JPH0738799B2 - 新規な酵素活性測定用基質 - Google Patents

新規な酵素活性測定用基質

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JPH0738799B2
JPH0738799B2 JP17378888A JP17378888A JPH0738799B2 JP H0738799 B2 JPH0738799 B2 JP H0738799B2 JP 17378888 A JP17378888 A JP 17378888A JP 17378888 A JP17378888 A JP 17378888A JP H0738799 B2 JPH0738799 B2 JP H0738799B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、トリプシン、α−マクログロブリン−トリ
プシン複合体(以下α2M−Tryと略す)などの酵素活性
を測定するのに有用な新規酵素活性測定用基質に関す
る。本発明の基質は、従来、報告されている基質に比し
て、極めて選択性、反応性に優れ、例えば、トリプシン
が形成、阻害又は消費される反応の研究、又はそれ等に
関与する因子の測定に利用できるとともに医療分野にお
いては、膵炎の診断に有用である。
従来の技術 トリプシンなどの酵素活性を測定する方法として、酵素
と反応する基質を利用して酵素を測定する方法がある。
このような方法に用いる酵素活性測定用基質として、こ
れまで多くの基質が開発されている。例えばトリプシン
活性測定用基質としては、古くはゼラチン、ヘモグロビ
ン等の蛋白質が用いられていたが、膵液や十二脂腸液で
は他の蛋白質分解酵素、例えばキモトリプシン、エラス
ターゼ等が共存するため、この基質を用いて膵液や十二
脂腸液中のトリプシン活性を測定する方法は適当でな
い。
トリプシンが蛋白質分解作用の他にアミダーゼ、エステ
ラーゼ作用を有していることが、Bergmann等[J.Biol.C
hem.,130、81〜86(1939)]によつて報告されて以来、
多くの合成基質(例えばBz−Arg−NH2、Tos−Arg−OM
e、Bz−D,L−Arg−pNA、Tos−Arg−pNA等)が開発され
てきたが、これらの多くの合成基質は、血清や腹水など
の検体中のセリンプロテイアーゼ、例えば、トロンビ
ン、Factorxa、補体、カリクレインなどの酵素活性の類
似する物質との交叉反応をおこし、また目的とするトリ
プシン自体との反応性も充分でなく測定に時間を要し、
再現性などにも問題があり、実用には耐えかねるもので
あつた。
近年、トリプシン用基質としてZ−Val−Gly−Arg−pNA
(CHR−TRY、Pentapharm社、United States Patent N
o.4278762、patentd on Jul.14、1981)、Bz−Ile−Glu
(γ−OR)−Gly−Arg−pNA−HCl(S−2222、Kabi社、
J.Gastroent.、、533(1970)Bergstrom,K)などのペ
プチド型のアルギニルアニリド誘導体が開発されたが、
選択性、反応性、溶解性等に問題があり、また高価格で
あるなどまだ充分とは言えない。
酵素活性測定用基質は、酵素に対する高感度及び特異
性、水あるいは緩衝液に対する良好な溶解性、及び分解
物の易検出性の4点を満足することが肝要であるが、以
上述べてきたようにこれらを満たすような例えばトリプ
シンなどの酵素活性測定用基質の開発は、まだ十分な状
態とは言えない。
発明が解決しようとする課題 前記の点から既に明らかなとおり、トリプシン、α2M−
Tryなどの酵素活性測定に使用することのできる基質は
膵炎などの診断に極めて有用であり、その必要性は依然
として存在する。その基質は前記の問題点を解決するも
のであるべきである。使用するトリプシン、α2M−Try
などの酵素活性測定用基質は、溶解度が高く、基質阻害
もなく、測定用の反応は基質限定的でなく、かつ目的と
する酵素に対して選択性、反応性に優れ、合成法も容易
なものであるべきである。
しかして、本発明の目的は、これらの要求を具備する優
れた酵素活性測定用基質を提供することにある。
課題を解決するための手段 本発明者は、或る種のアルギニルアニリドが例えばトリ
プシン、α2M−Tryなどの酵素活性測定用の優れた基質
であることを見出した。
即ち、本発明は下記式 A−B−Arg−X [式中、AはpyroGlu基又はD−Glu(OR又はNR′R″)
基(OR及びNR′R″はグルタミン酸のγ−カルボキシ基
に結合する基であり、Rは水素原子、置換もしくは非置
換の炭素数1〜8のアルキル基又は置換もしくは非置換
の炭素数3〜8のシクロアルキル基、R′及びR″は同
じでも異なつていてもよく、水素原子、炭素数1〜7の
アルキル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、又は
R′とR″とが一緒になつて窒素原子を含む炭素数2〜
7のシクロアルキル基を示す。)であり;BはGly基、Pro
基、Pip基、Sar基又はAla基であり;Xはp−ニトロアニ
リン残基又はその誘導体残基である]で表わされる酵素
活性測定用基質及びその塩である。
本明細書において使用する略号の意味は以下の通りであ
る。
Arg=アルギニン Gly=グリシン Glu=グルタミン酸 pyroGlu=ピログルタミン酸 Pro=プロリン Pip=ピペコリン酸 Ala=アラニン Sar=サルコシン Val=バリン Ile=イソロイシン Phe=フエニルアラニン −pNA=p−ニトロアニリド Boc=第3ブチルオキシカルボニル Bzl=ベンジル tBu=第3ブチル Z=ベンジルオキシカルボニル WSC=水溶性カルボジイミド DCC=ジシクロヘキシルカルボジイミド TosOH=p−トルエン スルフオン酸 Tos=p−トルエンスルフオニル DMF=ジメチルホルムアミド 本発明の酵素活性測定用基質を表わす上記式において、
AはpyroGlu基又はD−Glu(OR又はNR′R″)基であ
り、好ましくはD−Glu(OR又はNR′R″)基である。
ここでRは水素原子又は置換もしくは非置換の炭素数1
〜8のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数3〜
8のシクロアルキル基(Rは水素原子以外の場合ORはエ
ステル基を形成する)である。かかるアルキル基として
は例えばメチル、n−プロピル(nPr)、i−プロピル
(iPr)、t−ブチル(tBu)、ペンチル−3−イル、n
−ヘキシル(nHex)、ヘプチル、オクチル(Oct)、オ
クチル−3−イル(30ct)などの非置換の炭素数1〜8
のアルキル基;シクロヘキシルメチルなどの炭素数3〜
6のシクロアルキル基で置換された炭素数1〜8のアル
キル基;ベンジル(Bzl)などの、フエニル基で置換さ
れた炭素数1〜8のアルキル基等が挙げられる。シクロ
アルキル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどの非置換の炭
素数3〜8のシクロアルキル基;2−メチルシクロヘキシ
ル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキ
シルなどの炭素数1〜4のアルキル基で置換されたシク
ロヘキシル等が挙げられる。
R′及びR″は同じでも異なつていてもよく、水素原
子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数3〜7のシクロ
アルキル基、又はR′とR″とが一緒になつて窒素原子
を含む炭素数2〜7のシクロアルキル基(これらの場合
NR′R″はアミド基を形成する)である。かかるアルキ
ル基としては例えばメチル、エチル、i−プロピル(iP
r)、n−プロピル(nPr)、n−ヘキシルなどが挙げら
れ、シクロアルキル基としては例えばシクロヘプチル、
シクロヘキシルなどが挙げられる。R′とR″とが一緒
になつて窒素原子を含む炭素数2〜7のシクロアルキル
基としては例えばピペリジノ、ピロリジノなどが挙げら
れる。
上記式においてBはGly基、Pro基、Pip基、Sar基、又は
Ala基であり、好ましくはGly基である。
Xは発色基に相当する基であり、p−ニトロアニリン残
基又はその誘導体残基を示す。かかる誘導体残基として
は、例えば3−カルボキシ−4−ニトロアニリン残基;3
−メトキシカルボニル−4−ニトロアニリン、3−エト
キシカルボニル−4−ニトロアニリンなどの3−C1-6
ルコキシカルボニル−4−ニトロアニリン残基;3−ベン
ジルオキシカルボニル−4−ニトロアニリン残基;3−N
−メチルカルバモイル−4−ニトロアニリン、3−N−
エチルカルバモイル−4−ニトロアニリン、3−N−ブ
チルカルバモイル−4−ニトロアニリンなどの3−N−
C1-6アルキルカルバモイル−4−ニトロアニリン残基等
が挙げられる。
上記式におけるアミノ酸残基は、ことわりのない限りL
体である。
本発明の基質は酸付加塩であつてもよく、かかる酸付加
塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、
硫酸塩、硝酸塩などの無機酸塩;コハク酸塩、リンゴ酸
塩、クエン酸塩、乳酸塩、ベンゼンスルホン酸塩などの
有機酸塩等が挙げられる。
本発明による好ましい基質の1例は である。
他の好ましい基質としては、例えば以後に示す実施例に
おいて記載された基質などが挙げられる。
上記式で表わされる本発明の基質は、ペプチド化学にお
いてよく知られる方法により合成される。即ち、基質合
成は、最初p−ニトロアニリン又はその誘導体などの発
色基となる化合物をアルギニンに結合させ、次いで逐次
的にアミノ酸をカツプリングしていく方法により行なう
ことができる。或いはN−末端ジペプチドフラグメント
自体を最初に合成し、それに発色基を有するアルギニン
を結合させて合成することも可能である。
上記の反応を行なうに際しては、反応を行なうアミノ
酸、ジペプチドフラグメントなどの分子中に存在する反
応に直接関与しないアミノ基、カルボキシ基は、ペプチ
ド合成で通常使用される保護基で保護する。アミノ保護
基としては、カルボベンゾキシ、第3ブチルオキシカル
ボニル;それに関連する基、例えば、p−メトキシ、p
−ニトロ又はp−メトキシフエニルアゾールカルボベン
ゾキシ基;及びフタロイル基等を用いるのが、有利であ
る。カルボキシ保護基としては、ベンジル、t−ブチル
などによるエステル基が有利である。
アルギニンを反応に用いるに際しては、通常アルギニン
のδ−グアニジノ基を保護する。かかる保護にはニトロ
基やプロトン化を用いるのが有利である。
以上に述べた保護基は、反応後、それ自体公知の方法に
よつて脱離することができる。
2個のアミノ酸のカツプリング、ジペプチドとアミノ酸
のカツプリング、発色基となる化合物とアルギニンのカ
ツプリング等は、ペプチド合成に通常使用される活性エ
ステル化法、混合酸無水物法あるいはカルボジイミド法
により行われる。活性エステル化法はα−カルボキシル
基の活性化により行なわれ、例えばN−ヒドロキシサク
シニツクイミド、p−ニトロフエノール、トリクロロフ
エノール、4,6−ジメチルピリミジル−2−チオール等
を用いた活性エステル化法が有利である。混合酸無水物
法では、炭酸モノアルキルエステル塩化物、例えば、イ
ソブチルクロロホルメートを用いるのが有用である。
カルボジイミド法では、カルボジイミド、例えばN,N′
−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の存在下で
行なうのが有利である。
上記式のD−Glu(OR又はNR′R″)基におけるグルタ
ミン酸のγ位のカルボキシ基のエステル化は、対応する
アルコールとの縮合、例えば酸触媒下の3−ペンタノー
ル、ベンジルアルコールなどとの脱水縮合、あるいはイ
ソブテンとの反応などによつて行うのが有利である。グ
ルタミン酸のγ位のアミド化は、対応するアミンとの縮
合、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)存
在下での例えばジイソプロピルアミンとの縮合によるの
が有利である。
発明の効果 本発明の基質の特徴は、トリプシン、α2M−Tryなどの
酵素に対して優れた基質特異性及び反応性を有し、水あ
るいは緩衝液に対する溶解性に優れていることにある。
例えば、新規基質: CHR−TRY(Pentapharm社、Z−Val−Gly−Arg−pNA・HC
l)及びS−2222(Kabi社、Bz−Ile−Glu(OR)−Gly−
Arg−pNA・HCl;R=HまたはCH3)と、トリプシン、α2M
−Try及び正常血清との相対反応性を、S−2222を1.0と
して示すと第8及び9表の如くなり、トリプシン及びα
2M−Tryに対する反応性はほぼS−2222と同程度である
が、正常血清に対する反応性が著しく低下しており、選
択性の向上という点では著しい進歩であり無希釈検体
(例えば血清や腹水)を用いて検体中の微量のトリプシ
ン又はα2M−Try活性を他酵素の妨害を受けずに測定す
ることが可能となる。またCHR−TRY、S−2222と比べて
水、及び緩衝液に対する溶解性に優れており、従来より
も高濃度の基質液の調製が可能となつた。
以上の通り本発明の基質は、トリプシン、α2M−Try等
の酵素活性測定用基質として、従来のものに比べ非常に
優れていることが明らかであり、膵炎などの診断薬とし
て極めて有用である。
実施例 本発明を以下実施例により詳細に説明するが、本発明は
これら実施例に限定されるものではない。
本実施例の薄層クロマトグラフイー(TLC)分析は、シ
リカゲルF254(メルク製)プレートを使用した。アミノ
酸は特にことわらなければL−体を示す。
実施例1 (基質No.16)の合成 I.Boc−D−Glu(OCH・(C2H5)−OHの合成 Boc−D−Glu−OBzl6.74g(20m mol)を無水塩化メチレ
ン20mlに溶解し、氷冷下、4−ジメチル−アミノピリジ
ン244mg(2m mol)、WSC・HCl3.83g(20m mol)、3−
ペンタノール5.28g(60m mol)を加え、5分間、撹拌下
反応を行う。次いで、反応温度を室温まで上昇させ引き
続き撹拌下反応を3時間行ない、冷5%塩酸30ml×2、
飽和食塩水30ml×2、10%炭酸水素ナトリウム水溶液30
ml×2、飽和食塩水30ml×2にて洗浄後、無水硫酸マグ
ネシウムにて乾燥する。乾燥後、硫酸マグネシウムを濾
別し、減圧下溶媒を留去する。残渣をシリカゲルクロマ
トにより精製を行ない、酢酸エチル−n−ヘキサンより
再結晶を行ない Boc−D−Glu(OCH・(C2H5)−OBzl6.51g(80%)
を得る。
Rf=0.68(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:3) 元素分析 C H N 測定値 64.64% 8.53% 3.38% 理論値 64.84% 8.16% 3.44% 次いでBoc−D−Glu(OCH・(C2H5)−OBzl6.51g
(16mmol)をエタノール200mlに溶解後、パラジウム黒1
gを加え、室温下、水素気流中、1時間還元を行う。触
媒を濾別後、減圧下、溶媒を留去し残渣を酢酸エチル−
n−ヘキサンより再結晶を行ない4.39g(87%)のBoc−
D−Glu(OCH・(C2H5)−OHを得る。
Rf=0.55(CHCl3:AcOH=9.5:0.5) 元素分析 (Boc−D−Glu(OCH・(C2H5)−OH・1/4H2O) 測定値 C;56.07% H;8.96% N;4.38% 理論値 C;55.97% H;8.61% N;4.35% II.Boc−D−Glu(OCH・(C2H5)−Gly−OHの合成 Boc−D−Glu(OCH・(C2H5)−CH2.45g(7.73m mo
l)を酢酸エチル30mlに溶解後、4,6−ジメチル−ピリミ
ジル−2−チオール1.19g(8.50m mol)を加え、DCC1.5
9g(7.73m mol)を溶解した酢酸エチル溶液を氷冷下に
滴下し、次いで、室温下にて一晩撹拌下反応を行なう。
析出物を濾別後、濾液を10%炭酸水素ナトリウム水溶液
50ml×2、飽和食塩水50ml×2にて洗浄後、無水硫酸マ
グネシウムにて乾燥を行なう。乾燥剤を濾別後、減圧下
溶媒を留去すると3.16g(93%)の活性エステルが得ら
れる。
次に、H−Gly−OBzl・TosOH2.66g(11.6m mol)を酢酸
エチル100mlにけん濁させ、氷冷下N−エチル−モルホ
リン1.51ml(11.6m mol)を滴下し、5分間撹拌反応を
行ない、次いで先に調整した活性エステル3.16g(7.20m
mol)を溶解した酢酸エチル100ml溶液を氷冷下に加
え、一晩撹拌反応を行なう。
反応液を冷5%塩酸、150ml×2、飽和食塩水150ml×
2、10%炭酸水素ナトリウム水溶液150ml×2、飽和食
塩水150ml×2にて洗浄後、無水硫酸マグネシウム及び
活性炭にて脱色乾燥を行なう。
乾燥剤、活性炭を濾別し、減圧下溶媒を留去し、残渣を
シリカゲルクロマトにより精製を行ない、無色透明油状
の Boc−D−Glu(OCH・(C2H5)−Gly−OBzl2.84g(8
5%)を得る。
Rf=0.65(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1) 元素分析 測定値 C;61.64% H;8.15% N;5.96% 理論値 C;62.05% H;7.81% N;6.03% 次いでBoc−D−Glu(OCH・(C2H5)−OBzl2.84g
(6.12m mol)をエタノール200mlに溶解後、パラジウム
黒1gを加え、室温下、水素気流中、1時間還元を行う。
触媒を濾別後、減圧下、溶媒を留去し、2.09g(91%)
の油状の Boc−D−Glu(OCH・(C2H5)−Gly−OHを得る。
Rf=0.1(クロロホルム:酢酸=9.5:0.5) 元素分析 測定値 C;54.33% H;8.29% N;7.49% 理論値 C;54.53% H;8.08% N;7.48% III. の合成 Boc−Arg−OH・HCl・H2O13.15g(40m mol)を無水ピリ
ジン80mlに溶解後、 9.53g(40m mol)を加え、次いで氷冷下DCC18.16g(88m
mol)を溶解したピリジン溶液を撹拌下滴下し、次いで
室温下にて一晩撹拌反応を行なう。
反応液に酢酸エチル160mlを加え、不溶物を濾別後、減
圧下、溶媒を留去し、残渣に酢酸エチル360mlを加える
と、結晶が析出するので、これを濾別し、減圧下五酸化
二リン上にて乾燥を行ない、18.47g(87%)の を得る。
Rf=0.25(クロロホルム:メタノール:酢酸:水=20:
5:0.5:0.5) mp.212−219℃(分解) 元素分析 測定値 C;49.26% H;6.87% N;15.89% 理論値 C;49.76% H;6.64% N;15.83% 次いで 7.97g(15m mol)をDMF9mlに溶解後、更に酢酸3mlを加
え、氷冷撹拌下に2N塩酸/酢酸溶液60ml(30m mol)を
滴下し、次いで15℃にて30分間撹拌下反応を行なう。
反応終了後、反応液に酢酸エチル36mlを加え、撹拌下エ
ーテル3中にこれを加え、析出物を濾別し、減圧下五
酸化二りん−水酸化カリウム上で乾燥すると、6.54g(9
3%)の が得られる。
Rf=0.48(n−ブチルアルコール:酢酸:水=4:1:2) mp.65゜−95℃(分解) 元素分析(C17H28N6O5Cl2・1/2H2O) 測定値 C;42.77% H;6.20% N;17.60% 理論値 C;42.86% H;6.14% N;17.64% Boc−D−Glu(OCH・(C2H5)−Gly−OH2.09g(5.5
9m mol)を酢酸エチル50mlに溶解後、4,6−ジメチル−
ピリミジル−2−チオール861mg(6.15m mol)を加え、
DCC1.15g(5.59m mol)を溶解した酢酸エチル溶液を氷
冷下に滴下し、次いで室温下にて一晩撹拌下反応を行な
う。
析出物を濾別後、濾液を10%炭酸水素ナトリウム水溶液
50ml×2、飽和食塩水50ml×2にて洗浄後、無水硫酸マ
グネシウムにて乾燥を行なう。
乾燥剤を濾別後、減圧下、溶媒を留去すると2.50g(90
%)の活性エステルが得られる。
次に 2.22g(4.75m mol)をDMF20mlに溶解後、氷冷下N−エ
チル−モルホリン0.62ml(4.75m mol)を滴下し、5分
間撹拌反応を行ない、次いで先に調整した活性エステル
2.14g(4.32m mol)を溶解したDMF20ml溶液を氷冷下に
加え、一晩撹拌反応を行なう。反応終了後、減圧下、溶
媒を留去し、残渣に酢酸エチル100mlを加え、冷5%HCl
50ml×2、飽和食塩水50ml×2、10%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液50ml×2、飽和食塩水50ml×2にて洗浄を行な
い、無水硫酸マグネシウムにて乾燥を行なう。
乾燥剤を濾別後、減圧下、溶媒を留去し残渣をSephadex
LH−20クロマトにて精製を行ない、淡黄色フオーム状
2.68g(80%)を得る。
Rf=0.78(クロロホルム:メタノール:水:酢酸=20:
5:0.5:0.5) 元素分析 C H N 測定値 51.19% 7.41% 13.87% 理論値 50.94% 7.12% 13.98% 1.07g(1.36m mol)を酢酸5mlに溶解後、氷冷下2N塩酸
/酢酸溶液6.8ml(13.6m mol)を滴下し、30分間撹拌反
応を行ない、次いで、反応液をエーテル500ml中に撹拌
下に加え析出物を濾別する。
次いでこれをSephadexLX−20クロマトにより精製を行な
い、 820mg(90%)を得る。
Rf=0.42(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2) mp.108−147℃(分解) ▲[α]20 D▼=−58゜(C=1,H2O) 元素分析 測定値 C;43.44% H;6.17% N;16.13% 理論値 C;43.34% H;6.23% N;16.17% 実施例2 実施例1と同様な方法にて下記の表に示す新規基質の合
成を行つた。合成した新規基質の物性値を下記の表に示
した。
実施例3 (A)新規に合成した基質の特異性を各酵素と反応させ
ることにより試験した。
(1)基質液:10mM/ (2)緩衝液:緩衝種、NaClおよびそれらの濃度、pH
(25℃)は酵素により次の通りとした。
(3)使用酵素:使用した酵素及びそれらの起源等は次
の通りである。
(4)反応停止液:10%酢酸水溶液 測定法: (a)トリプシン 緩衝液0.5mlと基質液0.1mlをシリコン処理硬質ガラス製
試験管又はプラスチツク製試験管に採取し、37℃恒温槽
中にて10分間予加温する。次いで酵素試薬0.05mlを加え
て酵素反応を37℃10分間実施する。
正確に10分後、反応停止液2.5mlを加えて酵素反応を停
止後、37℃で10分間放置し、次いで405nmの吸光度を測
定する。
(b)α2M−Try 緩衝液0.5mlと基質液0.1mlをシリコン処理硬質ガラス製
試験管又はプラスチツク製試験管に採取し、37℃恒温槽
中にて5分間予加温する。
次いで酵素試薬0.05mlを加えて酵素反応を37℃、10分間
実施する。
正確に10分後、反応停止液1.0mlを加えて酵素反応を停
止後、37℃で10分間放置し、次いで405nmの吸光度を測
定する。
(c)正常血清 緩衝液0.5mlと基質液0.1mlをシリコン処理硬質ガラス製
試験管又はプラスチツク製試験管に採取し、37℃恒温槽
中にて5分間予加温する。次いで酵素試薬0.1mlを加え
て酵素反応を37℃5分間実施する。
正確に5分後、反応停止液2.0mlを加えて酵素反応を停
止後、37℃で10分間放置し、次いで405nmの吸光度を測
定する。
上記した測定法に従つて測定した結果は、下記の表に示
した通りである。下記の表中の値は、基質S−2222、10
mMの吸光度の測定値を1.0とした時の相対値を示してい
る。
(B)本発明の基質と従来の基質との水に対する溶解性
を調べた。結果は以下の通りである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式 A−B−Arg−X 〔式中、AはpyroGlu基又はD−Glu(OR又はNR′R″)
    基(ここでOR及びNR′R″はグルタミン酸のγ−カルボ
    キシ基に結合する基であり、Rは水素原子、置換もしく
    は非置換の炭素数1〜8のアルキル基又は置換もしくは
    非置換の炭素数3〜8のシクロアルキル基、R′及び
    R″は同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数
    1〜7のアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルキル
    基、又はR′とR″とが一緒になって窒素原子を含む炭
    素数2〜7のシクロアルキル基を示す。)であり;BはGl
    y基、Pro基、Pip基、Sar基又はAla基であり;Xはp−ニ
    トロアニリン残基又はその誘導体残基である〕で表わさ
    れるトリプシン及び/又はα−マクログロブリン−ト
    リプシン複合体の酵素活性測定用基質及びその塩。
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