JPH0739232A - コンバインの分草構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 強制分草装置がわに未刈りがわ穀稈が機体が
わに倒れ込まないようにその未刈りがわ穀稈の株元を規
制する。 【構成】 走行機体２の前部に装備した刈取前処理部５
の穀稈引起こし装置７の未刈りがわ側部に、強制分草装
置１５を配設し、この強制分草装置１５を、走行機体２
の横外方に張り出した姿勢と走行機体２寄りに退避した
姿勢とに切換自在に構成したコンバインの分草構造であ
って、未刈りがわ穀稈の株元に接当規制して未刈りがわ
穀稈の強制分草装置１５への倒れ込みを規制する棒状規
制部材２６を、その前端部を強制分草装置１５に取り付
けて後方に延出し、棒状規制部材２６の延出端部を、走
行機体２の横側部に配設した未刈りがわ穀稈の機体がわ
への倒れ込みを規制する機体がわ規制部材２７と前後方
向で重複されるように構成してある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、走行機体の前部に装備
した刈取前処理部の穀稈引起こし装置の未刈りがわ側部
に、その穀稈引起こし装置より前方箇所で植立穀稈を前
記穀稈引起こし装置に導入される刈取対象穀稈と未刈り
穀稈とに梳き上げて分草する強制分草装置を配設すると
ともに、この強制分草装置を、前記走行機体の横外方に
張り出した姿勢と前記走行機体寄りに退避した姿勢とに
切換自在に構成したコンバインの分草構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のコンバインの分草構造に
あっては、例えば、本出願人が先に出願した実願平４−
８０５４２号に提案されているように、強制分草装置を
支持するアーム部材を電動モータ等のアクチュエータで
揺動させて、強制分草装置を機体に対してその下方の前
後向き軸芯周りで横外方へ出退自在に制御されるように
構成したものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来構
造のものでは、未刈りがわ穀稈が強制分草装置がわに大
きく倒れ込まないようにその穀稈の株元箇所を規制する
ための片持ち状の分草案内杆を強制分草装置に連結固定
し、強制分草装置と一体的に出退自在に構成していたの
であるが、その分草案内杆の前後長さを強制分草装置の
前後長さとほぼ同じにしていたために、その分草案内杆
の後端部から規制の解除された未刈りがわ穀稈が走行機
体がわに倒れ込んで、例えば走行装置に未刈りがわ穀稈
の穂先部が接当する等の不具合があった。本発明は、上
記実情に鑑みてなされたものであって、強制分草装置と
共に未刈りがわ穀稈が機体がわに倒れ込まないように規
制する杆状部材の後端から規制の離れた穀稈についても
機体がわに不当に倒れないよう円滑に案内できるコンバ
インの分草構造の提供を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明にかかるコンバイ
ンの分草構造は、上記目的を達成するために、冒記構造
のものにおいて、未刈りがわ穀稈の株元に接当規制して
未刈りがわ穀稈の前記強制分草装置への倒れ込みを規制
する棒状規制部材を、その前端部を前記強制分草装置に
取り付けて後方に延出するとともに、前記棒状規制部材
の延出端部を、前記走行機体の横側部に配設した未刈り
がわ穀稈の機体がわへの倒れ込みを規制する機体がわ規
制部材と前後方向で重複されるように構成してあること
を特徴構成とする。かかる特徴構成による作用・効果は
次の通りである。

【０００５】

【作用】即ち、棒状規制部材の延出端部を、走行機体の
横側部に配設した未刈りがわ穀稈の機体がわへの倒れ込
みを規制する機体がわ規制部材と前後方向で重複される
ように構成してあるから、棒状規制部材で規制案内され
た未刈りがわ穀稈が、その棒状規制部材の延出端部から
外れても機体がわの規制部材によって機体がわへの倒れ
込みをすぐに規制されることになる。

【０００６】

【発明の効果】従って、本発明によれば、棒状規制部材
での規制が解除された未刈りがわ穀稈であっても、何ら
規制されることなく機体がわに倒れ込まないように、す
ぐに機体がわの規制部材で規制されるので、未刈りがわ
穀稈の穂先部が機体と接触する等の不具合を解消できる
に至った。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１及び図２に、コンバインを示している。この
コンバインは、左右一対のクローラ走行装置１，１に支
持された走行機体２に、脱穀装置３、操縦部４、原動部
等を搭載設置するとともに、走行機体２の前部に、横軸
芯Ｐ周りで昇降揺動自在に刈取前処理部５を装着して構
成している。

【０００８】刈取前処理部５には、植立穀稈を分草する
固定デバイダ６、植立穀稈を引起こす穀稈引起こし装置
７、引起こされた穀稈の株元を切断して刈り取る刈取装
置８、刈り取られた穀稈を脱穀装置３の脱穀フィードチ
ェーン９に搬送する縦搬送装置１０を備えて構成してい
る。詳述すると、走行機体２に刈取前処理部５を横軸芯
Ｐ周りで昇降揺動自在に支持し、かつ刈取前処理部５へ
の伝動ケースに兼用される支持フレーム１１に前方に延
出した状態で連結したデバイダ支持杆１２の先端部に前
記固定デバイダ６を固着するとともに、前記デバイダ支
持杆１２と、支持フレーム１１から立ち上げた引起こし
装置用伝動ケース１３とによって穀稈引起こし装置７を
固着している。そして、左右に複数個並設された穀稈引
起こし装置８‥のうち最も未刈り地寄りに位置する穀稈
引起こし装置８を下部で支持するデバイダ支持杆１２に
ブラケット１４を介して強制分草装置１５を支持すると
ともに、この強制分草装置１５の後部を、前記引起こし
装置用伝動ケース１３から横側そして前がわへ分岐した
状態でさらに上方へ延出した分草装置駆動用伝動ケース
１６の上端部に取り付けて支持している。

【０００９】強制分草装置１５は、図１乃至図５に示す
ように、ブラケット１４に連結した外装ケース１５ａの
上下両端部にスプロケット１５ｂ，１５ｃを回転自在に
内装するとともに、それらスプロケット１５ｂ，１５ｃ
にわたってチェーン１５ｄを巻き掛けており、チェーン
１５ｄには、適宜間隔おきに穀稈係止用の爪１５ｅを枢
着して、チェーン１５ｄの上方移行経路において爪１５
ｅが穀稈係止できるよう外装ケース１５ａから突出する
状態にガイドレール１５ｆで爪１５ｅを起立し、チェー
ン１５ｄの下方移行経路で爪１５ｅが外装ケース１５ａ
内に格納される状態で倒伏するように構成している。こ
のチェーン１５ｄの駆動はスプロケット１５ｂでなされ
るのであって、このスプロケット１５ｂは、前記分草装
置駆動用伝動ケース１６に内装した伝動軸からの動力で
駆動される。そして、デバイダ支持杆１２は丸パイプ部
材で構成され、そのデバイダ支持杆１２における前記ブ
ラケット１４の取付箇所は少し前下がり傾斜姿勢に折り
曲げ形成されているとともに、ブラケット１４は、デバ
イダ支持杆１２に対してその少し前下がり傾斜姿勢のそ
の中心軸芯Ｑ周りで回動自在に外嵌している。一方、前
記分草装置駆動用伝動ケース１６において分岐伝動軸が
前後方向に沿う箇所の前後向き伝動ケース１６ａは、引
起こし装置用伝動ケース１３に連結した横向き分岐伝動
ケース１６ｂに対して前記中心軸芯Ｑ周りで回動自在に
支持している。これにより、強制分草装置１５が全体と
して前後向き軸芯としての中心軸芯Ｑ周りで回動操作可
能となっている。そして、強制分草装置１５をその回動
操作及び所定姿勢で停止するために、引起こし装置用伝
動ケース１３に連設した支持ブラケット１７に支持した
電動モータ１８に連動するように、前記中心軸芯Ｑと平
行な軸芯Ｒ周りで回動可能な回動アーム１９を支持し、
この回動アーム１９には、第１アーム２０ａと第２アー
ム２０ｂとを前記中心軸芯Ｑと平行な軸芯Ｓ周りで相対
揺動可能に連結して構成したアーム部材２０における前
記第１アーム２０ａの端部を枢着し、第２アーム２０ｂ
の端部を強制分草装置１５の外装ケース１５ａに枢着し
ているのである。詳述すると、支持ブラケット１７に固
定設置された電動モータ１８に減速機構を介して連動連
結した前後向き出力軸２１のピニオンギア２２は、前記
軸芯Ｒ周りで回動可能に前記回動アーム１９に一体連設
した大径ギア２３に歯合されている。電動モータ１８は
操縦部４に設けた調整ダイヤルの人為的な回し操作によ
り、調整ダイヤルの調整位置に対応した横側方への倒れ
姿勢となるように強制分草装置１５を前記中心軸芯Ｑ周
りで無段階に回動操作するのである。即ち、調整ダイヤ
ルの操作角度をポテンショメータ等の角度検出手段で検
出し、その検出信号を機体に備えた制御装置２４に入力
し、制御装置２４は、前記前後向き出力軸２１の回転角
度を検出するロータリエンコーダ２５の検出結果と対応
させて、前記調整ダイヤルでの設定角度で機体横外方へ
強制分草装置１５が張り出すように電動モータ１８を駆
動するのである。そして、このアーム部材２０の腰折れ
構造により、例えば障害物が強制分草装置１５に外側方
から衝突したときに容易に強制分草装置１５が障害物か
ら退避できるようにしている。

【００１０】さらに、図１乃至図４に示すように、未刈
り穀稈の株元箇所をこの強制分草装置５がわに倒れ込ま
ないように規制案内する棒状規制部材としての分草杆２
６を、強制分草装置５の外装ケース１５ａに片持ち状に
連結しているとともに、機体前後方向に沿う状態で後方
に向けて延出している。そして、この分草杆２６の後端
部は、走行機体２における脱穀装置３の未刈りがわ縁部
に設けた規制部材としてのデッキ部２７と前後方向で重
複位置するようにしている。すなわち、デッキ部２７
は、未刈りがわ穀稈が機体がわに倒れ込むことをその横
外がわ縁部で規制するように構成しているとともに、分
草杆２６で案内規制された未刈りがわ穀稈が分草杆２６
後端から後方へ移動してもデッキ部２７で機体への倒れ
込みを円滑に規制されるようにしているのである。さら
に、強制分草装置１５の前記軸芯Ｑ周りでの出退揺動に
かかわらず強制分草装置１５より分草杆２６が外方に位
置することで、未刈りがわ穀稈の強制分草装置１５がわ
への倒れ込みをその株元箇所で規制することになる。

【００１１】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】コンバインの前部を示す側面図

【図２】コンバインを示す全体平面図

【図３】強制分草装置等を示す側面図

【図４】張り出し姿勢の強制分草装置等を示す正面図

【図５】強制分草装置を出退するための機構等を示す後
面図

【符号の簡単な説明】

２ 走行機体 ５ 刈取前処理部 ７ 穀稈引起こし装置 １５ 強制分草装置 ２６ 棒状規制部材 ２７ 機体がわ規制部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福岡 義剛 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行機体（２）の前部に装備した刈取前
   処理部（５）の穀稈引起こし装置（７）の未刈りがわ側
   部に、その穀稈引起こし装置（７）より前方箇所で植立
   穀稈を前記穀稈引起こし装置（７）に導入される刈取対
   象穀稈と未刈り穀稈とに梳き上げて分草する強制分草装
   置（１５）を配設するとともに、この強制分草装置（１
   ５）を、前記走行機体（２）の横外方に張り出した姿勢
   と前記走行機体（２）寄りに退避した姿勢とに切換自在
   に構成したコンバインの分草構造であって、未刈りがわ
   穀稈の株元に接当規制して未刈りがわ穀稈の前記強制分
   草装置（１５）への倒れ込みを規制する棒状規制部材
   （２６）を、その前端部を前記強制分草装置（１５）に
   取り付けて後方に延出するとともに、前記棒状規制部材
   （２６）の延出端部を、前記走行機体（２）の横側部に
   配設した未刈りがわ穀稈の機体がわへの倒れ込みを規制
   する機体がわ規制部材（２７）と前後方向で重複される
   ように構成してあるコンバインの分草構造。