JPH0737850Y2 - 射出成形機の射出装置旋回装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はプラスチック等の射出成形機等において、金型
に溶融原材料を射出せしめるスクリュの補修時又はバレ
ル内の掃除時等に必要な射出装置を回動させる装置に関
するものである。

［従来の技術］ 第４〜５図は実開昭62-33414号公報に記載された射出成
形機における射出装置の旋回機構を示す図で、第４図は
該旋回機構の旋回前の状態の略示平面図、第５図は旋回
動作時の略示平面図である。第４〜５図において、51は
射出装置、52は移動シリンダ、53はピン、54はロッド、
55は先端部材、56はリミットスイッチ、57は連結部材、
58は穴、59は射出装置51に挿着された旋回用ピン、60は
図示せぬ摺動台に形成された案内溝、61は射出装置51に
取設された回転体、62は前記摺動台に取設されたガイ
ド、63は固定ダイプレートである。

射出装置51を旋回させる際、まず第４図に示す如く移動
シリンダ52によって射出装置51を後退限まで移動させ
る。この状態でピン53を抜き、移動シリンダ52のロッド
54を移動シリンダ52側に引き込ませる。ロッド54が一定
値まで引き込まれるとロッド54の先端に取設した先端部
材55がリミットスイッチ56に接触し、該リミットスイッ
チ56からの信号によってロッド54の動きが停止する。次
いで移動シリンダ52を第４図における手前側に引き寄
せ、先端部材55の穴を連結部材57の穴58に一致させ、ピ
ン53を挿入して両者を連結させる。

然る後に移動シリンダ52のロッド54を伸長させると射出
装置51は旋回用ピン59を中心にして所定角度の旋回を行
なう。

射出装置51を旋回位置から正常位置に戻す場合には移動
シリンダ52のロッド54を短縮させる。その際、回転体61
がガイド62に接触していることにより射出装置51の旋回
用ピン59の案内溝60に沿っての移動が抑止される。

［考案が解決しようとする課題］ このように上記従来の技術においても大型大重量の射出
装置を所定角度旋回させ、射出装置のスクリュの取り替
え等の補修作業を行なうことが可能であった。

然しながら上記従来の技術は固定ダイプレート63に回動
自在に取設した移動シリンダ52によって全ての動作を行
なうことにより、操作動力費あるいは移動シリンダの回
動自在な支持装置の製作費が大きいこと等の不具合な点
を有することを否めないものであった。

本考案はこのような不具合点を解消し、簡潔な構成によ
って制作費の低い、一人の操作によって容易にかつ的確
に操作し得る旋回装置を提供することを目的としてい
る。

［課題を解決するための手段］ 上記の目的は前記の実用新案登録請求の範囲に記載され
た射出成形機の射出装置旋回装置によって達成される。
すなわち、射出成形機の架台上を旋回ピンを支点にして
水平方向に回動せしめる射出装置の旋回手段において、
射出装置の移動シリンダとの連結部に回動自在に連結さ
れる継手と、該継手に回動自在に連結されねじ部を有す
る軸と、射出成形機の摺動台に取設され前記軸のねじ部
と噛合するねじ部を有し前記軸を水平方向に回動可能な
らしめるピンを具設したブラケットと、前記軸を回動せ
しめるハンドルとを有する射出成形機の射出装置旋回装
置である。

以下、本考案の作用等について実施例に基づいて説明す
る。

［実施例］ 第１〜３図は本考案に基づく実施例を示す図で、第１図
は旋回装置を構成する継手、軸、ブラケット等の組み立
て時の側面図、第２図は旋回前の状態の射出装置旋回装
置の上面図、第３図は旋回後の状態の射出装置旋回装置
の上面図である。第１〜３図において、１は軸、２は継
手、３、４はピン、５はブラケット、６はハンドル、７
は連結部、８は射出装置、９は移動シリンダである。

摺動台上に載置され、ピンによって前記摺動台と回動自
在に連結された射出装置８の固定ダイプレートと対面す
る面には連結部７が取設されている。該連結部７には、
加熱して溶融状態にした樹脂等を金型内に圧入するため
に射出装置８を金型内に圧着させあるいは離脱させる移
動シリンダと連結するためのピン３挿着用の穴が穿設さ
れている。

射出装置８を旋回させる際、まず連結部７に挿着されて
いるピン３を抜いて射出装置８と移動シリンダ９との連
結状態を解除し、移動シリンダ９を短縮させる。

摺動台上に固定されたブラケット５にはねじ部を有し水
平方向に回動自在なピン４が挿着されている。前記ピン
４には該ピン４に穿設されたねじと噛合するねじ部を有
する軸１が回動自在に挿着されている。軸１の一端は前
記連結部７を挟着してピン３によって水平方向に回動自
在に連結され得る継手２に回動自在に枢着され、他端に
は軸１を回動させるハンドル６が取設されている。

ハンドル６の回動操作とピン４とによって継手２を連結
部７に挟着させピン３によって連結させる。これによっ
て準備は完了し、射出装置８および射出装置旋回装置は
第２図に示す状態になり、あとはハンドル６を回動させ
ることによって継手２に連結された射出装置８の連結部
７はブラケット５側に引き寄せられ、それとともに射出
装置８は旋回して、遂には第３図に示す如く所定の旋回
を完了する。この状態で射出装置８の加熱シリンダ（図
示せず）内スクリュの取り替え、補修あるいは掃除等を
実施する。

補修等の作業が完了した後上記旋回時と逆の手順によっ
て射出装置８の復旧を行なう、すなわち、ハンドル８の
回動操作と各ピン３、４の自動的な作用とによって軸１
に枢着された継手３に連結された連結部７は押し戻さ
れ、それに伴って射出装置８は所定の位置まで摺動台上
を摺動台と射出装置８とを回動自在に連結するピン（図
示せず）を中心に旋回し、再び第２図に示す状態に戻
る。このあとピン３を抜脱してハンドル８の回動操作に
よって継手２を連結部７から離脱させ、移動シリンダ９
を伸長させて移動シリンダ９のロッド先端に取設されて
いる先端部材に穿設されている穴と連結部７に穿設され
ている穴の位置を一致させ、再びピン３を挿着して復旧
作業を終了する。

第１図に示す旋回装置はブラケット５のみを摺動台に固
定してあるから、該固定部を取り外すことにより、第１
図に示す旋回装置の総てが除去され、以降の射出成形作
業を円滑に実施することが可能になる。

［考案の効果］ 射出成形機において、スクリュをバレルから抜脱し、あ
るいは挿着する作業は比較的頻度の高い作業であるが、
本考案に基づく極めて簡潔な構造からなる射出装置旋回
装置を使用することによって、以下に示す効果を奏す
る。

構造が極めて簡潔であることから、旋回装置の製作コ
ストを低減し得る。

射出装置の全ての旋回作業を一人の人力によって容易
に行ない得ることから、射出装置の旋回に要する動力費
の低減が得られる。

射出装置の旋回時に、高価な調節装置等を必要とする
ことなく、人力によって微妙な調整作業を実施し得る。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図は本考案に基づく実施例を示し、第１図は旋
回装置の主要部を構成する継手、軸、ブラケット等の組
み立て時の側面図、第２図は旋回前の状態の射出装置旋
回装置の上面図、第３図は旋回後の状態の射出装置旋回
装置の上面図である。 第４〜５図は従来技術の例である。 １……軸、２……継手、３、４……ピン、５……ブラケ
ット、６……ハンドル、７……連結部、８……射出装
置、９……移動シリンダ、51……射出装置、52……移動
シリンダ、53……ピン、54……ロッド、55……先端部
材、56……リミットスイッチ、57……連結部材、58……
穴、59……旋回用ピン、60……案内溝、61……回転体、
62……ガイド、63……固定ダイプレート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】射出成形機の架台上を旋回ピンを支点にし
   て水平方向に回動せしめる射出装置の旋回手段におい
   て、射出装置の移動シリンダとの連結部に回動自在に連
   結される継手と、該継手に回動自在に連結されねじ部を
   有する軸と、射出成形機の摺動台に取設され前記軸のね
   じ部と噛合するねじ部を有し前記軸を水平方向に回動可
   能ならしめるピンを具設したブラケットと、前記軸を回
   動せしめるハンドルとを有することを特徴とする射出成
   形機の射出装置旋回装置。