JPH073905U - 複刃式ボーリング具 - Google Patents

複刃式ボーリング具

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JPH073905U
JPH073905U JP3299593U JP3299593U JPH073905U JP H073905 U JPH073905 U JP H073905U JP 3299593 U JP3299593 U JP 3299593U JP 3299593 U JP3299593 U JP 3299593U JP H073905 U JPH073905 U JP H073905U
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ドリルヘッド1に径方向に調整可能に装着さ
れる一対の切刃保持用カートリッジ2の背面側にその移
動方向に対して直交方向から常時弾性力を負荷する弾性
負荷手段5を設けて、それぞれのカートリッジ2が径方
向への移動時に該弾性力の負荷を受けながら移動可能と
なっている。 【効果】 切刃を保持する各切刃保持用カートリッジを
径方向に移動調整する際に、該カートリッジを幅方向に
変位することなく移動調整することができ、正確に調整
作業を行うことができ、また迅速容易に行うことができ
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、カウンタドリルなどに用いられ、径方向に一対の切刃を設けた複 刃ドリルに関するもので、より詳しくはドリルヘッドに径方向に移動自在に設け た切刃保持台であるカートリッジに一対の切刃が保持され、該一対のカートリッ ジを径方向に移動調整した位置で一対の切刃の対向間隔に相当する切削径を有す るドリルとして使用する複刃ドリルに係る。
【0002】
【従来の技術】
本考案の従来技術を本考案の一実施例を示す図1を借りて説明すると、図1に 示すように、ドリル本体11の接続孔11aにドリルヘッド1の接続部12を嵌 合し、ドリル本体11側からセットねじ13をねじ込み接続部12を押圧するこ とによってドリル本体11にドリルヘッド1を正確に同心状態に接続するように なっている。
【0003】 ドリルヘッド1には、図1〜図3に示すように一対の切刃保持用カートリッジ 2がドリルヘッド1の先端面に形成したガイド溝14に嵌合され、それぞれのカ ートリッジ2,2はガイド溝14に沿って互いに径方向に離反または接近するよ う移動調整自在となっており、その調整位置でロックボルト15とロックナット 16とかなるロック手段3によってドリルヘッド1に固定されるようになってい る。なおロックボルト15はドリルヘッド1にねじ込まれる部分のねじ部15a のねじピッチが大きく、ロックナット16がねじ込まれる部分のねじ部15bの ねじピッチが小さいというように両ねじ部15a,15bのねじピッチが相違す る所謂ディファレンシャルスクリューが用いられ、またロックナット16の底面 16aとこれに当接するカートリッジ2の当接面2aとはテーパー面に形成され ている。
【0004】 両カートリッジ2,2にはそれぞれ切刃4がビス止めされて保持されると共に 、その裏面側にはそれぞれ後述する作用を有する調節ピン17が一体に突設され 、また図7に示すように調節ピン17が径方向に移動可能なようにドリルヘッド 1の端面に切欠部18が形成され、且つ該切欠部18に連通してその径方向両側 にねじ孔19,20が貫設され、両ねじ孔19,20に前記調節ピン17を挟む ようにして調節ねじ21,22がねじ込まれている。
【0005】 図1に示すようにドリルヘッド1の径方向両端部の切刃4,4の対向間隔が切 削径Lであるが、この切削径Lを変える必要がある場合には、両カートリッジ2 に対するロック手段3を解除して両カートリッジ2をカイド溝14に沿って径方 向に移動調整しなければならないが、この調整方法は、図7に示すように調節ピ ン17を挟んでねじ込まれている調節ねじ21,22を移動させることによって 行うようになっている。即ち、切削径Lを大きくするために切刃4を図7で左方 向に移動調整するためには、上記一対の調節ねじ21,22のうち左側の調節ね じ21を六角レンチTを用いて調節ピン17から離反して左方向に移動させてお き、次に右側の調節ねじ22を六角レンチTによって調節ピン17を押し、これ と一体のカートリッジ2を左方向に移動させるようになっているが、カートリッ ジ2はロック手段3の解除によって径方向への移動を規制するものがないため、 調節ねじ22の押圧作用によって必要以上に径方向に移動することになり、この ため両調節ねじ21,22を数回左右に移動させるなどして微調整し、そして図 7に示すように切刃4の調節位置が計測器Mなどで計測することによって決まる とロック手段3によって両カートリッジ2をドリルヘッド1に固定するようにな っている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
上述のようにドリルヘッド1に設けた一対の切刃4,4による切削径Lを調整 するためには、切刃4を保持するカートリッジ2の裏面に突設した調節ピン17 を、これを挟んでドリルヘッド1にねじ込まれている一対の調節ねじ21,22 を左右に数回移動調整するという極めて面倒な調整作業を必要とするが、この原 因は上述のようにカートリッジ2に対するロック手段3のロックが解除されると 該カートリッジ2の径方向への移動を規制するものがないため、調整作業の際に カートリッジ2が必要以上に移動し、その移動位置を更に微調整する必要がある からである。
【0007】 従って本考案は、上述のカートリッジ2の調整作業の際に必要以上に径方向に 移動しないようし、これによって調整作業をできるだけ少なくすることを解決す べき課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本考案は、実施例に示す参照符号を付して示せ ば、請求項1に係る考案にあっては、ドリルヘッド1に一対の切刃保持用カート リッジ2が径方向に移動調整自在に取り付けられると共に、その調整位置でロッ ク手段3によって両カートリッジ2がドリルヘッド1に固定され、これによって 両カートリッジ2にそれぞれ保持された一対の切刃4がドリルヘッド1に径方向 に調整可能に装着されるようになっている複刃ドリルにおいて、各切刃保持用カ ートリッジ2の背面側にその移動方向に対して直交方向から常時弾性力を負荷す る弾性負荷手段5を設けて、それぞれのカートリッジ2が径方向への移動時に該 弾性力の負荷を受けながら移動可能となっている構成を採用してなるものである 。
【0009】 また請求項2に係る考案にあっては、弾性負荷手段5は、ドリルヘッド1に形 成した径方向の貫通孔6に内装され、前記カートリッジ2の背面2bに当接する 球体7とこれを押圧するスプリング8とスプリング圧を調整するためのフォロセ ットスクリュー9とからなる請求項1記載の構成を採用するものである。
【0010】 また請求項3にあっては、前記カートリッジ2の背面2bに前記貫通孔6の軸 線に対して偏心位置にV溝10を形成し、前記球体7がV溝10に偏心状態に当 接するようにしてなる請求項2記載の構成を採用するものである。
【0011】
【作用】
請求項1に係る考案によれば、切刃4を保持する各切刃保持用カートリッジ2 の背面側にその移動方向に対して直交方向から常時弾性力を負荷する弾性負荷手 段5を設けて、それぞれのカートリッジ2が径方向への移動時に該弾性力の負荷 を受けながら移動可能となっているため、カートリッジ2に対するロック手段3 のロックが解除されても、カートリッジ2はガイド溝14に沿ってがたつくこと なく、且つ常時弾性的に規制された状態で径方向に移動可能となっており、この ため上述の調節ピン17を押圧する調節ねじ21,22の移動量に正確に追従し て径方向に移動することになり、従来のように調節ねじ21,22の押圧作用に よってカートリッジ2が必要以上に移動することがないから調節ねじ21,22 をたびたび移動調整する必要がなく、調整操作を容易迅速に行うことが可能であ る。
【0012】 またカートリッジ2は弾性負荷手段5によって常にその移動方向に対して直交 方向に弾性力の負荷を受けているため、ドリルヘッド1とこのガイド溝14内を 移動するカートリッジ2との間のクリアランスによってカートリッジ2が変位す るというようなことがなく、ミクロン単位に正確な取付位置を維持することがで きる。
【0013】 また請求項2に係る考案によれば、弾性負荷手段5は、ドリルヘッド形成した 径方向の貫通孔6に内装され、前記カートリッジ2の背面2bに当接する球体7 とこれを押圧するスプリング8とスプリング圧を調整するためのフォロセットス クリュー9とからなるため、その構成が極めて簡単であり、弾性負荷手段5の弾 性力の調整を容易に行うことができる。
【0014】 また請求項3に係る考案によれば、前記カートリッジ2の背面2bに前記貫通 孔6の軸線に対して偏心位置にV溝10を形成し、前記球体7がV溝10に偏心 状態に当接するようにしてなるため、ロック手段3を解除することによって、図 4に示すようにカートリッジ2に対する径方向と軸方向の合力であるベクトル力 によってカートリッジ2とドリルヘッド1との間に微小な間隙を形成することが でき、これによってカートリッジ2は弾性負荷手段5の弾性負荷力を受けてその 幅方向と軸方向の取付位置を維持しながら調整方向に円滑に移動することができ る。
【0015】 また調整位置でカートリッジ2をロック手段3によってドリルヘッド1に固定 する際にも、カートリッジ2は弾性負荷手段5によって常時押圧されているから 固定時の動揺を阻止して正確に固定することができる。
【0016】
【実施例】
図1〜図2は、本考案の一実施例の外観を示すもので、従来技術と同様の構成 要素については従来技術の説明の項で述べた符号を付してその説明を省略するも のとし、図3〜図5において、ドリルヘッド1に装着される切刃保持用カートリ ッジ2はその背面2b側にその長手方向に沿ってその全域に90°のV溝10が 形成されている。また弾性負荷手段5は、球体7とこれを押圧するスプリング8 とスプリング圧を調整するフォロセットスクリュー9とからなり、これらはドリ ルヘッド1に径方向に形成した貫通孔6に内装されている。そして前記V溝10 に対し貫通孔6に該V溝10から図3に示すように若干上方側に偏倚した位置に 形成され、従ってこれに内装する球体7がV溝10に押接することによって各カ ートリッジ2に軸方向と径方向の合力であるベクトル圧が負荷し、これによって 図4に示すようにカートリッジ2をドリルヘッド1の径方向と共に奥行側にも弾 性負荷手段5の弾性力の負荷を受けている。
【0017】 カートリッジ2を径方向に移動調整するためには、ロック手段3におけるロッ クボルト15にねじ込まれているロックナット16を若干弛めればよい。これに よって各カートリッジ2の背面2b側にはそのV溝10に弾性負荷手段5の弾性 力を受け、且つカートリッジ2の内周側のテーパー状の当接面2aはロックナッ ト16の底面16aに当接した状態にあり、更にカートリッジ2の底面2cはド リルヘッド1のガイド溝14の底面に当接した状態にあり、これがためにロック 手段3を弛めても、カートリッジ2はドリルヘッド1との間のクリアランスによ って変位することがなく、カートリッジ2のドリルヘッド1からの突出方向と幅 方向の位置を維持しながら径方向に移動可能となっている。
【0018】 この状態で図7に示すように、調節ピン17を挟んでねじ込まれている調節ね じ21,22を六角レンチTを用いて左右にねじ込んで調節ピン17を押圧すれ ばよい。この際調節ピン17と一体のカートリッジ2は常に弾性負荷手段5の弾 性負荷力を受けているから、調節ねじ21,22の押圧作用によって必要以上に 移動することなく該調節ねじの押圧分だけ正確に移動し、且つ移動時に前述のよ うに幅方向と軸方向の位置を維持しながら移動することになる。
【0019】 そして計測器Mで計測することによって切刃4が所要の調整位置に達すると再 びロックナット16を緊締することによって、その緊締時においても弾性負荷手 段5の負荷を受けてその位置を維持しながらカートリッジ2をドリルヘッド1に 固定することができる。
【0020】
【考案の効果】
請求項1に係る考案によれば、切刃を保持する各切刃保持用カートリッジを径 方向に移動調整する際に、該カートリッジを幅方向に変位することなく移動調整 することができ、正確に調整作業を行うことができ、また迅速容易に行うことが できる。
【0021】 更にカートリッジは弾性負荷手段によって常時定位置に維持されるからカート リッジとドリルヘッドとの間の遊動間隙を可及的に少なくすることができ、ミク ロン単位の公差にもってくることができる。
【0022】 また請求項2に係る考案によれば、弾性負荷手段は、ドリルヘッドに形成した 径方向の貫通孔に内装され、前記カートリッジの背面に当接する球体とこれを押 圧するスプリングとスプリング圧を調整するためのフォロセットスクリューとか らなるため、その構成が極めて簡単であり、弾性負荷手段の弾性力の調整を容易 に行うことができる。
【0023】 また請求項3に係る考案によれば、切刃を保持する各切刃保持用カートリッジ を径方向に移動調整する際に、該カートリッジを幅方向に変位することなく移動 調整することができるのみならず、カートリッジの突出方向、即ち軸方向にも変 位することなく正確に調整作業を行うことができる。
【提出日】平成5年6月30日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、複刃のバランスカットなどに用いられ、径方向に一対の切刃を設 けた複刃ボーリング具に関するもので、より詳しくはボーリングヘッドに径方向 に移動自在に設けた切刃保持台であるカートリッジに一対の切刃が保持され、該 一対のカートリッジを径方向に移動調整した位置で一対の切刃の対向間隔に相当 する切削径を有する穿孔具として使用する複刃式ボーリング具に係る。
【0002】
【従来の技術】
本考案の従来技術を本考案の一実施例を示す図1を借りて説明すると、図1に 示すように、ボーリング本体11の接続孔11aにボーリングヘッド1の接続部 12を嵌合し、ボーリング本体11側からセットねじ13をねじ込み接続部12 を押圧することによってボーリング本体11にボーリングヘッド1を正確に同心 状態に接続するようになっている。
【0003】 ボーリングヘッド1には、図1〜図3に示すように一対の切刃保持用カートリ ッジ2がボーリングヘッド1の先端面に形成したガイド溝14に嵌合され、それ ぞれのカートリッジ2,2はガイド溝14に沿って互いに径方向に離反または接 近するよう移動調整自在となっており、その調整位置でロックボルト15とロッ クナット16とかなるロック手段3によってボーリングヘッド1に固定されるよ うになっている。なおロックボルト15はボーリングヘッド1にねじ込まれる部 分のねじ部15aのねじピッチが大きく、ロックナット16がねじ込まれる部分 のねじ部15bのねじピッチが小さいというように両ねじ部15a,15bのね じピッチが相違する所謂ディファレンシャルスクリューが用いられ、またロック ナット16の底面16aとこれに当接するカートリッジ2の当接面2aとはテー パー面に形成されている。
【0004】 両カートリッジ2,2にはそれぞれ切刃4がビス止めされて保持されると共に 、その裏面側にはそれぞれ後述する作用を有する調節ピン17が一体に突設され 、また図7に示すように調節ピン17が径方向に移動可能なようにボーリングヘ ッド1の端面に切欠部18が形成され、且つ該切欠部18に連通してその径方向 両側にねじ孔19,20が貫設され、両ねじ孔19,20に前記調節ピン17を 挟むようにして調節ねじ21,22がねじ込まれている。
【0005】 図1に示すようにボーリングヘッド1の径方向両端部の切刃4,4の対向間隔 が切削径Lであるが、この切削径Lを変える必要がある場合には、両カートリッ ジ2に対するロック手段3を解除して両カートリッジ2をカイド溝14に沿って 径方向に移動調整しなければならないが、この調整方法は、図7に示すように調 節ピン17を挟んでねじ込まれている調節ねじ21,22を移動させることによ って行うようになっている。即ち、切削径Lを大きくするために切刃4を図7で 左方向に移動調整するためには、上記一対の調節ねじ21,22のうち左側の調 節ねじ21を六角レンチTを用いて調節ピン17から離反して左方向に移動させ ておき、次に右側の調節ねじ22を六角レンチTによって調節ピン17を押し、 これと一体のカートリッジ2を左方向に移動させるようになっているが、カート リッジ2はロック手段3の解除によって径方向への移動を規制するものがないた め、調節ねじ22の押圧作用によって必要以上に径方向に移動することになり、 このため両調節ねじ21,22を数回左右に移動させるなどして微調整し、そし て図7に示すように切刃4の調節位置が計測器Mなどで計測することによって決 まるとロック手段3によって両カートリッジ2をボーリングヘッド1に固定する ようになっている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
上述のようにボーリングヘッド1に設けた一対の切刃4,4による切削径Lを 調整するためには、切刃4を保持するカートリッジ2の裏面に突設した調節ピン 17を、これを挟んでボーリングヘッド1にねじ込まれている一対の調節ねじ2 1,22を左右に数回移動調整するという極めて面倒な調整作業を必要とするが 、この原因は上述のようにカートリッジ2に対するロック手段3のロックが解除 されると該カートリッジ2のがたつきを規制するものがないため、調整作業の際 にカートリッジ2が必要以上に移動し、その移動位置を更に微調整する必要があ るからである。
【0007】 従って本考案は、上述のカートリッジ2の調整作業の際に必要以上にがたつき が生じないようし、これによって調整作業をできるだけ少なくすることを解決す べき課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本考案は、実施例に示す参照符号を付して示せ ば、請求項1に係る考案にあっては、ボーリングヘッド1に一対の切刃保持用カ ートリッジ2が径方向に移動調整自在に取り付けられると共に、その調整位置で ロック手段3によって両カートリッジ2がボーリングヘッド1に固定され、これ によって両カートリッジ2にそれぞれ保持された一対の切刃4がボーリングヘッ ド1に径方向に調整可能に装着されるようになっている複刃ドリルにおいて、各 切刃保持用カートリッジ2の背面側にその移動方向に対して側面方向から常時弾 性力を負荷する弾性負荷手段5を設けて、それぞれのカートリッジ2が径方向へ の移動時に該弾性力の負荷を受けながら移動可能となっている構成を採用してな るものである。
【0009】 また請求項2に係る考案にあっては、弾性負荷手段5は、ボーリングヘッド1 に形成した径方向の貫通孔6に内装され、前記カートリッジ2の背面2bに当接 する押圧体7とこれを押圧するスプリング8とスプリング圧を調整するためのフ ォロセットスクリュー9とからなる請求項1記載の構成を採用するものである。
【0010】 また請求項3にあっては、前記カートリッジ2の背面2bに前記貫通孔6の軸 線に対して偏心位置にV溝10を形成し、前記球体7がV溝10に偏心状態に当 接するようにしてなる請求項2記載の構成を採用するものである。
【0011】
【作用】
請求項1に係る考案によれば、切刃4を保持する各切刃保持用カートリッジ2 の背面側にその移動方向に対して側面方向から常時弾性力を負荷する弾性負荷手 段5を設けて、それぞれのカートリッジ2が径方向への移動時に該弾性力の負荷 を受けながら移動可能となっているため、カートリッジ2に対するロック手段3 のロックが解除されても、カートリッジ2はガイド溝14に沿ってがたつくこと なく、且つ常時弾性的に規制された状態で径方向に移動可能となっており、この ため上述の調節ピン17を押圧する調節ねじ21,22の移動量に正確に追従し て径方向に移動することになり、従来のように調節ねじ21,22の押圧作用に よってカートリッジ2が必要以上に移動することがないから調節ねじ21,22 をたびたび移動調整する必要がなく、調整操作を容易迅速に行うことが可能であ る。
【0012】 またカートリッジ2は弾性負荷手段5によって常にその移動方向に対して側面 方向に弾性力の負荷を受けているため、ボーリングヘッド1とこのガイド溝14 内を移動するカートリッジ2との間のクリアランスによってカートリッジ2が変 位するというようなことがなく、ミクロン単位に正確な取付位置を維持すること ができる。
【0013】 また請求項2に係る考案によれば、弾性負荷手段5は、ボーリングヘッド1に 形成した径方向の貫通孔6に内装され、前記カートリッジ2の背面2bに当接す る球体などの押圧体7とこれを押圧するスプリング8とスプリング圧を調整する ためのフォロセットスクリュー9とからなるため、その構成が極めて簡単であり 、弾性負荷手段5の弾性力の調整を容易に行うことができる。
【0014】 また請求項3に係る考案によれば、前記カートリッジ2の背面2bに前記貫通 孔6の軸線に対して偏心位置にV溝10を形成し、前記球体7がV溝10に偏心 状態に当接するようにしてなるため、ロック手段3を解除することによって、図 4に示すようにカートリッジ2に対する径方向と軸方向の合力であるベクトル力 によってカートリッジ2とボーリングヘッド1との間に微小な間隙を形成するこ とができ、これによってカートリッジ2は弾性負荷手段5の弾性負荷力を受けて その幅方向と軸方向の取付位置を維持しながら調整方向に円滑に移動することが できる。
【0015】 また調整位置でカートリッジ2をロック手段3によってボーリングヘッド1に 固定する際にも、カートリッジ2は弾性負荷手段5によって常時押圧されている から固定時の動揺を阻止して正確に固定することができる。
【0016】
【実施例】
図1〜図2は、本考案の一実施例の外観を示すもので、従来技術と同様の構成 要素については従来技術の説明の項で述べた符号を付してその説明を省略するも のとし、図3〜図5において、ボーリングヘッド1に装着される切刃保持用カー トリッジ2はその背面2b側にその長手方向に沿ってその全域に90°のV溝1 0が形成されている。また弾性負荷手段5は、球体7とこれを押圧するスプリン グ8とスプリング圧を調整するフォロセットスクリュー9とからなり、これらは ボーリングヘッド1に径方向に形成した貫通孔6に内装されている。そして前記 V溝10に対し貫通孔6に該V溝10から図3に示すように若干上方側に偏倚し た位置に形成され、従ってこれに内装する球体7がV溝10に押接することによ って各カートリッジ2に軸方向と径方向の合力であるベクトル圧が負荷し、これ によって図4に示すようにカートリッジ2をボーリングヘッド1の径方向と共に 奥行側にも弾性負荷手段5の弾性力の負荷を受けている。
【0017】 カートリッジ2を径方向に移動調整するためには、ロック手段3におけるロッ クボルト15にねじ込まれているロックナット16を若干弛めればよい。これに よって各カートリッジ2の背面2b側にはそのV溝10に弾性負荷手段5の弾性 力を受け、且つカートリッジ2の内周側のテーパー状の当接面2aはロックナッ ト16の底面16aに当接した状態にあり、更にカートリッジ2の底面2cはボ ーリングヘッド1のガイド溝14の底面に当接した状態にあり、これがためにロ ック手段3を弛めても、カートリッジ2はボーリングヘッド1との間のクリアラ ンスによって変位することがなく、カートリッジ2のボーリングヘッド1からの 突出方向と幅方向の位置を維持しながら径方向に移動可能となっている。
【0018】 この状態で図7に示すように、調節ピン17を挟んでねじ込まれている調節ね じ21,22を六角レンチTを用いて左右にねじ込んで調節ピン17を押圧すれ ばよい。この際調節ピン17と一体のカートリッジ2は常に弾性負荷手段5の弾 性負荷力を受けているから、調節ねじ21,22の押圧作用によって必要以上に 移動することなく該調節ねじの押圧分だけ正確に移動し、且つ移動時に前述のよ うに幅方向と軸方向の位置を維持しながら移動することになる。
【0019】 そして計測器Mで計測することによって切刃4が所要の調整位置に達すると再 びロックナット16を緊締することによって、その緊締時においても弾性負荷手 段5の負荷を受けてその位置を維持しながらカートリッジ2をボーリングヘッド 1に固定することができる。
【0020】
【考案の効果】
請求項1に係る考案によれば、切刃を保持する各切刃保持用カートリッジを径 方向に移動調整する際に、該カートリッジを幅方向に変位することなく移動調整 することができ、正確に調整作業を行うことができ、また迅速容易に行うことが できる。
【0021】 更にカートリッジは弾性負荷手段によって常時定位置に維持されるからカート リッジとボーリングヘッドとの間の遊動間隙を可及的に少なくすることができ、 ミクロン単位の公差にもってくることができる。
【0022】 また請求項2に係る考案によれば、弾性負荷手段は、ボーリングヘッドに形成 した径方向の貫通孔に内装され、前記カートリッジの背面に当接する球体とこれ を押圧するスプリングとスプリング圧を調整するためのフォロセットスクリュー とからなるため、その構成が極めて簡単であり、弾性負荷手段の弾性力の調整を 容易に行うことができる。
【0023】 また請求項3に係る考案によれば、切刃を保持する各切刃保持用カートリッジ を径方向に移動調整する際に、該カートリッジを幅方向に変位することなく移動 調整することができるのみならず、カートリッジの突出方向、即ち軸方向にも変 位することなく正確に調整作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の一実施例の正面図である。
【図2】 同平面図である。
【図3】 図1のAーA線断面図である。
【図4】 同要部の拡大断面図である。
【図5】 同要部の斜視図である。
【図6】 同要部の正面図である。
【図7】 同使用状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 ドリルヘッド 2 切刃保持用カートリッジ 3 ロック手段 4 切刃 5 弾性負荷手段 6 貫通孔 7 球体 8 スプリング 9 フォロセットスクリュー 10 V溝
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月30日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 複刃式ボーリング具
【実用新案登録請求の範囲】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の一実施例の正面図である。
【図2】 同平面図である。
【図3】 図1のAーA線断面図である。
【図4】 同要部の拡大断面図である。
【図5】 同要部の斜視図である。
【図6】 同要部の正面図である。
【図7】 同使用状態を示す正面図である。
【符号の説明】 1 ボーリングヘッド 2 切刃保持用カートリッジ 3 ロック手段 4 切刃 5 弾性負荷手段 6 貫通孔 7 押圧体(球体) 8 スプリング 9 フォロセットスクリュー 10 V溝

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドリルヘッドに一対の切刃保持用カート
    リッジが径方向に移動調整自在に取り付けられると共
    に、その調整位置でロック手段によって両カートリッジ
    がドリルヘッドに固定され、これによって両カートリッ
    ジにそれぞれ保持された一対の切刃がドリルヘッドに径
    方向に調整可能に装着されるようになっている複刃ドリ
    ルにおいて、各切刃保持用カートリッジの背面側にその
    移動方向に対して直交方向から常時弾性力を負荷する弾
    性負荷手段を設けて、それぞれのカートリッジが径方向
    への移動時に該弾性力の負荷を受けながら移動可能とな
    っている複刃ドリル。
  2. 【請求項2】 弾性負荷手段は、ドリルヘッドに形成し
    た径方向の貫通孔に内装され、前記カートリッジの背面
    に当接する球体とこれを押圧するスプリングとスプリン
    グ圧を調整するためのフォロセットスクリューとからな
    る請求項1記載の複刃ドリル。
  3. 【請求項3】 前記カートリッジの背面に前記貫通孔の
    軸線に対して偏心位置にV溝を形成し、前記球体がV溝
    に偏心状態に当接するようにしてなる請求項2記載の複
    刃ドリル。
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CN114505510A (zh) * 2022-02-23 2022-05-17 浙江品上智能科技有限公司 一种可微调同时车削的双刀头车刀

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