JPH0739413Y2 - 両軸受リールの変速操作構造 - Google Patents

両軸受リールの変速操作構造

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JPH0739413Y2
JPH0739413Y2 JP12998289U JP12998289U JPH0739413Y2 JP H0739413 Y2 JPH0739413 Y2 JP H0739413Y2 JP 12998289 U JP12998289 U JP 12998289U JP 12998289 U JP12998289 U JP 12998289U JP H0739413 Y2 JPH0739413 Y2 JP H0739413Y2
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剛 生田
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は両軸受リールの変速操作構造に関し、詳しく
は、ハンドルの回転数に対するスプールの回転数を、ギ
ヤ式の変速機構によって変更するための操作構造に関す
るものである。
〔従来の技術〕
従来、上記の如く構成された操作構造としてはギヤをシ
フト操作するもの、ギヤ伝動系に介装されたクラッチを
入れ切り操作するもの等、多くの種類が存在し、又、こ
の変速操作のための操作系の配置空間を小さくするた
め、伝動軸に筒軸を用い、筒軸に内装した操作軸等の押
し引き操作で変速を行うよう、例えば第4図に示す構成
のものも考えられている。
尚、同図の構成では、巻き上げ用のハンドル(4)が連
結する筒軸(5)に高速巻き上げ用の第1ギヤ(6)
と、低速巻き上げ用の第2ギヤ(7)とを遊転支承する
と共に、筒軸(5)の内嵌する操作軸(12)によって軸
芯方向に操作される係合片(10)が筒軸(5)の内端側
にスライド自在に係合させてあり、この係合片(10)は
位置決め用の圧縮バネ(11a),(11b)を作用させてあ
る。又、第1、第2ギヤ(6),(7)と咬合するギヤ
(8),(9)を備えた部材(18)にはフプール(3)
がドラグ機構(B)を介して連係している。
〔考案が解決しようとする課題〕
ここで、第4図の変速操作構造の動作について考える
に、この操作構造では、係合片(10)が、第1ギヤ
(6)、あるいは、第2ギヤ(7)の係合孔(6a),
(7a)に係入することで動力の伝達が可能となるため、
例えば、係合片(10)を高速側から低速側に(図面では
同図に示す位置から図面における左側に)操作しようと
する際には、操作軸(12)を押込み側に操作すること
で、係合片(10)は圧縮バネ(11b)の付勢力によって
第2ギヤ(7)の側面に接する位置まで移動した後、該
係合片(10)と第2ギヤ(7)の係合孔(7a)との位相
が合ったタイミングで、圧縮バネ(11b)の付勢力によ
って係合位置に達することになる。
尚、逆方向への操作時にも圧縮バネ(11a)の付勢力に
より係合位置に達する。
しかし、このように係合片を係合孔に係入させる構造の
ものでは、係合片に傾きを生じた場合に係合片の一方の
端部のみが第5図に示す如く係合孔に入り込んだ状態で
保持されることもある。
つまり、この操作構造では圧縮バネの付勢力で係合片を
操作するため、このように「こじり」を生ずると、バネ
の付勢力だけでは係合位置に操作することが不能となっ
ていたのである。
従って、このように不完全な係合状態で動力を伝えよう
とすると係合片、あるいは係合孔を傷めて円滑な伝動を
行えないことや、係合片がロック状態に達して操作不能
に陥ることもあり改善の余地がある。
因みに、バネの付勢力に依らずに係合片を操作する構造
では、操作軸を人為的に押し続ける、あるいは引き続け
る状態を維持したままハンドルを回転させて係合を確認
しなければならず、煩しいものとなる。
本考案の目的は、前述のようにバネの付勢力で係合片を
操作する構造の改善により、変速系を傷めず、しかも、
円滑に変速を行い得る操作構造を合理的に構成する点に
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本考案の特徴は、その外端に備えたハンドルからの動力
が伝えられる筒軸に、高速巻き上げ用の第1ギヤと、定
速巻き上げ用の第2ギヤとを遊転支承し、これら第1ギ
ヤ、第2ギヤのいずれか一方に係合することで筒軸から
の動力を伝える係合片を筒軸に対し筒軸の軸芯に沿って
スライド自在に設け、この係合片の筒軸内部位に前記軸
芯に沿う方向で筒軸の内端側に向けて突出する突起部を
形成し、係合片が筒軸の内端側に操作される際に、前記
突起部に摺接して係合片の傾動を阻止する姿勢保持部材
を備えて成る点にあり、その作用、及び、効果は次の通
りである。
〔作用〕
上記特徴を例えば第1図に示すように構成すると、係合
片(10)を移動操作する際には、係合片(10)の突起部
(10a)が姿勢保持部材(14)と摺接する結果、筒軸
(5)の軸芯に存在する平面に沿う方向での係合片(1
0)の傾動は阻止されることとなり、係合片(10)のう
ち、筒軸(5)から外方に張り出する複数の部位のうち
の1つの部位のみを係合孔に嵌まり込ませることはな
い。
〔考案の効果〕
従って、係合片が移動する際には、その傾動が必ず阻止
されるので、「こじり」の発生による変速係の傷みを生
じ難く、しかも、係合片に作用するバネの付勢力が小さ
くとも、円滑に変速を行い得る操作構造が合理的に構成
されたのである。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図に示すように、リール本体(1)に横向き姿勢に
配置した支軸(2)に対し釣り糸を巻回するスプール
(3)を遊転支承すると共に、ハンドル(4)と連結す
る筒軸(5)からの動力をギヤ変速機構(A)、及び、
ドラグ機構(B)を介してスプール(3)に伝える巻き
取り用の伝動系を備えて両軸受リールが構成されてい
る。
同図に示すように前記ギヤ変速機構(A)は、筒軸
(5)に遊転支承した高速巻き上げ用の第1ギヤ(6)
と、低速巻き上げ用の第2ギヤ(7)と、これらのギヤ
と咬合する状態で前記支軸(2)に遊転支承された第3
ギヤ(8)と第4ギヤ(9)と、筒軸(5)からの動力
を第1、第2ギヤ(6),(7)のいずれか一方に伝え
るため、第1、第2ギヤ(6),(7)の係合孔(6
a),(7a)に係入可能、かつ、筒軸(5)にスライド
自在に支持された係合片(10)と、この係合片(10)の
位置を決める2つの圧縮バネ(11a),(11b)と、係合
片(10)の位置を設定する操作軸(12)とを有して成
り、このギヤ変速機構(A)では第1図に示す如く操作
軸(12)を引き出した状態では内端側に圧縮バネ(11
a)の付勢力で係合片(10)が第1ギヤ(6)の係合孔
(6a)に係入し、操作軸(12)を押込み操作した状態で
は、内端側の圧縮バネ(11a)を圧縮することで、第2
図に示す如く、外端側の圧縮バネ(11b)の付勢力で係
合片(10)が第2ギヤ(7)の係合孔(7a)に係入す
る。
尚、操作軸(12)の外端部には溝(12a)が形成され、
この溝(12a)に係合する、スライド型のストッパー(1
3)がハンドル(4)に設けられているため、操作軸(1
2)を押込み操作した際には、ストッパー(13)との係
合により操作軸(12)が押込み状態を保持すると共に、
係合片(10)と第2ギヤ(7)の係合孔(7a)との位相
が一致しない場合には、係合片(10)が第2ギヤ(7)
の側面に接触した状態に維持され、この後ハンドル
(4)の回動により位相が一致する状態に達すると、圧
縮バネ(11b)の付勢力により係入が完了するようにな
っている。
更に、このギヤ変速機構(A)では、第3図に示すよう
に、前記係合片(10)は筒軸(5)に形成されたスリッ
ト(5a)にガイドされるため、筒軸(5)の軸芯と直交
する平面上での傾動(回転方向への傾動)はスリット
(5a)内面との接触に阻止されるものの、筒軸(5)の
軸芯が存在する平面に沿う方向での傾動を生じやすいた
め、 係合片(10)の筒軸内部位に筒軸(5)の軸芯に沿う方
向で筒軸(5)の内端側に向けて突出する突起部(10
a)を形成し、この係合片(10)が筒軸(5)の内端側
に操作される際に突起部(10a)に摺接して係合片(1
0)の傾動を阻止するよう、筒状の姿勢保持部材(14)
が備えられている。
因みに、この姿勢保持部材(14)は筒軸(5)の内端部
に螺合させたバネ受け部材(15)に一体的に形成されて
いる。
又、前記ドラグ機構(B)はスプール(3)の側面に備
えた摩擦板(16)と、この摩擦板(16)に圧接するディ
スク(17)とで成り、このディスク(17)は前記第3、
第4ギヤ(8),(9)に連結する伝動部材(18)に対
し一体回動状態に外嵌させてあり、このドラグ機構
(B)の摩擦力の調節は以下のように行う。
つまり、前記支軸(2)の前記ハンドル側の端部には、
この支軸(2)と同軸芯上に配置したカム体(19)の位
置調節を行う回動ノブ(20)を螺合させてあり、カム体
(19)とリール本体(1)との間には、支軸(2)の軸
芯と同軸芯周りで揺動操作されるドラグレバー(21)を
配置してあり、スプール(3)は支軸(2)に対しベア
リング(22),(22)を介して遊転支承されると共に、
反ハンドル側への移動が阻止されるように皿バネ(23)
で位置が規制されている。
又、カム体(19)とドラグレバー(21)との夫々の接触
面(19a),(21a)(カム面)は乗り上り型に構成して
あり、ドラグレバー(21)を揺動操作すると、支軸
(2)をリール本体(1)に対してスライド移動させる
ようになっている。
以上のことから、ドラグ機構(B)の摩擦力を調節する
場合には、回転ノブ(20)によってカム体(19)の位置
を適当な位置に設定しておき、ドラグレバー(21)を操
作することで、例えば、支軸(2)がハンドル側に引か
れた場合には、スプール(3)がディスク(17)の側に
移動する結果、摩擦力が増大し、逆に支軸(2)が反ハ
ンドル側に押し込まれた場合にはドラグ機構(B)の摩
擦力が低下する、もしくは、ドラグ機構(B)の摩擦力
を皆無にしてスプール(3)の転動を許すようになって
いる。
尚、第4ギヤ(9)にはスプール(3)の逆転を阻止す
るラチェット爪(24)を作用させてあり、又、スプール
(3)の反ハンドル側の端部には歯車体(25)と、この
歯車体(25)に係合する係合爪(26)とこの係合爪(2
6)をリール本体(1)に支持する「C」字状バネ材(2
7)とで成る機構によってスプール(3)の回転時には
クリック音を発生させるように構成してある。
〔別実施例〕
本考案は上記実施例以外に例えば、筒軸はハンドルと直
結軸でなくとも良い。
尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付図
面の構造に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案に係る両軸受リールの変速操作構造の実施
例を示し、第1図は該リールの横断平面図、第2図は操
作軸を押込み操作した状態での部分断面図、第3図は第
1、第2ギヤ、係合片夫々を表す分解斜視図であり、第
4図は従来の変速構造の断面図、第5図は従来の変速構
造による不都合状態を表わす断面図である。 (4)……ハンドル、(5)……筒軸、(6)……第1
ギヤ、(7)……第2ギヤ、(10)……係合片、(10
a)……突起部、(14)……姿勢保持部材。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】その外端に備えたハンドル(4)からの動
    力が伝えられる筒軸(5)に、高速巻き上げ用の第1ギ
    ヤ(6)と、低速巻き上げ用の第2ギヤ(7)とを遊転
    支承し、これら第1ギヤ(6)、第2ギヤ(7)のいず
    れか一方に係合することで筒軸(5)からの動力を伝え
    る係合片(10)を筒軸(5)に対し筒軸(5)の軸芯に
    沿ってスライド自在に設け、この係合片(10)の筒軸内
    部位に前記軸芯に沿う方向で筒軸(5)の内端側に向け
    て突出する突起部(10a)を形成し、係合片(10)が筒
    軸(5)の内端側に操作される際に、前記突起部(10
    a)に摺接して係合片(10)の傾動を阻止する姿勢保持
    部材(14)を備えて成る両軸受リールの変速操作構造。
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