JPH0738167U - 薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成装置

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JPH0738167U
JPH0738167U JP7256593U JP7256593U JPH0738167U JP H0738167 U JPH0738167 U JP H0738167U JP 7256593 U JP7256593 U JP 7256593U JP 7256593 U JP7256593 U JP 7256593U JP H0738167 U JPH0738167 U JP H0738167U
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JP
Japan
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radical
substrate
thin film
radicals
cylinder
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Pending
Application number
JP7256593U
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English (en)
Inventor
隆司 三上
英明 田原
浩二 三宅
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ラジカル源から引き出されたラジカルの発散
を抑えて、基体上でのラジカルフラックス密度を高める
ことができるようにした薄膜形成装置を提供する。 【構成】 ラジカル源14とホルダ4との間に筒20を
設け、この筒20の中を通して、ラジカル源14からの
ラジカル18をホルダ4上の基体2に照射するようにし
た。この筒20は、ガラスまたはフッ素樹脂で形成する
のが好ましい。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、粒子の蒸着とラジカルの照射とを併用して基体の表面に薄膜を形 成する薄膜形成装置に関し、より具体的には、ラジカル源から引き出されたラジ カルの発散を抑えて、基体上でのラジカルフラックス密度を高める手段に関する 。
【0002】
【従来の技術】
この種の薄膜形成装置の従来例を図2に示す。この薄膜形成装置は、図示しな い真空排気装置によって真空(例えば10-5Pa以下)に排気される真空容器1 と、この真空容器1内に収納されていて薄膜を形成しようとする基体2を保持す るホルダ4と、このホルダ4に向けて配置されていてホルダ4上の基体2に粒子 12を蒸着させる蒸発源6と、ホルダ4に向けて配置されていてホルダ4上の基 体2にラジカル(励起活性粒子)18を照射するラジカル源14とを備えている 。
【0003】 蒸発源6は、図示例のものは、電子ビーム8によって蒸発材料10を加熱して 粒子12を蒸発させる電子ビーム加熱式の蒸発源である。
【0004】 ラジカル源14は、供給される原料ガス16を、内部で、例えば高周波放電に よって放電分解してプラズマを発生させ、このプラズマ中に多数存在しているラ ジカル18をガスの流れによって引き出す方式のものである。
【0005】 このような構成によって、ホルダ4上の基体2に対して、蒸発源6から粒子1 2を蒸着させるのと同時に、ラジカル源14からラジカル18を照射することに よって、基体2の表面に薄膜を形成することができる。例えば、粒子12として Si を、ラジカル18として酸素ラジカルを選定することにより、基体2の表面 に両者の化合物であるSiO2薄膜を形成することができる。
【0006】 上記のように、粒子12の蒸着とラジカル18の照射とを併用して薄膜を形成 する手法は、ラジカル18の持つ高い内部エネルギーによって、非熱平衡下で良 質の薄膜を形成することができるという特長を有している。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、ラジカルは電荷を持たないため電界による加速ができず、そのため イオンビーム等と比較するとその輸送が困難である。そのため、上記薄膜形成装 置においては、ラジカル源14からのラジカル18は、基体2に到達するまでの 間に大きな広がりを生じ、その結果、基体2上でのラジカルフラックス密度が大 きく低下するという問題がある。
【0008】 ちなみに、基体2上でのラジカルフラックス密度が大きく低下すると、成膜の 際にラジカルの持つ内部エネルギーを十分に利用できなくなるので、また化合物 膜を形成する場合に所定の組成比が得られなくなるので、基体2の表面に形成さ れる薄膜の膜質が低下する。また、膜質低下を防止するためには、ラジカル源1 4の出力を大きなものにする必要があり、そのようにするとラジカル源14のコ ストが嵩む。
【0009】 そこでこの考案は、ラジカル源から引き出されたラジカルの発散を抑えて、基 体上でのラジカルフラックス密度を高めることができるようにした薄膜形成装置 を提供することを主たる目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この考案の薄膜形成装置は、前記ラジカル源とホル ダとの間に筒を設け、この筒の中を通して、ラジカル源からのラジカルをホルダ 上の基体に照射するようにしたことを特徴とする。
【0011】 また、前記筒は、ガラスまたはフッ素樹脂から成るものが好ましい。
【0012】
【作用】
上記構成によれば、ラジカル源から引き出されたラジカルの流れが、筒の内部 を通過する際に筒によって基体に向けて整えられるので、ラジカルの発散が抑え られる。その結果、基体上でのラジカルフラックス密度を高めることができる。
【0013】 また、ガラスまたはフッ素樹脂は、ラジカルに再結合(ラジカルが元の安定な 粒子に戻る現象)を生じさせる割合が金属に比べて非常に小さいので、これらで 前記筒を形成すると、当該筒の内壁に当たって再結合を生じるラジカルが少なく なり、その結果、基体に到達するラジカルフラックス量をより増大させることが でき、ひいては基体上でのラジカルフラックス密度をより高めることができる。
【0014】
【実施例】
図1は、この考案の一実施例に係る薄膜形成装置を示す概略図である。図2の 従来例と同一または相当する部分には同一符号を付し、以下においては当該従来 例との相違点を主に説明する。
【0015】 この実施例においては、前述したようなラジカル源14とホルダ4との間に筒 20を設け、この筒20の中を通して、ラジカル源14からのラジカル18をホ ルダ4上の基体2に照射するようにしている。
【0016】 筒20の断面形状は、円に限らず四角でもその他でも良いが、ラジカル源14 のラジカル引き出し口の形状に合わせるのが好ましく、そのようにすれば、小さ な断面寸法で多くのラジカル18を効率的に通過させることができる。
【0017】 上記構成によれば、ラジカル源14から引き出されたラジカル18の流れが、 筒20の内部を通過する際に筒20によって基体2に向けて整えられるので、ラ ジカル18の発散が抑えられる。その結果、基体2上でのラジカルフラックス密 度を高めることができる。
【0018】 その結果、成膜の際にラジカル18の持つ内部エネルギーを十分に利用するこ とができるので、また化合物膜を形成する場合にも容易に所定の組成比を得るこ とができるので、基体2の表面に形成される薄膜の膜質を向上させることができ る。また、膜質低下防止のためにラジカル源14の出力を大きくせずに済むので 、従来に比べてラジカル源14の低コスト化を図ることもできる。
【0019】 ところで、一般的にラジカルは物質と衝突することによって再結合を生じ、元 の安定な粒子に戻る。このラジカルに再結合を生じさせる割合(これを再結合係 数と呼ぶ)は、材料によって大きく異なり、非常に再結合係数の小さい材料が存 在する。より具体的には、ガラス(石英ガラス、ホウケイガラス系の耐熱ガラス 等)やフッ素樹脂は再結合係数が非常に小さく、例えば酸素ラジカルに対するそ れらの再結合係数は10-5であり、金属の10-2とは1000倍の違いがある。
【0020】 従って、このような石英ガラス、ホウケイガラス系の耐熱ガラス等のガラスま たはフッ素樹脂で筒20を形成するのが好ましく、そのようにすると、筒20の 内壁に当たって再結合を生じるラジカルが少なくなり、その結果、基体2に到達 するラジカルフラックス量をより増大させることができ、ひいては基体2上での ラジカルフラックス密度をより高めることができる。
【0021】 次に、より具体的な実施例を説明すると、ラジカル源14として引き出し口径 100mmφのものを用い、これと基体2との距離を500mmとし、その間に 、石英ガラス製で直径150mmφ、長さ400mmの丸い筒20を設けた。そ して、ラジカル源14から酸素ラジカルを引き出し、それを筒20の中を通して ホルダ4上の基体2に照射し、そのときに基体2に到達するラジカルフラックス 量を、基体2の近傍に設けた水晶振動子式膜厚計(水晶振動子にはAg 膜を用い ている)を用いて重量変化によって計測した。
【0022】 また、比較例として、筒20を設けない以外は上記実施例と同様にして基体2 に到達するラジカルフラックス量を計測した。
【0023】 その結果、筒20を設けた実施例では、比較例に比べて約3倍のラジカルフラ ックス量が得られ、筒20を設ける効果が大きいことが確認された。
【0024】 なお、蒸発源は、上記例のような電子ビーム加熱式の蒸発源6の他に、蒸発材 料を抵抗加熱もしくは高周波加熱によって蒸発させる方式のもの、またはターゲ ットをイオンビーム等でスパッタリングする方式のもの等でも良い。
【0025】 また、ラジカル源は、上記例のような原料ガス16を高周波放電によって放電 分解する方式のものの他に、原料ガス16をECR(電子サイクロトロン共鳴) 放電または直流放電等によって放電分解してプラズマを発生させる方式のもの等 でも良い。
【0026】 また、ラジカル18は上記例のような酸素ラジカルに限定されるものではなく 、不活性ガスラジカルを含むその他のラジカルでも良い。粒子12についても、 上記のようなSi に限定されるものではなく、任意である。また、粒子12とラ ジカル18の組み合わせも特定のものに限定されるものではない。
【0027】
【考案の効果】
以上のようにこの考案によれば、ラジカル源とホルダとの間に筒を設け、この 筒の中を通して、ラジカル源からのラジカルをホルダ上の基体に照射するように したので、ラジカル源から引き出されたラジカルの発散を抑えて、基体上でのラ ジカルフラックス密度を高めることができる。その結果、基体の表面に形成され る薄膜の膜質を向上させることができる。また、膜質低下防止のためにラジカル 源の出力を大きくせずに済むので、従来に比べてラジカル源の低コスト化を図る こともできる。
【0028】 また、ガラスまたはフッ素樹脂で前記筒を形成すると、当該筒の内壁に当たっ て再結合を生じるラジカルが少なくなるので、基体に到達するラジカルフラック ス量をより増大させることができ、ひいては基体上でのラジカルフラックス密度 をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施例に係る薄膜形成装置を示す
概略図である。
【図2】従来の薄膜形成装置の一例を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 真空容器 2 基体 4 ホルダ 6 蒸発源 12 粒子 14 ラジカル源 18 ラジカル 20 筒

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器と、この真空容器内に収納され
    ていて基体を保持するホルダと、このホルダ上の基体に
    粒子を蒸着させる蒸発源と、ホルダ上の基体にラジカル
    を照射するラジカル源とを備える薄膜形成装置におい
    て、前記ラジカル源とホルダとの間に筒を設け、この筒
    の中を通して、ラジカル源からのラジカルをホルダ上の
    基体に照射するようにしたことを特徴とする薄膜形成装
    置。
  2. 【請求項2】 前記筒が、ガラスまたはフッ素樹脂から
    成る請求項1記載の薄膜形成装置。
JP7256593U 1993-12-16 1993-12-16 薄膜形成装置 Pending JPH0738167U (ja)

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JP7256593U JPH0738167U (ja) 1993-12-16 1993-12-16 薄膜形成装置

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JP7256593U JPH0738167U (ja) 1993-12-16 1993-12-16 薄膜形成装置

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JPH0738167U true JPH0738167U (ja) 1995-07-14

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JP7256593U Pending JPH0738167U (ja) 1993-12-16 1993-12-16 薄膜形成装置

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