JPH08190997A - 高周波加速空胴 - Google Patents

高周波加速空胴

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JPH08190997A
JPH08190997A JP41795A JP41795A JPH08190997A JP H08190997 A JPH08190997 A JP H08190997A JP 41795 A JP41795 A JP 41795A JP 41795 A JP41795 A JP 41795A JP H08190997 A JPH08190997 A JP H08190997A
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JP
Japan
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opening
cavity
waveguide
cavity body
high frequency
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Application number
JP41795A
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English (en)
Inventor
Takashi Miura
俊 三浦
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 空胴本体内に生起し、寄生する高次モードを
吸収する導波管を空胴本体に穿設された開口部に連接し
た高周波加速空胴において、局所的な温度上昇やマルチ
パクタリング放電を抑制して、大きな高周波電力の入力
を可能にする。 【構成】 空胴本体1に穿設された開口部5付近を局所
的に冷却するための冷却流路12を、開口部5の周囲に環
状に形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は荷電粒子加速器に備えら
れる高周波加速空胴に係り、特に、空胴本体内に生起し
て寄生する高次モードを吸収する導波管を備えた高周波
加速空洞の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】荷電粒子加速器は、電子、陽子、イオン
等の荷電粒子を電磁力で数十億電子ボルト(数Gev)
程度の高いエネルギー状態に加速するための装置であ
り、もともとは原子核や素粒子の研究のために開発され
てきた。
【0003】しかし、近年では、真空中をほぼ光速で伝
摘する電子が偏向磁場によりその軌道が曲げられた時
に、その軌道の接線方向に発生する放射光(SOR光と
呼ばれる)を利用して、超LSI微細加工(リソグラフ
ィ)や物性研究、生命科学等の広範な科学技術分野まで
適用範囲を広げている。荷電粒子加速器には、荷電粒子
の加速や、SOR光として失われたエネルギーを補給す
るために、そのビームラインに高周波加速空胴が備えら
れている。
【0004】図6は従来の高周波加速空胴の一例で、1
は略円筒体の空胴本体で、その両側にはビームダクト2
が接続されている。空胴本体1には高周波電力を供給す
るためのアンテナ3と、空胴本体1の共振周波数を調整
するチューナー4を備える一方、高次の共振周波数の高
周波(高次モートと称す)を吸収するために、空胴本体
1に穿設された開口部5に連接する導波管6が備えら
れ、導波管6の先端には高周波吸収体7が装着されてい
る。なお、高周波加速空胴やビームダクト2は、高真空
状態に維持されている。
【0005】上記構成の高周波加速空胴において、アン
テナ3から空胴本体1の共振周波数と同周波数の高周波
電力を空胴本体1に供給すると共振により加速電界9が
発生し(加速モートと称す)、荷電粒子8はこの加速電
界9によって加速される。この際、空胴本体1の内表面
には矢印に示すような壁電流10が流れる。この壁電流10
によって生じるジュール発熱は冷却管11で除去される。
【0006】ところで、空胴本体1内には、空胴本体1
とアンテナ3や荷電粒子8との相互作用で、加速モード
よりも共振周波数の高い高次モードが生起して寄生す
る。この高次モードは荷電粒子8の加速には全く寄与せ
ず、逆に荷電粒子8を不安定にする等有害に作用する。
そのために高次モードは開口部5を経て、導波管6に導
き、高周波吸収体7で吸収する事により、荷電粒子8を
安定に加速できるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような高周波加速
空胴では、空胴本体1の開口部5の周囲には図7に示す
ように壁電流10が迂回して流れるため、開口部5の両短
辺側縁周辺19で壁電流10が集中し、その部分の電流密度
が大きくなる。したがって開口部5の長辺側である横幅
aはできるだけ小さい方が望ましい。ところが、開口部
5や導波管6の高周波伝送路においては、遮断周波数f
cと呼ばれる伝摘可能な最低周波数が存在し、これは、
横幅をaとすると、
【0008】
【数1】fc=c/2a で定義される。ここでcは光速である。したがって、f
c以下の周波数の高周波は開口部5や導波管6内を伝摘
する事ができない。
【0009】具体的に、図6の例では加速モードの周波
数は 500MHz 程度であり、高次モードは約 700MHz
以上に多数存在する。したがって、開口部5のfcを 6
00MHz とすると、加重モードは開口部5を伝摘できな
いので、開口部5は加重モードには影響を与えない。一
方 700MHz以上の高次モードはすべて開口部5、導波
管6を伝摘して高周波吸収体7に吸収される。
【0010】fe= 600MHz ではa=0.25mにもな
り、これ以下の寸法には出来ない。一方空胴本体1のビ
ームラインと直角方向の寸法は、 0.5m程度であり、a
=0.25mは約1/2に相当する。その結果、開口部5の
両短辺側縁周辺19を迂回する壁電流10の電流密度は開口
部5のない部分の約2倍にもなり、この部分の発熱密度
は約4倍と極端に大きくなる。そのために、開口部5の
両短辺側縁周辺19は局所的に温度上昇し、この温度上昇
に起因して、真空度の悪化に伴う放電の発生や熱応力の
増大に伴なう熱変形や真空リーク等の可能性があり、空
胴本体1に供給できる高周波電力を制限し、強い加速電
界9を得る事ができなかった。
【0011】また、開口部5や導波管6は高電界になる
ため、マルチパクタリング放電が生じやすく、この放電
による真空度の悪化や入力電力の損失増加および共振周
波数の変動等によっても空胴本体1に供給できる高周波
電力を制限していた。
【0012】本発明は上記した問題点を解決するために
なされたもので、局所的な温度上昇やマルチパクタリン
グ放電を抑制して、大きな高周波電力の入力を可能に
し、強い加速電界の得られる高性能、高信頼性の高周波
加速空胴を提供する事を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に対応する発明は、空胴本体内に生起して
寄生する高次モードを吸収する導波管を空胴本体に穿設
された開口部に連接した高周波加速空胴において、前記
開口部付近を局所的に冷却するための冷却流路を、開口
部周囲に環状に形成した。
【0014】請求項2に対応する発明は、請求項1記載
の高周波加速空胴において、環状の冷却流路を空胴本体
に形成した。請求項3に対応する発明は、請求項1記載
の高周波加速空胴において、環状の冷却流路を導波管に
設け、この導波管を空胴本体に穿設された開口部に嵌装
して接合した。
【0015】請求項4に対応する発明は、請求項1記載
の高周波加速空胴において、冷却流路への冷却水の給水
は、壁電流の経路に沿って、環状冷却流路の片方の長辺
側の中央から行ない、両短辺側を迂回して他方の長辺側
の中央から排水するように構成した。
【0016】請求項5に対応する発明は、空胴本体内に
寄生する高次モードを吸収する導波管を空胴本体に穿設
された開口部に連接した高周波加速空胴において、前記
開口部および導波管の内壁面に2次電子放出係数の小さ
い材料からなる薄膜をコーティングした。
【0017】
【作用】請求項1,2,3および4に対応する発明によ
れば、壁電流が集中し、発熱密度の大きい開口部周囲に
環状流路を形成して、冷却水を壁電流の経路に沿って、
環状流路の片方の長辺側の中央から給水し、特に発熱密
度の大きい両短辺側を迂回して他方の長辺側の中央から
排水するように構成したので、開口部付近が効率的かつ
集中的に冷却されるので、局所的な温度上昇を抑制でき
るとともに、開口部の両短辺側の温度差を小さくできる
ので、温度上昇に起因する真空悪化に伴なう放電の発生
や熱応力の増大を回避して、大きな高周波電力の入力が
可能になる。
【0018】請求項5に対応する発明によれば、開口部
や導波管の内壁面に衝突した1次電子が、内壁面にコー
ティングされた2次電子放出係数の小さい材料(係数が
1以下)例えば窒化チタンや炭素の薄膜に吸収されるの
で、電子の雪崩現象によるマルチパクタリング放電を抑
制し、大きな高周波電力の入力が可能になる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。なお、従来例と同一部分には同一符号を
付してその詳細な説明は省略する。図1は、本発明の一
実施例についてその構成を示したもので、空胴本体1に
穿設された開口部5に導波管6が連接され、この導波管
6の先端には高周波吸収体7が装着されている。さらに
開口部5の周囲には冷却流路12が形成されている。ま
た、開口部5および導波管6の内壁面には2次電子放出
係数の小さい材料、例えば窒化チタン(TiN)または
炭素(C)等の薄膜13が数十から数百Å程度コーティン
グされている。冷却流路12は、図2および図3に示すよ
うに開口部5の周辺に環状に形成されており、環状冷却
流路12の片方の長辺側の中央には冷却水供給口14が設け
られ、空胴本体1の外表面に固着された供給継手16と連
通している。さらに、他方の長辺側の中央には冷却水排
出口15が設けられ、排出継手17と連通している。
【0020】次に本実施例の作用効果について説明す
る。空胴本体1に、壁電流10によって生じるジュール発
熱は空胴本体1の外表面に配設された冷却管11で除去さ
れる。一方開口部5付近、特に開口部5の両短辺側縁周
辺19は電流が集中し、発熱密度は開口部5のない場所に
比して約4倍にもなるが、開口部5の周囲に環状に形成
された冷却流路12に冷却水を流して冷却する。すなわ
ち、供給継手16に図示しない冷却系から供給された冷却
水は、冷却水供給口14を経て壁電流10の経路に沿って、
冷却流路12の長辺側のほぼ中央に流入し、両短辺側を迂
回して他方の長辺側のほぼ中央から冷却水排出口15、排
出継手17を経て冷却系に戻る。この間に、発熱密度の大
きい開口部5の両短辺側縁周辺19を効率的かつ集中的に
冷却するので、局所的な温度上昇を抑制できるととも
に、両短辺側が均等に冷却されるのでその部分の温度差
を小さくする事ができる。したがって温度上昇によって
壁面から放出される放出ガスに起因する真空悪化に伴な
う放電の発生や、温度差による熱応力の増大を回避し
て、大きな高周波電力が可能になる。
【0021】さらに、開口部5および導波管6の内壁面
には2次電子放出係数の小さい材料からなる薄膜13がコ
ーティングされているので、上記内壁面に衝突した1次
電子が薄膜13に吸収され、電子の雪崩現象によるマルチ
パクタリング放電を抑制し、その結果、大きな高周波電
力の入力が可能になる。
【0022】図4は本発明の他の実施例を示す開口部付
近の要部拡大図で、環状の冷却流路12を導波管6に設
け、この導波管6を空胴本体1に穿設された開口部5に
嵌装して接合したもので、作用効果は前述の実施例と同
様である。なお、冷却流路12は、導波管6の外周に深満
を加工し、その外側に蓋18を溶接やロー付け等で固着す
る事により、容易に形成できる。なお本例では、導波管
6の先端を空胴本体1の内面まで貫通させたが、図5に
示すように途中まで嵌装する構造でもよい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、局
所的な温度上昇やマルチパクタリング放電の発生を抑制
して、大きな高周波電力の入力を可能にし、強い加速電
界の得られる高性能、高信頼性の高周波加速空胴を提供
する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波加速空胴の第1実施例を示す縦
断面図。
【図2】図1における開口部付近の要部を示す拡大図。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図。
【図4】本発明の高周波加速空胴の第2実施例の開口部
付近の要部を示す断面図。
【図5】本発明の高周波加速空胴の第3実施例の開口部
付近の要部を示す断面図。
【図6】従来の高周波加速空胴の一例を示す縦断面図。
【図7】図6のC方向矢視図で、開口部付近の壁電流分
布を示す模式図。
【符号の説明】
1…空胴本体 2…ビームダクト 3…アンテナ 4…チューナー 5…開口部 6…導波管 7…高周波吸収体 8…荷電粒子 9…加速電界 10…壁電流 12…冷却流路 13…薄膜 14…冷却水供給口 15…冷却水排出口 16…供給継手 17…排出継手 18…蓋 19…両短辺側縁周辺

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子加速器に備えられ、荷電粒子に
    高周波エネルギーを与えて加速する高周波加速空胴であ
    って、前記荷電粒子が横断して通過する空胴本体に高周
    波電力を供給するアンテナと、前記空胴本体の共振周波
    数を調整するチューナーを備える一方、前記空胴本体内
    に生起して寄生する高次モードを吸収する導波管を、空
    胴本体に穿設された開口部に連接した高周波加速空胴に
    おいて、前記開口部付近を局所的に冷却するための冷却
    流路を、開口部の周囲に環状に形成した事を特徴とする
    高周波加速空胴。
  2. 【請求項2】 環状の冷却流路を空洞本体に形成した事
    を特徴とする請求項1記載の高周波加速空胴。
  3. 【請求項3】 環状の冷却流路を導波管に設け、この導
    波管を空胴本体の開口部に嵌装して接合した事を特徴と
    する請求項1記載の高周波加速空洞。
  4. 【請求項4】 冷却流路への給水は、環状冷却流路の片
    方の長辺側の中央から行ない、両短辺側を迂回して他方
    の長辺側の中央から排水するように構成した事を特徴と
    する請求項1記載の高周波加速空胴。
  5. 【請求項5】 高次モードを吸収する導波管を、空胴本
    体に穿設された開口部に連接した高周波加速空胴におい
    て、前記開口部および導波管の内壁面に2次電子放出係
    数の小さい材料からなる薄膜をコーティングした事を特
    徴とする高周波加速空胴。
JP41795A 1995-01-06 1995-01-06 高周波加速空胴 Pending JPH08190997A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7166965B2 (en) 2002-10-31 2007-01-23 Applied Materials, Inc. Waveguide and microwave ion source equipped with the waveguide
JP2008173185A (ja) * 2007-01-16 2008-07-31 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 放射線治療システム
JP2018181582A (ja) * 2017-04-12 2018-11-15 三菱重工機械システム株式会社 高調波吸収体及び高周波加速空胴

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