JP4564291B2 - 加速器 - Google Patents

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Description

本発明は、加速器に係り、特に電子ビームを高エネルギ状態に加速させる高周波加速空洞に改良を加えた加速器に関する。
加速器は、電子入射器から入射させる電子ビーム(粒子)を、高エネルギ状態に加速する装置であり、高エネルギ状態のビームをリング内に収容する偏向電磁で電子ビームの流れを転向させて周回させる際、偏向磁石や周回ダクトの直線部分に配置するアンジュレータ等の挿入光源における磁場内でシンクロトロン放射光(SOR光)を発光させている。この発光させたシンクロトロン放射光は、基礎科学、超LSI微細加工(リソグラフィ)、医療機器等等広い産業分野に亘って利用されている。特に、極紫外線からX線に至る広い波長領域を持つシンクロトロン放射光は、物質の性質を調べる上で必要不可欠になっている。
このように、物質の性質を調べる上で重要な役割を果すシンクロトロン放射光を発光させる加速器は、リング状のダクトに電子を入射させる電子入射器、入射した電子を転向させてリング状のダクト内を周回させる偏向電磁石、周回する電子ビームを収束させる四極電磁石、電子ビームを予め定められたエネルギまで加速し、シンクロトロン放射光によるエネルギ損失を補う高周波加速空洞等を備えている。
これら装置の中で、シンクロトロン放射光(SOR光)を発光させるために失った電子ビームのエネルギを補給する高周波加速空洞は、リング状の加速器内を周回させる電子ビームに同調する高周波電力を加えて空洞の持つ周波数と共振させた加速モード(電子ビームを加速させる電界を持ったモード)にしており、その構成の一例として図8に示すものがある。
高周波加速空洞10は、中空円筒状の外筒1を円板状の側板2で塞いで空洞を備えたボックス状に形成するとともに、側板2に加速電極3を備える一方、加速電極3に円形状の電子ビーム通路3aを設けている。
また、高周波加速空洞10は、外筒1で形成する空洞内に高周波エネルギを供給するアンテナ4をアンテナポート4aに設け、設けたアンテナ4を高周波電源(図示せず)に接続させている。
また、高周波加速空洞10は、空洞内の共振周波数を調整するチューナ5を備えるとともに、このチューナ5を空洞内に進退駆動させる駆動装置6を備え、駆動装置6の駆動力でチューナ5を空洞内に挿入すると共振周波数が増加し、逆に、空洞内から離すと、共振周波数を下げる構成になっている。空洞内は、ビームダクト7と同じ状態の10−9Torr以上の超高真空に維持させるため、各部品の接続面にガスケット8を装着している。
一方、加速電極3に設けた電子ビーム通路3aには、異径ビームダクト9を介装させてビームダクト7が接続されている。異径ビームダクト9としたのは、図9に示すように、電子ビーム通路3aが円形であるのに対し、ビームダクト7が非円形、例えば長円形になっているためであり、さらにこの部分に誘導電界が発生し、誘導電界が次々に送られてくる電子ビームに悪影響を及ぼし、電子ビームを不安定にさせ、電子ビームが消滅することを防止するものである。
このように、従来の加速器に適用する高周波加速空洞10は、空洞内の半径を大きくして電子ビーム通路3aの遮断周波数を下げ、電子ビームが高電界を通過する際に誘起する別の周波数を持つ高次モードを空洞から散逸させるとともに、異径ビームダクト9を設けて電子ビームの高エネルギを維持させていた。
なお、この種の技術の最近の動向として、例えば、「M.Izawa et.a1,“OPERATION OF NEW RF DAMPED CAVITIES AT THE PHOTON FACTOORY STORAGE RING”,Proceeding of PAC98.」(非特許文献1)に見られるように、小型化にして高エネルギ効率化した高周波加速空洞が提案されている。
M.Izawa et.a1,"OPERATION OF NEW RF DAMPED CAVITIES AT THE PHOTON FACTOORY STORAGE RING",Proceeding of PAC98.
最近の高周波加速空洞では、非特許文献1でも見られるように、大電流運転ができ、エネルギの高効率化、運転の高安定化および容器の小型化が求められている。
このため、リング状のビームダクト7内の大電流蓄積時、電子ビームにとって不安定要因となる加速空洞内に誘起する別の高い周波数を持つ高次モードの減衰を効果的に行わせると同時に、加速モードのシャント抵抗を高くしてエネルギ効率を向上させることが必要とされている。
また、加速器全体の小型化と相俟って、シンクロトロン放射光を発光させる挿入光源の設置場所を確保させるに必要な高周波加速空洞の小型化も求められている。
しかし、図8および図9で示した従来の高周波加速空洞では、電子ビームが高電界を通過する際、誘起する別の高い周波数を持った高次モードを減衰させることができても、容器全体の小型化、さらにはシャント抵抗を高くしてエネルギ効率をより一層高くすることに限界があり、現在、模索中である。
本発明は、このような現状の技術に照らしてなされたものであり、大電流の蓄積時、電子ビームに不安定な要因を与える高次モードを効果的に減衰させることと相俟って、容器の小型化を図り、かつエネルギ効率をより一層高めた高周波加速空洞を備えた加速器を提供することを目的とする。
本発明に係る加速器の実施形態は、上述の目的を達成するために、電子ビームを周回させている間にシンクロトロン放射光を発光させるビームダクトに高周波加速空洞を備えた加速器において、前記高周波加速空洞に電子ビームを通す電子ビーム通路に、高次モード吸収用ダクトを接続させる構成にしたものである。
また、本発明に係る加速器の実施形態は、上述の目的を達成するために、電子ビームを周回させている間にシンクロトロン放射光を発光させるビームダクトに高周波加速空洞を備えた加速器において、前記高周波加速空洞を複数台に区分けするとともに、複数台に区分けした前記高周波加速空洞を接続させる際、複数台に区分けした前記高周波加速空洞に電子ビームを通す電子ビーム通路に、高次モード吸収用ダクトを備えたものである。
また、本発明に係る加速器の実施形態は、上述の目的を達成するために、電子ビームを周回させている間にシンクロトロン放射光を発光させるビームダクトに高周波加速空洞を備えた加速器において、前記高周波加速空洞を複数台に区分けするとともに、複数台に区分けした前記高周波加速空洞を接続させる際、複数台に区分けした前記高周波加速空洞に電子ビームを通す電子ビーム通路に、高次モード吸収用ダクトを備えるとともに、前記高次モード吸収用ダクトに介装させてベローズを備えたものである。
また、本発明に係る加速器の実施形態は、上述の目的を達成するために、高次モード吸収用ダクトは、高周波加速空洞の入口側および出口側のそれぞれに備えたものである。
また、本発明に係る加速器の実施形態は、上述の目的を達成するために、高次モード吸収用ダクトは、複数台に区分けした高周波加速空洞のうち、上流側の高周波加速空洞の入口側、上流側の高周波加速空洞と下流側高周波加速空洞との間の中間、下流側の高周波加速空洞の出口側のそれぞれに備えたものである。
また、本発明に係る加速器の実施形態は、上述の目的を達成するために、ベローズを介装させた高次モード吸収用ダクトは、複数台に区分けした高周波加速空洞のうち、上流側の高周波加速空洞と下流側の高周波加速空洞との間の中間に備えたものである。
また、本発明に係る加速器の実施形態は、上述の目的を達成するために、高次モード吸収用ダクトは、SiC材であることを特徴とするものである。
また、本発明に係る加速器は、上述の目的を達成するために、請求項に記載したように、電子ビームを周回させる間にシンクロトロン放射光を発光させるビームダクトに高周波加速空洞を備えた加速器において、前記高周波加速空洞を複数台に区分けするとともに、複数台に区分けした前記高周波加速空洞を接続させる際、複数台に区分けした前記高周波加速空洞のうち、上流側の高周波加速空洞と下流側の高周波加速空洞との間に中間高次モード吸収用ダクトを備え、この中間高次モード吸収用ダクトの設置位置を、前記上流側の高周波加速空洞と前記下流側の高周波加速空洞とのそれぞれに蓄積された加速モードのシャント抵抗の低下の0.1%以下になる位置に設定したものである。
また、本発明に係る加速器は、上述の目的を達成するために、請求項に記載したように、電子ビームを周回させている間にシンクロトロン放射光を発光させるビームダクトに高周波加速空洞を備えた加速器において、前記高周波加速空洞を複数台に区分けするとともに、複数台に区分けした前記高周波加速空洞のうち、上流側の高周波過速空洞の入口側、上流側の高周波加速空洞と下流側の高周波加速空洞との間の中間、下流側の高周波加速空洞の出口側のそれぞれに高次モード吸収用ダクトを備えるとともに、前記上流側の高周波加速空洞と前記下流側の高周波加速空洞との間の中間に備えた高次モード吸収用ダクトの口径を、前記上流側の高周波加速空洞の入口側に備えた高次モード吸収用ダクトの口径および前記下流側の高周波加速空洞の出口側に備えた高次モード吸収用ダクトの口径よりも大きく設定したものである。
また、本発明に係る加速器の実施形態は、上述の目的を達成するために、電子ビームを周回させている間にシンクロトロン放射光を発光させるビームダクトに高周波加速空洞を備えた加速器において、前記高周波加速空洞の空洞本体の赤道面に、高次モードダンパ用アンテナと組み合せた高次モード周波数調整用チューナを複数設けたものである。
また、本発明に係る加速器の実施形態は、上述の目的を達成するために、電子ビームを周回させている間にシンクロトロン放射光を発光させるビームダクトに高周波加速空洞を備えた加速器において、前記高周波加速空洞の空洞本体にTM020用の高次モードダンパ用アンテナを備えたものである。
また、本発明に係る加速器の実施形態は、上述の目的を達成するために、TM020用の高次モードダンパ用アンテナは、空洞本体に発生する電気力線の最大電界から50%以内の位置に配置したものである。
また、本発明に係る加速器の実施形態は、上述の目的を達成するために、TM020用の高次モードダンパ用アンテナは、このロッドの空洞本体への挿入長さlを、前記空洞本体の直径をDとするとき、l≦0.2Dの範囲に設定したものである。
本発明に係る加速器は、高周波加速空洞を、複数台の高周波加速空洞に区分けし、区分けした複数台の高周波加速空洞の入口側、出口側および各高周波加速空洞の間の中間のそれぞれの位置に、電子ビーム通路の口径と同一口径で、かつ高次モードを各空洞内に蓄積させないで、外部に散逸させて吸収する高次モード吸収用ダクトを備え、これら高次モード吸収用ダクトで従来の異径ビームダクトを置き換える構成にしたので、各高周波加速空洞の設置面積を少なくさせてコンパクト化することができるとともに、大電流電子ビーム運転の下、各高周波加速空洞に安定運転を行わせることができる。
以下、本発明に係る加速器の実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。
図1は、本発明に係る加速器に適用する高周波加速空洞の第1実施形態を示す概念図である。なお、本発明に係る加速器は、例えば3〜5GeVの大容量、高エネルギ状態に維持させるため、高周波加速空洞を複数台、例えば2台備えたものにしている。また、2台備えた高周波加速空洞の構成も一つの例を示したものであり、この構成例に限定されるものではない。
本実施形態に係る第1高周波加速空洞11aおよび第2高周波加速空洞11bは、ともに、中空円筒状の外筒12a,12bを同板状の側板13a,13bで塞いで空洞を備えたボックス状に形成するとともに、側板13a,13bに加速電極14a,14bに円形状の電子ビーム通路15a,15bを設けている。
また、第1および第2高周波加速空洞11a,11bは、外筒12a,12bで形成する空洞内に高周波エネルギを供給するアンテナ16a,16bをアンテナポート17a,17bに設け、設けたアンテナ16a,16bを高周波電源(図示せず)に接続させている。
また、第1および第2高周波加速空洞11a,11bは、空洞内の共振周波数を調整するチューナ18a,18bを備えるとともに、これらチューナ18a,18bを空洞内に進退駆動させる駆動装置19a,19bを備え、駆動装置19a,19bの駆動力でチューナ18a,18bを空洞内に挿入すると共振周波数が増加し、逆に、空洞内から離すと、共振周波数を下げる構成になっている。空洞内は、ビームダクト20a,20bと同じ状態の10−9Torr以上の超高真空に維持させるため、各部品の接続面にガスケット21a,21bを装着している。
一方、加速電極14a,14bに設けた電子ビーム通路15a,15bの入口側および出口側のそれぞれは、ビームダクト20a,20bを介装して電子ビーム通路15a,15bと同じ口径の高次モード吸収用ダクト22a,22bを備えるとともに、高次モード吸収用ダクト22a,22bの上流側または下流側に電子ビームを周回させる縮径状のビームダクト23a,23bを接続させる異径ビームダクト24a,24bを備えている。
また、第1高周波加速空洞11aと第2高周波加速空洞11bとの間の中間部分には、電子ビーム通路15a,15bと同じ口径の中間高次モード吸収用ダクト25が設けられている。
高次モード吸収用ダクト22a,22bおよび中間高次モード吸収用ダクト25は、ともにSiC材で作製され、高次モードを減衰させる高い能力を持っている。
このように、本実施形態は、第1高周波加速空洞11aの入口側、第1高周波加速空洞11aの出口側と第2高周波加速空洞11bの入口側との間の中間部分、第2高周波加速空洞11bの出口側のそれぞれを電子ビーム通路15a,15bの口径と同一口径にするとともに、高次モードを空洞内に蓄積させないで、外部に散逸させて吸収する吸収能力の高い高次モード吸収用ダクト24a,24bおよび中間高次モード吸収用ダクト25を備え、これら各高次モード吸収用ダクト24a,24b,25で従来の異径ビームダクトを置き換える構成にしたので、第1および第2高周波加速空洞11a,11bの設置面積を少なくさせることができ、ひいては加速器全体をコンパクト化することができる。
なお、本実施形態は、第1高周波加速空洞11aの入口側、第1高周波加速空洞11aの出口側と第2高周波加速空洞11bの入口側との間の中間部分、第2高周波加速空洞11bの出口側のそれぞれを電子ビーム通路15a,15bの口径と同一口径にするとともに、高次モード吸収用ダクト24a,24bおよび中間高次モード吸収用ダクト25を備えたが、この例に限らず、例えば、図2に示すように、第1高周波加速空洞11aの出口側と第2高周波加速空洞11bの入口側との間の中間位置に設けた中間高次モード吸収用ダクト25を分割し、分割した中間部分にベローズ26aを介装させてもよい。第1高周波加速空洞11aおよび第2高周波加速空洞11bの熱による伸びの吸収やダクト類の製造または組立上の誤差を吸収させる上で効果的である。
図3は、本発明に係る加速器に適用する高周波加速空洞の第3実施形態を示す概念図である。
一般に、高周波加速空洞11を、第1高周波加速空洞11aと第2高周波加速空洞11bとの複数台に区分けして設置する場合、各加速空洞11a,11b間の中間部分に中間高次モード吸収用ダクト25を設けておくと、各加速空洞11a,11bに蓄積しておいた加速モードの電磁波力が漏出し、中間高次モード吸収用ダクト25で互いの吸収または干渉(カップリング)し、電子ビームを不安定化させることがある。
本実施形態は、このような事象を考慮したもので、各加速空洞11a,11bの空洞中心位置CLから中間高次モード吸収用ダクト25の端部位置までの長さ(距離)Lの適正値を設定し、各加速空洞11a,11bから漏出する加速モードの電磁波の互いの吸収、干渉(カップリング)を抑制したものである。
各加速空洞11a,11bの空洞中心位置CLから中間高次モード吸収用ダクト25の端部位置までの長さ(距離)Lは、図4に示すシャント抵抗線図から求められる。
すなわち、図4に示すシャント抵抗線図は、縦軸にシャント抵抗Rshのメガオーム(MOhm)を示し、横軸に長さLを示している。そして図4に示すシャント抵抗Rshは、式(1)から求めている。
[数1]
Pc=V/Rsh ……(1)
ここで、Pcは電力を示し、Vは空洞の加速電圧を示している。
なお、空洞のエネルギ損失Lossは、式(2)で表わされる。
[数2] ……(2)
Loss=V/(2・Rsh)
今、ビームダクトの口径を140mm、130mm、120mmのうち、120mmを選定し、各加速空洞11a,11bの空洞中心位置CLから中間高次モード吸収用ダクト25の端部位置までの長さLを200mmから260mmに変化させた場合、加速モードのシャント抵抗Rshは、図4から求められる。
例えば、ビームダクトの口径を120mmとした場合、長さLを230mm以上にすれば、シャント抵抗の低下を0.1%以下に抑えて各加速空洞における加速モードの電磁波の干渉(カップリング)等を抑制することができる。
このように、本実施形態は、各加速空洞11a,11bから流出する高次モードの電磁波を吸収する中間高次モード吸収用ダクト25を設置する際、中間高次モード吸収用ダクト25の設置位置を、各加速空洞11a,11bに蓄積された加速モードのシャント抵抗の低下の0.1%以下になる位置に設定する構成にしたので、電子ビームの不安定化と相俟って各加速空洞のエネルギ損失を抑制することができる。
図5は、本発明に係る加速器に適用する高周波加速空洞の第4実施形態を示す概念図である。
本実施形態に係る高周波加速空洞11は、第1高周波加速空洞11aと第2高周波加速空洞11bとの複数台に区分けするとともに、複数台に区分けした第1高周波加速空洞11aと第2高周波加速空洞11bとの間に設けた中間高次モード吸収用ダクト25の口径をφとし、第1高周波加速空洞11aの入口側に設けた高次モード吸収用ダクト22aおよび第2高周波加速空洞11bの出口側に設けた高次モード吸収用ダクト22bのそれぞれの口径をφとするとき、中間高次モード吸収用ダクト25の口径φと各高次モード吸収用ダクト22a,22bの口径φとの関係を、
[数3]
φ>φ ……(3)
の(3)式を満たす関係に設定したものである。
中間高次モード吸収用ダクト25の口径φを各高次モード吸収用ダクト22a,22bの口径φに較べて相対的に大きくしたのは、各加速空洞11a,11bから流出する高次モードの減衰性能をより一層向上させることができるからである。
逆に、各加速空洞11a,11bの口径φを小さくしたのは、各加速空洞11a,11bの全体のシャント抵抗を高くしてエネルギ効率をより一層向上させることができるからである。
このように、本実施形態は、中間高次モード吸収用ダクト25の口径φと各高次モード吸収用ダクト22a,22bの口径φとの関係を、φ>φを満たすように設定したので、高次モードの減衰をより一層高めることができ、各加速空洞11a,11bの全体のシャント抵抗を高くしてエネルギ効率をより一層向上させることができる等の優れた高周波加速空洞を実現することができる。
図6は、本発明に係る加速器に適用する高周波加速空洞の第5実施形態を示す概念図である。
なお、図6は、高周波加速空洞11の赤道面を示す断面図である。
本実施形態に係る高周波加速空洞11は、第1高周波加速空洞11aと第2高周波加速空洞11bとの複数台に区分けするとともに、複数台に区分けした第1高周波加速空洞11aと第2高周波加速空洞11bとのそれぞれの空洞本体26の赤道面に、高周波電力を空洞本体26に入力する入力カプラ27、加速モード周波数調整用チューナ28、高次モードダンパ用アンテナ29a,29bのそれぞれとを組み合せた高次モード周波数調整用チューナ30a,30bのそれぞれを設けるとともに、高次モードダンパ用アンテナ29a,29bのそれぞれのロッドの空洞本体26の挿入長さlを、空洞本体26の直径Dに対し、l≦0.2Dの範囲内に設定したものである。
このように、本実施形態は、空洞本体26の赤道面に、高次モードダンパ用アンテナ29a,29bのそれぞれと組み合せた高次モード周波数調整用チューナ30a,30bのそれぞれを設け、高次モードダンパ用アンテナ29a,29bのそれぞれのロッドの空洞本体26への挿入長さlを、空洞本体26の直径Dに対し、l≦0.2Dの範囲内に設定し、第1高周波加速空洞11aおよび第2高周波加速空洞11bのそれぞれから流出する高次モードの周波数を変更させて電子ビームに影響を与えない構成にしたので、電子ビームの安定化を維持させることができる。
なお、加速モードの周波数は、加速モード周波数調整用チューナ28によって行われる。
このように、本実施形態は、高次モードダンパ用アンテナ29a,29bのそれぞれのロッドの空洞本体26への挿入長さlを、空洞本体26の直径Dに対し、l≦0.2Dの範囲内に設定して空洞本体26に蓄積されている高次モードの減衰を容易にしているので、大電流電子ビーム運転の下、高周波加速空洞に安定運転を行わせることができる。
図7は、本発明に係る加速器に適用する高周波加速空洞の第6実施形態を示す概念図である。
なお、図7は、高周波加速空洞の全体形状から1/4の部分を取り出した部分概念図である。
本実施形態に係る高周波加速空洞11は、2次元高周波解析コードSUPERFISHで計算したTM020モードの電気力線31を模式化した空洞本体26内に示している。
また、高周波加速空洞11は、空洞本体26にTM020用の高次モードダンパ用アンテナ29を設け、このTM020用の高次モードダンパ用アンテナ29の位置を電気力線31の最大電界から50%以内の位置に配置する一方、TM020用の高次モードダンパ用アンテナ29におけるロッドの空洞本体26への挿入長さlを、空洞本体26の直径Dに対し、l≦0.2Dの範囲内に設定している。
このように、本実施形態は、空洞本体26に高次モードダンパ用アンテナ29を設け、このロッドの空洞本体26への挿入長さlを、空洞本体26の直径Dに対し、l≦0.2Dの範囲内に設定し、従来の高次モードダンパでは減衰が難しいとされていたTM020モードの減衰ができる構成にしたので、大電流電子ビーム運転の下、高周波加速空洞に安定運転を行わせることができる。
本発明に係る加速器に適用する高周波加速空洞の第1実施形態を示す概念図。 本発明に係る加速器に適用する高周波加速空洞の第2実施形態を示す概念図。 本発明に係る加速器に適用する高周波加速空洞の第3実施形態を示す概念図。 図3に示した高周波加速空洞に適用するシャント抵抗線図。 本発明に係る加速器に適用する高周波加速空洞の第4実施形態を示す概念図。 本発明に係る加速器に適用する高周波加速空洞の第5実施形態を示す概念図。 本発明に係る加速器に適用する高周波加速空洞の第6実施形態を示す部分概念図。 従来の加速器に適用する高周波加速空洞を示す縦断面図。 図8のA−A矢視方向から見た図。
符号の説明
1 外筒
2 側板
3 加速電極
3a 電子ビーム通路
4 アンテナ
4a アンテナポート
5 チューナ
6 駆動装置
7 ビームダクト
8 ガスケット
9 異径ビームダクト
10 高周波加速空洞
11 高周波加速空洞
11a 第1高周波加速空洞
11b 第2高周波加速空洞
12a,12b 外筒
13a,13b 側板
14a,14b 加速電極
15a,15b 電子ビーム通路
16a,16b アンテナ
17a,17b アンテナポート
18a,18b チューナ
19a,19b 駆動装置
20a,20b ビームダクト
21a,21b ガスケット
22a,22b 高次モード吸収用ダクト
23a,23b ビームダクト
24a,24b 異径ビームダクト
25 中間高次モード吸収用ダクト
26 空洞本体
26a ベローズ
27 入力カプラ
28 加速モード高周波調整チューナ
29a,29b 高次モードダンパ用アンテナ
30a,30b 高次モード周波数調整用チューナ
31 電気力線

Claims (2)

  1. 電子ビームを周回させる間にシンクロトロン放射光を発光させるビームダクトに高周波加速空洞を備えた加速器において、前記高周波加速空洞を複数台に区分けするとともに、複数台に区分けした前記高周波加速空洞を接続させる際、複数台に区分けした前記高周波加速空洞のうち、上流側の高周波加速空洞と下流側の高周波加速空洞との間に中間高次モード吸収用ダクトを備え、この中間高次モード吸収用ダクトの設置位置を、前記上流側の高周波加速空洞と前記下流側の高周波加速空洞とのそれぞれに蓄積された加速モードのシャント抵抗の低下の0.1%以下になる位置に設定したことを特徴とする加速器。
  2. 電子ビームを周回させている間にシンクロトロン放射光を発光させるビームダクトに高周波加速空洞を備えた加速器において、前記高周波加速空洞を複数台に区分けするとともに、複数台に区分けした前記高周波加速空洞のうち、上流側の高周波過速空洞の入口側、上流側の高周波加速空洞と下流側の高周波加速空洞との間の中間、下流側の高周波加速空洞の出口側のそれぞれに高次モード吸収用ダクトを備えるとともに、前記上流側の高周波加速空洞と前記下流側の高周波加速空洞との間の中間に備えた高次モード吸収用ダクトの口径を、前記上流側の高周波加速空洞の入口側に備えた高次モード吸収用ダクトの口径および前記下流側の高周波加速空洞の出口側に備えた高次モード吸収用ダクトの口径よりも大きく設定したことを特徴とする加速器。
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