1吊子部材2に向けてスラ
イドさせて、両吊子部材の嵌合溝部21,21と各嵌合凸部2
9,33 を嵌合させ、次に、隣接する屋根板1間に化粧部
材13を、同化粧部材13の係合部36を長手方向の各第1吊
子部材2における保持部23に押し込んで係止して、縦葺
き屋根を葺き上げる。
【0038】これにより、左右の屋根板1,1の左右両
挟持部9,10は、その裏面側を各第1吊子部材2の左右
両挟持面部17,18 で、そして表面側を各左右両第2吊子
部材3,4の左挟持面部27と右挟持面部31でそれぞれ挟
持されて、ともに短尺状の各第1吊子部材2と各左右両
第2吊子部材3,4との間に挟持・固定され、隣接する
屋根板1間は化粧部材13で覆われ、左右両第2吊子部材
3,4はその後側を背凭れ部22,22 そして係合部36で支
えられる。この状態において、左右の屋根板1間は化粧
部材13により閉じられ、樋部材5の上向き開口部38は化
粧部材13によって全て覆われ、屋根面が同一面状で、挟
持部分あるいは屋根板1と化粧部材13との接合部分から
浸入する雨水が樋部材5の底部25を伝って軒先側に排水
される縦葺き屋根となる。
【0039】したがって、前記第1実施例の縦葺き屋根
では、隣接する屋根板1を左右の第2吊子部材3,4に
より、同時あるいは別々に固定することが出来、一方の
屋根板の納めが、壁取合やケラバ等になる場合でも、そ
の納めの施工と一般屋根面の施工を別けて行える融通性
がある。また、葺き上げのために必要とする止めビスや
ネジが、第1吊子部材2を下地部材7に固定するための
止め具37だけで済ませることが出来る。そして、屋根板
1の左右幅と隣接する第1吊子部材2の取付け幅との間
に多少の寸法誤差があっても、確実且つ強固に固定する
ことができ、屋根板1の成形精度をラフに仕上げられる
と共に第1吊子部材2の固定位置を比較的にラフに施工
でき、第1吊子部材2に左右両第2吊子部材3,4をス
ライドさせて嵌合させるだけで済む簡単な施工作業性と
併せて、屋根板1の成形性および屋根の施工性ともに優
れている。
【0040】さらに、屋根板1の左右端部すなわち第1
吊子部材2および左右両第2吊子部材3,4との接続の
ための左右両挟持部9,10形態が簡易形状に工夫されて
いるから、成形が容易で成形歪も発生し難く有利であ
る。しかも、屋根板1が温度変化により伸縮しても、第
1吊子部材2および左右両第2吊子部材3,4による屋
根板の固定強度は変わらず、温度変化によって屋根板1
が外れるのではないかと言うような危惧も起こらない。
加えて、屋根板1の左右両挟持部9,10 を表面側から挟
持している左右両第2吊子部材3,4は、背凭れ部22,2
2 そして化粧部材13の係合部36で後側から支えられてい
るから、その挟持状態を補強されて強固である。
【0041】また、隣接する屋根板1を第1吊子部材2
および左右両第2吊子部材3,4で固定した状態では、
左右両第2吊子部材3,4における嵌合凸部29,33 の当
り部29a,33a が第1吊子部材2の内底部20に載乗した形
で当接しているので、屋根の施工時や補修時に作業者が
化粧部材13に乗った場合にも、その外圧は前記当り部29
a,33a から第1吊子部材2の脚部24を通じて下地部材7
に負荷され、それにより、第1吊子部材2および左右両
第2吊子部材3,4による左右の屋根板1の固定状態を
当初の挟持状態に維持できる。
【0042】図4に例示した第2実施例の縦葺き屋根で
は、屋根板1は、その左右側端から下側に折り曲げた下
がり片部8,8を経て左挟持部9と右挟持部10を左右対
称の水平状に形成し、この左右両挟持部9,10先端には
係止片部39,39 をそれぞれ起立形成している。そして、
左右両挟持部9,10表面側には下がり片部8の高さに相
当する段部12をそれぞれ形成して、この段部12,12 に左
右両第2吊子部材3,4および化粧部材13が納まり、屋
根板1と化粧部材13の表面が同一面状になるようにして
ある。また、屋根板1の裏面側には左右の下がり片部
8,8間に亘り裏張り材40を一体に貼設している。
【0043】短尺状の第1吊子部材2は、前記第1実施
例における第1吊子部材2と同様に、フランジ14,14 、
起立部15,15 、上部16,16 、左右両挟持面部17,18 、左
右の嵌合溝部21,21 、脚部24を有し、内底部20の表面側
中央の左右には衝立部41,41を立設して、この衝立部41,
41 先端に鈎形状の保持部23,23 を対向状に形成してあ
る。
【0044】第1吊子部材2と同じ短尺状の左第2吊子
部材3と右第2吊子部材4は左右対称形状のもので、左
第2吊子部材3は水平状の上部26の左端部裏面側から下
側に係止部42を形成し、この係止部42下端には前記屋根
板1の右挟持部10を表面側から挟持する左挟持面部27を
形成し、そして、上部26の右端部の裏面側から下がり部
28を垂下形成すると共に、この下がり部28の下端には略
倒T形状の嵌合凸部29を第1吊子部材2の左側の嵌合溝
部21に対してスライドさせることにより嵌合可能に形成
している。また、嵌合凸部29の裏面側の当り部29a は嵌
合溝部21の底部すなわち内底部20に載乗して当接するよ
うにしてある。
【0045】係止部42および下がり部28の垂下長さは、
嵌合溝部21と嵌合凸部29との嵌合状態で、表面側の左挟
持面部27が裏面側の左挟持面部17との間に屋根板1の右
挟持部10を挟持して固定可能な比率関係に形成してあ
る。
【0046】右第2吊子部材4は、水平状の上部30の右
端部裏面側から下側に係止部43を形成し、この係止部43
下端には前記屋根板1の左挟持部9を表面側から挟持す
る右挟持面部31を形成し、そして、上部30の右端部の裏
面側から下がり部32を垂下形成すると共に、この下がり
部32の下端には略倒T形状の嵌合凸部33を第1吊子部材
2の左側の嵌合溝部21に対してスライドさせることによ
り嵌合可能に形成している。また、嵌合凸部33の裏面側
の当り部33a は嵌合溝部21の底部すなわち内底部20に載
乗して当接するようにしてある。
【0047】係止部43および下がり部32の垂下長さは、
嵌合溝部21と嵌合凸部33との嵌合状態で、表面側の左挟
持面部31が裏面側の右挟持面部18との間に屋根板1の左
挟持部9を挟持して固定可能な比率関係に形成してあ
る。
【0048】樋部材5、バックアップ材6、化粧部材13
は、それぞれ前記第1実施例における樋部材5、バック
アップ材6、化粧部材13と同構成で、樋部材5は底部25
の左右両側縁に左右の立ち上げ部34,34 をそれぞれ有
し、また、バックアップ材6は屋根板1裏側の裏張り材
40と下地部材7との間における左右の第1吊子部材間に
位置し得る厚さと幅を有し、化粧部材13はその表面部35
の裏面側中央に略矢形状の係止片部36を有している。
【0049】他の構成は、前記第1実施例のものと同じ
であるため、説明を省略する。
【0050】この第2実施例の縦葺き屋根構造の葺き上
げは、前記第1実施例のものと同様の順序で行われる。
【0051】これにより、左右の屋根板1,1の左右両
挟持部9,10は、その裏面側を各第1吊子部材2の左右
両挟持面部17,18 で、そして表面側を各左右両第2吊子
部材3,4の左挟持面部27と右挟持面部31でそれぞれ挟
持されて、ともに短尺状の各第1吊子部材2と各左右両
第2吊子部材3,4との間に挟持・固定され、隣接する
屋根板1間は化粧部材13で覆われ、屋根板1の左右両挟
持部9,10における係止片部39,39 を左右両第2吊子部
材3,4の係止部42,42 で係止されている。この状態に
おいて、左右の屋根板1間は化粧部材13により閉じら
れ、樋部材5の上向き開口部38は化粧部材13によって全
て覆われ、屋根面が同一面状で、挟持部分あるいは屋根
板1と化粧部材13との接合部分から浸入する雨水が樋部
材5の底部25を伝って軒先側に排水される縦葺き屋根と
なる。
【0052】この第2実施例のものも前記第1実施例の
ものと、背凭れ部22,22 および係合部36による屋根板1
の挟持状態の補強効果を除いて、同様の作用および効果
を有し、さらに、屋根板1における係止片部39,39 に左
右両第2吊子部材3,4の係止部42,42 が係止してい
て、左右両挟持部9,10を抜け止めしているから、屋根
板1の保持強度は一層強固なものに向上している。
【0053】図5に例示した第3実施例の縦葺き屋根で
は、屋根板1は、前記第2実施例における屋根板1と同
様に、左右側縁の下がり片部8,8を経て左挟持部9と
右挟持部10を有し、この左右両挟持部9,10先に係止片
部39,39 をそれぞれ有している。そして、左右両挟持部
9,10表面側には段部12,12 を、屋根板1の裏面側には
裏張り材40を有している。
【0054】短尺状の第1吊子部材2は、前記第2実施
例における第1吊子部材2と同様に、フランジ14,14 、
起立部15,15 、上部16,16 、左右両挟持面部17,18 、左
右の嵌合溝部21,21 、脚部24、衝立部41,41 、保持部2
3,23 をそれぞれ有している。
【0055】左第2吊子部材3と右第2吊子部材4は、
前記第2実施例の左第2吊子部材3および右第2吊子部
材4と同様の構成にしてあり、左第2吊子部材3は上部
26の左端部裏面側から下側に係止部42を有し、この係止
部42下端には左挟持面部27を有している。そして、上部
26の右端部の裏面側に下がり部28を有し、下がり部28の
下端には嵌合凸部29を、また、嵌合凸部29の裏面側には
当り部29a を有している。
【0056】右第2吊子部材4は、上部30の右端部裏面
側から下側に係止部43を有し、この係止部43下端には右
挟持面部31を有している。そして、上部30の右端部の裏
面側には下がり部32を有し、下がり部32の下端には嵌合
凸部33を、また、嵌合凸部33の裏面側には当り部33a を
有している。
【0057】樋部材5とバックアップ材6は、それぞれ
前記第1実施例における樋部材5、バックアップ材6と
同様の構成にしてあり、樋部材5は底部25の左右両側縁
に左右の立ち上げ部34,34 をそれぞれ有し、また、バッ
クアップ材6は屋根板1裏側の裏張り材40と下地部材7
との間における左右の第1吊子部材間に位置し得る厚さ
と幅を有している。
【0058】化粧部材13は、化粧カバー44と係合部材45
からなり、化粧カバー44は、隣接する屋根板1の左右両
段部12,12 に亘り覆設可能な所望の幅を有する長尺の縦
長状のもので、その表面部35の左右側縁を裏面側の中央
近くまで折り返して左右両裏面部46,46 を形成し、この
表面部35と左右両裏面部46,46 との間には空間部47を形
成して、同空間部47には係合部材45における上片部48を
挿着してある。化粧カバー44と同じ縦長状の係合部材45
は、上片部47の裏面側中央に下端が外向き鈎形状の左右
両係合部36,36 を垂設していて、第1吊子部材1の保持
部23,23 に係合可能に形成してある。
【0059】この化粧カバー44は、通常の場合、所定幅
を有する長尺の強靭な金属薄鋼板を材料に用い、これを
その長手方向に沿いロール成形させるか、或いは、所定
長さに截断した上でベンダー折曲げ加工などにより一連
に賦形成形させて形成してあり、係合部材45は、前記の
構造形状の整形開口部を有する成形ダイスから押出成形
した長尺状のプラスチック製のものである。
【0060】他の構成は、前記第1実施例のものと同じ
であるため、説明を省略する。
【0061】この第3実施例の縦葺き屋根構造の葺き上
げは、前記第1実施例のものと同様の順序で行われる。
【0062】これにより、左右の屋根板1,1の左右両
挟持部9,10は、その裏面側を各第1吊子部材2の左右
両挟持面部17,18 で、そして表面側を各左右両第2吊子
部材3,4の左挟持面部27と右挟持面部31でそれぞれ挟
持されて、ともに短尺状の各第1吊子部材2と各左右両
第2吊子部材3,4との間に挟持・固定され、隣接する
屋根板1間は化粧部材13で覆われ、屋根板1の左右両挟
持部9,10における係止片部39,39 を左右両第2吊子部
材3,4の係止部42,42 で係止されている。この状態に
おいて、左右の屋根板1間は化粧部材13により閉じら
れ、樋部材5の上向き開口部38は化粧部材13によって全
て覆われ、屋根面が同一面状で、挟持部分あるいは屋根
板1と化粧部材13との接合部分から浸入する雨水が樋部
材5の底部25を伝って軒先側に排水される縦葺き屋根と
なる。
【0063】この第3実施例のものも前記第2実施例の
ものと同様の作用および効果を有し、さらに、化粧部材
13の表面側を屋根板1と同素材で構成出来ることによ
り、外観を同じ調子のものに整えられる。
【0064】図6に例示した第4実施例の縦葺き屋根で
は、隣接する一方の屋根板1の納めが一般面で、他方の
屋根板1Aの納めが壁取合である態様を例示している。
【0065】屋根板1は、その左右側縁から下側に折り
曲げた下がり片部8を経て左挟持部9(図示せず)と右
挟持部10を左右対称の水平状に形成し、この左右両挟持
部9,10先には係止片部39をそれぞれ起立形成してい
る。そして、左右両挟持部9,10表面側には下がり片部
8の高さに相当する段部12をそれぞれ形成して、この段
部12に左右両第2吊子部材3,4(図示せず)および化
粧部材13が納まり、屋根板1と化粧部材13の表面が同一
面状になるようにしてある。
【0066】屋根板1Aは、水平面部49の左側縁から下
側に折り曲げた下がり片部8を経て左挟持部9を水平状
に形成し、この左挟持部9先には係止片部39を起立形成
している。そして、左挟持部9表面側には下がり片部8
の高さに相当する段部12を形成して、この段部12に右第
2吊子部材4および化粧部材13が納まり、屋根板1と化
粧部材13の表面が同一面状になるようにしてある。ま
た、屋根板1は水平面部49の右側縁から壁水切面部50を
起立形成すると共にこの壁水切面部50の上端縁を外側次
いで上側に折り曲げて、同上端縁に壁取付部51を形成し
てある。
【0067】短尺状の第1吊子部材2は、前記第1実施
例における第1吊子部材2と同様の構成にしてあり、フ
ランジ14,14 、起立部15,15 、上部16,16 、左右両挟持
面部17,18 、左右の嵌合溝部21,21 、背凭れ部22,22 、
保持部23,23 、脚部24をそれぞれ有している。
【0068】左第2吊子部材3と右第2吊子部材4は、
前記第2実施例の左第2吊子部材3および右第2吊子部
材4と同様の構成にしてあり、左第2吊子部材3は上部
26の左端部裏面側から下側に係止部42を有し、この係止
部42下端には左挟持面部27を有している。そして、上部
26の右端部の裏面側に下がり部28を有し、下がり部28の
下端には嵌合凸部29を、また、嵌合凸部29の裏面側には
当り部29a を有している。
【0069】右第2吊子部材4は、上部30の右端部裏面
側から下側に係止部43を有し、この係止部43下端には右
挟持面部31を有している。そして、上部30の左端部の裏
面側には下がり部32を有し、下がり部32の下端には嵌合
凸部33を、また、嵌合凸部33の裏面側には当り部33a を
有している。
【0070】樋部材5およびバックアップ材6は、それ
ぞれ前記第1実施例のものにおける樋部材5、バックア
ップ材6と同構成で、樋部材5は底部25の左右両側縁に
左右の立ち上げ部34,34 をそれぞれ有し、また、バック
アップ材6は屋根板1,1Aと下地部材7との間に介在
する形態にしてある。
【0071】化粧部材13は隣接する屋根板1,1Aの左
右段部12,12 に亘り覆設可能な所望の幅を有する長尺の
縦長状のもので、その表面部35の左右側端を内側に折り
返して裏面部46,46 を形成すると共に、左右の裏面部4
6,46 内側端から下側に略鈎形状の係合部36を垂下形成
している。この化粧部材13は、通常の場合、所定幅を有
する長尺の強靭な金属薄鋼板を材料に用い、これをその
長手方向に沿いロール成形させるか、或いは、所定長さ
に截断した上でベンダー折曲げ加工などにより一連に賦
形成形させて形成してある。
【0072】他の構成は、前記第1実施例のものと同じ
であるため、説明を省略する。
【0073】この第4実施例の屋根板の一方の納めが壁
取合である縦葺き屋根構造の葺き上げは、たとえば、次
のように行われる。
【0074】先ず、一般屋根板1から葺き上げる。この
一般屋根板1の葺き上げは前記第1実施例のものと同様
の順序で行われる。そして、屋根板1Aと隣接する一般
屋根板1の右挟持部10の固定は、この右挟持部10が載置
されている長手方向の各第1吊子部材2に対して左第2
吊子部材3を、その左挟持面部27を屋根板1の段部12に
おける右挟持部10に乗せて、下側に押し付けながら棟側
あるいは軒側から当該第1吊子部材2に向けてスライド
させて、両吊子部材の嵌合溝部21と嵌合凸部29を嵌合さ
せることにより、右挟持部10を表裏の左挟持面部17,27
間に挟持・固定する。
【0075】次に、長手方向の各第1吊子部材2とバッ
クアップ材6と壁体52とに亘り屋根板1Aを覆設して、
屋根板1Aの左挟持部9を右挟持面部18に載置する一
方、壁取付部51を壁体52の接合部53に当接させる。そし
て、各第1吊子部材2に対して右第2吊子部材4を、そ
の右挟持面部31を屋根板1Aの段部12における左挟持部
9に乗せて、下側に押し付けながら棟側あるいは軒側か
ら当該第1吊子部材2に向けてスライドさせて、両吊子
部材の嵌合溝部21と嵌合凸部33を嵌合させることによ
り、左挟持部9を表裏の右挟持面部18,31 間に挟持・固
定する。
【0076】然る後に、隣接する屋根板1,1A間に化
粧部材13を、同化粧部材13の係合部36を長手方向の各第
1吊子部材2における保持部23に押し込んで係止させる
ことにより、覆設して屋根面を葺き、また、壁水切面部
50の壁取付部51は接合部53における柱54に止め具55で固
定すると共に、この壁取付部51および止め具55頭部をシ
ール56で埋設し、縦葺き屋根を葺き上げる。
【0077】これにより、納めの態様が違う屋根板1,
1Aの固定作業を同時ないし別々に行え、両者の隣り合
う左右両挟持部9,10は、その裏面側を各第1吊子部材
2の左右両挟持面部17,18 で、そして表面側を各左右両
第2吊子部材3,4の左挟持面部27と右挟持面部31でそ
れぞれ挟持されて、ともに短尺状の各第1吊子部材2と
各左右両第2吊子部材3,4との間に挟持・固定され
る。また、隣接する屋根板1間は化粧部材13で覆われ、
左右両第2吊子部材3,4はその後側を背凭れ部22,22
そして係合部36で支えられる。この状態において、左右
の屋根板1間は化粧部材13により閉じられ、樋部材5の
上向き開口部38は化粧部材13によって全て覆われ、屋根
面が同一面状で、挟持部分あるいは屋根板1と化粧部材
13との接合部分から浸入する雨水、さらに壁水切面部50
で水切りした雨水が樋部材5の底部25を伝って軒先側に
排水される縦葺き屋根となる。
【0078】したがって、前記第4実施例の縦葺き屋根
では、納めが違う屋根板1,1Aを左右別々の第2吊子
部材3,4により、同時あるいは別々に固定することが
出来、一方の屋根板の納めが、壁取合やケラバ等になる
場合でも、その納めの施工と一般屋根面の施工を別けて
行える融通性がある。
【0079】そして、屋根板1,1Aの左右幅と隣接す
る第1吊子部材2の取付け幅との間に多少の寸法誤差が
あっても、確実且つ強固に固定することができ、屋根板
1,1Aの成形精度をラフに仕上げられると共に第1吊
子部材2の固定位置を比較的にラフに施工でき、第1吊
子部材2に左右両第2吊子部材3,4をスライドさせて
嵌合させるだけで済む簡単な施工作業性と併せて、屋根
板1,1Aの成形性および屋根の施工性ともに優れてい
るものであり、さらに、前記第1実施例のものと同様の
作用・効果を有している。
【0080】前記の各実施例は本発明の一例を示してい
るにすぎず、たとえば、第3実施例における係合部材45
を短尺状に形成して、素材の節減を計った態様とする
等、本発明の主旨を変更しない限り、他の態様とするこ
とも任意である。
【0081】
【発明の効果】
A.請求項1により、隣接する面板を左右別個の第2吊
子部材で、同時あるいは別々に固定することが出来、た
とえば、一方の屋根板の納めが、壁取合やケラバ等のよ
うに異なる場合でも、その納めの施工と一般屋根面の施
工を別けて行える融通性がある。
【0082】B.同項により、第1吊子部材と左右両第
2吊子部材との間に面板の左右の挟持部を挟持・固定す
るので、隣接する面板を確実且つ強固に挟持・固定で
き、下地のレベル精度や面板自体のロール成形精度ある
いは面構造体の形態にかかわらず、強固な保持強度を有
するものである。
【0083】C.同項により、第1吊子部材に左右の第
2吊子部材をスライドさせて嵌合するところの簡単な施
工法によって、面板を確実且つ強固に挟持・固定するこ
とができ、しかも、隣接する左右の第1吊子部材の固定
位置を、おおよその左右間隔幅に設定することが出来る
ため、下地のレベル精度や面板自体のロール成形精度あ
るいは面構造体の形態に影響されず、優れた施工性を有
するものである。
【0084】D.同項により、面板が温度変化により伸
縮しても、第1吊子部材および左右両第2吊子部材によ
る面板の固定強度は変わらず、温度変化によって面板の
固定強度が弱くなったり、面板が外れるのではないかと
言うような心配もない。
【0085】E.同項により、面板の左右端部すなわち
第1吊子部材および左右両第2吊子部材との接続のため
の左右両挟持部形態が簡易形状に工夫されているから、
成形が容易で成形歪も発生し難く有利であり、さらに、
素材や板厚変更時の成形機の調整性にも優れている。
【0086】F.同項により、面板の保持強度および施
工性について、特に流れ方向に曲率を有する面構造を構
成する際、面板の変形は極めて生じ難く、仮に生じて
も、面板の挟持部を確実に挟持出来るので、施工性の低
下を招くこともない。
【0087】G.請求項2により、化粧部材を、その素
材、形態、色等について種々選択して、所望の意匠に仕
上げることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の建築物の面構造体を適用した縦葺き
屋根構造の第1実施例を例示した斜視図。
【図2】 同拡大縦断面図。
【図3】 同要部の分解斜視図。
【図4】 縦葺き屋根構造の第2実施例を例示した拡大
縦断面図。
【図5】 縦葺き屋根構造の第3実施例を例示した拡大
縦断面図。
【図6】 屋根板の一方の納めが壁取合である態様の縦
葺き屋根構造の第4実施例を例示した拡大縦断面図。
【符号の説明】
1,1A 屋根板(面板) 8 屋根板の
下がり片部 9 屋根板の左挟持部 10 屋根板の
右挟持部 11 屋根板の垂下片部 12 屋根板の
段部 39 屋根板の係止片部 49 屋根板の
水平面部 50 屋根板の壁水切面部 51 屋根板の
壁取付部 2 第1吊子部材 14 第1吊子
部材のフランジ 15 第1吊子部材の起立部 16 第1吊子
部材の上部 17 第1吊子部材の左挟持面部 18 第1吊子
部材の右挟持面部 19 第1吊子部材の下がり部 20 第1吊子
部材の内底部 21 第1吊子部材の嵌合溝部 22 第1吊子
部材の背凭れ部 23 第1吊子部材の保持部 24 第1吊子
部材の脚部 41 第1吊子部材の衝立部 3 左第2吊
子部材 26 左第2吊子部材の上部 27 左第2吊子
部材の左挟持面部 28 左第2吊子部材の下がり部 29 左第2吊
子部材の嵌合凸部 29a 嵌合凸部の当り部 42 左第2吊
子部材の係止部 4 右第2吊子部材 30 右第2吊
子部材の上部 31 右第2吊子部材の右挟持面部 32 右第2吊
子部材の下がり部 33 右第2吊子部材の嵌合凸部 33a 嵌合凸
部の当り部 43 右第2吊子部材の係止部 5 樋部材の 25 樋部材の底部 34 樋部材の
立ち上げ部 38 樋部材の上向き開口部 6 バックア
ップ材 7 下地部材 13 化粧部材 35 化粧部材の表面部 36 化粧部材
の係合部 44 化粧部材の化粧カバー 46 化粧カバ
ーの裏面部 47 化粧カバーの空間部 45 化粧部材
の係合部材 48 係合部材の上片部 37,55 止め
具 40 裏張り材 52 壁体 53 接合部 54 柱 56 シール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦長状の面板と吊子と樋部材とからな
    り、面板は、左右側端を折り下げて形成した左挟持部と
    右挟持部を有し、吊子は、双方の対向面部中央に相互に
    適合する一対の嵌合凸部と嵌合溝部をスライドさせて嵌
    合可能に形成した第1吊子部材および別体で左右一対の
    第2吊子部材を備え、第1吊子部材は、下部の左右両側
    に下地部材への取付け用フランジを、上部の左右に前記
    面板の左右両挟持部をそれぞれ裏側から挟持する左右両
    挟持面部を有し、左第2吊子部材は、上部に前記面板の
    右挟持部を表面側から挟持する左挟持面部を有し、右第
    2吊子部材は、上部に前記面板の左挟持部を表面側から
    挟持する右挟持面部を有し、樋部材は、長尺状で、第1
    吊子部材の内側におけるフランジ間に位置して、左右両
    側縁に第1吊子部材の高さに略等しい立ち上げ部を有し
    ていることを特徴とする建築物における面構造体。
  2. 【請求項2】 第1吊子部材が、同部材の表面側中央に
    保持部を有し、この保持部に化粧部材を保持しているこ
    とを特徴とする請求項1記載の建築物における面構造
    体。
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