JPH067548B2 - 薄膜形成方法 - Google Patents

薄膜形成方法

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JPH067548B2
JPH067548B2 JP58180236A JP18023683A JPH067548B2 JP H067548 B2 JPH067548 B2 JP H067548B2 JP 58180236 A JP58180236 A JP 58180236A JP 18023683 A JP18023683 A JP 18023683A JP H067548 B2 JPH067548 B2 JP H067548B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は薄膜形成方法および薄膜形成装置に関し、詳し
くは、たとえばSiO2膜など、絶縁膜の形成にとくに好適
な薄膜形成方法および薄膜形成装置に関する。
〔発明の背景〕
被処理物にバイアス電圧を印加しつつ、スパツタリング
を行なうバイアススパツタ法は、たとえばSiO2などの膜
の堆積と膜表面の平坦化を、同時に達成できるという特
長を有している。
バイアススパツタ法は、SiO2などの堆積を行ないなが
ら、堆積したSiO2などの一部を同時にエツチして、SiO2
などの膜を形成する方法であり、膜表面の平坦化は、膜
形成中に行なわれるエツチングの速度が、下地の形状に
依存することによつて起る。
すなわち、バイアススパツタ法においては、下地が傾斜
している部分のエツチング速度が、平坦である部分のエ
ツチング速度より大きいため、下地の突起に起因する堆
積膜表面の突起は、エツチングの進行とともに小さくな
り、ついには表面平坦化が達成される。
バイアススパツタ法において、膜表面を十分に平坦化す
るためには、膜形成中における上記エツチングの割合
を、再スパツタ率で30〜80%にする必要があり、そ
のためには、その上に膜を形成すべき基板に印加する高
周波電力を、ターゲツト電力の15〜40%とする必要
がある。
その結果、上記基板は、グロー放電に直接さらされるこ
とになり、SiO2の凝縮エネルギや、入射する荷電粒子の
衝突エネルギのみではなく、グロー放電からのふく射に
よつても温度が上昇する、という問題がある。
しかも、SiO2など絶縁膜は、金属膜にくらべてスパツタ
率が小さいため、十分な形成速度を得るためには、さら
に大きな高周波電力を、ターゲツトに印加しなければな
らず、基板温度は、このターゲツトからふく射によつて
も上昇してしまう。
また、膜の形成をスパツタリングによつて行なつている
ため、膜の堆積速度が遅いという問題があり、解決が望
まれていた。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、上記従来の問題を解決し、表面が平坦
な膜を、基板に対する大きな影響なしに形成することの
できる薄膜形成方法および薄膜形成装置を提供すること
である。
〔発明の概要〕
上記目的を達成するため、本発明は、薄膜を堆積する手
段とエツチングする手段をそれぞれ独立させ、両者を同
時または交互に使用して、基板の温度上昇を抑え、かつ
表面が平坦な薄膜を基板上に形成するものである。
本発明において、上記薄膜を堆積する手段や上記エツチ
ング手段から発生するプラズマやグロー放電を、それぞ
れ上記手段の近傍に局在させれば、上記プラズマやグロ
ー放電の、基板に対する影響を減少させ、基板温度の上
昇を少なくすることができる。
また、上記プラズマやグロー放電の上記局在を行なわな
い場合は、基板の温度上昇を抑制することはできない
が、膜の堆積速度が極めて大きい、という利点が生ず
る。
〔発明の実施例〕
以下、実施例を参照して本発明を詳細に説明する。
実施例1 第1図は、本発明の一実施例を説明するための図であ
る。
反応容器となる真空槽5は、ガス導入口1,2,3、排
気口4をそなえ、さらに、基板6上に膜を堆積するため
の、マイクロ波イオン源7および上記基板6の表面をエ
ツチングするためのホツトフイラメント型イオン源8を
それぞれ独立して有している。なお上記基板6は、石英
12によつて回転可能なサセプタ9上に保持されてい
る。
SiO2膜を基板6上に形成する場合を例に用いて説明する
と、まず、排気口4を介して真空槽5内を排気し、内部
の空気圧をほぼ10-4〜10-5Paとする。
つぎに、上記マイクロ波イオン源7に周波数2.45GHz
のマイクロ波電力を印加し、さらに、上記ガス導入口
2,3からモノシラン(SiH4)と酸素(O)を導入す
るとともに、マイクロ波放電を発生してSiH4とOを反
応させ、CVD(Chemical Vapor Deposition)によつ
て基板6上にSiO2膜を堆積した。
一方、上記ガス導入口1からは、アルゴン(Ar)を導
入し、ホツトフイラメント型イオン源8に電力を印加し
てArイオンを発生させ、グリツド13によつて加速し
て得られたArイオンビームを、基板6を照射して、基
板6に堆積されたSiO2膜をエツチングして表面の平坦化
を行なつた。
なお、基板6は、内部を水冷されているサセプタ9に静
電チヤツクによつて吸着させ、サセプタ9とともに回転
させた。
このようにすると、基板6に対するマイクロ波イオン源
8からの荷電粒子による衝撃は、グリツド14によつて
防止させ、その結果、基板6の温度上昇は著るしく抑制
される。
すなわち、第2図はSiO2膜の形成速度と基板温度の関係
を示す曲線図であり、曲線aおよびbは、それぞれ従来
のバイアススパツタ法および本発明によつて得られた結
果を示す。
ここに、上記曲線bは、真空槽5内の圧力を6.7×1
-2pa,基板6の中心とマイクロ波イオン源7および
ホツトフイラメント型イオン源8との間隙を、いずれも
15cmとし、膜形成中における薄膜の堆積量に対するエ
ツチング量の割合を、30%とした場合に得られた結果
を示す。
第2図から明らかなように、本発明によつてSiO2膜の形
成を行なうと、バイアススパツタ法を用いた場合より
も、基板の温度上昇ははるかに少なく、たとえばSiO2
の形成速度50nm/分の場合の基板温度の上昇は、本
発明を用いると、バイアススパツタ法の1/2以下とな
ることがわかる。
また、許容される基板温度の上昇を250℃とすると、
バイアススパツタ法を用いたときよりも、SiO膜の
形成速度が3倍以上になる。
このような基板温度上昇における改善は、プラズマ源を
基板から離間させたために基板への熱ふく射が減少し、
加えて、グリツド14によつて、荷電粒子による基板へ
の衝撃が抑制されたためと考えられる。
実施例2 第3図に本発明の他の実施例を示す。
マイクロ波イオン源7とホツトフイラメント型イオン源
8は、いずれも真空槽5の底面に設けられ、これら両イ
オン源7,8に対向した位置には、回転し得るサセプタ
9が設けられている。
上記サセプタ9上に、複数のSi基板6,6′を固定し
て、サセプタ9を回転させながら、マイクロ波イオン源
7とホツトフイラメント型イオン源8を動作させる。
このようにすると、基板6,6′がマイクロ波イオン源
7の上方に位置したときは、SiO2膜の堆積が、実施例と
同様にCVDによつて行なわれ、ホツトフイラメント型
イオン源8の上方に達すると、堆積したSiO2膜のArイ
オンによるエツチングが行なわれるから、結局、膜の堆
積とエツチングが交互に行なわれる。その結果、各基板
6,6′は、マイクロ波イオン源7またはホツトフイラ
メント型イオン源8に、対向した位置にあるとき以外
は、上記両イオン源7,8からの熱ふく射を受けずに冷
却され、基板温度上昇の抑制は、実施例の場合よりもさ
らに顕著になり、基板温度の上昇を効果的に防止しなが
ら、膜の堆積と表面平坦化を達成できる。
上記実施例は、SiHとOを原料ガスとして用い
て、SiO膜を形成する場合を示したが、例えばSi3N
4膜やリンガラス膜などの他の絶縁膜あるいは、金属
膜、合金膜を形成する場合にも、本発明を用いることが
できる。
原料ガス間の気相反応を促進するためのプラズマは、上
記実施例ではマイクロ波イオン源を使用したが、他のプ
ラズマ発生手段を用いることを可能である。
堆積膜表面の平坦化には、上記実施例において使用した
Arイオン以外のイオン用いてもよいことは、いうまで
もないことであり、たとえば中性ビームなどイオン以外
の種々を粒子線を照射してエツチングを行なうことも可
能である。
基板上に膜を堆積するため手段としては、上記CVDの
他に、堆積速度は遅くなるが、スパツタリングを用いる
こともできる。この場合、マイクロ波イオンにはSiH4
などの反応性ガスのかわりに、不活性ガスを導入
し、マイクロ波イオン源の開口側壁部に石英を配置すれ
ば、SiO膜の堆積が行なわれる。
また、マイクロ波イオン源やホツトフイラメント型イオ
ン源と基板との間に、開閉可能なシヤツタを設けるな
ど、実施を円滑するための各種手段を付加してもよい。
〔発明の効果〕
上記のように、本発明は膜を堆積させる手段と、堆積し
た膜をエツチして表面を平坦化する手段を、互いに独立
して設けたものである。
そのため、従来のバイアススパツタ法にくらべて、基板
の温度上昇ははるかに少なくなり、また、膜の堆積手段
としてCVDを用いると、膜の堆積速度は極めて迅速に
なる。
膜の堆積手段とエツチング手段を、それぞれ独立して制
御できるため、膜の堆積速度や表面の平坦度を所望の値
に制御するのは容易である。
また、膜堆積手段がグリツドを有しているときは、膜の
堆積速度はやや小さくなるが、荷電粒子による衝撃が抑
制させて基板温度の上昇は極めて少ない。
一方、上記グリツドを使用しないと、荷電粒子の衝撃の
ため、基板温度抑制の効果はあまり大きくないが、膜の
堆積速度は極めて大きくなるので、グリツドを適宜使用
することによつて、広範囲の目的に対応することができ
る。
これらの特長は、いずれも従来の方法では不可能であつ
たものであり、表面が平坦な膜の形成に極めて有用であ
る。
なお、膜表面を平坦化するためには、従来のバイアスス
パツタ法と同様、再スパツタ率が30%から80%とす
れば良い。これは、再スパツタ率が30%以下では十分
な平坦性が得られず、80%以上では下地材料に損傷が
発生しやすくなるためである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す図、第2図は本発明の
効果を示す曲線図、第3図は本発明の他の実施例を示す
図である。 1,2,3…ガス導入口、4…排気口、5…真空槽、
6,6′…基板、7…マイクロ波イオン源、8…ホツト
フイラメント型イオン源、9…サセプタ、10,11…
電磁石、12…石英、13,14…グリツド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥平 定之 東京都国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 向 喜一郎 東京都国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭53−4778(JP,A) 特開 昭58−3221(JP,A) 特開 昭53−125761(JP,A) 特開 昭51−3875(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板が配置された反応容器外において所定
    の第1の圧力で第1の粒子線を発生する工程と、上記第
    1の粒子線を上記第1の圧力よりも低い第2の圧力を有
    する上記反応容器内に導入して上記基板上に絶縁膜を堆
    積する工程と、上記反応容器外において上記第1の粒子
    線と異なる第2の粒子線を発生する工程と、上記第2の
    粒子線を上記反応容器内に導入して上記絶縁膜を30%
    から80%の再スパツタ率でエツチングする工程とを有
    することを特徴とする薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の薄膜の形成
    方法において、前記絶縁膜を堆積する工程およびエツチ
    ングする工程は、同時もしくは交互に行うことを特徴と
    する薄膜の形成方法。
JP58180236A 1983-09-30 1983-09-30 薄膜形成方法 Expired - Lifetime JPH067548B2 (ja)

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JP58180236A JPH067548B2 (ja) 1983-09-30 1983-09-30 薄膜形成方法
US06/655,438 US4599135A (en) 1983-09-30 1984-09-28 Thin film deposition

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JP58180236A JPH067548B2 (ja) 1983-09-30 1983-09-30 薄膜形成方法

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JPS6074534A JPS6074534A (ja) 1985-04-26
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Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS63233549A (ja) * 1987-03-20 1988-09-29 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 薄膜形成法
JPH08153682A (ja) * 1994-11-29 1996-06-11 Nec Corp プラズマcvd装置

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JPS6074534A (ja) 1985-04-26

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