JP2595009B2 - プラズマ生成装置およびプラズマを利用した薄膜形成装置 - Google Patents

プラズマ生成装置およびプラズマを利用した薄膜形成装置

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JP2595009B2
JP2595009B2 JP63025604A JP2560488A JP2595009B2 JP 2595009 B2 JP2595009 B2 JP 2595009B2 JP 63025604 A JP63025604 A JP 63025604A JP 2560488 A JP2560488 A JP 2560488A JP 2595009 B2 JP2595009 B2 JP 2595009B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高密度のプラズマを形成することのできる
プラズマ生成装置および高密度プラズマによるスパッタ
リングを利用して各種薄膜を高速度、高効率で連続して
長時間安定に形成するための新規な薄膜形成装置に関す
るものである。
[従来の技術] 従来から、プラズマ中で薄膜形成要素としてのターゲ
ットをスパッタして膜を形成するいわゆるスパッタ装置
は、各種材料の薄膜形成に各方面で広く用いられてい
る。中でも第19図に示すようなターゲットと基板とを向
い合わせた通常の2極(rf.dc)スパッタ装置がもっと
も一般的である。この装置はターゲット1と薄膜を付着
させる基板2を有する真空槽4、ガス導入系5および排
気系6からなり、真空槽4の内部に発生させたプラズマ
3によってターゲット1をスパッタして基板2上に薄膜
を形成するものである。
従来のスパッタ装置で膜堆積速度を高めようとする
と、必然的にプラズマを高密度に保つ必要があるが、第
19図に代表されるスパッタ装置では、プラズマを高密度
にするほどターゲット印加電圧も急激に上昇する。その
ために基板は高エネルギー粒子の入射、あるいはプラズ
マ中の高速電子入射の衝撃により急激に加熱されるとと
もに、形成される膜の結晶自体も損傷を受ける。このた
め、高速スパッタ堆積は特定の耐熱基板や、膜材料およ
び、膜組成にしか通用することができない。
さらに従来のスパッタ装置では、10-3Torr以下の低ガ
ス圧では放電が安定に形成できず、不純物がそれだけ多
く膜中にとりこまれるという欠点があった。
電子サイクロトロン共鳴(ECR)を利用したマイクロ
波放電によるスパッタ型プラズマ付着装置(特開昭60−
50167号)や、さらにミラー磁界による電子の閉じ込め
を利用した薄膜形成装置(特開昭62−222064号)が提案
され、それらは種々の特徴を生かした優れた薄膜形成装
置として注目されている。
しかしながら、スパッタを利用した高速膜形成技術と
して見た場合、ターゲットから放出された二次(γ電
子)を効率的に閉じ込めることが重要であるが、それら
の技術ではこの二次電子の閉じ込めが不十分で高エネル
ギー電子のエネルギーを有効にプラズマに伝えることが
できず、高速膜形成技術として十分とは言いがたい。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、上述した従来の欠点を解決し、低い圧力の
ガス中で高密度プラズマを発生させうる装置、およびそ
のプラズマを用いたスパッタを行い、試料基板を低温に
保ったままで、高品質の薄膜を高速度、高効率に連続し
て形成できる薄膜形成装置を提供することを目的とす
る。
[課題を解決するための手段] このような目的を達成するために、本発明プラズマ生
成装置は、ガスを導入してプラズマを発生するプラズマ
生成室と、前記プラズマ生成室内部の両端部に設けられ
たそれぞれスパッタリング材料よりなる平板状あるいは
筒状の第1のターゲットおよび筒状の第2のターゲット
と、該第1および第2のターゲットにそれぞれ前記プラ
ズマ生成室に対して負の電位を印加する少なくとも1個
の電源と、前記プラズマ生成室の内部に磁場を形成し、
かつ前記第1および第2のターゲットの一方からでて他
方に入る磁束を形成し、第2のターゲットの中央から前
記プラズマ生成室の外部に対して発散磁場分布を生成す
る磁場形成手段とを具えたことを特徴とする。
本発明薄膜形成装置は、上述したプラズマ生成装置
に、さらに前記プラズマ生成室に結合され内部に基板ホ
ルダーを有する試料室を具え、前記磁場形成手段が前記
第2のターゲットの中央から前記基板ホルダーに対して
発散磁場分布を形成することを特徴とする。
さらに、本発明プラズマ生成装置は、ガスを導入して
プラズマを発生するプラズマ生成室と、前記プラズマ生
成室の内側面に沿って設けられたスパッタリング材料よ
りなる筒状のターゲットと、該ターゲットに前記プラズ
マ生成室に対して負の電位を印加する電源と、前記プラ
ズマ生成室の内部に磁場を形成し、かつ前記ターゲット
の一端部からでて他端部に入る磁束を形成し、該ターゲ
ットの中央から前記プラズマ生成室の外部に対して発散
磁場分布を生成する手段とを具えたことを特徴とする。
本発明薄膜形成装置は、上記プラズマ生成装置に、さ
らに前記プラズマ生成室に結合され内部に基板ホルダー
を有する試料室を具え、前記磁場形成手段が前記第2の
ターゲットの中央から前記基板ホルダーに対して発散磁
場分布を形成することを特徴とする。
[作 用] 本発明は、低い圧力のガス中で高密度プラズマを発生
させ、そのプラズマを用いたスパッタを行い、試料基板
を低温に保ったままで、高品質の薄膜を高速度、高効率
に連続して形成できるものである。すなわち本発明にお
いては、プラズマ生成室内の両端部にスパッタリング材
料からなるターゲットを設置し、プラズマ生成室の周囲
に設けた磁石によってターゲットの一方から他方へ通ず
る磁束を発生せしめると共に、ターゲットに負の電位を
印加することによって、ターゲットから放出される二次
電子(γ電子)をプラズマ中に反射する電界のミラー効
果を用い、ターゲット間に形成されている磁界の閉じ込
めを利用して低加速電圧、高密度プラズマを容易に生成
できる。本発明によれば、高速電子のエネルギーがさら
に有効にプラズマに伝えられ結果として、より高効率の
高密度プラズマ生成、ひいては大電流イオン引き出しが
可能となる。そのために本発明によれば、高速の膜形成
が可能である。
[実施例] 以下に図面を参照して本発明を詳細に説明する。
第1図は本発明による薄膜形成装置の実施例の断面図
である。プラズマ生成室7にはプラズマを生成するため
のガスが導入口8から導入されるようになっている。プ
ラズマ生成室7の内部の一端部には平板状のターゲット
12が、他端部には円筒状のターゲット13が設けられてい
る。ターゲット12は水冷可能な金属製支持体12Aに取り
はずし可能に固定され、支持体12Aはねじ蓋12Bによって
プラズマ生成室7の上部の璧7Bに固定される。支持体12
Aと璧7Bとは絶縁体12Cによって絶縁されている。同様に
ターゲット13は水冷可能な金属製支持体13Aを取りはず
し可能に固定され、支持体13Aは絶縁体13Cを介してねじ
蓋13Bによって璧7Cに固定される。支持体12Aおよび13A
のそれぞれの突出端部12Dおよび13Dは電極を兼ね、直流
電源14および15からターゲット12および13に負の電圧を
印加することができる。プラズマ生成室7の外周には、
プラズマ生成室の内部に磁界を形成するための少なくと
も1個の電磁石16が設けられている。電磁石16は、プラ
ズマ生成室7内に置いてもよい。電磁石16が発生する磁
束17が両ターゲット面を横切り、磁束が一方のターゲッ
トの表面からでて他方の表面に入るように、電磁石16お
よびターゲット12と13の位置を決める。プラズマ生成室
は水冷可能とするのが望ましい。ターゲット12および13
の側面をプラズマから保護するために、プラズマ生成室
の内面にはシールド7Dおよび7Eを設けることが好まし
い。
プラズマ生成室7内を高真空に排気した後、ガス導入
口8からガスを導入し、電磁石16による磁界中でターゲ
ット12,13に印加する電圧を増加すると放電を生じプラ
ズマが発生する。プラズマ中のイオンおよび中性粒子か
らなるスパッタ粒子18を引出すことができる。ターゲッ
ト間の磁束はターゲット表面から生成された二次電子
(γ電子)が磁界に垂直方向に散逸するのを防ぎ、さら
にプラズマを閉じ込める効果をもち、その結果低ガス圧
中で高密度プラズマが生成される。試料室19がプラズマ
生成室7と結合されている。試料室19にはガス導入口20
からガスを導入することができ、排気系21によって高真
空に排気することができる。試料室19内には基板22を保
持するための基板ホルダ23が設けられ、基板ホルダ23上
には開閉可能なシャッタ24が設けられている。基板ホル
ダ23にはヒータを内蔵して基板を加熱できるようにする
のが好ましく、また基板22に直流あるいは交流の電圧を
印加して膜形成中の基板へのバイアス電圧の印加,基板
のスパッタクリーニングが可能なように構成するのが望
ましい。
プラズマの生成に影響を与える要因は、プラズマ生成
室のガス圧、ターゲットへの投入電力、磁場分布、ター
ゲット間距離等である。
第2図に、第1図に示した薄膜形成装置における磁束
方向の磁場強度分布の例を示した。磁場は発散磁場であ
る。
ここで本発明の薄膜形成装置における高密度プラズマ
生成の原理を第3図により詳細に説明する。
プラズマ生成室にガスを導入し、ターゲット12,13に
負の電圧を印加して、ガス中に放電を生ぜしめ、ガスを
電離する。不電圧VaおよびVa′を印加されたターゲット
に高速イオンが衝突するとそのターゲット表面から高速
の二次電子(γ電子)が放出される。このターゲットか
ら放出されたγ電子25は両ターゲットの電界が反射さ
れ、両ターゲット間に走る磁束17の回りをサイクロトン
運動しながらターゲット間を往復運動する。両ターゲッ
ト12,13の電界はγ電子に対してミラーとして作用す
る。γ電子25はそのエネルギーが磁束の束縛エネルギー
より小さくなるまで両ターゲット間に閉じ込められ、そ
の間中性粒子との衝突によりイオン化が促進される。ま
た、そのターゲット間を往復する高速の電子流(電子ビ
ーム)はプラズマとの相互作用により中性粒子の電離を
一層加速する。以上のように、低いガス圧中でも高密度
のプラズマを生成できる。
中性粒子は電界および磁界の影響を受けないで基板に
到達する。エネルギーを失った電子は発散磁界に沿って
基板上に到達し基板表面に負の電位を与える。その結果
イオンは中性粒子と共に基板上に堆積する。
本発明の装置では、10-5Torr台のより低いガス圧でも
放電が安定に形成できるのみならず、活性種が薄膜形成
の重要な役割を演じる比較的高いガス圧中でも低基板温
度下で結晶性の良好な薄膜の高速形成を実現している。
次に、本発明装置を用いてAl膜を形成した結果につい
て説明する。試料室19の真空度を5×10-7Torrまで排気
した後、Arガスを毎分2.5cc、および5ccのフロー速度で
導入しプラズマ生成室7内のガス圧を5×10-4Torrおよ
び1×10-3Torrとして放電させた時の放電特性を第4図
に示す。この場合平板状ターゲットに印加する電圧は−
300Vに固定した。いずれもある電圧から放電電流が雪崩
的に増加する定電流放電特性を示し、高密度プラズマの
増殖が行われていることを示している。本実施例の薄膜
形成装置では円筒状ターゲット13と平板状ターゲット12
に印加する負の電圧は同じ値でも十分高密度のプラズマ
が得られる。また第4図に示した例での放電特性のよう
に、その電圧が異なる場合でも高効率なプラズマ生成が
できる。円筒状のA1ターゲット13に投入する電力を300
〜600Wとし、基板ホルダは加熱しないで常温で膜形成を
おこなった結果、10〜100nm/minの堆積速度で長時間連
続して安定に効率よくAl膜を堆積できた。
第5図に本発明による薄膜形成装置の他の実施例の断
面図を示す。
本実施例の薄膜形成装置は、スパッタを行うためのタ
ーゲットが2個の円筒状ターゲット13および26である点
が第1図に示した実施例と異なっている。ターゲット26
は水冷可能な金属製支持体26Aに取りばずし可能に固定
され、支持体26Aはねじ蓋26Bによって璧7Cに固定され、
かつ絶縁体26Cによって璧7Cから絶縁されている。支持
体26Aの突出端部26Dは電極を兼ね、電源27からターゲッ
ト26に負の電圧が印加される。電磁石16による磁束はタ
ーゲット26および13の一方の表面から出て他方の表面に
入る。
第6図は本実施例における磁束方向の磁場強度分布の
一例を示した。
第7図に示すように、本実施例においても負電圧Va,V
a′が印加されているターゲットに高速イオンが衝突す
るとそのターゲット表面から高速の二次電子(γ電子)
25が放出される。このターゲットから放出されたγ電子
25は両ターゲットの電界で反射され、両ターゲット間に
走る磁束17の回りをサイクロトン運動しながらターゲッ
ト間を往復運動する。そして先に説明したのと全く同様
に本実施例においても低いガス圧中で高密度のプラズマ
を生成することができる。
次に、本実施例の装置を用いてAl膜を形成した結果に
ついて説明する。試料室19の真空度を5×10-7Torrまで
排気した後、Alガスを毎分5cc、および1ccのフロー速度
で導入しプラズマ生成室内のガス圧を5×10-3Torrある
いは0.8×10-3Torrとして放電させた時の放電特性を第
8図に示す。この場合両円筒状ターゲットに印加する電
圧は同じとした。いずれもある電圧から放電電流が雪崩
的に増加する定電流放電特性を示し、高密度プラズマの
増殖が行われていることを示している。本実施例の薄膜
形成装置では両円筒状ターゲット13および26に印加する
負の電圧は同じ値でも違った値でも十分高密度のプラズ
マが得られる。円筒状のAlターゲット13および26に投入
する電力を200〜600Wで膜を形成し、基板ホルダは加熱
しないで常温で膜形成をおこなった結果、600〜1800A/m
inの堆積速度で長時間連続して安定に効率よくAl膜を堆
積できた。第9図に示すように、堆積速度はターゲット
に投入する電力と共に直線的に増加する。
第10図に本発明のさらに他の実施例を示す。本実施例
においては、スパッタ用のターゲットは1個の円筒状タ
ーゲット28からなっている。ターゲット28は水冷可能な
金属製支持体28Aに取りはずし可能に固定されている。
支持体28Aはねじ蓋28Bによって璧7Cに固定され、かつ絶
縁体28Cによって璧7Cから絶縁されている。支持体28Aの
突出端部28Dは電極を兼ね、電源15から負の電圧をター
ゲット28に印加することができる。電磁石16による磁束
17はターゲット28の一端部の表面から出て他端部の表面
に入る。本実施例の薄膜形成装置は第5図に示した実施
例と同様に動作する。
第11図に本発明による薄膜形成装置のさらに他の実施
例の断面図を示す。本実施例は第5図に示したプラズマ
生成室7の両端部に試料室19,19Aを設け、スパッタ粒子
をプラズマ生成室の両側から引出すようにしたものであ
る。試料室19Aは、ガス導入口20A,排気系(図示せず)
を具え内部には試料ホルダー23Aおよびシャッタ24Aが設
けられている。試料ホルダー23Aの構成はホルダー23と
同様である。このような薄膜形成装置により、基板24,2
4A上に同時に薄膜を形成することができる。
以上に示した各実施例において、電磁石16によってプ
ラズマ生成室内に形成される磁界の最大値は100G程度で
十分である。
電磁石16に替えて永久磁石を用いることもできる。第
12図は第1図に示した薄膜形成装置における電磁石を2
個の永久磁石29および30に置き替えた装置の断面図であ
り、第13図は第5図に示した薄膜形成装置における電磁
石16を2個の永久磁石30および31によって置き替えた装
置の断面図である。ターゲット12と13またはターゲット
26と13の一方の表面から出て他方の表面に入る磁束を発
生させることによって、それぞれ第1図および第5図の
実施例と同様に、高密度プラズマを生成し、大電流イオ
ンビームを引出して高速の薄膜形成が可能である。
第14図に本発明のさらに他の実施例を示す。本実施例
は第1図に示した実施例装置に加え、補助電磁石32を設
けたものである。この補助電磁石32は電磁石16による磁
束を制御するものである。補助電磁石32は図示のように
試料室19の内部に設けてもよく、または試料室19の外周
に設けてもよい。補助電磁石32の磁束方向を電磁石16に
よる磁束方向と同じかあるいは逆向きに設定することに
より、円筒状ターゲット13に流入する電磁石16によって
発生した磁束を制御することができる。このことによ
り、円筒状ターゲット13における侵食分布も制御でき
る。
第15図に、第14図に示した実施例における磁束方向の
磁場強度分布の例を示した。
本実施例の装置によっても、前述の各実施例と同様に
10-5Torr台のより低いガス圧でも放電が安定に形成でき
るのみならず、活性種が薄膜形成の重要な役割を演じる
比較的高いガス圧中でも低基板温度下で結晶性の良好な
薄膜の高速形成を実現している。
次に、本実施例装置を用いてAl膜を形成した結果につ
いて説明する。試料室19の真空度を5×10-7Torrまで排
気した後、Arガスを毎分2.5cc、および5ccのフロー速度
で導入しプラズマ生成室内のガス圧を5×10-4Torrある
いは1×10-3Torrとして放電させた時の放電特性を第16
図に示す。この場合平板状ターゲットに印加する電圧は
−300Vに固定した。いずれもある電圧から放電電流が雪
崩的に増加する定電流放電特性を示し、高密度プラズマ
の増殖が行われていることを示している。本実施例の薄
膜形成装置では円筒状ターゲット13と平板状ターゲット
12に印加する負の電圧は同じ値でも十分高密度のプラズ
マが得られる。また第16図に示した例での放電特性のよ
うに、その電圧が異なる場合でも高効率なプラズマ生成
ができる。円筒状のAlターゲット13に投入する電力を30
〜600Wで膜を形成し、基板ホルダは加熱しないで常温で
膜形成をおこなった結果、10〜100nm/minの堆積速度で
長時間連続して安定に効率よくAl膜を堆積できた。
第17図にターゲット投入電力に対する膜堆積速度の変
化を示す。
第18図に本発明のさらに他の実施例を示す。本実施例
は第12図に示した装置に補助電磁石32を適用したもので
あって、第14図の装置と同様に動作する。補助電磁石は
他の全ての実施例に対して適用可能であり、さらに永久
磁石を補助磁石として用いることもできる。
本発明の薄膜形成装置は、Al膜の形成のみならず、ほ
とんどすべての薄膜の形成に用いることができ、また導
入するガスとしてはほとんどの反応性ガスを用いること
ができ、それにより反応スパッタも実現できる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明は、高密度プラズマを発
生し、そのプラズマを利用したスパッタを用いて、低い
ガス圧中で高効率の低温膜形成を実現するものであり、
連続して長時間安定な膜形成を実現するものである。ま
たこの装置を用いて、損傷の少ない良質の膜を低基板温
度で高速度、高安定に連続形成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の薄膜形成装置の実施例の断面図、 第2図は第1図に示した実施例における磁束方向の磁場
強度分布を示す図、 第3図は本発明の薄膜形成装置の高密度プラズマ生成の
機構を説明する図、 第4図は本発明の薄膜形成装置においてターゲットをAl
としたときの放電特性の例を示す図、 第5図は本発明の薄膜形成装置の他の実施例の断面図、 第6図は第5図に示した実施例における磁束方向の磁場
強度分布を示す図、 第7図は第5図に示した薄膜形成装置の高密度プラズマ
生成の機構を説明する図、 第8図は第5図の実施例においてターゲットをAlとした
ときの放電特性の例を示す図、 第9図は膜堆積速度の投入電力依存性の一例を示す図、 第10図ないし第14図はそれぞれ本発明のさらに他の実施
例の断面図、 第15図は第14図に示した実施例における磁束方向の磁場
強度分布を示す図、 第16図は第14図の実施例装置においてターゲットをAlと
したときの放電特性の例を示す図、 第17図はターゲット投入電力に対する膜堆積速度変化の
例、 第18図は本発明のさらに他の実施例を示す断面図、 第19図は従来の2極スパッタ装置の概要を示す断面図で
ある。 1……ターゲット、 2……基板、 3……プラズマ、 4……真空槽、 5……ガス導入系、 6……排気系、 7……プラズマ生成室、 8……ガス導入口、 12……平板状ターゲット、 13,26,28……円筒状ターゲット、 14,15,27……電源、 16……電磁石、 17……磁束、 18……スパッタ粒子、 19,19A……試料室、 22……基板、 23……基板ホルダ、 25……二次電子、 29,30,31……永久磁石、 32……補助電磁石。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガスを導入してプラズマを発生するプラズ
    マ生成室と、 前記プラズマ生成室内部の両端部に設けられたそれぞれ
    スパッタリング材料よりなる平板状あるいは筒状の第1
    のターゲットおよび筒状の第2のターゲットと、 該第1および第2のターゲットにそれぞれ前記プラズマ
    生成室に対して負の電位を印加する少なくとも1個の電
    源と、 前記プラズマ生成室の内部に磁場を形成し、かつ前記第
    1および第2のターゲットの一方からでて他方に入る磁
    束を形成し、第2のターゲットの中央から前記プラズマ
    生成室の外部に対して飛散磁場分布を生成する磁場形成
    手段とを具えたことを特徴とするプラズマ生成装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のプラズマ生成装置に、さ
    らに前記プラズマ生成室に結合され内部に基板ホルダー
    を有する試料室を具え、前記磁場形成手段が前記第2の
    ターゲットの中央から前記基板ホルダーに対して発散磁
    場分布を形成することを特徴とする薄膜形成装置。
  3. 【請求項3】ガスを導入してプラズマを発生するプラズ
    マ生成室と、 前記プラズマ生成室の内側面に沿って設けられたスパッ
    タリング材料よりなる筒状のターゲットと、 該ターゲットに前記プラズマ生成室に対して負の電位を
    印加する電源と、 前記プラズマ生成室の内部に磁場を形成し、かつ前記タ
    ーゲットの一端部からでて他端部に入る磁束を形成し、
    該ターゲットの中央から前記プラズマ生成室の外部に対
    して発散磁場分布を生成する手段とを具えたことを特徴
    とするプラズマ生成装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のプラズマ生成装置に、さ
    らに前記プラズマ生成室に結合され内部に基板ホルダー
    を有する試料室を具え、前記磁場形成手段が前記第2の
    ターゲットの中央から前記基板ホルダーに対して発散磁
    場分布を形成することを特徴とする薄膜形成装置。
JP63025604A 1988-02-08 1988-02-08 プラズマ生成装置およびプラズマを利用した薄膜形成装置 Expired - Lifetime JP2595009B2 (ja)

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