JPH11106911A - 薄膜形成装置及びそれを用いた化合物薄膜の形成法 - Google Patents

薄膜形成装置及びそれを用いた化合物薄膜の形成法

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JPH11106911A
JPH11106911A JP27590697A JP27590697A JPH11106911A JP H11106911 A JPH11106911 A JP H11106911A JP 27590697 A JP27590697 A JP 27590697A JP 27590697 A JP27590697 A JP 27590697A JP H11106911 A JPH11106911 A JP H11106911A
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Kazuho Sone
和穗 曽根
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緻密な薄膜を高い堆積速度で形成する。 【解決手段】 基板(2)を保持する為の基板保持手段
(7)と、ターゲット(1)を保持する為のターゲット
保持手段(12)と、該ターゲットをスパッタリングす
る為のスパッタガスを反応室内に供給するガス供給手段
(3)と、該ターゲットと該基板間に放電を起こす為の
電力を供給する電力供給手段(8)とを備えた反応性ス
パッタリング装置において、ターゲットと該基板との間
に複数の開孔(6a)を有する仕切り部材(6)が設け
られ、該仕切り部材と基板との間の空間に光を照射する
手段を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、薄膜形成装置に関
し、特に該装置を用いて、半導体素子用の電極や保護
膜、液晶装置用の電極や保護膜、光磁気記録媒体用の保
護膜、光学物品用の反射防止膜や増反射膜等を形成する
に好適な薄膜形成法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】薄膜形成法の1つにスパッタリングがあ
る。
【0003】従来の反応性スパッタリングは、スパッタ
リングガスと反応ガスとの混合ガスを反応室内に導入し
て、化合物又は金属ターゲットをスパッタし、ターゲッ
ト構成原子と反応ガスとの化学反応で金属化合物薄膜を
形成するものである。絶縁性化合物ターゲットの場合
は、RF又はマイクロ波等の高周波電力を供給して放電
を起こすので堆積速度が一般に低い。金属ターゲットの
場合は、DC電圧を供給して放電を起こすことができ、
堆積速度を高めることができる。
【0004】ターゲットが金属である場合であっても反
応ガスがターゲット表面で金属ターゲットと反応してタ
ーゲット表面に金属化合物を形成してしまう。一般に金
属化合物に対するスパッタリング収率は、金属に対する
それの10%程であるから、反応性スパッタでは堆積速
度が遅くなってしまう。化合物ターゲットの場合でさ
え、形成される化合物薄膜は、金属原子の含有率が高い
膜になるので、反応ガスを添加して、化学量論比に近い
組成の膜にする必要がある。ましてや金属ターゲットの
場合は反応ガスの流量を少なくすると、形成される金属
化合物薄膜は金属原子の含有率が高い薄膜となり、化学
量論比を満たす薄膜となり得ず、光学特性(屈折率、透
過率他)等の薄膜の特性が劣ったものとなる。
【0005】そのため、このような技術的課題を解決し
ようとする試みがいくつか提案されている。
【0006】図3は特開昭62―56570号公報に記
載されている反応性スパッタリング装置の模式図であ
る。1はターゲット、2は基板、3はスパッタリングガ
スとしてのアルゴンの供給管、4は反応ガスとしての酸
素の供給管、9は反応室、12はターゲットホルダー、
7は基板ホルダーである。
【0007】上記公報によれば、図3の装置を用いる
と、スパッタガスと反応ガスが別々に導入されるので、
スパッタリングがターゲット近傍で優先的になされ、酸
化反応が基板近傍で優先的になされるので、スパッタレ
ートが向上し、酸化物の特性が改善されるらしい。
【0008】しかしながら、現実にはターゲットと基板
間において、スパッタガスと反応ガスが混ざり両者の混
合プラズマが形成されてしまう。特に大面積の基板上に
薄膜を形成するような場合、基板とターゲット間の放電
領域も大きなものとなる。よって、期待するほどに膜質
の改善やスパッタレートの向上は望めない。
【0009】一方、図4は、特開平6―41733号公
報に記載されている反応性スパッタリング装置の模式図
である。1はターゲット、2は基板、3はスパッタリン
グガスとしてのアルゴンの供給管、4は反応ガスとして
の酸素の供給管、9は反応室、12はターゲットホルダ
ー、7は基板ホルダー、8は電源、9は反応室、12は
ターゲットホルダー、13は差圧板、14は高周波電
源、15は排気ポンプ、16は磁石、17は冷媒を循環
させる為の管である。
【0010】この装置では、真空ポンプに連通する排気
口を反応室9の上部に設け、差圧板13を利用して反応
室上部と反応室下部との間に圧力差を作りスパッタリン
グガスと反応ガスの分離を試みている。
【0011】上述した装置とは別の目的を達成する為に
提案された反応性スパッタリング装置が特開平7―33
5553号公報に記載されている。この装置は、半導体
デバイスのコンタクトホールを埋め込む為にアスペクト
比の大きいコリーメーターをターゲットと基板の間に設
け、スパッタされたターゲット構成原子が基板表面に入
射する角度を小さくしたものである。
【0012】しかしながら、図4の装置では、差圧板1
3の開口部13aは基板2の大きさより大きいものであ
る為に、現実にはスパッタリングガスが差圧板13の開
口部13aを通って基板2側に流れてしまい放電領域が
大きくなる。よって、この装置であっても十分なスパッ
タレートの向上や膜特性の向上は期待するほど向上しな
い。又、高周波電源14による酸素の予備励起を必要と
する為、予備励起する為に反応ガス供給管4内壁がスパ
ッタされて、鉄のような反応ガス供給管の構成物質が形
成すべき膜中に取り込まれる等の弊害の方が大きい。
【0013】又、スパッタされた粒子が基板に飛び込む
ことによる過度の温度上昇を引き起こしやすい。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、いずれ
の方法においても、緻密な膜を、速い成膜速度で形成す
るには充分な方法とは云えなかった。
【0015】理解し易いように例を挙げると、アルミナ
等の透明な膜の場合、屈折率が所望の設計値より低くな
ってしまうという現象が生じる。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、光を用
いて緻密な膜を高成膜速度で形成する薄膜形成装置及び
方法を提供することにある。
【0017】本発明の別の目的は、薄膜の厚さ及び光学
的特性或いは電気的特性が面内において均一な薄膜を形
成できる薄膜形成装置及び薄膜形成方法を提供するもの
である。
【0018】本発明の別の更に別の目的は均一大面積の
薄膜を形成できる薄膜形成装置及び薄膜形成方法を提供
するものである。
【0019】本発明は、基板を保持する為の基板保持手
段と、原料を保持する為の原料保持手段と、該原料をス
パッタリングする為のスパッタガスを供給する為のガス
供給手段と、該原料と該基板との間の空間に放電を起こ
す為の電力を供給する電力供給手段とを備えた薄膜形成
装置において、該原料と該基板との間に複数の開孔を有
する仕切り部材が設けられ、該仕切り部材と該基板との
間の空間に光を照射する光照射手段を具備することを特
徴とする。
【0020】又、本発明は、基板を保持する為の基板保
持手段と、原料を保持する為の原料保持手段と、該原料
をスパッタリングする為のスパッタガスを供給する為の
ガス供給手段と、該原料と該基板との間の空間に放電を
起こす為の電力を供給する電力供給手段とを備えた装置
を用いて化合物薄膜を形成する薄膜形成法において、複
数の開孔を有する仕切り部材を挟んで、基板と原料とを
配置し、原料と仕切り部材との間の空間にスパッタガス
を供給し、少なくとも原料と仕切り部材との間に放電を
起こし、該仕切り部材と該基板との間の空間に光を照射
して、該基板上に該原料の構成原子を含む膜を形成する
ことを特徴とする。
【0021】(作用)本発明によれば、仕切り部材の存
在により、スパッタガスのプラズマが基板表面から離れ
るので形成する薄膜への悪影響が防止できる。又、基板
近傍側に光エネルギーが供給されるので反応性ガスの励
起や電離による活性化が促進される。
【0022】更には、スパッタされた多量のターゲット
構成原子の一部を仕切り部材が捕獲するので、基板に飛
び込むターゲット構成原子による基板温度の過度の上昇
を防止出来る。また、仕切り部材に直流バイアスが印加
されるとターゲット側から基板表面への有害なイオンの
侵入が阻止される。
【0023】こうして、仕切り部材と光の供給とを組み
合わせることにより、基板表面でのスパッタ粒子と反応
性ガスとの反応が光アシストにより促進され、緻密な大
面積の膜が高成膜速度で得られる。又薄膜の厚さ及び光
学的特性或いは電気的特性が面内において均一な化合物
薄膜を形成できる。又、本発明においては、比較的成膜
が難しいとされる高屈折率の酸化アルミニウムのような
化合物薄膜を容易に形成できる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の好適な実施の形
態による反応性スパッタリング装置の模式的断面図であ
る。
【0025】(光アシスト型反応性スパッタリング装
置)図1の光アシスト型の反応性スパッタリング装置
は、基板2を保持する為の基板保持手段としての基板ホ
ルダー7と、原料としてのターゲット1を保持する為の
ターゲット保持手段としてのターゲットホルダー12
と、ターゲット1をスパッタリングする為のスパッタガ
スを反応室9内に供給するスパッタガス供給手段として
のガスシャワーヘッド3と、を有し、必要に応じて設け
られる反応ガスを供給する為の反応ガス供給手段として
のガスシャワーヘッド4を有している。更にターゲット
1と基板2との間の空間に放電によるプラズマ5を起こ
す為の電力を供給する電力供給手段としての電源8とを
備えている。そして、ターゲット1と基板2との間に複
数の開孔6aを有する仕切り部材としてのグリッド板6
が設けられている。そして、グリッド板6と基板2との
間の空間に光を照射する光照射手段が設けられている。
ターゲット1とグリッド板6との間の空間にスパッタガ
スGAを供給し、基板2とグリッド板6との間に反応ガ
スGBを供給するように、必要に応じてスパッタガスG
Aの供給口10及び反応ガスGBの供給口11を互いに
離間して設けること、又、グリッド板6より上方の空間
56を排気する排気口57と、下方の空間58を排気す
る排気口59を別々に設けることが好ましい。又、光
は、窓57を介してグリッド板6と基板2との間の空間
に照射される。
【0026】光照射手段は、エキシマレーザー源72、
集光光学系73を複数含む。
【0027】図2は、本発明に用いられるグリッド板6
の一例を示す平面図である。グリッド板6の少なくとも
表面6cの材料は、成膜すべき膜の構成材料に応じてグ
リッド板6の表面の材料を選ぶとより好ましい。例え
ば、フッ化マグネシウム膜を形成する場合には、フッ化
マグネシウムで被覆された導電性部材を用いるとよい。
その他酸化シリコン膜を成膜する場合には酸化シリコン
で被覆された導電性部材又はシリコンを用い、酸化タン
タル膜を成膜する場合には酸化タンタルで被覆された導
電性部材又はタンタルを用い、酸化アルミニウム膜を成
膜する場合には酸化アルミニウムで被覆された導電性部
材又はアルミニウムを用いる。このようにグリッド板の
少なくとも表面が酸化シリコン、シリコン、酸化タンタ
ル、タンタル、酸化アルミニウム、アルミニウム、フッ
化マグネシウム、酸化インジウム、窒化チタン、チタ
ン、酸化銅、銅等の材料から選ばれる。化合物で被覆さ
れたグリッド板を用いる場合にはその基材としてターゲ
ット材料とは無関係に選択した導電性或いは半導体性の
材料を用いることもでき、基材の表面にターゲットと同
じ材料又は、形成すべき化合物薄膜と同じ材料の被膜が
形成された板状部材であってもよい。
【0028】グリッド板6に設けられた複数の開孔6a
のアスペクト比は、1.0未満、より好ましくは、0.
6未満であることが望ましく。これにより、ガスの相互
拡散が抑制され、又、適切な堆積速度で成膜ができ、且
つ膜厚が全面に亘って均一な膜が得られる。
【0029】グリッド板の上面から見た開孔の3次元形
状は円筒形、角柱等でよく、該開孔の平面形状すなわち
開口形状(2次元形状)は円、楕円、四角、三角、等い
ずれの形状でもよい。
【0030】開孔6aのアスペクト比ARは、開孔の深
さ(板の厚み)Dを、開口の面積と同じ面積をもつ真円
の直径Lで除した値(D/L)で定義される。更に直径
Lは基板2の直径の1%乃至15%、より好ましくは
4 %乃至 10 %が望ましい。
【0031】更に、均質な膜を形成する為には、グリッ
ド板6の複数の開孔6aは規則的に分布している方が良
い。そして、開口率は均一大面積の薄膜を適当な堆積速
度で得るには20%乃至95%、より好ましくは50%
乃至95%が望ましい。
【0032】そして、グリッド板6は、ターゲットとの
間に電位差を生じるように所定の電位に保持された状態
でスパッタリングが行われる。グリッド板6は基板2よ
り高電位にバイアスした方がよい。こうすることで、プ
ラズマから負イオンが基板側へ侵入し膜に与える衝撃を
抑制できる。よりスパッタレートを上げる為には供給す
る電力を上げればよいが、こうするとスパッタされた原
子が基板に飛び込みすぎて、基板温度を過度に上昇させ
てしまう。これでは、熱変形を嫌う基板上に膜を形成出
来ない。本例では、グリッド板がスパッタされた原子を
一部捕獲するので、このような問題が解決出来る。
【0033】スパッタガス供給口10は、図1のよう
に、ターゲット1近傍に且つターゲット1を囲うように
複数配置されている方が望ましい。図1の装置ではスパ
ッタガス供給口10は管の中心よりターゲット1側にあ
りターゲット1側に優先的にガスを吹き出すように構成
されている。スパッタガス供給口10は環状の供給管で
あるガスシャワーヘッド3上にほぼ等間隔で配列されて
いる。換言すれば円周上に対称に複数の供給口が配され
ていると言える。
【0034】同様に、反応ガス供給口11も、基板2近
傍に且つ基板2を囲うように複数配置されていることが
望ましい。図1の装置では反応ガス供給口11は管の中
心より基板2側にあり基板表面に優先的にガスを吹き出
すように構成されている。反応ガス供給口11は環状の
供給管であるガスシャワーヘッド4上にほぼ等間隔で配
列されている。換言すれば円周上に対称に複数の供給口
が配されているといえる。
【0035】基板保持手段7はスパッタリング中、1乃
至50rpmでの自転が可能に構成されている。これに
よりより一層均一な膜ができる。
【0036】ターゲットホルダー12に磁石のような磁
場発生手段を配置して、反応性マグネトロンスパッタリ
ングとしてもよい。こうすれば、スパッタガスのプラズ
マはよりターゲット近傍に閉じ込められる。
【0037】又、電源8としてはDC電源の他にもAC
電源が用いられる。AC電源としては、例えば13.5
6MHzのRF電源があり、必要に応じてDCバイアス
を重畳させてもよい。
【0038】反応室9の上下にある排気口57、59
は、不図示の排気ポンプに接続されている。排気ポンプ
は主排気用のターボ分子ポンプやクライオポンプと粗排
気用のロータリーポンプ等を組み合わせて構成できる。
【0039】又、図1はターゲット1を上方に、基板を
下方に配置した装置を示しているが、この関係を上下逆
にして上方に基板をその被成膜面が下を向くように配置
して、下方にターゲットをそのスパッタされる面が上を
向くように配置してもよい。或いは被成膜面及びスパッ
タされる面が非水平となるように平板上の基板やターゲ
ットを立てて配置してもよい。
【0040】本発明に用いられる光源としては、紫外光
を用いることが出来る。とりわけ、コヒーレンシーの高
いレーザー光はより好ましいものである。
【0041】レーザ照射の方式は2種類に大別される。
一方はレーザ光を基板に水平に照射し、光の作用を原料
ガスの励起および分解過程に限定する方法であり、他方
はレーザ光を基板に照射することにより基板表面での反
応過程を期待するものである。
【0042】光をどのように照射するかは、目的によっ
て異なる。水平照射法では、原料ガスの励起を空間的に
限定できる利点があるが、基板上での成膜反応は熱エネ
ルギーによるものしか期待できない。基板照射法では、
表面での光励起効果による成膜プロセスの制御が期待で
きるが原料ガスの励起過程も重畳されるため現象は複雑
になる。本発明においては、スパッタリングと併用する
為に反応室内圧力が低いので、図1に示したとおり、光
を基板表面に対して斜めに照射する方法を採用してい
る。
【0043】レーザとしては、光子のエネルギーが大き
いエキシマレーザを用いる。
【0044】先に述べたレーザ照射法により、成膜プロ
セスでの光の役割は異なる。ここでは基板照射でかつレ
ーザによる基板の温度上昇効果を無視できる場合に限定
し、気相反応過程と表面反応過程のそれぞれの場合の光
の照射効果について記述する。
【0045】(気相反応過程)気相反応過程は、原料ガ
スの光吸収、原料ガスの分解、分解により生成した化学
種の輸送に分けられる。
【0046】光吸収したガスの分解過程は、分子が直接
解離ポテンシャルへ励起されて分解にいたる直接解離
と、いったん安定な結合ポテンシャルに励起された後解
離ポテンシャルに移行して分解する前期解離がある。励
起エネルギーが小さいと、解離ポテンシャルに移行でき
ないので光分解は生じない。励起波長と原料ガスの吸収
特性および原料ガスの結合解離エネルギーがわかれば、
光分解の可能性をある程度予測できる。例えばO2ガス
の結合解離エネルギーは495.0KJ/molであ
り、光子エネルギーが6.4eV(これは618KJ/
molに相当)のArFエキシマレーザー光照射によっ
て分解する。又、オゾンガスはKrFエキシマレーザー
光(光子エネルギー5.0eV)照射によっても分解し
活性な化学種として振舞う。
【0047】光分解により形成された活性な化学種は拡
散、対流により基板表面に到達し、成膜に寄与する。基
板表面近傍に至るまでの反応空間中での活性な化学種の
濃度は、二次反応速度と輸送速度の競争で決まる。従っ
て、気相反応過程は、これを構成する素反応の種類と速
度や拡散速度、更には気相中の反応による対流や濃度分
布が引き起こす照射光の空間的なエネルギー分布の変化
等にも依存する。
【0048】(表面反応過程)気相反応で形成された活
性な化学種は基板上に吸着し、膜中に取り込まれてい
く。
【0049】基本的には基板近傍の化学種の分圧をPi
とすると、単位時間、単位面積あたりの基板への吸着量
wiは次に示すHertz−Knudsenの式で与え
られる。
【0050】
【外1】 ここで、βi,Miは化学種iの付着確率と分子量であ
り、Rはガス定数、Tはガス温度である。
【0051】βiは表面性状、温度、圧力、化学種の内
部エネルギー等によって変化する。基板に光が照射され
た場合、吸着した化学種も一部光によって励起されるの
でβiの決定に影響を及ぼすことになる。
【0052】そして、例えば酸化アルミニウムを形成す
る場合にはKrFエキシマレーザーやArFエキシマレ
ーザーが好ましく、酸化シリコンを形成する場合にはA
rFエキシマレーザーがより好ましい。
【0053】(成膜方法)以下、上述した反応性スパッ
タリング装置を用いて薄膜を形成する薄膜形成法につい
て説明する。
【0054】まず、反応室9内にターゲット1と基板1
と仕切り部材としてのグリッド板6とを配置する。
【0055】まず、複数の開孔を有するグリッド板6を
チャンバ内の所定位置に配置する。そして、ターゲット
1をターゲットホルダー12上に配置する。続いて基板
2を基板ホルダー7上に配置する。
【0056】反応室9内の上部空間56及び下部空間5
8を排気し、必要に応じて基板2を加熱する。
【0057】ガスシャワーヘッド3の供給口10からタ
ーゲット1とグリッド板6との間の空間に該スパッタガ
スGAを供給し、反応ガスシャワーヘッド4の供給口1
1から基板2とグリッド板6との間に反応ガスを供給す
る。
【0058】反応室内の圧力を 0.05乃至 13 パ
スカル、より好ましくは0.1乃至1.0パスカル程度
に維持した状態で、ターゲット1とグリッド板6との間
にDC電圧又はRF電圧を印加して、ターゲット1とグ
リッド板6との間に放電を起こして、スパッタガスのプ
ラズマ5を生成する。このプラズマ粒子にてスパッタさ
れたターゲットの構成原子はグリッド板6の開孔6aを
通して基板2の表面に達する。ここで、グリッド板6と
基板2との間の空間には光励起によってターゲット構成
原子と反応する反応ガスの活性種が存在しているので、
基板表面で両者が反応し、ターゲットの構成原子と該反
応ガスの構成原子とを含む膜を基板上に形成することが
できる。
【0059】本実施形態によれば、スパッタされた高エ
ネルギー粒子をグリッド板で捕獲するので、ダメージの
ない緻密な膜が出来る。又、反応ガス活性種のターゲッ
ト側への流出をグリッド板によって防止できるので、反
応ガス活性種とスパッタされたターゲット構成原子との
反応は基板表面で優先的に生じる。こうして、スパッタ
レートが低下することはなく、高堆積速度で化学量論比
にかなり近い薄膜が形成できる。
【0060】本発明に用いられるターゲット及び仕切り
部材の表面材料としては、SiO2,Al23,Ta2
5,InO,SnO2,TiN,Cu2O,ZnO,Mg
2,MgO等の化合物である。或いは、Al,Ta,
Si,Ti,Cu等であってもよい。
【0061】スパッタガスとしてはHe,Ne,Ar,
Kr,Xe等があげられる。
【0062】反応ガスとしてはO2、N2、N2O、F2
NF3、O3等があげられる。
【0063】基板としては、透光性のもの、非透光性の
ものいずれであってもよく、その材料としてはシリコ
ン、GaAs等の半導体基板や、ガラス、石英、蛍石等
の絶縁性基板や、ステンレス、アルミ等の金属基板があ
げられる。
【0064】形成できる薄膜としては酸化シリコン、酸
化アルミニウム、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化
すず、窒化チタン、酸化銅、酸化亜鉛、フッ化マグネシ
ウム、酸化マグネシウム等である。
【0065】特に本発明の反応性スパッタリング装置
は、凹面又は凸面をもつ透光性絶縁性の基板表面上に光
学薄膜を形成する場合に有効であり、本発明の薄膜形成
法により得られた光学薄膜はエネルギーの高いKrFエ
キシマレーザーやArFエキシマレーザー光学系物品の
反射防止膜又は増反射膜として優れた特性を示す。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、ターゲットのスパッタ
リングにより堆積速度を向上させ、光照射により活性化
を促進することにより緻密な膜が高成膜速度で得られ
る。又、薄膜の厚さ及び光学的特性或いは電気的特性が
面内において均一な化合物薄膜を形成できる。
【0067】又、均一大面積の化合物薄膜を容易に形成
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施形態による反応性スパッタ
リング装置の模式図である。
【図2】本発明の反応性スパッタリング装置に用いられ
る仕切り部材の平面図である。
【図3】従来の反応性スパッタリング装置の1例を示す
模式図である。
【図4】従来の反応性スパッタリング装置の別の例を示
す模式図である。
【符号の説明】
1 ターゲット 2 基板 3、4 ガスシャワーヘッド 5、55 プラズマ 6 仕切り部材(グリッド板) 7 基板ホルダー 8 電源 9 反応室 10 スパッタガス供給口 11 反応ガス供給口 12 ターゲットホルダー 71 窓 72 エキシマレーザー光源 73 集光光学系
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/31 H01L 21/31 D

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を保持する為の基板保持手段と、原
    料を保持する為の原料保持手段と、該原料をスパッタリ
    ングする為のスパッタガスを反応室内に供給するスパッ
    タガス供給手段と、反応ガスを供給する為の反応ガス供
    給手段と、該原料と該基板間の空間に放電を起こす為の
    電力を供給する電力供給手段とを備えた薄膜形成装置に
    おいて、 該原料と該基板との間に複数の開孔を有する仕切り部材
    が設けられ、 該原料と該仕切り部材との間の空間に該スパッタガスを
    供給し、該基板と該仕切り部材との間に該反応ガスを供
    給するように、該スパッタガスの供給口及び該反応ガス
    の供給口が互いに離間して設けられ、 該仕切り部材と該基板との間の空間に向けて光を照射す
    る光照射手段を具備することを特徴とする反応性スパッ
    タリング装置。
  2. 【請求項2】 該開孔のアスペクト比が1.0未満であ
    る請求項1に記載の薄膜形成装置。
  3. 【請求項3】 該光照射手段はエキシマレーザー光源で
    ある請求項1に記載の薄膜形成装置。
  4. 【請求項4】 該仕切り部材は、該複数の開孔が規則的
    に分布した板状部材である請求項1に記載の薄膜形成装
    置。
  5. 【請求項5】 該仕切り部材は、該原料又は形成すべき
    膜と同じ材料の表面を有している請求項1に記載の薄膜
    形成装置。
  6. 【請求項6】 該スパッタガス供給口は、該ターゲット
    近傍に且つ該ターゲットを囲うように複数配置され、該
    反応ガス供給口は、該基板近傍に且つ該基板を囲うよう
    に複数配置されている請求項1に記載の薄膜形成装置。
  7. 【請求項7】 該仕切り部材は、成膜中正又は負の所定
    の電位に保持される請求項1に記載の薄膜形成装置。
  8. 【請求項8】 該基板保持手段は面内自転可能である請
    求項1に記載の薄膜形成装置。
  9. 【請求項9】 基板を保持する為の基板保持手段と、原
    料を保持する為の原料保持手段と、該原料をスパッタリ
    ングする為のスパッタガスを反応室に供給するスパッタ
    ガス供給手段と、反応ガスを供給する為の反応ガス供給
    手段と、該原料と該基板との間の空間に放電を起こす為
    の電力を供給する電力供給手段とを備えた装置を用いて
    化合物薄膜を形成する薄膜形成法において、 複数の開孔を有する仕切り部材を挟んで、該基板と該原
    料とを配置し、 該原料と該仕切り部材との間の空間に該スパッタガスを
    供給し、該基板と該仕切り部材との間に該反応ガスを供
    給し、 少なくとも該原料と該仕切り部材との間に放電を起こ
    し、 該仕切り部材と該基板との間の空間に向けて光を照射し
    て、 該基板上に該原料の構成原子を含む膜を形成することを
    特徴とする薄膜形成法。
  10. 【請求項10】 該開孔のアスペクト比が1.0未満で
    ある請求項9に記載の薄膜形成法。
  11. 【請求項11】 該光はエキシマレーザー光である請求
    項9に記載の薄膜形成法。
  12. 【請求項12】 該仕切り部材は、該複数の開孔が規則
    的に分布した板状部材である請求項9に記載の薄膜形成
    法。
  13. 【請求項13】 該原料は、該仕切り部材の表面と同じ
    材料である請求項9に記載の薄膜形成法。
  14. 【請求項14】 該スパッタガスは、該ターゲット近傍
    に且つ該ターゲットを囲うように複数配置された供給口
    から、該反応ガスは、該基板近傍に且つ該基板を囲うよ
    うに複数配置された供給口からそれぞれ供給される請求
    項9に記載の薄膜形成法。
  15. 【請求項15】 該仕切り部材を、成膜中所定の電位に
    保持した状態でスパッタリングを行う請求項9に記載の
    薄膜形成法。
  16. 【請求項16】 該基板を回転させながらスパッタリン
    グを行う請求項9に記載の薄膜形成法。
  17. 【請求項17】 該基板は透光性絶縁基板である請求項
    9に記載の薄膜形成法。
  18. 【請求項18】 該スパッタガスはHe,Ar,Ne,
    Kr,Xeから選択される少なくとも一種のガスである
    請求項9に記載の薄膜形成法。
  19. 【請求項19】 該反応ガスは酸素、窒素、フッ素、オ
    ゾン、N2Oの少なくともいずれか1つである請求項9
    に記載の薄膜形成法。
  20. 【請求項20】 該反応ガスはNF3又はF2である請求
    項9に記載の薄膜形成法。
  21. 【請求項21】 該基板は凹面又は凸面を有する透光性
    絶縁基板である請求項9に記載の薄膜形成法。
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