JPH0739594B2 - 粒状洗剤組成物または成分 - Google Patents

粒状洗剤組成物または成分

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JPH0739594B2
JPH0739594B2 JP4167958A JP16795892A JPH0739594B2 JP H0739594 B2 JPH0739594 B2 JP H0739594B2 JP 4167958 A JP4167958 A JP 4167958A JP 16795892 A JP16795892 A JP 16795892A JP H0739594 B2 JPH0739594 B2 JP H0739594B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結晶アルカリ金属アル
ミノケイ酸塩(ゼオライト)を含み且つ更に液体、粘性
液体、油性またはろう質成分をも含む、さらさらの粒状
洗剤組成物またはそのための成分に係わる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】結晶ア
ルカリ金属アルミノケイ酸塩(ゼオライト)の、水溶液
のカルシウムイオンを封鎖する能力は、洗剤ビルダーと
してリン酸塩に代わるものとしてよく知られるようにな
ってきた。ゼオライトを含む粒状洗剤組成物は、例えば
英国特許第1 473 201号(Henkel)など
当分野において広く記載されており、ヨーロッパ、日本
及び米国の各地で市販されている。
【0003】多くの結晶形態のゼオライトが公知である
が、洗剤用途に好ましいゼオライトは常にゼオライトA
であった。XまたはP(B)のような他のゼオライト
は、カルシウムイオンの取込みが不適当であるかまたは
遅すぎるため、好ましくないとされている。ゼオライト
Aは、シリコンに対して存在し得る最高の割合のアルミ
ニウムを含む、即ちSi:Al比が理論的最小の1.0
である“最大アルミニウム”構造であって、水溶液から
カルシウムイオンを取込む能力が、一般にはより低い割
合のアルミニウムを含む(またはSi:Al比がより大
きい)ゼオライトX及びPよりも本質的に高いという利
点を有する。
【0004】欧州特許出願公開第384 070号(U
nilever)は、1.33以下、好ましくは1.1
5以下の特に低いシリコン対アルミニウム比を有する新
規のゼオライトP(最大アルミニウムゼオライトP、ま
たはゼオライトMAP)を開示及び特許請求している。
この材料は、通常のゼオライト4Aよりも有効な洗剤ビ
ルダーであると示されている。
【0005】米国特許第3 112 176号(Had
en et al/Minerals & Chemi
cals Philipp Corporation)
は、メタカオリンから、約1:1のシリコン対アルミニ
ウム比を有し、並外れて高い塩基交換能及び極めて高い
油吸収能を有する新規のゼオライトを製造することに係
わる。このゼオライトは、ゼオライトPに特徴的なX線
回折パターンによって定義されている。この材料は、比
較的高いレベルのチタン不純物(メタカオリン出発材料
から誘導されるもの)を含む。用途としては、化学工業
及び糖生産における水処理や、プラスチック及びゴム製
品の生産における顔料または充填材が示唆されている。
【0006】非イオン性界面活性剤のような液体成分の
ための担体として洗剤組成物中にゼオライトAを使用す
ることも、当分野において記載されている。例えば英国
特許第1 504 211号(Henkel)は、非イ
オン性界面活性剤に使用し得る担体材料としてゼオライ
トA粉末の使用を開示している。欧州特許出願公開第1
49 264号(Unilever)は、高配合量の液
体、粘性液体、油性またはろう質洗剤成分、例えば非イ
オン性界面活性剤を担うための、ゼオライトAをベース
とする噴霧乾燥粒状材料を開示している。そして得られ
る“添加剤”はさらさらの粉末である。
【0007】予期せずして、ゼオライトMAPは、他の
材料を含んでも含まなくとも粉末形態及び粒状化された
場合のいずれにおいても、非イオン性界面活性剤のよう
な液体、粘性液体、油性またはろう質洗剤成分のための
担体としてゼオライトAよりも著しく優れており、かか
る成分を高い割合で含む安定したさらさらの粉末を製造
し得ることが判った。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(i)(無水
物ベースで)10〜100重量%のゼオライトMAPを
含む粒状担体材料と、(ii)液体、粘性液体、油性ま
たはろう質洗剤成分とを、成分(ii)対ゼオライトM
APの重量比が0.01:1以上であるように含む、さ
らさらの粒状洗剤組成物またはそのための成分を提供す
る。
【0009】本発明は、それ自体で完全な洗剤製品とも
なり得るしまたはより高度の複合製品の成分ともなり得
る、さらさらの粒状組成物を提供する。本発明は、液
体、粘性液体、油性またはろう質成分に対するゼオライ
トMAPの吸収及び担持能が、ゼオライトAのそれと比
較して予想外に優れているという知見に立脚している。
【0010】本発明の組成物または成分は2種の必須成
分、即ち粒状担体材料(i)と、担持されている吸着液
体、粘性液体、油性またはろう質成分(ii)とを有す
る。他の洗剤成分も、必要または所望であれば存在させ
ることができる。
【0011】成分(ii)対ゼオライトMAPの比は
0.01:1以上、好ましくは0.01:1〜1.4:
1であり、0.01:1〜0.75:1の範囲内にある
のが有利となり得る。好ましくは0.1:1以上、有利
には0.35:1以上、より有利には0.45:1以上
であり、1:1、更には1.4:1までにも高くし得る
が、ゼオライトMAPの全担持能を利用しないより低い
比を有する組成物も、本発明の範囲内である。最も好ま
しい比は、0.1:1〜1:1の範囲である。
【0012】本発明の組成物及び成分は、粒状担体材料
(i)及び成分(ii)の合計を基準にすると、2〜4
5重量%の成分(ii)を含むのが適当である。
【0013】粒状担体材料 粒状担体材料は全部または一部がゼオライトMAPから
なる。
【0014】ゼオライトMAP ゼオライトMAP(最大アルミニウムゼオライトP)及
びその洗剤組成物における使用は、欧州特許出願公開第
384 070号(Unilever)に記載及び特許
請求されている。ゼオライトMAPは、1.33以下、
好ましくは0.9〜1.33の範囲内、より好ましくは
0.9〜1.2の範囲内のシリコン対アルミニウム比を
有するゼオライトPタイプのアルカリ金属アルミノケイ
酸塩と定義されている。
【0015】特に重要なのは、1.15以下のシリコン
対アルミニウム比を有するゼオライトMAPであり、
1.07以下のシリコン対アルミニウム比を有するゼオ
ライトMAPは特に好ましい。
【0016】ゼオライトMAPは一般に、英国特許第1
473 201号(Henkel)及び欧州特許出願
公開第384 070号(Unilever)の“方法
I”に記載されている標準方法によって測定すると、無
水アルミノケイ酸1g当たりCaO150mg以上のカ
ルシウム結合能を有する。カルシウム結合能は通常は1
60mg CaO/g以上であり、170mg CaO
/gほどに高くもなり得る。更にゼオライトMAPは一
般に、欧州特許出願公開第384 070号(Unil
ever)の“方法II”に記載のごとく測定すると、
145mg CaO/g以上、好ましくは150mg
CaO/g以上の“有効カルシウム結合能”を有する。
【0017】ゼオライトMAPは他のゼオライトと同様
に水和水を含むが、本発明においては通常、ゼオライト
の量及び割合を理論的無水材料において表わす。周囲温
度及び湿度において水和ゼオライトMAP中に存在する
水の量は通常は約20重量%である。
【0018】ゼオライトMAPの粒径 本発明に使用するのに好ましいゼオライトMAPは特に
微粒化されたものであり、0.1〜5.0μm、より好
ましくは0.4〜2.0μm、最も好ましくは0.4〜
1.0μmの範囲内のd50(この定義は後述する)を有
する。
【0019】“d50”なる量は、粒子の50重量%が当
該数値よりも小さい直径を有することを示しており、
“d80”、“d90”などの対応する量がある。特に好ま
しい材料は、3μm未満のd90及び1μm未満のd50
有する。
【0020】粒径を測定する種々の方法が公知である
が、これらは全てがわずかに異なる結果を与える。本明
細書において引用した粒径分布及び平均値(重量によ
る)は、脱塩水中に分散し、10分間超音波処理してか
ら、45mmレンズを備えたMalvern Mast
ersizer(商標)によって測定した。
【0021】ゼオライトMAPは平均粒径が小さいだけ
でなく、大粒子を低い割合で含むかまたは実質的に含ま
ないことが、不可欠ではないが有利となり得る。粒径分
布は、90重量%以上、好ましくは95重量%以上が1
0μmより小さく、85重量%以上、好ましくは90重
量%以上が6μmより小さく、そして80重量%以上、
好ましくは85重量%以上が5μmより小さいのが有利
となり得る。
【0022】ゼオライトMAP粉末 本発明の第1の実施態様によれば、担体材料は単に粉末
形態のゼオライトMAPである。粉末ゼオライトMAP
は優れた担体材料であることが判明した。例えばそれが
さらさら特性を失う前に取込み得る鉱油の量(無水ゼオ
ライト1g当たりのg)は、市販のゼオライトA粉末の
対応する量の1.2〜1.9倍ほど大きいことが判っ
た。
【0023】所望であれば、粉末形態の他の洗剤成分を
ゼオライトMAP粉末と混合して存在させることもでき
る。
【0024】粒状形態のゼオライトMAP ゼオライトMAP粉末の粒径は小さいが、噴霧乾燥また
はノンタワー法(non−tower method)
によって粒状化してより大きな粒子を形成すれば、材料
はより便利に取り扱い得る。
【0025】ゼオライトAをベースとするこのタイプの
粒状材料はよく知られており、例えばDegussa
AG,ドイツによりWessalith(商標)CS及
びCDとして市販されている。
【0026】従って本発明の第2の実施態様において
は、担体材料は、10〜80重量%、好ましくは50〜
80重量%のゼオライトMAPを含む粒状物である。
【0027】噴霧乾燥粒子と同様に、本発明の第2の実
施態様は、ドライブレンド及び造粒法のようなノンタワ
ー法によって製造された粒状担体材料をも含む。
【0028】本発明の第1及び第2の実施態様に従う組
成物は、担体材料(粉末または粒状物)を、1種以上の
液体、粘性液体、油性またはろう質成分で、例えば噴霧
によって処理することにより調製し得る。このような組
成物は通常は、それ自体で完全な洗剤製品であるより
は、より高度の複合製品の成分となろう。
【0029】ゼオライトMAPを含む洗剤ベース粉末 本発明の第3の実施態様によれば、ゼオライトMAP
を、洗剤活性材料及び必要によっては他の相容性成分、
例えば補助ビルダー、ケイ酸ナトリウム、蛍光剤及び再
沈着防止ポリマーを含む洗剤ベース粉末中に配合する。
このようなベース粉末は噴霧乾燥によって調製し得る
が、ドライブレンドまたは造粒法のようなノンタワー法
も可能である。ベース粉末中のゼオライトMAPの量は
10〜80重量%が適当な範囲であり得る。
【0030】ベース粉末は、1種以上の液体、粘性液
体、油性またはろう質成分で、例えば噴霧によって処理
し得る。
【0031】得られた粒状組成物は、完全に製剤化され
た洗剤組成物とすることもできるし、所望であれば、更
なる粒状成分を通常の方法で追加混合(後投与)して、
最終製品に到達することもできる。
【0032】高嵩密度凝集体におけるゼオライトMAP 第1の実施態様の変形態様とも見なし得る本発明の第4
の実施態様は、高速ミキサー/グラニュレーターにおい
て調製される高嵩密度の粒状材料である。この実施態様
によれば、ゼオライトMAP(通常は粉末形態のもの)
と、液体、粘性液体、油性またはろう質成分とを、必要
によっては他の成分と一緒に高速ミキサー/グラニュレ
ーターにおいて混合及び粒状化し、高嵩密度の凝集体を
得る。
【0033】満足の行く凝集体を得るためには、結合剤
を含むことも必要となり得る。適当な結合剤としては、
水溶液中のポリカルボキシレートポリマー、例えばアク
リル酸及び/またはマレイン酸のポリマーや、例えば炭
酸ナトリウムまたはケイ酸ナトリウムといった無機塩の
水溶液を挙げることができる。洗剤活性化合物も結合剤
として作用することができ、ある種の組成物は既に、別
の結合剤の添加を不必要とする洗剤活性化合物のような
成分を含んでいる。凝集体とするには水の追加が必要と
なり得るし、続いては乾燥ステップも必要となろう。
【0034】生成物(凝集体)は適当には、20〜80
重量%のゼオライトMAPと、15〜40重量%の液
体、粘性液体、油性またはろう質成分と、残り100重
量%までの量の結合剤、水及び必要によっては他の成分
とを含み得る。
【0035】製造は、欧州特許出願公開第340 01
3号(Unilever)に記載及び特許請求されてい
るような撹拌作用及び切断作用の両方を有する高速バッ
チミキサー/グラニュレーターにおいて実施することが
できる。撹拌子及びカッターは相互に独立に、しかも個
々に可変の速度で稼働し得るのが好ましい。かかるミキ
サーは、高エネルギーの撹拌入力を切断動作と組合せる
ことができるが、カッターが動作中であってもなくて
も、別のより静かな撹拌作用を与えるように使用するこ
ともできる。即ちこれは、高度に汎用性及び柔軟性のあ
る装置である。
【0036】好ましいタイプのバッチ高速ミキサー/グ
ラニュレーターはボウル形のものであり、実質的に垂直
方向の撹拌軸を有するのが好ましい。特に好ましいの
は、Fukae Powtech Kogyo C
o.,日本によって製造されたFukae(商標)FS
−Gシリーズのミキサーである。この装置は、実質的に
垂直な軸を有する撹拌子と側壁上に位置するカッターと
がそのベース付近に備えられた、上部ポートを介してア
クセス可能なボウル形容器の形態である。撹拌子及びカ
ッターは相互に独立に、しかも個々に可変の速度で稼働
され得る。
【0037】先に述べたように、Fukaeミキサーで
はバッチ運転せねばならない。また、例えばLoedi
ge(商標)Recyclerのような連続高速ミキサ
ー/グラニュレーターを使用し、必要によっては次いで
Loedige Ploughshareのような中速
連続ミキサー/グラニュレーターを使用して、連続法を
採用することもできる。適当な方法は、欧州特許出願公
開第367 339号、欧州特許出願公開第390 2
51号及び欧州特許出願公開第420 317号(Un
ilever)に記載されている。
【0038】本発明のこの実施態様の1つの変形態様に
おいては、高速ミキサー/グラニュレーターを使用し
て、アニオン性界面活性剤の酸前駆体、例えば直鎖状ア
ルキルベンゼンスルホン酸または第1級アルコール硫酸
を、中和アルカリ塩(例えば炭酸ナトリウム)及びゼオ
ライトMAPを含む固体混合物を用いて現場(in s
itu)中和する。この種の方法は、欧州特許出願公開
第352 135号及び欧州特許出願公開第420 3
17号(Unilever)に記載及び特許請求されて
いる。
【0039】続いて乾燥ステップが必要ならば、それ
は、流動床において都合良く且つ効果的に行なうことが
できる。
【0040】得られる粒子は典型的には700g/リッ
トル以上の嵩密度を有する。これは、それ自体で完全な
洗剤組成物として使用することもできるし、別個に調製
された他の成分または混合物と配合して、最終生成物の
主要部分または微量部分を占めることもできる。
【0041】液体、粘性液体、油性またはろう質成分 この成分は、粒状洗剤組成物に配合することが望ましい
任意の機能的材料である。
【0042】かかる成分は、例えば、アニオン性、非イ
オン性、双性、両性またはカチオン性であり得る洗剤活
性化合物(界面活性剤)であり得る。
【0043】本発明は特に、流動性または移動性の界面
活性剤または界面活性剤混合物を粉末洗剤に配合するの
に有効である。本発明は、移動性非イオン性界面活性
剤、または移動性アニオン性及び非イオン界面活性剤混
合物を高レベルで粉末洗剤中に配合するのに特に価値が
あることが判った。
【0044】非イオン性界面活性剤は当分野においてよ
く知られている。エトキシル化非イオン性界面活性剤は
特に好ましい。適当な例としては、アルコール1モル当
たり平均1〜20モルのエチレンオキシドでエトキシル
化されたC10−C20脂肪族アルコール、特にアルコール
1モル当たり平均1〜10モルのエチレンオキシドでエ
トキシル化されたC12−C15第1級及び第2級脂肪族ア
ルコールを挙げることができる。平均エトキシル化度が
10以下のアルコールは、より高度にエトキシル化され
た材料よりも移動性があり、本発明においては特に有用
である。
【0045】本発明は更に、エトキシレート以外の非イ
オン性界面活性剤、例えばアルキルポリグリコシド;欧
州特許出願公開第423 968号(Unileve
r)に記載のごときO−アルカノイルグリコシド;及び
本発明者らの同時係属英国特許出願第91 1693
3.4号に記載のごときアルキルスルホキシドにも適用
可能である。
【0046】移動性アニオン性及び非イオン性界面活性
剤混合物、及び非イオン性界面活性剤とアニオン性界面
活性剤の酸前駆体との混合物は、欧州特許第265 2
03号(Unilever)に開示及び特許請求されて
いる。
【0047】本発明に使用し得る特に好ましい液体、粘
性液体、油性またはろう質成分は、エトキシル化非イオ
ン性界面活性剤と第1級または第2級アルコールスルフ
ェートとの混合物である。
【0048】本発明の第4の実施態様において先に述べ
たように、液体、粘性液体、油性またはろう質成分はア
ニオン性界面活性剤の酸前駆体、例えば直鎖状アルキル
ベンゼンスルホン酸とすることもできる。その場合には
通常、最終生成物が中和された塩形態の界面活性剤を含
むように、混合、造粒または他の処理ステップに中和が
伴なう。
【0049】本発明によって粒状洗剤組成物または成分
に配合され得る他の成分としては、泡調節シリコーン、
ろうまたは炭化水素、繊維製品柔軟化化合物、酵素及び
香料を挙げることができる。
【0050】流動性 本発明の組成物は、極めて高い割合で液体、粘性液体、
油性またはろう質成分を含んでさえ、優れた流動性を有
する。
【0051】本発明においては粉末の流動性は、以下の
方法によって測定され、ml/sで表される動的流量に
おいて定義される。使用する装置は、内径35mm及び
長さ600mmを有する円筒形ガラス管からなる。管の
長さ方向軸が垂直になるように、管をしっかりと固定す
る。管の下方端部を、内角15°及び口径22.5mm
の下方出口オリフィスを有するポリ塩化ビニル製で表面
が滑らかな円錐体によってふさぐ。第1のビームセンサ
ーを出口の150mm上方に配置し、第2のビームセン
サーを第1のビームセンサーの250mm上方に配置す
る。
【0052】粉末試料の動的流量を測定するために、出
口オリフィスを例えばカード片で覆うことにより一時的
に閉じておき、粉末を漏斗を通して円筒の上部に、粉末
レベルが上方センサーより約10cm高くなるまで注ぎ
込む。漏斗と試験管の間にスペーサーを置くと、充填が
均一になることが保証される。次いで出口を開き、粉末
レベルが上方センサーから下方センサーまで降下するの
に要する時間t(秒)を電子工学技術により測定する。
通常は測定を2または3回繰り返し、平均値をとる。試
験管の上方センサーと下方センサーとの間の容積をV
(ml)とすると、動的流量DFR(ml/s)は、
式: DFR=V/t ml/s で与えられる。
【0053】平均値及び流量の計算は電子工学技術によ
り実施され、DFR値を直接読取ることができる。
【0054】本発明の組成物及び成分は通常、90ml
/s以上、好ましくは100ml/s以上の動的流量を
有する。
【0055】非イオン性界面活性剤の“ブリード(bl
eeding)” 本発明に使用される担体材料は、非イオン性界面活性剤
のような液体成分を取込むことにおいて、ゼオライトA
をベースとする類似材料よりも大きな容量を有するだけ
でなく、保管の際のかかる成分の漏出またはブリードも
少ない。粉末洗剤においては、非イオン性界面活性剤の
ような移動性成分がブリードするとパックを透過し、パ
ックの内部及び外部を汚すことがあり、これはまったく
望ましくない。
【0056】他の洗剤成分 本発明の粒状組成物は、洗剤組成物の全部、または主要
もしくは微量部分を形成し得る。
【0057】本発明の完全に製剤化された洗剤組成物
は、通常認められる任意の適当な成分、例えば、アニオ
ン性、非イオン性、カチオン性、両性または双性であり
得る洗剤活性化合物(界面活性剤);脂肪酸石鹸;ゼオ
ライトMAPに加えて、AまたはXのような他のゼオラ
イトを含む有機または無機ビルダー塩;ケイ酸ナトリウ
ムまたは硫酸ナトリウムのような他の無機塩;セルロー
ス誘導体及びアクリル酸/マレイン酸ポリマーのような
再沈着防止剤;蛍光剤;漂白剤、漂白剤前駆体及び漂白
剤安定剤;酵素;染料;着色粒子(coloured
speckles);並びに香料を含むこともできる。
但し、これで網羅されているわけではない。
【0058】
【実施例】以下の実施例によって本発明を更に説明す
る。実施例中、特に記載のない限り、部及びパーセント
は重量によるものである。数字で表された実施例は本発
明に従うものであり、一方、英字で表された実施例は比
較例である。
【0059】実施例に使用したゼオライトMAPは、欧
州特許出願公開第384 070号(Unileve
r)の実施例1〜3に記載のものと同様の方法によって
調製し、そのシリコン対アルミニウム比は1.07であ
り、Malvern Mastersizerによって
測定した粒径(d50)は0.8μmであった。
【0060】特に記載のない限り、使用したゼオライト
AはDegussa製のWessalith(商標)P
粉末であった。
【0061】使用した非イオン性界面活性剤はICI製
のSynperonic(商標)A7及びA3であっ
て、これらは、それぞれ平均7及び3モルのエチレンオ
キシドでエトキシル化されたC12−C15アルコールであ
る。
【0062】アクリル酸/マレイン酸コポリマーはBA
SF製のSokalan(商標)CP5であった。
【0063】実施例1及び比較例A〜E ゼオライトMAPの試料(実施例1)と5種類の市販ゼ
オライトAの試料(比較例A〜E)とを、BS 348
3:Part B7:1982に記載の方法を使用して
油で滴定した。各試料は、水分含有量が約20重量%の
水和材料100g(理論的無水材料では80gに相当)
からなった。
【0064】ゼオライトA材料は下記の通りであった。
【0065】比較例 商品名 製造元 A Wessalith* P Degussa B Doucil* P Crosfield C Birac* Birac D Soprolit* Montedison E IZL Industrial Zeolites *商標 吸油結果は下記の通りであった。
【0066】
【表1】
【0067】実施例2及び比較例F 水性スラリーを噴霧乾燥することにより、洗剤ベース粉
末を下記の組成(重量%)に調製した。
【0068】
【表2】
【0069】250gの粉末試料に、種々の量の非イオ
ン性界面活性剤3EO(液体)を回転パン内で噴霧し
た。非イオン性界面活性剤を吹付けた後、得られた粉末
を数時間放置し、それらの動的流量を測定した。
【0070】結果は下記の通りであった。
【0071】
【表3】
【0072】上記結果は明らかに、MAPベースの粉末
が、その流量が悪影響を受けるまでに実質的により多く
の非イオン性界面活性剤を担持し得たことを示してい
る。
【0073】実施例3及び比較例G より高い割合のゼオライトを含む粉末を使用し、実施例
2を繰り返した。組成は下記の通りであった。
【0074】
【表4】
【0075】流動試験結果は下記の通りであった。
【0076】
【表5】
【0077】ここでも上記結果は明らかに、ゼオライト
MAPベースの粉末の非イオン性界面活性剤に対する担
持能が向上されていることを示している。
【0078】実施例4及び比較例H 高嵩密度の洗剤ベース粉末を、Fukae(商標)FS
−30高速ミキサー/グラニュレーターを使用し、実施
例3及び比較例Gの噴霧乾燥ベース粉末を非イオン性界
面活性剤(3EO)の存在下に粒状化及び高密度化する
ことにより調製した。ミキサーは、撹拌子速度200r
pm及びカッター速度3000rpmで稼働し、温度は
水ジャケットによって60℃に調節した。粒状化時間は
2分間とした。加えた非イオン性界面活性剤の量は、満
足の行く粒子を得るように調整した。
【0079】最終組成(重量%)及びそれらの特性は下
記の通りであった。
【0080】
【表6】
【0081】実施例5及び比較例J 下記の組成(重量%)を有する高嵩密度の粉末を、Fu
kae(商標)FS−30高速ミキサー/グラニュレー
ターを使用し、ノンタワー法によって調製した。
【0082】
【表7】
【0083】ゼオライト粉末をまずミキサー/グラニュ
レーターに加え、次いでポリマー水溶液及び液体非イオ
ン性界面活性剤を、撹拌子を100rpm及びカッター
を3000rpmで回転させながら加えた。装置の温度
は水ジャケットによって25℃に調節した。凝集を起こ
すのに必要とされる量の水を加え、ミキサーを、撹拌子
を200rpm及びカッターを3000rpmで回転さ
せて稼働した。各ケースに要した時間は1.5分間であ
った。
【0084】次いで、生成物を流動床乾燥機内で乾燥
し、下記の組成及び特性を有する高密度でさらさらの顆
粒を得た。
【0085】
【表8】
【0086】実施例6及び7並びに比較例K これらの実施例は、ゼオライト4Aを含む担体材料と比
較したときの、ゼオライトMAPを含む担体材料からの
非イオン性界面活性剤の“ブリード”の減少を示す。
【0087】使用した試験は、37℃で3週間保管する
間のブリードの程度を、粉末柱状体の上部及び底部付近
に置いた計量済みの濾紙によって吸収される非イオン性
界面活性剤の量を測定することにより推定する。
【0088】各粉末の試料400gを計量した。粉末
を、直径15cmの円筒形容器の底部に深さ1cmまで
注ぎ込み、正確に計量した濾紙(Schleicher
and Schull No.589)を粉末の上に
置いた。この濾紙の上に更に粉末を深さ約5cmまで加
え、正確に計量した第2の濾紙で覆った。残りの粉末試
料を使用して第2の濾紙を覆った。容器をしっかり密閉
し、37℃の乾燥雰囲気中に3週間保管した。保管期間
後、濾紙を取り出して計量し、それぞれの重量増加を計
算し、2つの増分の平均値を計算した。
【0089】試験した粉末は全て、実施例5に記載のF
ukaeミキサーにおいて粒状化して調製したものであ
った。
【0090】組成及び結果を下記の表に示す。非イオン
性界面活性剤はSynperonic A3であった。
量は重量部によるものである。
【0091】
【表9】
【0092】ゼオライト4Aを使用した場合、うまく粒
状化するためには炭酸ナトリウムを含む必要があったが
(比較例K)、同量のゼオライトMAPを用いると、炭
酸ナトリウムは必要でなかった(実施例6)。実施例6
及び7を比較すると、炭酸ナトリウムはブリードにわず
かしか、またはまったく影響せず、ゼオライトMAPを
用いてよりよい結果を得る要因となったのは炭酸ナトリ
ウムの不在ではなかったことが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピーター・コリー・ナイト イギリス国、イングランド、マージーサイ ド、サウス・ウイラル、ネストン、ムーア サイド・アベニユー、51

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)シリコン対アルミニウム比が1.3
    3以下であるゼオライトP(ゼオライトMAP)を(無
    水物ベースで)10〜100重量%含む粒状担体材料
    と、 (ii)液体、粘性液体、油性またはろう質洗剤成分 とを、成分(ii)対ゼオライトMAPの重量比が0.
    01:1以上であるように含む、さらさらの粒状洗剤組
    成物。
  2. 【請求項2】 前記成分(ii)対ゼオライトMAPの
    重量比が0.1:1〜1:1の範囲にある請求項1に記
    載の洗剤組成物。
  3. 【請求項3】 前記ゼオライトMAPが、0.1〜5.
    0μmの範囲の粒径d50を有する請求項1または2に
    記載の洗剤組成物。
  4. 【請求項4】 前記ゼオライトMAPが、90重量%以
    上が10μm未満、85重量%以上が6μm未満、そし
    て80重量%以上が5μm未満という粒径分布を有する
    請求項1から3のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
  5. 【請求項5】 前記粒状担体材料が、(該担体材料を基
    準とすると)10〜80重量%の前記ゼオライトMA
    P、1種以上の洗剤活性化合物、及び必要によっては他
    の相容性洗剤成分を含む、噴霧乾燥、ドライブレンドま
    たは粒状化された洗剤ベース粉末からなる請求項1から
    4のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
  6. 【請求項6】 前記ゼオライトMAPと、液体、粘性液
    体、油性またはろう質成分と、必要によっては他の成分
    とを、高速ミキサー/グラニュレーターにおいて混合及
    び粒状化することにより製造され、700g/l以上の
    嵩密度を有する請求項1から4のいずれか一項に記載の
    洗剤組成物。
  7. 【請求項7】 前記液体、粘性液体、油性またはろう質
    成分が、非イオン性界面活性剤、または、非イオン界面
    活性剤とアニオン性界面活性剤もしくはその酸前駆体と
    の混合物である請求項1から6のいずれか一項に記載の
    洗剤組成物。
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