JPH0739461B2 - 注型用ポリウレタン樹脂形成性組成物 - Google Patents

注型用ポリウレタン樹脂形成性組成物

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JPH0739461B2
JPH0739461B2 JP4108656A JP10865692A JPH0739461B2 JP H0739461 B2 JPH0739461 B2 JP H0739461B2 JP 4108656 A JP4108656 A JP 4108656A JP 10865692 A JP10865692 A JP 10865692A JP H0739461 B2 JPH0739461 B2 JP H0739461B2
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isocyanate
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polyol
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和明 大平
六雄 斎藤
寿郎 島田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は注型用ポリウレタン樹脂
形成性組成物に関し、とくに血液処理器、浄水器などの
膜モジュールのシール材用に好適な注型用ポリウレタン
樹脂形成性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】注型用ポリウレタン樹脂形成性組成物は
公知技術として用いられており,限定された組成物につ
いては例えば電気絶縁用(例えば、特公昭59−336
05号公報)などが知られている。また血液、水等の分
離装置用中空糸の埋め込みなどに用いるシール材用とし
ては、たとえば特開昭60−58156号公報ではヘキ
サメチレンジイソシアネートとアミン系ポリオールと非
アミン系ポリオールからなる硬化性組成物が、また特開
平3−137116号公報では2,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネートとポリエーテルポリオールからな
る組成物が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記中空糸の保存時に
は、分離膜性能の保護を目的として通常グリセリンが含
浸付着されている。特に最近の透析用人工腎臓等の装置
では中空糸の細孔径が大きめであり、中空糸保存時には
そのミクロポーラス構造保護を目的にグリセリン付着量
が更に増大している。このため、中空糸の埋め込み時、
上記組成物では、グリセリンと接触すると、組成物中の
イソシアネート化合物とグリセリンの反応物を生成し、
この反応物は分子量が低いため血液中に溶出する問題が
あった。本質的に溶出物量を減少するには、グリセリン
と低分子量イソシアネート化合物との分子量が低い反応
物の生成量を低減する必要があり、その対策としては、
(1)イソシアネート成分中の低分子量成分含量を低減
する方法、(2)実質的なポリオール成分として、イソ
シアネート成分との反応性がグリセリンより高い3級ア
ミノ基含有ポリオールのみを使用する方法等が考えられ
るが、いずれも組成物の粘度が大幅に増大するため、注
型性が悪く、不良品の発生率が高く、作業性も低下す
る。本発明は溶出物量が少なく、かつ低粘度で、作業性
の良好な注型用ポリウレタン樹脂形成性組成物を得るこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、実質的なポリオール成
分として、3級アミノ基含有ポリオールを使用するが、
但し組成物を低粘度化出来、しかも硬化物中に組み込ん
でも溶出しない特定のブロック化物を配合成分とする組
成物を見いだし、本発明に到達した。
【0005】すなわち本発明は、イソシアネート基を有
する化合物(1)、3級アミノ基を有するポリオール
(2)およびイソシアネート化合物の、ヒマシ油脂肪酸
とモノオールとのエステルによるブロック化物(3)か
らなることを特徴とする注型用ポリウレタン樹脂形成性
組成物である。
【0006】本発明において、イソシアネート基を有す
る化合物(1)としては、脂肪族、脂環式もしくは芳香
族イソシアネート化合物、これらの変性物およびイソシ
アネート基を有するウレタンプレポリマーからなる群よ
り選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。
【0007】脂肪族イソシアネートとしては、脂肪族ポ
リイソシアネート[エチレンジイソシアネート、テトラ
メチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、
1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,
2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、リジン
ジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカ
プロエート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレ
ート、ビス(2−イソシアネートエチル)カーボネー
ト、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネ
ートヘキサノエート、テトラメチルキシリデンジイソシ
アネート(TMXDI)など]などが挙げられる。
【0008】脂環式イソシアネートとしては、脂環式ポ
リイソシアネート[イソホロンジイソシアネート(IP
DI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水
添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチ
ルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、
ビス(2−イソシアネートエチル)−4−シクロヘキセ
ン−1,2−ジカルボキシレートなど]などが挙げられ
る。
【0009】芳香族イソシアネートとしては、芳香族ポ
リイソシアネート[トリレンジイソシアネート(TD
I)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、
ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ート、ジエチルベンゼンジイソシアネートなど]などが
挙げられる。
【0010】脂肪族、脂環式もしくは芳香族イソシアネ
ート化合物の変性物としては、以上例示した化合物のN
CO基の一部をカーボジイミド基、ウレトジオン基、ウ
レトイミン基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌ
レート基などに変性した化合物が挙げられる。
【0011】イソシアネート基を有するウレタンプレポ
リマーとしては、以上例示した脂肪族、脂環式もしくは
芳香族イソシアネート化合物もしくはこれらの変性物と
活性水素含有化合物とを反応させて得られるNCO基末
端ウレタンプレポリマーが挙げられる。
【0012】このNCO基末端ウレタンプレポリマーを
製造するための活性水素含有化合物としては、分子量が
200未満の低分子量ポリオール、分子量が200〜1
0,000のポリオール、ヒマシ油系ポリオールなどが
挙げられる。
【0013】分子量が200未満の低分子量ポリオール
としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールな
どが挙げられる。
【0014】分子量が200〜10,000のポリオー
ルとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポ
リオール、ポリエーテルポリエステルポリオール、ポリ
エステルアミドポリオール、アクリルポリオール、ポリ
ヒドロキシアルカンなどが挙げられる。ヒマシ油系ポリ
オールとしては、ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸とポリオー
ルとのエステル(ヒマシ油脂肪酸のジグリセライド、モ
ノグリセライド、ヒマシ油脂肪酸とトリメチロールプロ
パンとのモノ、ジまたはトリエステル、ヒマシ油脂肪酸
とポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール
またはポリテトラメチレングリコールのモノまたはジエ
ステルなど)などが挙げられる。
【0015】これらイソシアネート基を有する化合物
(1)として例示したもののうち好ましいものは、脂肪
族、脂環式もしくは芳香族ポリイソシアネート化合物お
よびこれらの変性物から選ばれる1種以上と、NCO基
末端ウレタンプレポリマーとの併用であり、特に好まし
いものは、ヒマシ油系ポリオールから誘導されるNCO
基末端ウレタンプレポリマーとMDIとの併用である。
【0016】本発明において、3級アミノ基を有するポ
リオール(2)としては、例えば、少なくとも2個の活
性水素原子を有するアミノ化合物のオキシアルキレン化
誘導体が挙げられる。このアミノ化合物としては、特開
昭54−122396号および特開昭54−10189
9号公報に記載の、3級アミノ基含有ポリエーテルポリ
オール製造に用いるアミノ化合物として例示したものが
あげられる。
【0017】アミノ化合物の具体例としては、アンモニ
ア;アルカノールアミン類[モノ−、ジ−またはトリア
ルカノール(C2〜4)アミン(トリエタノールアミンな
ど)];モノアミン類[脂肪族モノアミン(モノメチル
アミン、ステアリルアミンなど)、芳香族モノアミン
(アニリンなど)など];ポリアミン類[アルキレン
(C2〜6)ジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジ
アミンなど)、ポリアルキレンポリアミン(ジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミンなど)、芳香族ポ
リアミン(フェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジ
フェニルメタンジアミン、キシリレンジアミンなど)、
脂環式ポリアミン(シクロヘキシレンジアミン、イソホ
ロンジアミンなど)、複素環式ポリアミン(ピペラジ
ン、アミノアルキル置換ピペラジン(アミノエチルピペ
ラジンなど)など]などがあげられる。これらのアミノ
化合物中の活性水素原子は、通常2〜7個、好ましくは
2〜5個である。
【0018】アミノ化合物のオキシアルキレン化誘導体
は種々の方法で製造できるが、一般にアミノ化合物にア
ルキレンオキサイドを付加することにより製造される。
アルキレンオキサイドとしてはエチレンオキサイド(E
O)、プロピレンオキサイド(PO)、1,2−,1,
3−または2,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロ
フランなどがあげられる。アルキレンオキサイドは単独
でも二種以上併用してもよく、後者の場合はブロック付
加でもランダム付加でもよい。アルキレンオキサイドと
して例示したもののうち好ましいものは、POおよび/
またはEOであり、とくに好ましいものはPO単独また
はPOとEOとの併用系(重量比で70:30〜90:
10)である。末端PO付加の場合、更にEOをチップ
して1級化することにより反応性を高めることもでき
る。アルキレンオキサイドの付加モル数はアミノ化合物
の活性水素原子1個当り通常0.2モル以上好ましくは
0.8〜20モルである。
【0019】3級アミノ基を有するポリオール(2)の
水酸基当量は硬化速度を調整するために自由に変えるこ
とができるが、通常25以上、好ましくは50〜125
0、更に好ましくは50〜800である。
【0020】3級アミノ基を有するポリオール(2)の
具体例としては、トリエタノールアミン、N,N,N−
トリス[2−ヒドロキシエチル]アミン、N,N,N−
トリス[2−ヒドロキシプロピル]アミン、テトラキス
[2−ヒドロキシプロピル]エチレンジアミン、テトラ
キス[2−ヒドロキシエチル]エチレンジアミン、ペン
タキス[2−ヒドロキシプロピル]ジエチレントリアミ
ン、ペンタキス[2−ヒドロキシエチル]ジエチレント
リアミンなどが挙げられる。これらのうち好ましいもの
は、テトラキス[2−ヒドロキシプロピル]エチレンジ
アミンおよびペンタキス[2−ヒドロキシプロピル]ジ
エチレントリアミンである。
【0021】本発明において、ブロック化物(3)のう
ち、イソシアネート化合物としては、脂肪族、脂環式も
しくは芳香族イソシアネート化合物、これらの変性物お
よびイソシアネート基を有する低分子量ウレタンプレポ
リマーからなる群より選ばれる1種以上の化合物が挙げ
られる。脂肪族、脂環式もしくは芳香族イソシアネート
化合物としては、イソシアネート基を有する化合物
(1)の項で例示したものと同様のものが挙げられる。
脂肪族、脂環式もしくは芳香族イソシアネート化合物の
変性物も、(1)の項で例示したものと同様のものが挙
げられる。イソシアネート基を有する低分子量ウレタン
プレポリマーは、(1)の項で例示したものと同様のも
ので低分子量のものが挙げられる。これらのうち好まし
いものは、脂肪族、脂環式もしくは芳香族ポリイソシア
ネート化合物、これらの変性物およびイソシアネート基
を2個以上有する低分子量ウレタンプレポリマーであ
り、さらに好ましいものは、脂肪族、脂環式もしくは芳
香族ポリイソシアネート化合物であり、特に好ましいも
のはTDI、MDIである。
【0022】該ブロック化物(3)において、該ヒマシ
油脂肪酸としては、ヒマシ油を分解して得られる脂肪酸
の混合物でよく、これ以外でもヒマシ油を構成する脂肪
酸成分のうち、リシノール酸等の分子内にOH基とCO
OH基を各々1個づつ有する脂肪酸を主成分とするもの
であればよい。また該モノオールとしては、炭素数1〜
20の直鎖または分岐脂肪族モノアルコール[メタノー
ル、エタノール、iso−プロパノール、ドデシルアル
コールなど]、脂環式モノアルコール[シクロヘキサノ
ールなど]、芳香脂肪族モノアルコール[ベンジルアル
コールなど]、1価フェノール類[フェノール、ナフト
ール、クレゾール、ノニルフェノールなど]などが挙げ
られる。
【0023】該ブロック化物(3)は、通常完全ブロッ
ク化物を用いるが、この完全ブロック化物とともにイソ
シアネート基が残存した部分ブロック化物を併用しても
よい。但し、本発明の組成物を(1)からなる液と
(2)からなる液の2液性にしたい場合では、完全ブロ
ック化物はいずれの液にも配合できるが、部分ブロック
化物は(1)に配合する必要がある。該ブロック化物
(3)として特に好ましいものは、TDIのヒマシ油脂
肪酸メチルエステルによる完全ブロック化物である。
【0024】該ブロック化物(3)の製法を例示すると
以下のとおりである。ヒマシ油を該モノオールでエステ
ル交換するか、該ヒマシ油脂肪酸と該モノオールをエス
テル化してヒマシ油脂肪酸と該モノオールとのエステル
を得る。このエステルと該イソシアネート化合物をウレ
タン化反応させることによって該ブロック化物(3)が
得られる。この場合のNCO/OH当量比は通常3.2
〜0.9であり、完全ブロック化物とする場合はこの当
量比を1.0とし、赤外分光計を用いNCO基に起因す
る吸収が消失した時点で反応終点とする。部分ブロック
化物とする場合はこの当量比を1.0より大きくしNC
O%が変化しなくなった時点で反応終点とする。
【0025】本発明の組成物中の(1)、(2)および
(3)からなる全成分のNCO/OH当量比は通常0.
5〜2.0、好ましくは0.8〜1.3である。
【0026】本発明の組成物は、すぐ硬化させる場合
は、(1)、(2)および(3)からなる全成分を使用
時に一括混合して組成物としたものでよい。保存期間を
必要とする場合は、(1)からなるイソシアネート含有
液と、(2)からなるポリオール含有液との2液とする
ことが、使用時の液比を調整するうえで好ましい。その
場合、(3)が完全ブロック化物のときは、いずれの液
に配合してもよいが、(3)が部分ブロック化物のとき
はイソシアネート含有液に配合しなければならない。こ
の2液の場合の好ましい組合せは、(1)もしくは
(1)と(3)を含有する液(A液)と、(2)と
(3)を含有する液(B液)との組合せである。即ち、
A液中では(1)の粘度が高い場合(NCOウレタンプ
レポリマーが多い場合など)、粘度を(3)で調整する
とよく、B液中では(2)の高い粘度を(3)で調整す
る。
【0027】本発明の組成物中の、(1)、(2)およ
び(3)の合計重量に対する(3)の量は、通常5〜6
0%、好ましくは10〜50%である。(3)の量が5
%未満では低粘度化が不十分であり、60%より多いと
樹脂の強度が低下し、好ましくない。なお、該3級アミ
ノ基を有するポリオール(2)とともに、必要により、
溶出物量などの要求値を満足する範囲で他の低粘度のポ
リオールを配合してもよい。
【0028】本発明の組成物を構成する全成分配合時の
ゲル化時間は通常2〜60分であり、完全硬化には常温
下で通常12〜72時間を要するが、養生温度を高く
(30〜60℃)することにより完全硬化までの時間は
短縮することができる。
【0029】本発明の組成物は注型用、特に血液処理器
(中空糸型、膜型もしくはコイル型の、人工腎臓、血奬
分離用モジュールなど)、人工臓器(人工肺等)、浄水
器などの膜モジュールのシール材用に好適である。
【0030】本発明の組成物の使用例の1例として血液
透析装置用の例を以下に示す。(1)もしくは(1)と
(3)を含有する液(A液)と、(2)と(3)を含有
する液(B液)とを個別に調製し、各々減圧脱泡(0.
1mmHg×2時間)する。この2液を計量後、室温下
で混合し、遠心成型法により中空糸を容器(ポリカーボ
ネート樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリ
ロニトリル−スチレン−ブタジエン樹脂などからなる)
に埋封する。遠心成型法の例は特公昭57−58963
号公報に記載されている。埋封される中空糸としては一
般に、通常30〜80重量%のグリセリンを含む、セル
ロース系、アクリル系、ポリビニルアルコール系、ポリ
アミド系、ポリスルホン系等のものが使用される。樹脂
は注入から30分〜1時間後にはゲル化し、モジュール
を成型機から取り出すことができる。40℃で2日間養
生を行い硬化を完了させる。その後、オートクレーブを
使用して121℃で1時間の蒸気加熱により滅菌処理を
行い製品化する。滅菌処理は蒸気以外の方法、たとえば
エチレンオキサイドガス処理又はγ線照射等によっても
実施することができる。本発明の組成物を硬化させて得
られるポリウレタン樹脂は、硬化時の収縮が少ないた
め、血液透析装置中の中空糸が圧し潰される心配がな
い。また中空糸への付着もきわめて良好であり、ポリウ
レタン樹脂およびシール部分の溶出物も少ない。
【0031】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下にお
いて、%は重量%を示す。また、用いるヒマシ油脂肪酸
は、ヒマシ油を分解して得られる脂肪酸の混合物であ
る。 製造例1 攪拌機、温度計および窒素導入管を付した2L容積の4
つ口フラスコに、2,4’−トリレンジイソシアネート
(以下TDIとする)500gとヒマシ油1000gを
仕込み窒素気流下攪拌しながら70〜80℃に加熱し4
時間反応させイソシアネート基末端プレポリマー(1−
1)を得た。このもののNCO含量は8.0%、粘度は
70000cps/25℃であった。
【0032】製造例2 製造例1と同様の反応容器にTDI500gとヒマシ油
脂肪酸メチルエステル1000gを仕込み、製造例1と
同様条件で反応しTDIのヒマシ油脂肪酸部分ブロック
化物(3−1)を得た。このもののNCO含量は8.0
%、粘度は560cps/25℃であった。
【0033】製造例3 製造例1と同様の反応容器にTDI300gとヒマシ油
脂肪酸メチルエステル1200gを仕込み、製造例1と
同様条件で反応しTDIのヒマシ油脂肪酸完全ブロック
化物(3−2)を得た。粘度は720cps/25℃で
あった。
【0034】製造例4 製造例1と同様の反応容器に、(1−1)450g、
(3−1)300gおよび4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート(以下、4,4’−MDIとする)と
2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、
2,4’−MDIとする)との混合物(50:50)2
50gを仕込み、窒素気流下70℃で1時間攪拌しポリ
イソシアネート含有液(A−1)を得た。このもののN
CO含量は14.4%、粘度は3030cps/25℃
であった。
【0035】製造例5 (1−1)450gと(3−1)300gに代えて、
(1−1)750gを用いる以外は製造例4と同様にし
て、ポリイソシアネート含有液(A−2)を得た。この
もののNCO含量は14.4%、粘度は12000cp
s/25℃であった。
【0036】製造例6 製造例1と同様の反応容器に、(3−2)を700gと
テトラキスヒドロキシプロピルエチレンジアミン(TH
PEDA)300gを仕込み、50℃で30分攪拌し均
一に混合して、ポリオール含有液(B−1)を得た。こ
のものの水酸基価は226、粘度は3150cps/2
5℃であった。
【0037】製造例7 製造例1と同様の反応容器に、ヒマシ油350gとヒマ
シ油脂肪酸のトリメチロールプロパンのモノエステル3
50gおよびTHPEDA300gを仕込み、製造例6
と同様にポリオール含有液(B−2)を得た。このもの
の水酸基価は389、粘度は3280cps/25℃で
あった。
【0038】実施例1〜3および比較例1、2 表1に示すポリイソシアネート含有液およびポリオール
含有液を表1に示すように組み合わせて実施例1〜3お
よび比較例1、2の2液性のシール材用組成物とした。
【0039】
【表1】
【0040】この各シール材用組成物を用いて下記のよ
うにモジュールを作成した。グリセリン75重量%を含
むセルロース系中空糸をポリカーボネート容器に挿入
し、遠心成型法により各シール材用組成物の2液混合物
で固定した。45℃で2日間養生後、血液回路接続部品
を取り付けてモジュールを作成した。その後オートクレ
ーブにより121℃で1時間蒸気加熱により滅菌処理を
行った。
【0041】シール材の性能項目として、混合初期粘
度、溶出試験結果、シール不良発率を各々試験した結果
を表2に示す。溶出物試験法は下記の通り。 溶出物試験法 透析器1本分の中空糸接着部分を1cm角に切断し、脱
イオン水200mlを加え、40℃で2時間緩やかに振
とう抽出する。放冷後、上澄み液1.0mlをとり、脱
イオン水を加えて正確に5.0mlとする。この液を試
験液として、脱イオン水を対照として、波長220〜2
70nmにおける吸光度の最大値を測定した。
【0042】
【表2】
【0043】注) 混合初期粘度 :イソシアネート含有液とポリオール含
有液とを45℃で、NCO/OH当量比率1.05にな
るように配合し均一混合した直後の粘度。 シール不良率 :シール不良で液漏れが発生した成型品
本数(成型品100本当り) 実施例1〜3は比較例1に比べていずれもシール不良発
生率が低く、混合初期粘度も低く作業性も良好であっ
た。比較例2は、混合初期粘度は実施例1〜3と同程度
であるが、溶出物量が多く不適であった。
【0044】
【発明の効果】本発明の組成物は下記の効果を有する。 1.成型作業時、注型前の液粘度が低いため、成型性も
良好で不良品の発生率が低い。 2.溶出物量が極めて少ないため本発明の組成物を人工
腎臓透析器等のシール材に使用した場合、シール材から
血液中に溶出する溶出物の量が少なくなり、人体への安
全性が高くなる。 上記効果を奏することから、本発明の組成物は、注型
用、特に血液処理器(中空糸型、膜型もしくはコイル型
の、人工腎臓、血奬分離用モジュールなど)、人工臓器
(人工肺等)、浄水器などの膜モジュールのシール材用
に好適である。また成型性がよく、絶縁性能の良好なヒ
マシ油系のポリオールを成分としていることから電子回
路基板の封止等の電気絶縁用途にも使用できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソシアネート基を有する化合物
    (1)、3級アミノ基を有するポリオール(2)および
    イソシアネート化合物の、ヒマシ油脂肪酸とモノオール
    とのエステルによるブロック化物(3)からなることを
    特徴とする注型用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
  2. 【請求項2】 ブロック化物(3)を構成するイソシア
    ネート化合物が、脂肪族、脂環式もしくは芳香族ポリイ
    ソシアネート化合物、これらの変性物およびイソシアネ
    ート基を2個以上有する低分子量ウレタンプレポリマー
    からなる群より選ばれる1種以上の化合物である請求項
    1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 イソシアネート基を有する化合物(1)
    が、脂肪族、脂環式もしくは芳香族イソシアネート化合
    物、これらの変性物およびイソシアネート基を有するウ
    レタンプレポリマーからなる群より選ばれる1種以上の
    化合物である請求項1または2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 (1)もしくは(1)と(3)を含有す
    る液(A液)と、(2)と(3)を含有する液(B液)
    の2液により構成される請求項1〜3のいずれか記載の
    組成物。
  5. 【請求項5】 膜モジュールのシール材用である請求項
    1〜4のいずれか記載の組成物。
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