JPH0738014U - 水平回転棚式台車保管装置の台車の車輪案内構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車輪付き台車を台車積載車上に保管する水平
回転棚式台車保管装置において、台車を台車積載車に積
んだり台車積載車から降ろしたりするとき、台車の車輪
の走行案内をするための構造の提供。 【構成】 車輪案内構造は、台車１１を積載しチェーン
１２に牽引されて走行する台車積載車１３上に形成され
た断面コ字状の溝１７の底部１８の端部に設けられた乗
継ぎ板２０を有している。溝１７は台車１１の車輪１６
を受け入れるための案内溝である。乗継ぎ板２０は、上
下方向に回転可能で且つ弾性体１９によって上方に付勢
されて設けられている。台車は作業員に押されて溝１７
の入口に接近する。台車の車輪１６は乗継ぎ板を弾性体
に抗して下方に傾動させて乗継ぎ板に乗り上がる。この
結果、乗継ぎ板は、斜めになり、台車の車輪を溝に案内
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車輪付き台車を台車積載車上に保管する水平回転棚式台車保管装置 において、台車を台車積載車に積んだり台車積載車から降ろしたりするとき、台 車の車輪の走行案内をするための構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、水平回転棚式台車保管装置として、実開平４−８４２０７号公報によっ て公開されたものがある。 この水平回転棚式台車保管装置（図示省略）は、水平循環移動するチェーンに 牽引され且つ台車を積載して走行する台車積載車を複数台具えており、台車積載 車には台車の車輪を受け入れる断面コ字状の溝が形成されている。 作業員は、台車積載車に台車を押して積載する場合、積載場所の床に固定され たスロープに台車を乗り上がらせて台車積載車に台車を載せている。 スロープは、断面直角三角形の形状をした突条であり、三角形の斜辺に相当す る部分を台車が登り降りするようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、このようなスロープを使用して台車を台車積載車に積んだり台車積 載車から降ろしたりすると、スロープと溝との間に隙間が生じ、その隙間に台車 の車輪が引っ掛かり、台車がつんのめるようにして前方に倒れる恐れがあるとい う問題点を有している。 又、積載場所にスロープを固定的に設けておかなければならないため、作業員 が作業中にスロープでつまずき、怪我をする恐れがあるという問題点も有してい る。 さらに、積載場所が変更になったとき、スロープを取り外し新たな場所に設置 し直さなければならないという問題点も有している。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、第１に、水平循環移動するチェーンに牽引され且つ台車を積載して 走行する台車積載車を複数台具え、前記台車積載車に前記台車の車輪を受け入れ る断面コ字状の溝が形成されている水平回転棚式台車保管装置において、前記溝 の底部の端部に垂直面において回転可能に設けられ弾性体によって上方に付勢さ れた乗継ぎ板を有する台車の車輪の案内構造により、 第２に、水平循環移動するチェーンに牽引され且つ台車を積載して走行する台 車積載車を複数台具え、前記台車積載車に前記台車の車輪を受け入れる断面コ字 状の溝が形成されている水平回転棚式台車保管装置において、前記溝の底部の延 長上に位置する乗継ぎ板を具え前記溝の端部近傍の台車積載車の立板に垂直面に おいて回転可能に設けられた乗継ぎ案内体を有し、前記乗継ぎ案内体は自重又は 別に設けたウエイトによって前記乗継ぎ板側が上方に付勢されている台車の車輪 案内構造により、前記の課題を解決した。

【０００５】

【作用】

第１の車輪案内構造の乗継ぎ板は、弾性体によって上方に付勢され床から離れ ている。 台車は作業員に押されて溝の入口（溝の端部）に接近する。 台車の車輪は乗継ぎ板に乗り上る。このとき、乗継ぎ板は弾性体に抗して下方 に押され、先端が床に押し付けられる。 この結果、乗継ぎ板は、斜めになり、台車の車輪を溝に案内する。 台車が台車積載車に載せられた後、乗継ぎ板は弾性体に付勢され、床から離れ て、元の状態に戻る。 台車を台車積載車から降ろすときは、逆の動作によって行なわれる。

【０００６】 第２の車輪案内構造の乗継ぎ案内体は、通常、自重又は別に設けたウエイトに よって上方に付勢され床から離れており、台車の車輪が乗り上がると自重又はウ エイトに抗して下方に押されて車輪を溝に案内する。そして、車輪が通過すると 自重又はウエイトによって床から離れ、元の状態に戻る。 台車を台車積載車から降ろすときは、逆の動作によって行なわれる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図１乃至図６に基づいて説明する。 水平回転棚式台車保管装置１０は、物品を積載した台車１１を積載して、台車 １１ごと保管する装置である。 台車保管装置１０は、長円の軌跡を描きながら水平循環移動するチェーン１２ と、このチェーン１２に牽引され且つ台車１１を積載して走行する複数台の台車 積載車１３（図面には１台だけ示し、他は省略してある。）とで構成されている 。

【０００８】 台車１１の積降ろし方向は、チェーン１２の移動方向と平行な方向である。 台車１１の積降ろしは、チェーン１２の長円の移動軌跡のコーナ部分において 、台車積載車１３同士の間隔が広がった場所において行なわれる。 台車積載車１３が走行する床Ｆには鉄板Ａが敷いてある。 台車積載車１３には、向きが自由に変わる４つの自在車輪１４が設けられてい る。 又、台車積載車１３のフレーム１５には、台車１１の車輪１６を受け入れる断 面コ字状の溝１７がチェーン１２と平行に２つ形成されている。

【０００９】 溝１７は、台車積載車１３の底板１８に設けられた互いに平行な一対の壁（垂 直壁）２２，２２によって形成されている。 溝１７を構成している底板（底部）１８の一端には、スプリング１９によって 上方（図１において図面の上端側）に付勢された乗継ぎ板２０が蝶番２１によっ て傾動可能に設けられている。乗継ぎ板２０は蝶番２１によって溝１７の底板１ ８に連結されているため、乗継ぎ板２０と底板１８の端部との間には殆ど隙間が ない。 乗継ぎ板２０の傾動方向は、図１において図面の上下端方向である。 乗継ぎ板２０の先端は、床Ｆの方へ多少折り曲げられている。

【００１０】 乗継ぎ板２０（図２参照）上には、溝１７の一対の壁２２，２２の端部から遠 ざかるに従って互いに離れる「ハ」の字状の一対の案内板（車輪案内壁）２３， ２３が設けられている。 案内板２３は、乗継ぎ板２０がスプリング１９によって上方に付勢されている とき、溝１７の底板１８の上面に当接して乗継ぎ板２０を略々水平に保持してい る（図１参照）。

【００１１】 台車積載車１３の台車積降ろし端側には、台車積載車１３上の台車１１が飛び 出さないように台車１１の飛び出しを阻止するストッパ２４が設けられている。 ストッパ２４は、台車積載車１３に水平に突設された支持軸２５に回転可能に 設けられている。

【００１２】 次に動作を説明する。 通常、乗継ぎ板２０は、図１の実線で示すように、スプリング１９によって上 方に付勢され床Ｆから離れている。又、ストッパ２４はフレーム１５上に倒れた 水平状態に保持されている。 台車１１は作業員に押されて溝１７の入口（図１、図２の右端部）に接近し、 乗継ぎ板２０に乗り上る。

【００１３】 乗継ぎ板２０に車輪１６が乗り上がると、図１の想像線で示すように、乗継ぎ 板２０はスプリング１９に抗して下方に押され、先端が床Ｆに押し付けられる。 このとき、乗継ぎ板２０の先端が床Ｆの方へ折り曲げられているため、車輪１６ は乗継ぎ板２０に円滑に乗り上がることができる。 又、乗継ぎ板２０が下方に傾くと案内板２３も一体に下方へ傾く。傾いた案内 板２３は、車輪１６を溝１７に案内する。

【００１４】 台車１１が台車積載車１３上に載せられた後、乗継ぎ板２０はスプリング１９ に引かれて、床Ｆから離れ、元の水平状態に戻る。 又、台車１１が台車積載車１３に載せられた後、作業員は、爪先でストッパ２ ４を蹴り上げる。ストッパ２４は、支持軸２５を中心にして９０度以上回転し、 蹴られた反対側の方へ倒れ込もうとする。

【００１５】 しかし、ストッパ２４の後端がフレーム１５に接触してストッパ２４の回転規 制をする。このため、ストッパ２４は、斜めに立ったままの状態になり、フレー ム１５の上面から突出する（図１参照）。 従って、台車１１は、台車積載車１３に搬送されている途中において、台車積 載車１３から飛び出そうとしても、ストッパ２４に規制され、飛び出すようなこ とがない。 乗継ぎ板２０は台車１１を台車積載車１３から降ろすときも床Ｆの方へ傾く。

【００１６】 次に、他の実施例を図４乃至図６に基づいて説明する。 この実施例は、乗継ぎ板に関する部分以外は図１乃至図３の構造と同一である ので、同一部分には、図１乃至図３の符号の先頭に１を付して示し、その構造の 説明は省略する。

【００１７】 台車積載車１１３には台車１１１の車輪１１６を案内する溝１１７が形成され ている。 溝１１７の端部近くの台車積載車１１３の立板１２６，１２６には、乗継ぎ案 内体１４０がピン１３２，１３２によって垂直面において回転可能に設けられて いる。 乗継ぎ案内体１４０は、一対の傾動板１３１，１３１と、乗継ぎ板１２０とで 構成されている。 乗継ぎ板１２０は、溝１１７を構成している底板（底部）１１８の端部との間 に殆ど隙間が生じないように、一対の傾動板１３１，１３１の先端（図４、図５ 、図６において左側）に取り付けられている。

【００１８】 ピン１３２，１３２は、傾動板１３１の長手方向の中心より乗継ぎ板１２０側 に設けられている。 このため、乗継ぎ案内体１４０は、自重によって、図４において時計方向に回 転付勢されている。すなわち、乗継ぎ板１２０側が上方（図４において図面の上 端側）に付勢されている。 一対の傾動板１３１，１３１の後端（図４、図５、図６において右側）には、 ウエイト１３０，１３０が設けられている。このウエイト１３０は、乗継ぎ案内 体１４０の回転付勢を助けるために設けられており、必ずしも必要とするもので はない。

【００１９】 乗継ぎ案内体１４０の上方への傾動規制は、溝１１７の底板１１８にウエイト １３０が当接して行なわれている。 又、乗継ぎ板１２０は、溝１１７の一対の壁１２２，１２２の一端に連続して 形成された「ハ」の字状の一対の案内板１２３，１２３の下側に位置している。 なお、案内板１２３の一部分は、図３に示す案内板２３のように乗継ぎ板１２ ０上に設けてもよい。

【００２０】 次に動作を説明する。 ストッパ１２４の動作は、図１、図２に示すストッパ２４と同一であるため、 その動作説明は省略する。 通常、乗継ぎ板１２０は、図４で示すように、乗継ぎ案内体１４０の自重又は ウエイト１３０とによって上方に付勢され床Ｆから離れている。 台車１１１は作業員に押されて溝１１７の入口（図４、図５の左端部）に接近 し、乗継ぎ板１２０に乗り上る。

【００２１】 乗継ぎ板１２０に車輪１１６が乗り上がると、図６に示すように、乗継ぎ案内 体１４０は乗継ぎ案内体１４０の自重又はウエイト１３０の重さとに抗して下方 に押され、乗継ぎ板１２０の先端が床Ｆに押し付けられる。 車輪１１６は乗継ぎ板１２０に乗り上がり、案内板１２３，１２３を案内にし て溝１１７に進入する。 台車１１１が台車積載車１１３上に載せられた後、乗継ぎ案内体１４０は自重 又はウエイト１３０とによって床Ｆから離れ、元の水平状態に戻る。 乗継ぎ案内体１４０は、台車１１１を台車積載車１１３から降ろすときも床Ｆ の方へ傾く。

【００２２】 図４乃至図６に示す車輪案内構造は、図１乃至図３に示す車輪案内構造とは異 なって、経年劣化を起こすスプリングを使用しないで、乗継ぎ案内体１４０の自 重又はウエイトの重さを利用しているため、乗継ぎ案内体１４０の回転が長期間 保障される。

【００２３】 従って、台車１１，１１１は、乗継ぎ板２０，１２０と一対の案内板２３，２ ３，１２３，１２３との案内によって円滑に積降ろしされる。 又、台車１１，１１１の積降ろし方向と台車積載車１３，１１３の走行方向と が同一である本台車保管装置１０，１１０において、仮に、従来のように床に設 置されたスロープによって台車の積降ろしを行なうと、スロープを台車積載車１ ３，１１３の走行領域内に設置しなければならず、台車積載車１３，１１３の走 行の妨げになる。しかし、従来のスロープの役目をする乗継ぎ板２０，１２０を 台車積載車１３，１１３に設けてあるため、このような問題が生じることはない 。

【００２４】 なお、台車１１，１１１を積降ろしする際、乗継ぎ板２０，１２０を前輪（又 は後輪）が通過してから後輪（又は前輪）が通過するまでの間に、乗継ぎ板２０ ，１２０がスプリング１９、自重又はウエイト１３０によって一旦起き上がり、 台車１１，１１１の底部に接触する恐れがある。このため、乗継ぎ板２０，１２ ０は、台車１１，１１１の底部に接触しない程度の長さに設定されている。

【００２５】

【考案の効果】

請求項１，２の車輪案内構造は、台車積載車に設けられた乗継ぎ板を有してい るため次の効果を奏する。 (1) 乗継ぎ板と台車積載車の溝の端部との間に殆ど隙間がないため、台車の積 降ろしを円滑に行なうことができる。 (2) 床にスロープを設置する必要がなくなり、所望の場所において台車の積降 ろしをすることができる。 (3) 床にスロープを設置する必要がなくなり、作業員の足元の安全性を高める ことができる。 請求項３の車輪案内構造のように乗継ぎ板上に車輪案内壁を設けると、乗継ぎ 板と一体に傾動する車輪案内壁によって車輪を確実に案内することができ、台車 の積降ろしを円滑に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の車輪案内構造を具えた水平回
転棚式台車保管装置の正面図である。

【図２】図１の平面図である。

【図３】車輪案内構造の平面詳細図である。

【図４】他の実施例の車輪案内構造を具えた水平回転棚
式台車保管装置の正面図である。

【図５】図４の平面図である。

【図６】図４の車輪案内構造において、台車が台車積載
車に乗り降りするときの状態図である。

【符号の説明】

１０，１１０ 水平回転棚式台車保管装置 １１，１
１１ 台車 １２ チェーン １３，１
１３ 台車積載車 １６，１１６ 車輪 １７，１
１７ 溝 １８，１１８ 底板（底部） １９ スプリング（弾性体） ２０，１
２０ 乗継ぎ板 ２２ 壁（垂直壁） ２３ 案内板（車輪案内壁） １２６
立板 １３０ ウエイト １４０
乗継ぎ案内体

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水平循環移動するチェーンに牽引され且
   つ台車を積載して走行する台車積載車を複数台具え、前
   記台車積載車に前記台車の車輪を受け入れる断面コ字状
   の溝が形成されている水平回転棚式台車保管装置におい
   て、前記溝の底部の端部に垂直面において回転可能に設
   けられ弾性体によって上方に付勢された乗継ぎ板を有す
   ることを特徴とする、水平回転棚式台車保管装置の台車
   の車輪案内構造。
2. 【請求項２】 水平循環移動するチェーンに牽引され且
   つ台車を積載して走行する台車積載車を複数台具え、前
   記台車積載車に前記台車の車輪を受け入れる断面コ字状
   の溝が形成されている水平回転棚式台車保管装置におい
   て、前記溝の底部の延長上に位置する乗継ぎ板を具え前
   記溝の端部近傍の台車積載車の立板に垂直面において回
   転可能に設けられた乗継ぎ案内体を有し、前記乗継ぎ案
   内体は自重又は別に設けたウエイトによって前記乗継ぎ
   板側が上方に付勢されていることを特徴とする、水平回
   転棚式台車保管装置の台車の車輪案内構造。
3. 【請求項３】 前記乗継ぎ板は、前記溝の一対の垂直壁
   の端部から離れるに従って間隔が広くなる一対の車輪案
   内壁を具えた、請求項１の車輪案内構造。