JPH0738187Y2 - 飲料用容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、例えば、コーヒー等がパックされた飲料用容
器に関するものである。

（従来の技術） 従来、この種の容器にあっては、その容器本体のコーナ
ー部に面取り状態の平面部がなく、シールする中蓋の摘
み部は、このコーナー部において突出しており、外蓋は
この摘み部を覆って、容器本体の開口鍔部に嵌合されて
いた。

（考案が解決しようとする課題） 上記のような容器にあっては、容器本体のコーナー部に
面取り状態の平面部がないため、ストロー、又はマドラ
ー等を装着できないから、シロップ、ミルク等を投入し
て使用する場合、その撹拌、飲用に不便であり、また外
蓋も突出した摘み部を覆うため、嵌合の際、方向性を必
要とするものであった。

本考案は、このような点に鑑みて案出されたもので、そ
の目的とするところは、使用に当たって、容器本体内の
コーヒー等にシロップ、ミルク等を投入した際に、撹
拌、吸飲するためのストロー又はマドラーを装着するこ
とができ、また外蓋の嵌合を容易にするにある。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達するために、本考案にあっては、次のよ
うな構成としている。

すなわち、本考案は、容器本体と中蓋と外蓋とから構成
されていて、容器本体は、コーナー部に、面取り状態に
てストロー又はマドラー等が装着できる大きさの平面部
を設けるとともに、開口鍔面に、シール用の環状突条を
設けた開口面が正方形である角筒状をなし、その容器本
体の開口鍔面をシールする中蓋は、正方形であって、突
出した摘み部が容器本体のコーナー部の平面部の位置に
あり、外蓋は、中蓋の突出摘み部を押圧折曲して容器本
体の開口鍔部に対し、嵌合する嵌合面が正方形となって
いるものである。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

本考案の飲料容器（Ａ）は、容器本体（ａ）と中蓋
（ｂ）と外蓋（ｃ）とより構成されるものである。

容器本体（ａ）は板紙と合成樹脂からなる複合容器であ
っても、合成樹脂の真空成形、圧空成形、射出成形の容
器であってもよい。

複合容器の場合は、ブランク板としては、例えば、ポリ
エチレン／紙／ポリエステル／無延伸ポリプロピレンの
材料を用い、射出成形樹脂としてポリプロピレンの材料
を用いたものであり、また真空成形、圧空成形、射出成
形の容器としては、その材料に例えばポリプロピレンを
用いたものである。

容器本体（ａ）は、全体としてコーナー部（１）に丸み
をもった正方形の角筒状のもので、そのコーナー部
（１）のうちの１つが、面取り状態に平面部（２）に形
成されており、開口部（３）にはシール面をなす鍔部
（４）がある。この鍔部（４）面上には、極わずかに突
出した環状のシール突条（５）が形成されており、この
シール突条（５）は、平面部（２）の位置の幅広鍔部
（４′）において、平面視で山形（６）をなしている。

中蓋（ｂ）は、ポリカーボネート／無延伸ポリプロピレ
ン／シール材（ポリプロピレンとポリスチレンとを混合
したイージーピール材）よりなる材料を型抜きによって
成形したもので、容器本体（ａ）に対する嵌合面が正方
形をなし、全体として柔軟性を有し、多層構造における
各層の熱収縮差によるカールを防ぐために、型抜きの際
に段部を形成している。

この中蓋（ｂ）は、丸みをもった正方形の角形状をな
し、シール部の周縁部（７）を残して、その内側が陥没
しており、この陥没部（８）には、シロップ、ミルク等
のポーション（ｄ）（ｄ′）を容入する凹陥部（９）
（９′）が対角線上にあって、この対角線上のコーナー
部に形成された直線状の周縁部（７′）には、摘み部
（10）が、横溝（11）によって折曲げし易いように突設
されている。

外蓋（Ｃ）は、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル
等の材料で真空、圧空あるいは射出成形されるもので、
正方形の角筒状の容器本体（ａ）の開口鍔部（４）に嵌
合するとき、方向性がなく、その断面は凸形状をなして
いる。

中蓋（ｂ）は、その周縁部（７）にて容器本体（ａ）の
開口鍔部（４）上のシール突条（５）に溶着され、外蓋
（ｃ）は、その係止嵌合部（12）にて中蓋（ｂ）の周縁
部（７）に嵌合されるとともに、この係止嵌合部（12）
のコーナー部に設けられた内側向きの係止突条（13）を
もって、中蓋（ｂ）の周縁部（７）の周縁端部に係止さ
れるようになっている。

この係止嵌合部（12）の内側の平凸面部（14）は、中蓋
（ｂ）の陥没部（８）に対応するところで、この部分の
コーナー部には、突条（15）があり、その内側は容器本
体（ａ）の下底面が載置される大きさとなっている。

また、平凸面部（14）は、中蓋（ｂ）に対し、それの凹
窪部（９）（９′）にシロップ、ミルク等のポーション
（ｄ）（ｄ′）を容入するのに充分な間隔を有する高さ
をもっている。

そして、容器本体（ａ）のコーナー部（１）の平面部
（２）には、ストロー、又はマドラー等（ｅ）が装着さ
れる。

以上のような構成の飲料用容器（Ａ）は、容器本体
（ａ）に、例えばコーヒー等の内容物を注入した後、中
蓋（ｂ）を、その周縁部（７）にて、容器本体（ａ）の
開口鍔部（４）の上面のシール突条（５）に対し加熱溶
着し、次いで、中蓋（ｂ）の凹窪部（９）（９′）にシ
ロップ、ミルク等のポーション（ｄ）（ｄ′）を容入し
た後、外蓋（ｃ）をその下部周縁の係止嵌合部（12）を
もって、容器本体（ａ）の開口鍔部（４）に嵌合係止
し、容器本体（ａ）のコーナー部（１）の面取り状態の
平面部（２）にストロー、又はマドラー等（ｅ）を装着
して製品となる。

この製品を使用するには、容器本体（ａ）より外蓋
（ｃ）を離脱してシロップ、ミルク等のポーション
（ｄ）（ｄ′）を外し、中蓋（ｂ）の突出した摘み部
（10）を摘んで引張る。

この際、摘み部（10）の引張り力は、幅広鍔部（４′）
におけるシール突条（５）の山形部（６）の１点に集中
するから、剥離し易く、その上、封入された内容物は、
中蓋（ｂ）の凹窪部（９）（９′）の底面に触れない位
置にあるので、こぼれることはない。

次いで、シロップ、ミルクを入れて、マドラーで撹拌し
てそのまま飲むか、ストローで吸飲する。

（考案の効果） 本考案の飲料用容器は、容器本体と中蓋と外蓋との３者
からなるもので、開口鍔面が正方形をなす角筒状の容器
本体に対し、中蓋をもって、開口鍔面をシールし、この
シールされた中蓋を介しての容器本体の開口鍔面に外蓋
を嵌着するところから、中蓋、外蓋とも正方形をなし、
しかもストロー又はマドラー等は、角筒状の容器本体の
コーナー部に面取り状態にてストロー又はマドラー等が
装着できる大きさの平面部を設けてあるから、この平面
部にストロー又はマドラーが装着し易く、また装着され
たストロー又はマドラー等は、容器本体のコーナー部よ
り格別に突出した状態とはならず、全体としては角筒状
の容器本体を呈することになり、バランスのとれた落ち
ついたものとなる。

その上、シールした中蓋を剥離するための突出摘み部
は、正方形の中蓋のコーナー部に設けられており、この
中蓋を容器本体の開口鍔部に対し、シールするに当って
は、容器本体の面取り状態の平面部と対応するところで
あるから、このシールされた中蓋を介して容器本体の開
口鍔面に嵌着する正方形の外蓋を嵌着することによっ
て、この突出摘み部は、容器本体の平面部側に押圧折曲
されることになり、外蓋の嵌着にはなんら支障をきたす
ことはなく、正方形の蓋体は、その嵌着に当って方向性
がないから、その嵌着が容易である。

これを要するに、本考案の飲料用容器を構成する容器本
体、中蓋、外蓋は、いずれも平面視において正方形を呈
するものであり、容器本体のコーナー部における面取り
状態の平面部と、容器本体の開口鍔面をシールする中蓋
の突出摘み部とは、その位置が一致するようにして使用
するもので、しかも容器本体のコーナー部の平面部は、
ストロー又はマドラー等が装着できる大きさのものであ
るから、その平面部には、ストロー又はマドラー等が容
易に装着でき、被蓋方向を選ばない外蓋の嵌着にてシー
ルされた中蓋の突出摘み部は、ストロー又はマドラー等
の装着された平面部側に容易に押圧折曲されるから、使
用状態にある飲料用容器は、全体として平面視が正方形
の角筒状を呈し、なんら格別な突出部もなく、安定状態
にして見栄えがよく、体裁のよいものとなる。

容器本体内に容入した飲料の使用に当っては、外蓋を取
外した後、中蓋は、その折曲状態にある突出摘み部を摘
んで起こして容易に剥離することができ、コーヒー等に
シップ、ミルク等を入れたときは、マドラーで撹拌し、
ストローで吸飲することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の容器を構成する部材を分離した状態の
斜視図で、（イ）は容器本体、（ロ）は中蓋、（ハ）は
外蓋 第２図は第１図と同様の状態の断面図で、（イ）は容器
本体、（ロ）は中蓋、（ニ）は外蓋、（ハ）はシロッ
プ、ミルクのポーションの正面図、 第３図はシロップ、ミルクのポーションが納置された本
考案の容器の断面図、 第４図は第２図（イ）のＸ−Ｘ線断面図、 第５図は容器本体の開口部の第２図（イ）と角度を変え
た断面図 である。 符号Ａ……飲料容器 ａ……容器本体 ｂ……中蓋 ｃ……外蓋 ｄ、ｄ′……ポーション ｅ……ストロー、マドラー １……コーナー部 ２……平面部 ３……開口部 ４……鍔部 ４′……幅広鍔部 ５……シール突条 ６……山形部 ７……周縁部 ７′……直線状周縁部 ８……陥没部 ９、９′……凹窪部 10……摘み部 11……横溝 12……係止嵌合部 13……係止突条 14……平凸面部 15……突条

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 小宮 康豊 神奈川県座間市入谷４―６―２ (72)考案者 渡辺 薫 茨城県取手市新取手２―４―７ (72)考案者 小林 泰一郎 神奈川県横浜市神奈川区神大寺２―22―３ (56)参考文献 実開 昭61−97168（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−154677（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭47−28459（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コーナー部に、面取り状態にてストロー又
   はマドラー等が装着できる大きさの平面部を設けるとと
   もに、開口鍔面に、シール用の環状突条を設けた開口面
   が正方形である角筒状の容器本体と、この容器本体の上
   記の平面部を有するコーナー部に対応できるように、コ
   ーナー部に摘み部を突設した容器本体の開口鍔面をシー
   ルする正方形の中蓋と、この中蓋の突出摘み部を押圧折
   曲して容器本体の開口鍔面に嵌合する嵌合面が正方形の
   外蓋とからなる飲料用容器。