JPH0739457B2 - 両親媒性セグメントポリウレタン - Google Patents

両親媒性セグメントポリウレタン

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JPH0739457B2
JPH0739457B2 JP62086565A JP8656587A JPH0739457B2 JP H0739457 B2 JPH0739457 B2 JP H0739457B2 JP 62086565 A JP62086565 A JP 62086565A JP 8656587 A JP8656587 A JP 8656587A JP H0739457 B2 JPH0739457 B2 JP H0739457B2
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    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
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    • C08G18/70Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the isocyanates or isothiocyanates used
    • C08G18/71Monoisocyanates or monoisothiocyanates

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、両親媒性セグメントポリウレタンに関し、更
に詳しくは、ポリマー分子内の各アルキレンオキサイド
のセグメントをポリマー分子一端側からみて親水性成分
から疎水性成分へと段階的に変換することにより、各セ
グメントの親水性度又は疎水性度の差を利用して例えば
医薬、農薬、香料、化粧品などの高分子乳化剤、可溶化
剤として、あるいは、分離膜、液体膜イオン伝導性材
料、薬剤徐放性基剤、蛋白質の分画用沈澱剤等、種々の
用途に使用することができる多元ブロックの親水性−疎
水性の勾配を有する両親媒性セグメントポリウレタンに
関する。
従来の技術及びその問題点 従来より、水に不溶性のポリプロピレングリコールにエ
チレンオキサイドをブロック共重合させたHOC2H4O
aC3H6ObC2H4OaH、或いはポリエチレングリコ
ールにプロピレンオキサイドをブロック共重合させたHO
C3H6OaC2H4ObC3H6OaH等、アルキレンオ
キサイドをブロックコポリマーとしたものがいくつか見
受けられる。かかるブロックコポリマーは、親水性のア
ルキレンオキサイドのセグメント(以下、セグメントと
記す)と疎水性のセグメントを多種類に組合せた一種の
高分子非イオン界面活性剤である。
また、ソフトブロックにポリエチレンオキサイド、ポリ
プロピレンオキサイド、ポリテトラメチレンオキサイド
等のポリエーテル化合物のセグメントを有し、ハードブ
ロックに短鎖のジオールかジアミンとジイソシアネート
の反応物を有する多元ブロックのセグメントポリウレタ
ンが種々合成され、繊維材料やエラストマー材料として
その物性が詳細に検討されている。この場合、主として
ソフトセグメントとハードセグメントの種類や比率バラ
ンス、或いは各セグメントの分子間力による結晶性、モ
ルホロジーが機械物性面から研究されることが多い。
ところで、一般に界面活性剤の化学構造は、一つの活性
剤分子中に必ず親水基(Hydrophilic group)と親油基
(Lipophilic group)が共存しており、両親媒性物質と
称される。そして、親水性又は疎水性のいずれか一方の
セグメントに対して溶媒となるような液体に溶解したと
き低分子界面活性剤のミセルと同様、安定なコロイド状
粒子を形成する高分子化合物も存在し、近年その研究が
進みつつある。このような親水性セグメントと疎水性セ
グメントを有するブロックコポリマー(或いは一部のグ
ラフトコポリマー)は両親媒性高分子化合物と称されて
いる。
上記のようなブロックコポリマーにおいて、各セグメン
トと低分子化合物、イオン、水、金属等との水素結合、
ファンデアワールス力、イオン結合、或いは各セグメン
の相互作用などを問題にする場合、換言すれば高分子化
合物と低分子化合物の分子集合体の物理化学的特性(ポ
リマーと水、溶剤との親水性、疎水性相互作用、ポリマ
ーの立体構造や相分離にたいするイオンの影響、ポリマ
ーと界面活性剤とのクラスター形成にみられる相互作用
など)を利用する場合には、各セグメントの特性、とり
わけ親水性又は疎水性の程度とその機能が重要な意味を
もつことになる。本発明の両親媒性ブロックコポリマー
は、そのようなセグメントの親水性、疎水性の機能を利
用することを目的とした典型例であるが、セグメントポ
リウレタンにおいてセグメントの親水性又は疎水性の程
度を考慮し、その機能を高分子化合物と低分子化合物と
の相互作用の関係で有効利用しようとしたものは未だ見
当たらない。これは、用途等との関係で、そのような有
効利用の必要性にせまられなかったためと思われる。
しかしながら、セグメントポリウレタンは、ウレタン結
合を節としてセグメントがつながった構造のブロックコ
ポリマーであり、セグメントが直接つながった構造のブ
ロックコポリマーには見られない有用な物性(例えば粘
弾性等)をも有するものであるから、各セグメントの親
水性又は疎水性の度合を調節してその機能を有効利用す
れば、上記のような高分子界面活性剤の他、種々の用途
への応用が可能と考えられる。
発明の目的 本発明は、上記に鑑みてなされたもので、アルキレンオ
キサイドのセグメントの親水性度又は疎水性度を規則的
に調節することにより、医薬、農薬、香料、化粧品など
の高分子乳化剤、可溶化剤として、あるいは分離膜、液
体膜、イオン伝導性材料、薬剤徐放性基剤、蛋白質の分
画用沈澱剤等、種々の用途に適合する有用なセグメント
ポリウレタンを提供することを目的する。
目的を達成するための手段 本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、かかる目的は、一
般式: [式中、(S)は (I):R1−O−R1−Olのポリアルキレンオキサ
イドセグメント、又は (II): の脂肪族ポリエステルセグメント(二塩基酸と二価アル
コールからなるポリエステルで、R1はポリエステルを形
成する二価アルコールのポリメチレンを示す)、又は (III): で示されるポリエステルセグメント(環状エステルの開
環重合物と二価アルコールのエステル化合物(但し、
R′1,R″、又はlとl′とが同じであってもよい)
で、R1はポリエステルを形成する二価アルコールのポリ
メチレンを示す)であり、 (I)の場合はR1〜RXは炭素数が7〜2であって側鎖を
有しているか又は有していないポリメチレンであり、
(II)及び(III)の場合はR2〜RXは炭素数が4〜2で
あって側鎖を有しているか又は有していないポリメチレ
ンである。−OXは(S)セグメント側である疎水性側が
RO−,RCOO−, であり、ここでRはアルキル基もしくはビニル基、は
ジイソシアネートの骨格を示す。一方、親水性側の−OX
は−OH,−OCl,−OBr,−OFである。また、l,l′,m,n,pは
重合度を表す正の整数である。(A),(B),(C)
はジイソシアネート化合物の骨格を示す。また、式中の
点線は上記の条件を満たした炭素数の異なるポリアルキ
レンオキサイドとジイソシアネートの反応物の連鎖を表
し、それがR4からRXまで続くことを示す。] により示されるポリマーであって、(S)セグメントを
形成するポリマー一端のポリエステルセグメント又はポ
リアルキレンオキサイドセグメントに近いほど、親油性
度又は疎水性度が大きくなり、他端に近いポリアルキレ
ンオキサイドセグメントほど親水性度が大きくなるよう
に配列されていることを特徴とする両親媒体セグメント
ポリウレタンに構成することによって達成されることを
見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の両親媒性セグメントポリウレタンは、上
記構造式に示されるように、ウレタン結合を節としてポ
リアルキレンオキサイド又はポリアルキレンオキサイド
/ポリエステルのセグメントをつないだ構造を有するも
ので、各セグメントの親水性度、疎水性度を順次調節す
ることにより、ポリマー分子一端から見て各セグメント
を親水性成分から疎水性成分へと段階的に変換し、ポリ
マー分子全体にわたって親水性度又は疎水性度に勾配を
与えたところに大きな特徴を有する。しかして、本発明
は基本的には各セグメントの親水性度又は疎水性度が個
々に相違して段階的に変化する構成のものであるが、い
くつかの隣接するセグメントの群ごとに親水性度又は疎
水性度が段階的に変化するような構成のものも勿論本発
明に含まれる。
上記の一般式においてSが(I):R1−O−R1
Olのアルキレンオキサイドはいずれもアルキレン鎖
R1,R2,R3,RXの炭素数が7以下のもので、具体的にはポ
リエチレングリコールPEG(アルキレン鎖の炭素数
2)、ポリプロピレングリコールPPG(アルキレン鎖の
炭素数3)、ポリテトラメチレングリコールPTMG(アル
キレン鎖の炭素数4)、ポリブチレングリコール、ポリ
ペンタメチレングリコールPPMG(アルキレン鎖の炭素数
5)、ポリヘキサメチレングリコールPHEMG(アルキレ
ン鎖の炭素数6)、ポリヘプタメチレングリコールPHPM
G(アルキレン鎖の炭素数7)のいずれかによって構成
される。
こられは、あまり高重合物であると合成技術上セグメン
トを形成しにくいので、むしろ低重合物であることが望
ましい。アルキレンオキサイド鎖の炭素数1のポリオキ
シメチレン(PMG)は重合度100以下の低重合物では分解
性があるため実用性に乏しいので含まない。またPPMGは
6員環のテトラヒドロピランの開環重合による合成が比
較的困難である。従って、実際にはPEG、PPG、PTMG、PH
EMG、PHPMGのなかから選択することが望ましい。一般に
ポリアルキレンオキサイドは環状エーテル化合物の開環
重合によって合成されるが、このポリマーはアルキレン
オキサイドのメチレン基の数が少ないものほどエーテル
酸素の占める比率が高くなるために親水性度が大きくな
り、アルキレンオキサイドのメチレン基の数が多いもの
ほどエーテル酸素の占める比率が低くなるために疎水性
度が大きくなるという性質がある。但し、メチレン基の
数の多いアルキレンオキサイドを疎水性と表現するが、
そのエーテル酸素は水と親和性(Affinity)を有してお
り、メチレン基連鎖の構造的障害によりエーテル酸素と
水の会合が抑制されるために疎水性なのである。換言す
ればアルキレンオキサイドのメチレン基の数が増加する
と疎水性になる理由は以下のように説明される。
アルキレンオキサイドが水と接触するときにメチレン基
と水との間に親和力が欠如しているために、水との接触
をできるだけ少なくしようとする。そのような状態が水
和圏が小さくて最も安定なためである。このような自己
会合の現象を疎水性相互作用(Hydrophobic Interactio
n)という。水との疎水性接触を減少させるために分子
は体積を増加する。そしてメチレン基のCH2単位の数は
体積増加に大きく寄与する。つまりCH2の数の多いアル
キレンオキサイドほど疎水性であると言える。更にポリ
アルキレンオキサイドの場合はモノマー単位の疎水性効
果に高分子効果が加味される。そのため炭素数5以上の
ポリアルキレンオキサイドセグメントは疎水性よりはむ
しろ親油性といってよい性質を示すのである。
同様にメチレン基の連鎖を有する脂肪族ポリエステルの
場合もエーテルとエステルの相違はあるにせよ、疎水性
効果と高分子効果が言々できるものである。
下記第1表は、PEG、PPG、PTMG、PHEMG、PHPMGについ
て、その重合度と、親水性度又は疎水性度を表す尺度と
なる溶解度パラメータ(SP値)の理論値を掲げたもので
あるが、これを見ればアルキレンオキサイドの上記性質
をよく理解することができる。なお、PPGは重合度の増
加によるSP値の減少が他のものよりも急激であるが、こ
れは側鎖のメチル基が原因と考えられる。
本発明は、上記のようなアルキレンオキサイドの性質を
利用し、各セグメントのアルキル鎖R1,R2,R3,RXの炭素
数を選択する(換言すればアルキレンオキサイドの種類
を選択する)と共に、各セグメントの分子量(重合度)
を調節することによって、ポリマー分子一端に近いセグ
メントほど親水性度を大きくし、ポリマー分子他端に近
いセグメントほど疎水性度を大きくしたものである。従
って、本発明のセグメントポリウレタンは、基本的に
は、ポリマー分子一端(親水性側)のセグメントを形成
するアルキレン鎖Rの炭素数が最小で、ポリマー分子他
端側(疎水性側)に近いセグメントほどアルキレン鎖の
炭素数が多くなり、ポリマー分子他端のセグメントを形
成するアルキレン鎖Rの炭素数が最大となるように構成
される。その場合、ポリマー分子一端(親水性側)のセ
グメントは、上記第1表に示すようにSP値が高い親水性
のPEGやPPG等、つまりアルキレン鎖の炭素数が3以下の
アルキレンオキサイドで構成する必要があり、またポリ
マー分子他端(疎水性側)のセグメントは、上記第1表
に示すようにSP値が低い疎水性のPTMG、PHEMG、PHPMG
等、つまりアルキレン鎖の炭素数が4〜7のアルキレン
オキサイドで構成する必要がある。もし、ポリマー分子
一端のセグメントをアルキレン鎖の炭素数4以上のアル
キレンオキサイドで構成すればポリマー全体が疎水性と
なり、ポリマー分子他端のセグメントをアルキレン鎖の
炭素数3以下のアルキレンオキサイドで構成すればポリ
マー全体が親水性となり、いずれも両親媒性とならない
からである。但し、PPGは上記第1表に示す通り分子量
(重合度)が大きくなると疎水性度が大きくなるので、
このPPGでポリマー分子一端の親水性セグメントを構成
する場合は、その分子量を約750以下とする必要があ
る。また、隣接関係にあるセグメント同士は、アルキレ
ン鎖の炭素数の差が3以下であることが望ましい。炭素
数の差が4以上になると、隣接するセグメント同士の親
水性度又は疎水性度の差があまりにも大きくなりすぎ、
本発明の効果を逸脱し、また合成が困難となるからであ
る。また、隣接関係にあるセグメントのアルキレン鎖の
炭素数が同数(同種のアルキレンオキサイド)であって
もよい。換言すれば、各セグメントを形成するアルキレ
ン鎖の炭素数は、ポリマー分子一端側(親水性側)の隣
接セグメントを形成するアルキレン鎖の炭素数よりも小
さくなければよいのである。これは、たとえ炭素数が同
じであっても、既述したようにセグメントの分子量(重
合度)を増減調節することにより、親水性度又は疎水性
度に差を与えることができるからである。また、アルキ
レン鎖の炭素が同数の短いセグメントをウレタン結合で
連鎖することによってウレタン結合により粘弾性、伸縮
性、靱性などの物理的強度を増すことができる。尚、各
セグメントの分子量の設定は親水性度、疎水性度の他、
ポリマー分子の溶剤に対する溶解性、結晶性、融点及び
融解時の粘度等を考慮して総合的に行うことが望まし
い。
上記の条件を満たすように異種のアルキレンオキサイド
を選択した3元ブロック及び4元ブロックの両親媒性セ
グメントポリウレタンの代表例を参考までに列挙する
と、以下の通りである。尚、下記式中(A),(B),
(C),(D)はジイソシアネート化合物の骨格、 を示す。
(1)XOPEG)A(PPG)B(PTMGX (2)XOPEG)A(PPG)B(PHEMGX (3)XOPEG)A(PTMG)B(PHEMGX (4)XOPEG)A(PTMG)B(PHPMGX (5)XOPPG)A(PTMG)B(PHEMGX (6)XOPPG)A(PTMG)B(PHPMGX (7)XOPPG)A(PHEMG)B(PHPMGX (8)XOPEG)A(PPG)B(PTMG)C
(PHEMG)X (9)XOPEG)A(PPG)B(PTMG)C
(PHPMG)X (10)XOPEG)A(PPG)B(PHEMG)C
(PHPMG)X (11)XOPEG)A(PTMG)B(PHEMG)C
(PHPMG)X (12)XOPPG)A(PTMG)B(PHEMG)C
(PHPMG)X (13)XOPEG)A(PPG)B(PTMG)C
(PHEMG)D(PHPMG)X (5),(6),(7),(12)のセグメントポリウレ
タンは、ポリマー分子一端の親水性セグメントがPPGで
構成されるので、親水性が発揮されるようにPPGの分子
量を1000以下、好ましくは750に設定し、PHEMGやPHPMG
の分子量を小さく設定する必要がある。また、(11),
(12)のセグメントポリウレタンはPHEMG及びPHPMGがPT
MGと共存するので、PHEMGやPHPMGの分子量を小さくする
ことが望ましい。特に、(12)は親水性セグメントがPP
Gであるから、疎水性セグメントの総長は相対的に短く
することに留意が必要である。以上を考慮すると、
(1),(3),(8)の両親媒性セグメントポリウレ
タンが合成容易で調節の自由度が大きく実用的と言え
る。
本発明の両親媒性セグメントポリウレタンは、上に例示
したように少なくとも3元ブロック以上、つまり少なく
とも3種のアルキレンオキサイドのセグメントを含むブ
ロックコポリマーに構成することが望ましい。2元ブロ
ックのように両端に親水性セグメントと疎水性セグメン
トがあるだけでは、本発明が意図するようにポリマー分
子一端から見て各セグメントを親水性成分から疎水性成
分へと段階的に漸次変換し、ポリマー分子全体にわたっ
て親水性度又は疎水性度に勾配を与えることができない
からである。
本発明のアルキレンオキサイドポリマーはセグメントを
形成するために低重合度のものが選ばれる。また親水性
−疎水性−親油性のバランス、溶融温度・粘度、低分子
化合物との親和性などを考慮して選択されるが、分子量
は500〜3000に大略限定できる。
次にSが親油性セグメントであるポリエステルセグ
メントについて記述する。本発明のポリエステルグリコ
ールはアルキレンオキサイドセグメントのメチレン基の
数による疎水性度に相対するように、メチレン基の数に
より親油性度が変換される構造であることが、親水性−
疎水性−親油性の勾配をスムーズにコントロールするの
に好都合であることから、(II),(III)の如き脂肪
酸ポリエステルが選ばれる。(II)の脂肪族ポリエステ
ルは脂肪族ジカルボン酸とグリコールの組合わせにより
多くの種類がある。しかし一般に低分子量のものは脆い
ロウ状、高分子量のものは強靱な角質である。従って本
発明では低分子のロウ状のものが選ばれる。融点は分子
量の増加とともに上昇するが、比較的低分子量でほぼ一
定に達する。融点はジカルボン酸と二価アルコールの組
合わせからなる各々のポリエステル固有の値であること
は当然である。しかしながら分子量によって大雑把に制
限すれば500〜3000程度のポリマーが使用できる。また
一般に分子間距離を大きくし、分子の対称性を低下させ
る側鎖が導入されたポリエステルは低融点となり、液体
状のものが多いのでセグメントとして使い易い。但し、
全ポリマーとして親水性−疎水性−親油性のバランス、
溶融温度、粘度、低分子化合物との親和性などの関係か
ら選択されることは当然である。
脂肪族ジカルボン酸とグリコールの組合わせの例は次の
ようなものが挙げられる。
グリコールHOR1OHのR1は−(CH2−,−CH(CH3)CH
2−,−CH(CH3)(CH2−,−(CH2−,−(CH
2−,−(CH2−,−(CH220−,−(CH2
−O−(CH2−,−(CH2−O−(CH2−O
−(CH2−, などであり、ジカルボン酸HOOC(CH2)nCOOHのnは2〜
8のものが選ばれる。
グリコールとジカルボン酸で組み合わされるポリエステ
ルの中から比較的低分子量(約500〜3000)のものを選
べばよい。但し、隣接するポリテトラメチレングリコー
ルセグメントより更に疎水性である必要からメチレン基
の数が5以上のものが選ばれる。ここで、ポリエステル
のエステル結合とポリエーテルのエーテル結合の違いに
より親水性、疎水性への影響に疑問があるが、本発明者
の経験によればエステル結合は固定状態における分子間
凝集力が強く、ポリエステルの方がポリエーテルより
も、より親油性である溶剤に対して親和性の強いことを
確認している。これは、メチレン鎖の疎水性に原因する
ものと思われる。そしてエステル結合に起因する分子間
力のために低分子量でも固体状態で硬いロウ状を呈して
いるが融解すると低粘度液体に変化する。つまり融点が
明瞭であり、粘度変化の明らかなポリマーが得られ易
い。この事実は親油性セグメントに炭素数5〜7のポリ
アルキレンオキサイドを有するアルキレンオキサイドの
みの連結からなる両親媒性セグメントポリウレタンと相
違する性質であり、本ポリマーの方が固体状態で硬く、
見掛けのTmが明瞭であり、溶融体が低粘度であるものを
得易い。また、ポリエステルの種類も多く、液状のポリ
エステルも使用できるので親油性−疎水性−親水性のバ
ランスの異なる数多くの種類が得られるのが特徴であ
る。
また同様にIIIで示される環状エステルの開環重合物も
また同じ目的で使用できる。環状エステルとしては、β
−ラクトン γ−ラクトン δ−ラクトン 大環状ラクトン (n=8〜16)などが挙げられる。このうち入手しやす
いものとしては、例えばε−カプロラクトンの開環重合
物とジエチレングリコールなどとのポリエステルグリコ
ールがそれであり、分子量500〜2000のものが選ばれ
る。またポリβ−メチル−δ−バレロラクトングリコー
ルも低粘度の液体のポリエステルとして1000〜3000の分
子量まで使用できる。
一方、上記のようなアルキレンオキサイドのセグメント
をつなぐイソシアネート化合物(A)(B)(C)とし
ては、p−フェニレンジイソシアネート(SP値12.8
4)、2,4−トルイレンジイソシアネートTDI(SP値12.7
7)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートMDI(S
P値12.54)、ナフタリン1,5−ジイソシアネート(SP値1
3.29)、ヘキサメチレンジイソシアネート(SP値11.1
4)、テトラメチレンジイソシアネート(SP値11.67)、
リジンジイソシアネート(SP値11.76)、キシリレンジ
イソシアネート(SP値12.35)、水添加TDI(SP値11.1
9)、水素化MDI(SP値11.37)、ジシクロヘキシルジメ
チルメタンp,p′−ジイソシアネート(SP値10.55)、ジ
エチルフマレートジイソシアネート(SP値12.11)、イ
ソホロンジイソシアネート(SP値11.41)等のジイソシ
アネートが採用される。これらは、その両側のアルキレ
ンオキサイドのセグメントのSP値のほぼ中間のSP値を有
するものを選択使用することが望ましい。このようにジ
イソシアネートを選択使用してセグメントをつなげば、
親水性度又は疎水性度の勾配に乱れを生じることが無く
なるからである。
また、本発明セグメントポリウレタンの端末基−OXは、
前記一般式において但書きしたように、親水性セグメン
ト側の−OXが−OH,−OCl,−OBr又は−OFであり、疎水性
セグメント側の−OXが−OR, (ここでRは炭素数1〜18のアルキル基,ビニル基,
(U)はジイソシアネート化合物の骨格を示す)であ
る。上記のジイソシアネート化合物としては、例えばイ
ソホロンジイソシアネート等のSP値の低いジイソシアネ
ートが好適に用いられる。
以上のような構造の両親媒性セグメントポリウレタン
は、必要とあらば、ポリマー分子一端の親水性セグメン
ト同士又はポリマー分子他端の疎水性セグメント同士を
結合して2量体となし、疎水性−親水性−疎水性、又
は、親水性−疎水性−親水性となるように勾配をつける
ことも可能である。次にポリマーの合成の一般的フロー
シートを示す。
但し、触媒はn−Butyltindilaurateウレタン化の反応
はベンゼン中50゜C3時間である。
発明の作用 本発明の両親媒性セグメントポリウレタンは、アルキレ
ンオキサイドのセグメントの間にウレタン結合が介在す
るから、アルキレンオキサイドのホモポリマーや、アル
キレンオキサイドを直接つなぎあわせたブロックコポリ
マーに比べると、一般に粘弾性が増大する。例えば、ア
ルキレンオキサイドのホモポリマーは、セグメントとし
て用いる重合度の範囲において重合度が高くなると一般
に白色ロウ状の脆い固体となるが、本発明セグメントポ
リウレタンでは、セグメント間に介在するウレタン結合
の種類や割合によって粘弾性強度が増し、セグメントポ
リマーの結晶性、非結晶性のバランスによっては透明性
のあるエラストマーとなる。そのため、フィルム状、シ
ート状、ロッド状等、種々の形状の成形物の材料となり
得る。これはアルキレンオキサイドのホモポリマーやコ
ポリマーでは得難い性質である。また、アルキレンオキ
サイドのブロックコポリマーでは隣接するセグメントが
互いに干渉するが、このような干渉は各セグメントの微
妙な親水性度又は疎水性度の差を機能として利用する場
合には弊害となる。本発明セグメントポリウレタンにお
いても分子内セグメントと分子間の相互作用に及ぼす共
重合の効果により、結晶性の破壊や軟化点の低下などが
見られるものの、セグメント間のウレタン結合がセグメ
ント相互の干渉を幾分緩げる作用をする。従って、本発
明セグメントポリウレタンは、ポリマー分子一端から見
て親水性から疎水性へと段階的に変化する各セグメント
の親水性度又は疎水性度の差を有効に利用することがで
きる。又、ポリマーの合成のフローシートにみられるよ
うにウレタン結合を介在することにより親水性又は疎水
性の方向付けが明確に可能となるのである。以下に、そ
の利用例の代表的なものを挙げ、本発明の両親媒性スゲ
メントポリウレタンの作用を更に詳しく説明する。
本発明セグメントポリウレタンの最も重要な用途例は、
ポリマーセグメントと低分子化合物の相互作用(polyme
r−small molecules interaction)の特異性を利用した
ものである。つまり、これらの分子集合体としての挙動
を利用するものであり、その代表的なものとしては薬剤
徐放性基剤が挙げられる。
即ち、このセグメントポリウレタンは、ポリマー分子一
端から見て各セグメントが親水性から疎水性に段階的に
変化した両親媒性ポリマーであり、換言すれば末端が親
水性又は疎水性に開放されたポリマーである。このよう
なセグメントポリウレタンに薬物を溶解すると、薬物は
各セグメントのエーテル酸素の個所で水素結合、ファン
デアワールス力等によって弱く結合保持され、親水性の
薬物であれば親水性度のより大きい親水性側のセグメン
トの方に多く存在する。そして放出時には順々に移行し
てポリマーの疎水性側の末端から徐々に放出され、疎水
性の薬物であれば疎水性度のより大きい疎水性側のセグ
メントの方に多く存在して放出時には順々に移行してポ
リマーの親水性側の末端から徐々に放出されると予想さ
れる。このような作用は、本発明のセグメントポリウレ
タンがアルキレンオキサイドをセグメントとして連鎖
し、親水性度又は疎水性度に勾配を与えたものであるか
らこそ有効に発揮されるのである。これについて更に詳
しく説明すると次の通りである。
一般に極性基を持たない炭化水素を除く低分子化合物
は、分子内に極性基と非極性基を有しており、それがあ
るバランスをとって分子構造が成り立っている。薬物の
分子構造についても同様のことが言える。このような薬
物が基剤のポリマーに含まれている製剤において、その
薬物の放出の効率を考慮した場合、薬物が基剤の高分子
化合物と比較的緩く親和し、高い活動係数を示す状態で
均一に分散している状態が望ましい。かかる薬物の放出
の制御は、薬物と基剤ポリマーの結合力、つまり弱い分
子間相互作用、分子レベルの分散の形態、及びポリマー
と薬物の熱的、物理化学的挙動などに影響を受ける。
即ち、薬物とポリマーの結合が強すぎる場合、例えば配
位結合、共有結合、イオン結合などの場合は、薬物がポ
リマーと反応して化学変化することが考えられ、また高
い活動係数は得られない。しかし、水素結合(結合エネ
ルギーは数Kcal/mol)や、ファンデアワールス力(結合
エネルギーは1Kcal/mol以下)の弱い結合では、薬物の
反応は生じ難く、また任意に高い活動度が得られる。ア
ルキレンオキサイドはエーテル酸素を有し、この酸素が
例えば極性を持った炭化水素であるアルキルカルボン酸
(例えばオレイン酸など)や高級アルコール類の活性水
素と水素結合を形成し、可溶化することがよく知られて
おり、薬物の場合も同様に弱い結合が形成される。
一方、アルキレンオキサイドの疎水性の度合は既述した
ようにメチレンの数(炭素数)によって変化するが、モ
ノマー単位では疎水性の効果はそれほど顕著なものでな
く、モノマーユニットを直鎖状に連続させたポリマーの
セグメントとすることにより、その効果が顕著に発現さ
れる。脂肪族ポリエステルの場合も同様にメチレンの炭
素数によりその親油性の度合が変化する。本発明セグメ
ントポリウレタンは、メチレン数(炭素数)の順次増加
或いは減少したアルキレンオキサイドセグメントをウレ
タン結合を介して連鎖することにより、親水性から疎水
性へのスムーズな勾配を形成しているので、アルキレン
オキサイドセグメントのエーテル酸素に飽和な数の薬物
が上記のように弱い結合状態で分子分散されれば、セグ
メントに沿って薬物の分散状態に濃度勾配が形成され
る。また薬物が強い親油性を示す場合は、ポリアルキレ
ンオキサイド鎖、脂肪族ポリエステル鎖のメチレン鎖が
分子分散に効果的に作用するので同様に分子分散状態に
濃度勾配が形成される。このような親水性度或いは疎水
性度のスムーズな勾配は、薬物の溶解度常数に合致した
セグメント近傍で最も濃度の高い親和性を有する位置を
存在させるものであり、いずれかのセグメントが親油
性、親水性を許容する。そして、薬物が放出されるとき
には親油性の薬物の場合は親油性のセグメントの方向か
ら親水性の方向に、親水性薬物の場合は親水性セグメン
トの方向から親油性の方向に移行して徐々に放出される
するように常に開放された分子構造を呈するものと予想
される。
またポリマーの各セグメントはウレタン結合により切断
されているが、各セグメントはその分子結合力、分子量
及び分子間力により独自の熱運動をする。それ故、ある
温度において熱運動の活発なセグメント近傍に存在する
薬物の移動が優先して開始される。またセグメント同士
の相互作用により全体の溶融温度が決まるが、このよう
な温度においても各セグメントの熱運動に相違がある。
以上のような分子間の相互作用によって、種々の薬物が
それぞれ特有の制御された放出パターンで徐放されるわ
けである。
更に、親水性、疎水性セグメントの配列、分子量の制御
によって所定温度付近で熱感応するポリマーを、またエ
ーテル酸素の比率、親水性セグメントの比率によって水
感応性のポリマーを得ることもできる。従って、このよ
うなポリマーに薬剤を溶解させておけば、所定温度付近
で該ポリマーが溶融し、水に接すると界面エネルギーの
効果によりミクロスフィアを形成して水相側へ自己乳化
し、油性成分に接すると該ミクロスフィアが破壊され
て、溶解している薬剤が徐放される。
本発明セグメントポリウレタンの他の利用例は分離膜で
ある。即ち、本発明セグメントポリウレタンは、既述し
たように粘弾性強度が大きいので成膜が可能であり、し
かもポリマー分子一端から見て各セグメント親水性から
疎水性へと段階的に変化しているため、各セグメントの
溶剤に対する溶解性が異なる。そのため、溶剤は最も親
和性のあるセグメントの周りに分子分散し、そのセグメ
ント部分が溶剤に溶けて液相を形成し、選択的透過を行
う。即ち、拡散性の差でなく溶解性の差を分離に利用す
る。従って、例えば水と低級アルコールのように分離困
難なものでも、いずれか一方のみを選択透過するように
各セグメントの親水性度又は疎水性度をシビアに調節し
ておけば、両者の分離が可能となる。この場合、例えば
エタノールのような低級アルコールを選択透過させよう
とすれば、親和性の大きいPTMGのセグメント(分子量80
0〜3000)を含むことが必要であるが、かかるPTMGのセ
グメントがポリマー分子中に一つ含まれているだけでは
効率の良い分離は期待しがたいので、ウレタン結合を介
してPTMGのセグメントを複数つなぎ、ポリマー分子中に
占めるPTMGの比率を高めたり、PEG鎖を適当に共在させ
たりして、分離効率の向上を図るのが望ましい。また、
この場合膨潤は分離の妨げになるが、3官能のイソシア
ネートを介在するなどで網目状として膨潤を極力制御す
る方法を採ることもできる。
本発明の両親媒性セグメントポリウレタンはイオン伝導
体としての利用も可能である。即ち、このセグメントポ
リウレタンに金属塩を加えると、該金属塩は各セグメン
トのエーテル酸素の個所にコンプレックスを形成する
が、疎水性セグメント(アルキレン鎖の炭素数が4以
上)ではエーテル酸素の間隔が大きく金属塩が離れるた
めイオン伝導性が発現され難いが、親水性セグメント
(アルキレン鎖の炭素数が3以下)では距離が縮まりイ
オン伝導性が発現される。そこで、水中でPEGやPPG等の
親水性セグメントを外側に出したミセルを形成すると共
に、この外側の親水性セグメントにLiClO4やNaI等をコ
ンプレックスし、これを成膜する方法によってイオン伝
導体が得られる。この場合、金属塩がコンプレックスを
形成されない疎水性セグメントは保形用骨格としての役
目を果たす。また、各セグメントの分子量を調整するこ
とにより、ポリマーの融点を調節すれば融点を境界にし
てイオン伝導性の強弱を制御できる。
更に、本発明の両親媒性セグメントポリウレタンは液体
膜としての利用も可能である。一般に液体膜は均質膜上
に界面活性剤が液体状態で作用する複合膜である。界面
活性剤の分子は親水性部分を溶液側に、疎水性部分を均
質膜側に向けて界面に集合する。供給液として塩水を用
い、界面活性剤としてポリビニルメチルエーテルを添加
して逆浸透を行う場合、塩の素子率の大きさは液体膜を
形成する界面活性剤の分子の親水性−疎水性の大きさの
比に関係するものである。塩の排除率の大きいものは、
ポリオキシエチレンノニルフェノール、ポリビニルオク
タデシルエーテル等である。本発明のセグメントポリウ
レタンにおいて親水性度と疎水性度を大きくしたセグメ
ントの配列を行えば、大きな塩の排除率がえられる。ま
た、ポリマー分子中にPPGのセグメントを含むものは、P
PGのセグメントが側鎖のメチル基によって結晶化しにく
い。そのため、全体には固体でも、内部に液体状のPPG
セグメントを有するポリマーとなるので、この液体状PP
Gセグメントの溶剤特性を利用した支持体を使わない油
性系のエマルジョン球体の液体膜として使用することが
可能となる。同様なことは親油性セグメントに液体のポ
リエステルセグメントを用いたときにも言える。
加えて、本発明の両親媒性セグメントポリウレタンは、
ポリマー分子一端からみて各セグメントが親水性から疎
水性へと段階的に変化する両親媒性のポリマーであるか
ら、低分子界面活性剤よりも乳化力があり、安定なエマ
ルジョンを形成し、分散性や可溶化力に優れ、しかも毒
性が殆どなく皮膚に対する刺激性も極めて小さい。従っ
て、コアーシェル型の複合エマルジョン、例えば医用、
検査用エマルジョン(タンパク質吸着用等)などの用途
にも好適に採用することができる。また、可溶化力が大
きく農薬、香料、化粧品の可溶化製剤にも利用できる。
次に実施例を挙げる。
実施例1) 1モルのテトラメチレングリコール(平均分子量2000)
のベンゼン溶液(20w/v%)と、2モルのキシリレンジ
イソシアネートのベンゼン溶液(20w/v%)とを50〜55
℃にて3時間反応させる。次いで、この反応物に、1モ
ルのヘキサメチレングリコール(平均分子量1000)と1.
05モルのn−ブチルイソシアネートとを、60〜70℃にて
3時間反応させたもののベンゼン溶液(20w/v%)を50
〜55℃にて3時間反応させた。次いで1モルの4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネートと1モルのポリプロ
ピレングリコール(平均分子量1000)のベンゼン溶液
(20w/v%)を、この反応物に加え、50〜55℃にて3時
間反応させた。更に、この反応物に1モルのポリエチレ
ングリコール(平均分子量1000)のベンゼン溶液(20w/
v%)を加え、50〜55℃にて3時間反応させた。尚、ベ
ンゼンは使用前に蒸溜等の方法にて完全に脱水したもの
を用いた。また、反応の際、ジブチル錫ジラウレート等
の触媒を少量添加してもよい。得られた反応物を凍結乾
燥によりベンゼンを除去してポリマーを得た。このポリ
マーを、分取用GPCカラム(アサヒバックGS−310P/旭化
成工業株式会社)により分取精製し、不純物、未反応物
等を除去した。得られた四元ブロックの両親媒性セグメ
ントポリウレタンは平均分子量6300、Mw/Mn=1.2であっ
た。このものはポリヘキサメチレングリコール側がブチ
ル基で封鎖されており、ポリエチレングリコール鎖は水
酸基となっている。目視による融点は36.5℃であった。
このポリマーに0.5%のウンデシレン酸(mp24.5℃、水
に不溶、エタノールに可溶)を各々溶融して均一に溶解
した。これをポリエチレンフィルム基材に200μmの厚
さで500mg塗布して、ポリマー面を皮膚に貼布してウン
デシレン酸の移行吸収を経時的に調べた。初期に幾分早
い放出が見られるが、この後は緩やかな零オーダーの放
出が見られ、50時間後には65〜75%の高い放出率に達し
た。
以上の結果から、アルキレンオキサイドセグメントのエ
ーテル酸素と脂肪酸との弱い結合である水素結合により
分子分散と親水性、疎水性のスムーズな勾配が放出制御
に作用していることが充分考えられる。
実施例2) 1モルのポリプロピレングリコール(平均分子量1000)
のベンゼン溶液(20w/v%)と、2モルのヘキサメチレ
ンジイソシアネートのベンゼン溶液(20w/v%)とを50
〜55℃にて3時間反応させる。次いで、この反応物に1
モルのβ−メチル−δ−バレロラクトンのエチレングリ
コールによる開環重合物(平均分子量1000)と1.05モル
のn−ブチルイソシアネートとを60〜70℃にて3時間反
応させたもののベンゼン溶液(20w/v%)を50〜55℃に
て3時間反応させる。更に、この反応物に、1モルのポ
リエチレングリコール(平均分子量1000)のベンゼン溶
液(20w/v%)を加え、50〜55℃にて3時間反応させた
後、凍結乾燥を行い、ポリマーを得た。このポリマー
を、分取用GPCカラムにより分取精製し不純物、未反応
物等を除去した。得られた三元ブロックの両親媒性セグ
メントポリウレタンの平均分子量は3600、Mw/Mn=1.3で
あり、DSC測定による融点は36.4℃であった。
このポリマーを適量のエタノールに溶解した後、アルキ
レンオキサイドのエーテル酸素6〜20個当たりに1モル
相当の過塩素酸リチウムLiClO4を均一に溶解した。次い
で、エタノールを真空下に完全に蒸発除去して常温で固
体のポリマーイオンコンプレックスを得た。これの固体
状態の伝導度は107Ωであり、約40℃以上の溶融状態で
は105Ωであった。
同様の方法にてNaI、KCl、CuCl2、FeCl3、NaSCN等の金
属塩のポリマーイオンコンプレックスを形成し、この伝
導性を調べた。その結果、固体状態で107Ω以上、約30
〜40℃のペースト状態で105 Ω、40℃以上の溶融状
態では103 Ωであった。本物質は温度センサーのイ
オン伝導体としての用途に有効である。
また、本ポリマーを水中に溶融分散し、コアーシェル型
のミクロスフィアを形成させ、その外側の親水性セグメ
ント(PPG,PEG)のみとイオンコンプレックスを作り、
このミクロスフィアを溶融成形する方法によってもモル
ホロジーの異なったイオン伝導体が得られ、特異な伝導
性が発現される。
実施例3) 1モルのポリプロピレングリコール(平均分子量400)
のベンゼン溶液(20w/v%)と、2モルのイソホロンジ
イソシアネートのベンゼン溶液(20w/v%)とを50〜55
℃にて3時間反応させる。次いで、この反応物に1モル
の3−メチル−ペンタン1,5−ジオールとアジビン酸と
のポリエステルポリオール(平均分子量580)と1.05モ
ルの6−ブチルイソシアネートとを60〜70℃にて3時間
反応させたもののベンゼン溶液(20w/v%)を50〜55℃
にて3時間反応させる。更に、この反応物に、1モルの
ポリエチレングリコール(平均分子量1000)のベンゼン
溶液(20w/v%)を加え、50〜55℃にて3時間反応させ
た後、凍結乾燥を行いポリマーを得た。このポリマー
を、分取用GPCカラムにより分取精製し不純物、未反応
物等を除去した。得られた三元ブロックの両親媒性セグ
メントポリウレタンの平均分子量は2580、Mw/Mn=1.2で
あり、目視による融点は約30℃であった。
このものは親水性セグメントとしてポリエチレングリコ
ールを有し、水の親和性を有するにもかかわらず、30℃
より低温では水に不溶である。しかし、30℃以上では溶
融し、この状態で水と接触すると、水との界面エネルギ
ーの効果により、ミクロスフィアの油滴を形成して水相
側へ勢いよく自己乳化することが認められる。即ち、こ
のセグメントポリウレタンは熱感応性と水感応性を有す
る。
このセグメントポリウレタンを融解し、農薬であるナフ
タレニルメチルカーハメートホルマリン(商品名セビ
ン)を該ポリウレタンに対して1%(重量%、以下同
様)溶解させた。この農薬はツマグロヨコバイ、ウン
カ、ハマキムシ、アブラムシに対して薬効があり、水に
対する溶解度は0.1%で殆どとけない。また、その25℃
における蒸気圧は4×10-5mmHgであり、融点が142℃の
粉末である。この薬剤はセグメントの溶解特性の効果に
より溶融したセグメントポリウレタンによく溶解した。
このものに、中性の無機充填剤として微粉の水酸化アル
ミニウムを80%混合し、粉末状に調整した農薬製剤を得
た。
この農薬製剤をin vitroに散布してその徐放性を調べ
た。30℃以下の乾燥状態又は水に接触した状態では、農
薬の放出は殆ど認められなかった。しかし30℃以上のポ
リマー溶融状態で水を散布した状態では、ミクロスフィ
アを形成して油滴となって粉末表面から水相に自己乳化
し、植物の葉、茎の表面に広がった。そして、上記の害
虫の表皮と接触すると、表皮の疎水性のためにミクロス
フィアが崩壊され、溶解している農薬が徐々に放出さ
れ、害虫の身体内に吸収されて死に至らせることが確認
された。この場合、農薬の徐放はセグメントポリウレタ
ンの各セグメントの親水性又は疎水性の勾配でコントロ
ールされる。
この農薬製剤は、梅雨期や夏期の30℃以上を越える時期
において、降雨時や水の散布時にのみ農薬が放出される
ものであり、害虫が繁殖しやすい高温多湿の時期のみ有
効に作用するので、不必要な時期の無駄な放出による環
境汚染や、人体への害が極度に解消される。即ち、この
農薬製剤は、ある環境条件においてのみ放出の「時」を
選択された徐放化製剤である。
実施例4) 1モルのポリテトラメチレングリコール(平均分子量10
00)のベンゼン溶液(20w/v%)と、2モルのキシレン
ジイソシアネートのベンゼン溶液(20w/v%)とを50〜5
5℃にて3時間反応させる。次いで、この反応物に2モ
ルのポリテトラメチレングリコール(平均分子量1000)
のベンゼン溶液(20w/v%)を加え、同条件にて3時間
反応させる。次いで、2モルの4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネートのベンゼン溶液(20w/v%)に、こ
の反応物を加え、同条件にて3時間反応させた。更に、
2モルのポリプロピレングリコール(平均分子量1000)
のベンゼン溶液(20w/v%)を添加し、同条件にて3時
間反応させる。続いて、2モルのヘキサメチレンジイソ
シアネートのベンゼン溶液(20w/v%)に、この反応物
を加え同条件にて3時間反応させた。更に、2モルのポ
リエチレングリコール(平均分子量2000)のベンゼン溶
液(20w/v%)を加え、同条件にて3時間反応させた。
凍結乾燥により、溶媒のベンゼンを除去し、ポリマー得
た。このポリマーを、分取用GPCカラムにより分散精製
し不純物、未反応物を除去した。得られた七元ブロック
の両親媒性セグメントポリウレタンの平均分子量は1020
0、Mw/Mn=1.35であり、目視による融点は46.5℃であっ
た。この両末端に水酸基を有するセグメントポリウレタ
ンを、酢酸エチルにて希釈し、トリメチロールプロパン
のキシリレンジイソシアネートの3付加物(D−110N/
旭化成工業株式会社)にて架橋し溶媒を除去し、製膜し
たところ、肉厚45μmのフィルムが得られた。このフィ
ルムをフィルターホルダーに装着し、上からから水:エ
タノール=1:1の溶液を常圧にて接触させたところ、膜
を透過した液体成分はエタノールが95%以上となり、エ
タノール選択的透過膜としての機能が発現した。
実施例5) 表2に示すセグメント構造の19種類の両親媒性セグメン
トポリウレタンを合成し、それぞれの示差熱分析(DS
C)による融点を測定した。測定結果は表2に示す通り
であった。
発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明の両親媒性セグ
メントポリウレタンは、ウレタン結合を節としてアルキ
レンオキサイドのセグメントをつないだ構造とされ、し
かもポリマー分子一端からみて各セグメントが親水性か
ら疎水性へと段階的に変化するように調節されているた
め、低分子界面活性剤よりも乳化力があり、安定なエマ
ルジョンを形成し、分散性や可溶化力に優れ、毒性が殆
どない。しかも分子量の大きいものは粘弾性強度が大で
成形性に富み、セグメント相互の干渉もなく、各セグメ
ントの親水性度又は疎水性度の差を、溶剤の選択透過機
能、薬剤の除放機能その他既述の種々の機能として有効
に利用することができる。従って、本発明の両親媒性セ
グメントポリウレタンは、高分子乳化剤をはじめ、分離
膜、薬剤徐放性基剤、液体膜、イオン伝導体等、種々の
用途に適合し、頗る有用なものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式: [式中、(S)は (I):R1−O−R1−Olのポリアルキレンオキサ
    イドセグメント、又は (II): の脂肪族ポリエステルセグメント(二塩基酸と二価アル
    コールからなるポリエステルで、R1はポリエステルを形
    成する二価アルコールのポリメチレンを示す)、又は (III): で示されるポリエステルセグメント(環状エステルの開
    環重合物と二価アルコールのエステル化合物(但し、
    R′1,R″、又はlとl′とが同じであってもよい)
    で、R1はポリエステルを形成する二価アルコールのポリ
    メチレンを示す)であり、 (I)の場合はR1〜RXは炭素数が7〜2であって側鎖を
    有しているか又は有していないポリメチレンであり、
    (II)及び(III)の場合はR2〜RXは炭素数が4〜2で
    あって側鎖を有しているか又は有していないポリメチレ
    ンである。 −OXは(S)セグメント側である疎水性側がRO−,RCOO
    −, であり、ここでRはアルキル基もしくはビニル基、は
    ジイソシアネートの骨格を示す。一方、親水性側の−OX
    は−OH,−OCl,−OBr,−OFである。また、l,l′,m,n,pは
    重合度を表す正の整数である。(A),(B),(C)
    はジイソシアネート化合物の骨格を示す。また、式中の
    点線は上記の条件を満たした炭素数の異なるポリアルキ
    レンオキサイドとジイソシアネートの反応物の連鎖を表
    し、それがR4からRXまで続くことを示す。] により示されるポリマーであって、(S)セグメントを
    形成するポリマー一端のポリエステルセグメント又はポ
    リアルキレンオキサイドセグメントに近いほど、親油性
    度又は疎水性度が大きくなり、他端に近いポリアルキレ
    ンオキサイドセグメントほど親水性度が大きくなるよう
    に配列されていることを特徴とする両親媒体セグメント
    ポリウレタン。
  2. 【請求項2】一般式において、(S)が(I)の場合の
    各々のポリアルキレンオキサイドセグメントを形成する
    アルキレン鎖はR1〜RXの順に炭素数が少なくなり(但
    し、隣接するセグメントのR1〜RXの炭素数が一部等しい
    か、又は/及びR1〜RXからなる一部のセグメントが欠落
    したものも含まれる)、(S)が(II)又は(III)の
    場合は各々のセグメントのモノマーユニットの炭素数
    が、R1+R′>R2の関係からなり、R2〜RXは炭素数が
    4〜2のポリメチレンであり、R2〜RXの順に炭素数が少
    なくなる(但し、隣接するセグメントのR2〜RXの炭素数
    が一部等しいか、又は/及びR2〜RXからなる一部のセグ
    メントが欠落したものも含まれる)のようにセグメント
    が配列されている特許請求の範囲第(1)項記載の両親
    媒性セグメントポリウレタン。
  3. 【請求項3】種類の異なるアルキレンオキサイドのセグ
    メント又はアルキレンオキサイド/ポリエステルのセグ
    メントを3つ以上有する三元以上のマルチブロックポリ
    マーで構成されている特許請求の範囲第(1)項又は第
    (2)項記載の両親媒性セグメントポリウレタン。
  4. 【請求項4】隣接するアルキレンオキサイドのセグメン
    トを形成するアルキレン鎖の炭素数の差が3以下であ
    り、また隣接するポリエステルとポリアルキレンオキサ
    イドのポリエステル単位の炭素数とアルキレン鎖の炭素
    数の差が3以下である特許請求の範囲第(3)項記載の
    両親媒体セグメントポリウレタン。
  5. 【請求項5】ポリマー分子一端の親水性アルキレンオキ
    サイドのセグメントを形成するアルキレン鎖は炭素数が
    3以下であり、ポリマー分子他端の疎水性のアルキレン
    オキサイドのセグメントを形成するアルキレン鎖は炭素
    数が4〜7であり、またポリエステルセグメントを形成
    するポリエステル単位の炭素数が5以上である特許請求
    の範囲第(2)項記載の両親媒体セグメントポリウレタ
    ン。
  6. 【請求項6】一般式中の(S)が(I)の場合のポリア
    ルキレンオキサイドセグメントはポリエチレングリコー
    ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
    リコール、ポリブチレングリコール、ポリペンタメチレ
    ングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘ
    プタメチレングリコールであり、また(II)はポリエス
    テル一単位当たりの炭素数が5以上である二塩基酸と二
    価アルコールの反応物からなるポリエステルであり、
    (III)はポリε−カプロラクトン又はポリβ−メチル
    −δ−バレロラクトンとアルキレングリコールとの反応
    物からなるポリエステルであって、(II),(III)の
    場合のポリアルキレンオキサイドがポリエチレングリコ
    ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレン
    グリコール、ポリブチレングリコールである特許請求の
    範囲第(1)項、第(2)項、第(3)項、第(4)
    項、第(5)項のいずれかに記載の両親媒性セグメント
    ポリウレタン。
  7. 【請求項7】アルキレンオキサイドのセグメント又はア
    ルキレンオキサイド/ポリエステルのセグメントの間に
    介在する各イソシアネート化合物の骨格は、その両側の
    セグメントの溶解度パラメーターの値の間の値を有する
    ものである特許請求の範囲第(1)項、第(2)項、第
    (3)項、第(4)項、第(5)項、第(6)項のいず
    れかに記載の両親媒性セグメントポリウレタン。
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