JPH0737698A - 高周波加速空胴 - Google Patents

高周波加速空胴

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JPH0737698A
JPH0737698A JP5182296A JP18229693A JPH0737698A JP H0737698 A JPH0737698 A JP H0737698A JP 5182296 A JP5182296 A JP 5182296A JP 18229693 A JP18229693 A JP 18229693A JP H0737698 A JPH0737698 A JP H0737698A
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JP
Japan
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frequency
section
beam port
mode
port
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Application number
JP5182296A
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English (en)
Inventor
Takahito Tozawa
隆人 利沢
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加速器用高周波加速空胴において、加速空胴
の高次モードによるビーム不安定性を低減するため、高
次モードのQ値を下げる構造を提供する。 【構成】 本発明においては、ビームポート部に基本モ
ードの電磁界が洩れにくい構造の空胴において、ビーム
ポートの長手方向に平行なスリット状に高周波吸収体の
薄板を貼り付けるか、もしくは、高周波吸収体薄膜を塗
布または蒸着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加速器に使用される高周
波加速空胴に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の高周波加速空胴を図7を用いて説
明する。加速器は、電子、陽子、イオン等のビームを1
0億電子ボルト(1GeV)程度の高エネルギー状態に
加速するものであり、現在、種々の大きさの装置が使用
されている。この加速器には、荷電粒子の加速や、SO
R光として消失されるエネルギーを補給するため、高周
波エネルギーを荷電粒子に供給する高周波加速空胴が設
置されている。
【0003】従来の高周波加速空胴の一例を図7に示
す。1は空胴本体であり、通常、内表面におけるジュー
ル損失を小さくするため金属、特に銅製である場合が多
い。空胴本体1には両面に、高周波加速空胴1同様、金
属製のビームポート1aが接合され、フランジを介して
図示しない加速器のビームダクトに取付けられる。2は
空胴本体1に高周波電力を供給するアンテナであり、他
端は図示しない高周波電源に接続されている。このアン
テナ2から供給された高周波電力により、空胴本体1に
ビームを加速する電界を持ったモード(基本モードまた
は加速モードと呼ばれる)が3の様に立ち、ビームポー
ト1aより高周波加速空胴1に入ってくる荷電粒子ビー
ム4を加速する。入力された高周波電力は、この加速電
界のような電磁界として高周波加速空胴1内に蓄積され
るか、あるいは内壁におけるジュール損失で失われる。
入力された高周波電力のエネルギーに対する、高周波加
速空胴1内に蓄積される電磁界のエネルギーの強さの比
を表わす量としてQ値と呼ばれるものがあり、Q値が高
いほど、同じ入力に対しても強いモードが立つと言え
る。また、内壁におけるジュール損失が大きいほどQ値
は小さくなる。
【0004】チューナ5は高周波加速空胴1内に挿入す
ることにより、加速モードの共振周波数を微調整するた
めの装置である。6は、高周波加速空胴1の加速電界3
をビーム4が通過する中心軸近傍に集中させるととも
に、ビームポート1aから空胴外に洩れ出る量を低減し
て高い加速効率を得るために設けられたノーズである。
【0005】空胴のモードとしては、この加速モードよ
り共振周波数が高い高次モードと言われるものがある。
この高次モードの中には周回するビームに悪影響を及ぼ
し、ビーム不安定性を引き起こすものがある。ビーム不
安定性が発生するとビーム電流値を大きくできず、加速
器が目標とする仕様を達成できなくなる。
【0006】このため、加速モードにほとんど悪影響を
与えず、高次モードの影響を低減する工夫を施すことが
多い。この一例として、高次モードのエネルギーのみを
吸収する高次モードダンパー等が用いられることもある
が、技術的に難しい点が多く、必ずしも実用的とは言え
ない。
【0007】また、高周波加速空胴のビームポートの遮
断周波数が加速モードの共振周波数より若干高い値にな
るようビームポート径を設計することにより、加速モー
ドはビームポートから洩れ出ず、一方加速モードより共
振周波数の高い高次モードはビームポートから高周波加
速空胴の外に逃がすという対策がなされることも多い。
これにより高次モードのQ値は低下するが、積極的に高
次モードを吸収する手段を持たないため、さらに大電流
のビームを得るためには不十分であることが多い。
【0008】次に考えられるのは、ビームポートの遮断
周波数を利用したこのタイプの高周波加速空胴におい
て、ビームポートの内表面に高周波吸収体を貼り付け、
空胴本体から洩れ出る高次モードを吸収することであ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの方法では、
新たな問題が生じる。ビームポートやビームダクトは、
形状や材質に依存するダクトインピーダンスを持ってお
り、一様断面の完全導体ダクトであれば値は小さいが、
断面形状が変化したり、導体でない部分があると大きい
値となる。ダクトインピーダンスの値が大きい場合、通
過するビームによりウェイク場と呼ばれる電磁場が発生
し、これが次に通過するビームに悪影響を与えて高周波
加速空胴同様のビーム不安定性を引き起こしてしまう。
本発明は、高次モードによるビーム不安定性を低減させ
た高周波加速空胴を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上記
課題を解決するために、高周波加速空胴本体に接続され
るビームダクト内表面に、高周波吸収層をスリット状に
形成させる。
【0011】
【作用】上記のようにすると、ビームポート部に洩れ出
してきた高次モードが高周波吸収体によって吸収される
ため、高次モードのQ値が著しく低下する。また、ビー
ムポートのダクトインピーダンスも、高周波吸収体が存
在しているものの、ビームの進行方向に平行に導体部が
残されているためにあまり大きくならない。したがっ
て、ダクトインピーダンスによるビーム不安定性を抑え
ながら、高次モドによるビーム不安定性の影響を低減す
ることが可能である。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図2に基き
説明する。図1は、本発明にかかる高周波加速空胴の一
実施例である。この例においては高周波加速空胴1は、
ノーズ6を持ち、基本モードの電磁界がビームポート1
a部に洩れ出しにくい構造となっている。
【0013】ビームポート1a部には、高周波吸収体の
薄板7がスリット状に貼り付けられている。この薄板の
厚さは、高周波吸収体の抵抗率や誘電率等の物性値によ
って異なるが、この高周波吸収体の、基本モードに対す
る表皮厚さの数倍あれば十分である。
【0014】ビームポート1a部を拡大したものを図2
に示す。8は、高周波吸収体の薄板7が高次モードを吸
収した際に発生する熱を除去するための冷却水路であ
る。この構造により、発生した高次モードはビームポー
ト1a部に洩れ出し、高周波吸収体の薄板7によって吸
収されるのでQ値は著しく低下する。一方基本モードの
電磁界はビームポート1a部に洩れ出しにくい構造とな
っているため、高周波吸収体の薄板7の影響をほとんど
受けず、Q値はほとんど低下しない。
【0015】また、ダクトインピーダンスに関しては、
この実施例においてはビームポート1a部に、ビームの
進行方向と平行に導体部が残されており、ビーム4がビ
ームポート1aを通過した際にウェイク場と呼ばれる電
磁場を周囲に放出しても、これを打ち消すようイメージ
電流9が流れるため、高周波吸収体の薄板7を取り付け
ていない場合と同様、速やかにウェイク場は減衰して、
ビーム不安定性の原因にはならない(すなわちダクトイ
ンピーダンスが小さい)。
【0016】したがって、この実施例により、基本モー
ドに与える影響は小さく、またダクトインピーダンスに
よる悪影響も小さいまま、高次モードによるビーム不安
定性を低減させることができる。
【0017】また、以上の実施例において高周波吸収体
は、板状のものを貼り付けていたが、この高周波吸収体
の物性値によって決定される表皮厚さがミリ以下の小さ
い値である場合には、必要な厚みも薄くなる。この場
合、板状である必要はなく、内面に適当な高周波吸収体
を形成させてもよい。
【0018】(他の実施例)他の実施例を図3及び図3
のIV−IV断面である図4に示す。ビームポート1aの内
表面に円筒状の溝を切り、高周波吸収体層7aを埋め込
んで接合し、この上にスリット状に金属導体薄板10を貼
り付けたものである。この構造においてもイメージ電流
が流れることができるため、ダクトインピーダンスは小
さい値に抑えられる。この例では高周波吸収体層7aを
ビームポート1aに埋め込んだため、完全にイメージ電
流が流れる金属導体薄板10が金属導体製のビームポート
1a部と導通しているが、この導通は完全でなくともよ
いため、高周波吸収体層7aはビームポート1aに溝を
切らず直接内表面に接合しても構わない。また、金属導
体薄板の代わりに金属導体の薄膜をスリット状に形成さ
せてもよい。
【0019】また、図5〜図6に示すよう、ビームポー
ト1bを高周波吸収体で製作し、ビームの進行方向と平
行にスリット状に金属導体薄板10を貼り付ける構造でも
同様の効果が得られる。この薄板を薄膜にしても同様の
効果がある。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基本モードに与える影響は小さく、またダクトインピー
ダンスによる悪影響も小さいまま、高次モードによるビ
ーム不安定性を低減させることができる。ひいてはビー
ム電流の大きい、高性能の加速器を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高周波加速空胴の一実施例を示す
模式図
【図2】図1のビームポート部を示す拡大図
【図3】本発明に係る他の実施例を示す模式図
【図4】図3のIV−IV矢視図を示す断面図
【図5】本発明は係る他の実施例を示す模式図
【図6】図5のVI−VI矢視図を示す断面図
【図7】従来の高周波加速空胴を示す模式図
【符号の説明】
1…高周波加速空胴、1a…ビームポート、1b…高周
波吸収体製ビームポート、2…アンテナ、3…加速モー
ドの電界、4…ビーム、5…チューナ、6…ノーズ、7
…高周波吸収体の薄板、7a…高周波吸収体層、8…冷
却水路、9…イメージ電流、10…金属導体薄板。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加速器用高周波加速空胴において、接続
    される金属導体製ビームポート内面の長手方向にスリッ
    ト状の高周波吸収体層を形成したことを特徴とする高周
    波加速空胴。
  2. 【請求項2】 スリット状の高周波吸収体層は高周波吸
    収体薄板を貼付けによるか、もしくは高周波吸収体の薄
    膜により形成したことを特徴とする請求項1に記載の高
    周波加速空胴。
  3. 【請求項3】 加速器用高周波加速空胴において、接続
    される金属導体製ビームポートの内面に円筒状の高周波
    吸収体層を形成し、さらにその内面にスリット状に金属
    導体層を形成したことを特徴とする高周波加速空胴。
  4. 【請求項4】 加速器用高周波加速空胴において、接続
    されるビームポートを高周波吸収体で構成し、さらにそ
    の内面に金属導体層をスリット状に形成したことを特徴
    とする高周波加速空胴。
JP5182296A 1993-07-23 1993-07-23 高周波加速空胴 Pending JPH0737698A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002104086A1 (de) * 2001-06-15 2002-12-27 Berliner Elektronenspeicherring - Gesellschaft Für Synchrotronstrahlung M.B.H. Hom-gedämpfter hochfrequenz-resonator
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CN108696982A (zh) * 2017-04-12 2018-10-23 三菱重工机械系统株式会社 高次谐波吸收体及高频加速腔

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