JPH0739142B2 - 合成樹脂製中空体の製造方法 - Google Patents

合成樹脂製中空体の製造方法

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JPH0739142B2
JPH0739142B2 JP148691A JP148691A JPH0739142B2 JP H0739142 B2 JPH0739142 B2 JP H0739142B2 JP 148691 A JP148691 A JP 148691A JP 148691 A JP148691 A JP 148691A JP H0739142 B2 JPH0739142 B2 JP H0739142B2
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尚志 木山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は射出成形された半割体を
衝合接合させて中空体を製造する方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】中空容器を製造する方法としてはブロー
成形が一般的ではあるが、中空体の構造強度または形状
との関係で、分割した半割体を1次射出成形し、その半
割体を衝合してその突き合わせ部に樹脂を2次射出成形
して接合する2段成形方法が提案されている(特公平2
−20410号)。しかしながら、中空体全体が大形と
なり、突き合わせ部に一定以上の接合強度が必要とされ
る場合は突き合わせ部に接合用の溶融樹脂を射出成形す
るだけでは十分でないという問題点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、半割体を衝
合して中空体を製造しようとする場合、中空体の接合部
に一定の接合強度を与えるには接合面の水平な方向(左
右巾方向)と垂直な方向(型抜き方向)とにおいて両方
の接合面が係合する必要があるが、型抜き方向での係合
を行わせるには型にスライド構造を付設して型抜き方向
とは直交する方向に係合凹部を形成し、型抜き時にその
スライドコアを退避する構造とする必要があって、型構
造が複雑になる欠点がある。そこで、本発明者は型抜き
方向での接合強度を向上させるために溶融樹脂の注入さ
れる空所を屈曲または分岐させ、溶融樹脂との接触面積
を増大するように工夫することを提案しているが、型抜
き方向には物理的係合が行われないため、接合強度の向
上には限界がある。そこで、本発明は半割体を衝合して
中空体を製造するにあたり、スライド構造などを用い
ず、型抜き方向での物理的係合を行わせる製造方法を提
供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶融樹脂注入
空所を形成する半割体の衝合端面型のいずれか一方に型
抜き方向に突起を設けてもこれを型締め時に変形させれ
ば、型抜き方向と直交する方向に変形することに着目し
てなされたもので、射出成形された半割体をそれぞれ型
内にてその端面を互いに衝合して衝合部に接合用の溶融
樹脂材料を注入して接合する方法において、衝合部に形
成される溶融樹脂注入空所に、両半割体の衝合端面の少
なくとも片面より突出する突起を設け、型締めによる半
割体の衝合によって上記突起を変形させた状態にて上記
溶融樹脂を注入し、硬化させて半割体を接合することを
要旨とする合成樹脂製中空体の製造方法にある。
【0005】
【作用】本発明によれば、衝合端面には各半割体の型抜
き方向に突起を形成するだけであるからスライドコア構
造を付設する必要がない。そして、その突起が型締め時
に対向する衝合端面の一部に当接して側方に屈曲または
変形するので、その衝合端面が形成する空所に注入され
る溶融樹脂との物理的な絡みが行われ、型抜き方向への
接合力が向上する。したがって、本発明における突起は
型締め時に変形して溶融樹脂との型抜き方向での絡みが
形成される形状であれば問題がない。また、この突起は
溶融樹脂との絡みを形成するから、各半割体の衝合端面
には他の衝合端面に向かって突出する突起を形成する
が、各半割体から交互に突出させるのが好ましく、1ま
たは2本ずつ交互にあるいはランダムに交互に突出させ
てよい。
【0006】
【実施例】以下、本発明を添付図面に示す具体例に基づ
き、詳細に説明することにする。図1は本発明の接合構
造の成形状態を示す断面図で、中空体の各半割体を1次
成形した後の2次成形のための型締め前の状態を示す。
図2はその要部拡大斜視図、図3は2次成形のための型
締め後、本発明の接合構造に溶融樹脂を注入した状態を
示す断面図で、図4はその要部拡大斜視図である。
【0007】図面において、1は上型、2は下型で、各
々には中空体の半割体3および4が成形されている。そ
の半割体3は衝合端面30の周縁部にやや上がった位置
から外方にフランジ部31、32を突設し、そのフラン
ジ面から型抜き方向に長手方向に一定間隔で突起33を
形成する一方、半割体4も本体部の衝合端面40の周縁
部にはやや下がった位置で外方にフランジ部41、42
を突設し、フランジ面から型抜き方向に長手方向に一定
間隔で突起43を上記突起33の間に位置するように形
成する。上記突起33、43は長手方向に延びる一定幅
の突条で形成してもよい。
【0008】上記対向するフランジ部31(32)と4
1(42)は型締め時における半割体3および4の衝合
状態では、図4に示すように長手方向に連続した空所R
1を形成し、上記突起33は対向するフランジ部41
(42)のフランジ面に当接して先端が潰れ、他方、上
記突起43は対向するフランジ部31(32)のフラン
ジ面に当接して先端が潰れ、型抜き方向とは直交する方
向に変形する。したがって、その空所路R1に、スプー
ルを介して溶融樹脂Bを注入すると上記フランジ部3
1、32および41、42は樹脂の接合力により結合さ
れるが、この樹脂に対して上記突起33、43はその先
端の変形部がアンカーとなり、溶融樹脂によって上下に
物理的に連結されることになる。
【0009】上記空所路R1は第5図に示すように、断
面円形中空体の半割体5および6のように端面が肉厚で
ある場合は第6図に示すように、直接その端面の外側に
型抜き方向に開口する凹部51および61を設け、凹部
51側に凹部61に向けて突出する突起52を設けると
よい。なお、52aは型締めにより変形した先端であ
る。この場合、接合端面50、60の一部は直接当接さ
せる部分を最も内側に形成しておく。また、第7図に示
すように、凹部61側にも突起62を設けて突起52と
62同士が当接して変形するようにしてもよい。図面で
は突起52を長く、突起62を短く形成して長い突起5
2の先端が主として変形するように構成しているが、次
の隣接する突起52は短く、突起62は長くしてアンカ
ー作用をなす突起を対向する衝合端面から交互に突出さ
せる。さらにまた、第8図に示すように、半割体5の接
合端面50には型抜き方向の凹部51に突起52を形成
し、この先端が対向する凹部61に当接して傾斜し、ア
ンカーを形成するようにしてもよい。その場合、第9図
に示すように凹部61側に段部63を形成して突起52
の先端の変形方向を決定するようにしてもよい。この場
合においても突起と凹部または段部を形成する端面側は
交互となるように選択するのが好ましい。
【0010】以上、本発明方法を単純な溶融樹脂注入空
所に適用した場合について説明したが、同時に出願され
た屈曲路または多岐路のような溶融樹脂との接触面積を
拡大する工夫をした注入空所にも同様に適用できること
はいうまでもない。
【0011】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、射出成形された半割体をそれぞれ型内にてその
端面を互いに衝合して衝合部に接合用の溶融樹脂材料を
注入して接合して中空体を製造するにあたり、各半割体
の接合端面には1次成形において型抜き方向に突出する
突起を形成し、この突起を2次成形の型締め時に他の衝
合端面に当接させて変形させ、注入される溶融樹脂内に
埋設され、絡み付くアンカーとして機能させることがで
きるので、型抜き方向に半割体を物理的に係合でき、接
合強度は溶融樹脂の接合力だけの場合より飛躍的に向上
させることができ、容易に分離することのない中空体を
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法による成形状態を示す断面
図、
【図2】 図1の要部拡大斜視図、
【図3】 本発明の接合構造に溶融樹脂を注入した状態
を示す断面図、
【図4】 図3の要部拡大斜視図、
【図5】 本発明方法をフランジのない円筒形中空体の
接合端面に適用した場合の全体を表す断面図、
【図6】 図5の要部拡大断面図、
【図7】 図5の中空体に適用した本発明の他の実施例
を示す図6相当の断面図、
【図8】 本発明方法の第2変形例の図6相当の断面
図、
【図9】 本発明方法の第3変形例の図6相当の断面
図。
【符号の説明】
1は上型、2は下型、3および4は中空体の半割体、 11、12、21、22はスライドコア、 30および40は衝合端面、31、32はフランジ部、 33は突起または突条、41、42はフランジ部。 R1は溶融樹脂が注入される空所。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−142812(JP,A) 特公 昭42−014673(JP,B2) 実公 昭46−032262(JP,Y2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形された半割体をそれぞれ型内に
    てその端面を互いに衝合して衝合部に接合用の溶融樹脂
    材料を注入して接合する方法において、衝合部に形成さ
    れる溶融樹脂注入空所に、両半割体の衝合端面の少なく
    とも片面より突出する突起を設け、型締めによる半割体
    の衝合によって上記突起を変形させた状態にて上記溶融
    樹脂を注入し、硬化させて半割体を接合することを特徴
    とする合成樹脂製中空体の製造方法。
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JP4136299B2 (ja) * 2000-09-12 2008-08-20 キヤノン株式会社 合成樹脂製の部品結合体
JP4148023B2 (ja) 2003-05-22 2008-09-10 株式会社デンソー 中空成形品の成形方法および中空成形品
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DE102022106757A1 (de) 2022-03-23 2023-09-28 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Kunststoffbauteil für ein Kraftfahrzeug und Verfahren zum Fügen eines Kunststoffbauteils

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