JP4584147B2 - クライストロン増幅器 - Google Patents

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Description

本発明は、クライストロン増幅器、マルチビームクライストロン増幅器向けの窓の構成、およびスーパーマルチビームクライストロンに関する。
クライストロン増幅器は、本明細書においてクライストロンとしても知られており、よく知られた装置である。高い電力変換効率、高次モードの強力な減衰、および良好な寿命を有しながら、900〜1000MHzの範囲で動作することができる各実施形態を有する高出力クライストロンが現在必要である。
知られている設計はすべて、これらの領域のうちの1つまたは複数において欠点または欠陥を有し、したがって、各実施形態が上記基準に合致するように設計されてもよいクライストロン増幅器を提供することが望ましいはずである。
本発明の第1の態様によれば、複数の電子ビーム経路を定める(define)手段と複数の円盤形減衰空洞を定める手段とを備えるクライストロン増幅器が提供され、複数の電子ビーム経路は各空洞と交差し、クライストロン増幅器は、環状の入力導波管および環状の出力導波管をさらに備え、入力導波管および出力導波管は、それぞれの円盤形空洞の実質上円形の外周部の周りに配置され、そしてその円盤形空洞と連通しており、出力導波管は、各電子ビームからのRFパワーを受け取るように構成され、各空洞は、僅かな漏れのあるモード(ウィスパリングギャラリーモード)における単一の共振回転波、および僅かな漏れのあるモードにおける単一の共振定在波のうちの1つをサポートするように構成される。
一実施形態は、実質上円盤形の空洞を定める壁をさらに備え、この壁は、電子ビームエネルギーが結合するための1つまたは複数の開口を有し、空洞壁は、実質上環状の入力導波管または出力導波管への結合を可能にする実質上円形の外周部を有し、前記結合は、円盤形空洞の外周部に沿って分散された複数の窓によってもたらされる。
各窓は、導波管の壁に固着されたセラミック部材を備えてもよい。
一実施形態は、入力空洞と、2つの利得空洞(gain cavities)と、第2高調波空洞と、出力空洞とを備えてもよい。
一実施形態では、少なくとも1つの空洞は、空洞内に配置されたRF吸収体部材を有する。
一実施形態では、各空洞は真空孔を有する。
一実施形態では、この孔は軸方向である。
一実施形態では、この孔は直径が約40cmである。
クライストロンの一実施形態は、円形のRF吸収体部材を有する。
一実施形態では、この吸収体はSiCからなり、空洞の動作モードが事実上影響されないように孔の外周部に配置されて、孔から外側に少量だけ延びる。
一実施形態は、TMm,n,qモードで動作するように構成される。
一実施形態では、m=11である。
一実施形態は、複数のビーム管を有する。
一実施形態は、ビーム管ごとに1つの焦点合わせ用ソレノイドを有する。
一実施形態は、周波数範囲900〜1000MHzで動作するように構成される。
一実施形態は、実質上937MHzで動作するように構成される。
一実施形態では、クライストロンは数十メガワットを提供するように構成される。
一実施形態は、約50MWを提供するように構成される。
一実施形態は、各入力空洞および出力空洞の周りに導波管を有する。
一実施形態は、65%を超える電力変換効率で動作するように構成される。
一実施形態は、70%を超える電力変換効率で動作するように構成される。
一実施形態では、空洞内での横ビーム間隔は約半波長である。
一実施形態では、ビームパイプの直径は小さい。
一実施形態では、その直径は動作波長の約1/16である。
一実施形態は、共通の真空ポンプを有し、10−8ミリバール以下で動作するように構成される。
本発明の第2の態様によれば、実質上円盤形の空洞を定める壁を有するクライストロン増幅器が提供され、この壁は、電子ビームエネルギーが結合するための1つまたは複数の開口を有し、空洞壁は、実質上環状の入力導波管または出力導波管への結合を可能にする実質上円形の外周部を有し、前記結合は、円盤形空洞の外周部に沿って分散された複数の窓によってもたらされる。
本発明の他の態様によれば、第1または第2の態様でのクライストロンを備えるスーパーマルチビームクライストロンが提供され、複数組のビームがあり、各組は複数のビームを有し、各組はそれぞれの開口において各空洞と交差する。
次に、本発明に対する例示的な実施形態が添付図を参照して説明される。
クライストロンの各特徴はかなりよく知られており、現在の経験では、高い効率で高出力を供給することができるクライストロンは、マルチビームクライストロンとしてもっともよく実施されている。これは、クライストロン内のビームレット(beamlet)の数をより多くすることにより、ビームレットごとのパワーを低減することが可能になり、それにより電流密度がより低くなり、ビームごとのパービアンスが十分に低くなるからである。電流パービアンスを電圧の3/2乗で割った値であるビームパービアンスは、電力変換効率に強い影響を及ぼす。
パービアンスが非常に低い装置に対しては、80%を超える効率が得られることがあることが示されてきた。
したがって、マルチビームクライストロンは、必要に応じて所望の用途向けに選択された。設計周波数範囲においては、入力電力源としての役割を果たすのに市販の固体RF増幅器が利用可能であり、これらの固体RF増幅器は確実に300Wを発生することができる。50MWの尖頭出力電力を提供するための一実施形態では、この場合クライストロンRF構造には53dBの総合利得が必要になる。次いでこの実施形態は、通常は5つの空洞、すなわち入力空洞と、2つの利得空洞と、第2高調波空洞と、出力空洞とからなる。
図1を参照すると、マルチビームクライストロン(1)は、中心の軸方向に配置された真空チャネル(56)の周りの実質上円形の経路上に配置された、いくつかのビーム管(51)を備える。ビーム経路の各々は、クライストロン(1)の底部に配置されたそれぞれの陰極(55)からクライストロン(1)の上端に配置された共通のコレクタ(60)へとクライストロン(1)の縦方向に延びるそれぞれのビーム管(51)内に閉じこめられる。
各電子管は、クライストロン(1)の底部に近接して、図3に関して後に本明細書においてより完全に説明されることになる入力空洞(101)に開口しており、入力空洞は、エネルギーを供給するための入力導波管(102)を有する。各ビーム管(51)は、入力空洞(102)の上側から第2高調波空洞構造(54)(これもまた、本明細書においてより完全に説明することになる)に延び、第2高調波空洞(54)の上側から第1の利得空洞または集群空洞(bunching cavity)(53)の下壁に開口している。引き続き、ビーム管は、第1の集群空洞(53)の上側から第2の利得空洞または集群空洞(52)に開口している。このビーム管は、第2の集群空洞または利得空洞(52)の上壁から出力空洞(201)に続く。共通のコレクタ構造(60)は、出力空洞(201)の上端壁から上側に延びる。出力空洞(201)は、それに関連する出力導波管(202)を有する。
各ビーム管内でビームを収束するために、ソレノイドコイル(61)がビーム管の各々の周りに配置されている。
入力空洞(101)、出力空洞(201)および集群(52、53)空洞の各々は、その真空孔周りに配置されたそれぞれの微調整部材(621〜62d)およびそれぞれのRF吸収体(64a〜64d)を有する。これらは、後に本明細書においてより完全に説明されることになる。この実施形態では、共通の真空チャネル(56)は、通常は10−8ミリバール以下の良好な真空レベルを提供するように適合された共通の真空ポンプ(150)によって吸い出される。
共通の真空チャネル(56)を垂直軸と見なすと、空洞の各々、すなわち入力空洞(101)、第2高調波空洞(54)、集群空洞(52、53)および出力空洞(201)は、中立的に平行に、またそれぞれの水平面内に配置されている。高電圧セラミック封じ(66)は、各陰極(55)を装着する部材(67)を支持する。
次に、4つの異なるクライストロン空洞構成が比較されることになる(図2参照)。図2aおよび2dは円盤形(放射状)空洞でのモードを示すが、図2bおよび2cは環状(導波管タイプ)空洞でのモードを表す。これらのモードは、非常に異なるR/Q値(R/Qは、空洞内に蓄えられた所与のエネルギーに対してビームから見た電圧の2乗を示す)を有する。
従来の1つのMBKは、簡略なTM0.1,0(ピルボックス)空洞を有する。この従来設計の各実施形態では、各ビームレット(通常は6本から30本の間)は、軸方向の電界の中心最大値に近接して、様々な角位置(および場合によっては様々な放射状位置)において空洞を通過する。これらの装置を使用する場合、非常に高い効率(80%)が示されてきたが、相対的に低いRFパワーレベル(数十kW)について達成されてきた。この装置からより高いパワーを得るには、ビーム電流を増大させる必要があるはずだが、この幾何学的形状のために、電流は、空間電荷効果および陰極ローディング(cathode loading)の両方によってすぐさま制限される。
この制限に関する1つの方式は、空洞の動作モードを高次放射指数モード(higher radial index mode)に変更することである−1つの知られた装置、たとえば1.3GHz、10MW、6ビームMBKは、TM0,2,0モード(図2a参照)を使用する。1.5GHz、2GW、10ビームMBKについては他の方式が研究された。この設計は、環状空洞(ring cavity)(図2b参照)の最低次モードに基づいていた。
最後に、150MW、Xバンド、6ビームMBKが他のチームによって提案され、TM12、1、0導波管モード(図2c参照)に基づいていた。
n=3からのすべての値に対して、TMm,1,0(m=11)はTM0,n,0よりも効率的であることが分かっているので、本発明は円盤形空洞を有し、好ましい各実施形態は高次方位角(high−azimuthal−order)TMm,1,0モードを使用する。一実施形態は、27本のビーム(図3d参照)を有する。この装置では、ビームレットの合計数は、動作モードの指数mの約2倍に等しい。
MBK設計についての他の非常に重要な問題は、寄生モードスペクトラム(parasitic mode spectrum)である。高次モード(HOM:higher−order mode)を強力に減衰することが絶対に必要である。動作時、個々のビームレットの電流は、一般に正確には平衡にならず、対応する角電流プロファイル(angular current profile)を有するどんな寄生モード、すなわち動作周波数に十分に近い寄生モード周波数も自励する危険が生じることになる。動作モードが導波管の遮断周波数にあり、その結果HOMスペクトラムが非常に密になるために、図2bに示すようにどんな減衰技法および減衰装置も適用することが難しい場合に、この問題は、図2aに示すように、各装置にとって特に重大になることは明らかである。
すなわち、図2aおよび2bにおける各装置は高出力用途に対して深刻な制限を有し、したがって、さらなる議論は図2cおよび2dに示すような各装置に限定されることが分かる。
TMm,1,0モードのインピーダンスの比較は、約10の方位角指数(azimuthal indices)に対して、両方の場合でのインピーダンスが同一であることを示している。しかし、円盤空洞(disc cavity)は、環状空洞と比較してはるかに密なスペクトラムを有する。減衰は非共振でなければならず、これによりチョークトラッピング(choke trapping)などのような手段は適用されないため、環状空洞のHOMを減衰させる容易な方法はないように思われる。一方では、円盤空洞における動作モードの電磁界パターンは、円盤減衰空洞を提供するためのRF吸収体(64)の使用を可能にし、これについては、図3に関して後に本明細書においてさらに説明されることになる。大きいmを有するTMm,n,qモード(「僅かな漏れのある」モード(“ウィスパリングギャラリー”モード))のモードスペクトラムは、きわめて低密度にすることが容易にできることが示されてきた。当業者には知られているように、僅かな漏れのあるモードの主要な特徴は、エネルギーの大部分が、湾曲した空洞または導波管の外壁において、または外壁に近接して存在することである。
図3aおよび3bを参照すると、入力空洞(101)および出力空洞(102)の形状が、ここでより完全に説明されることになる。図3aは、軸線を通過する平面に沿った例示的な空洞を通る鉛直断面図が示している。図3bは、線b〜b’に沿った空洞を通る水平断面図を示している
両方の図を参照すると、空洞(101、102)は各々、一般的に閉ざされた一般的に円柱形の壁(110)によって定め(define)られ、一般的に円形の下壁部分(111)、一般的に円形の上壁部分(112)および円筒形の周壁部分(113)を有する構造を形成することが分かるであろう。周壁部分(113)は、後に本明細書において記述する1つまたは複数のいわゆる「窓」を介して、周壁を通しての電磁エネルギー(e.m.energy)の伝達を可能にする。一実施形態では、これについても後に本明細書において記述するように、多数の複数の小型窓がある。
図3aおよび3bをさらに参照すると、下壁部分(111)は、共通の真空チャネル(56)を接続するための円形の開口をもつ中心孔(113)を有することが示してある。この孔の周りには、たとえばSiCの円形のRF吸収体部材(64)が配置されており、この部材は孔(113)から少量だけ外側に延びている。RF吸収体部材(64)の外半径は、空洞の動作モードが事実上影響されないようになっている。RF吸収体の機能は、高次放射指数モード(higher order radial index modes)を低減することである。一実施形態では、SiC吸収体リングは、動作モードでのQ値を3.3×10から3.0×10に10%低減する位置に置かれた。3を超える放射指数を有するすべてのモードのQ値は、調査された周波数帯において1000を超える値が低減された。Q値を約100低減することは、ビームへのどんな影響を排除するのにも十分であると仮定される。上壁部分(112)も同様に、周波数同調のための微調整部材(62)によって囲まれた軸方向の円形の孔(114)を有する。上壁部分および下壁部分(111、112)は、各々主に平面であるが、各壁は、ビームパイプ(51)を接続するために、内側にくぼんだ同心の環状領域(111a、112a)を同じ放射状の位置に有する。
議論している実施形態では、ビームパイプの直径は小さく(動作波長の約1/16)、低い単一ビーム電流および低い周波数を利用する。その結果、周辺部の電磁界は非常に急激に減衰し、したがって準長方形の縦方向の電界分布になる。やはり電界は、ビームウエスト(λ/32)にわたって、0.1%以内で非常に一定したままである。ある程度(各単一ビームから見て)、円盤減衰空洞(101、201)は格子間隙(gridded gap)のように振る舞うことが分かる。
空洞内の横ビーム間隔が約半波長(約16cm)である事実により、ビーム間の空間電荷効果は最小限に抑えられる。剰余ガスが電離することによってビームが不安定になるのを避けるため、良好なレベルの真空が必要である(10−8ミリバール以下)。円盤減衰空洞は、他の幾可学的形状とは異なり、空洞の中心部に高真空伝導孔(直径約40cm)を取り付けることにより、非常に良好に排気(pump)されてもよい。利得/集群空洞(52)については、空洞インピーダンスは、RF吸収体の寸法を注意深く決めることにより、必要とされる値に調整されてもよい。
クライストロン空洞は通常、定在波(SW)状態で動作する。装置によっては、出力空洞は、エネルギーが縦方向に伝搬する進行波構造である。しかし、本発明の実施形態での円盤減衰空洞を使用する場合、共振回転波(RW(回転波))状態が確立され、回転波は、空間および時間において4分の1の期間だけシフトされた2つの定在波を重ね合わせたものとして見られてもよい。その結果生じる波は、外部の空洞壁に沿って回転モードで進む。SWおよびRW(回転波)状態での円盤減衰空洞の電界の複雑な振幅が、図4aおよび4bに示されている。
RW(回転波)状態は、ある利点をもたらす。第一に、ビームレットの数は、ここで動作モードの方位角指数から切り離され、TM0,n,0モードのように任意に選択されてもよい。各実施形態では、選択されたビームレットの数は奇数であり、したがって、もっとも近い方位角指数を有する各モードへのビーム電流の結合は、さらに低減されることになる。各試験では、SWと比較して、RW(回転波)状態は、同じ動作モードに対して単一ビーム電流を25%だけ低減させ、より高い効率を確実にする。
後に図5aを参照しながら述べるように、各実施形態では、入力空洞および出力空洞への結合は、空洞(302)全体の周辺に走る長方形導波管(304)によって行われる。フィーダの遮断周波数(導波管の幅)は、導波管および空洞の両方における波の位相速度が動作周波数において同一になるように選択される。後に図5aおよび5bを参照しながら述べるように、空洞(302)への結合は、空洞と導波管(304)との間の壁(301)にある多くの小さい結合孔(320)を介して行われる。好ましい一実施形態では、各結合孔間の距離は、動作モード波長の4分の1に等しく、したがって、合計の孔数は4×mである。こうした構成は、空洞への良好な整合をもたらし、破壊する確率を低減する。
次に図5に移ると、好ましい実施形態の窓の構成がここで説明される。クライストロンのセラミック出力窓は、システム全体の中でおそらくはもっとも繊細なRF構成部品である。たとえば10年間の統計によれば、すべてのクライストロンの機能不良のうちの約25%は、RF窓の破壊に起因していたことが分かる。記述された実施形態では、円盤減衰空洞動作モードの諸特徴を利用するために、数メガワットの小型窓の概念が使用される。
「窓」は、事実上一連の多くの小型窓であり、各々は図5aに示すように個々の結合孔を覆っている。単一の小型窓(320)は各々、まずそれ自体の支持物(322)に蝋付けされ、次いで導波管(304)の内壁(301)に電子ビーム溶接され、または締め付けられる。セラミック円盤の典型的な各寸法は、厚さが2mmであり、直径が約30mmである。円盤減衰空洞の電磁界構成は、小型窓の位置で顕著な電界がないようになっている。RW(回転波)モードでは、4×mの小型窓を使用する場合、局部的な電力潮流密度は劇的に低減されることになる。たとえば、m=11およびP=50MWを使用する場合、各窓を介して1.14MWのみが伝達されることになる。各実施形態は高い信頼性を有する。MBKのRF構成に続いて、各ビームレット向けの個々のソレノイド(61)のシステムが使用される。一例として、各々150kV、15Aのビームを制御するには、600Gから700Gの集束磁場が必要になる。従来のソレノイドは、ビームレット当たり約1kWを必要とし、これにより、総合的なクライストロンの効率が低減することになる。代替実施形態では、PPM焦点合わせ法が使用され、SLAC Xバンドクライストロン向けに開発されたものと同様である。
電流密度は、陰極構成を定めるパラメータである。電流密度は、指数関数的に温度に比例し、また陰極材料の仕事関数の指数関数に反比例する[リチャードソン−ダッシュマン方程式]。ビーム圧縮を可能な限り低く保つために、陰極ローディングは増大させられることが望ましいが、これにより表面温度が上がり寿命が短くなるはずである。動作温度を低減するために、バリウムやストロンチウムなどのアルカリ土類金属の酸化物がタングステン陰極に加えられる。クライストロンの寿命は、本質的に、陰極表面におけるバリウムの消耗の結果である陰極の寿命末期の放出によって決定される。
好都合には、クライストロンは、スタンドアロンのクライストロンが並列になっていると見なされてもよい別々のビームレットに分割されてきたため、実施形態によっては、各ビームレットに対して個々のコレクタを使用するものもある。しかし、約30個の小さいコレクタが共通の給水装置(water supply)に並列に接続されているとき、こうした装置の冷却は複雑になり、また製造するのに費用がかかるように思われる。コレクタについての重要な設計パラメータは、放散される平均電力およびピーク電力、ならびに電子ビームが衝突する表面積である。必要となる冷却水(乱流)の最小量は、一般的に、放散される平均RFパワーの1キロワット当たり3リットル/分と推定される。その結果、また図1に示すように、好ましい実施形態では、管の出力端でそれ自体の磁極片を通過し、この磁界フリー領域で拡大することを許される各ビームとともに、共通のコレクタ(60)が使用される。
総合利得(入力駆動電力に対する尖頭出力電力の比)は、必要となる空洞の最小数を決定することになる。小さい帯域幅、たとえば±3%が必要な場合、すべての利得空洞は、ほぼ同じ基本周波数に同調され、スタガ同調していないと仮定されてもよい。
図6を参照すると、集群効率したがってクライストロン効率を改善するために、第2高調波空洞が使用されている。一実施形態では、第2高調波空洞構造(54)は、あらゆる単一ビームレットと相互作用するための1組の個々のTM0,1,0第2高調波空洞(501)を定める部材(500)によって形成される。
前述の実施形態は、27個の個々のミニクライストロンセクタ(mini−klystron sectors)を有するマルチビームクライストロンによって代表され、それらの各々は、共通の出力空洞から得られる総合電力のうちの約4%を発生する。各単一セクタは、事実上個々の装置として扱われてもよい。
図7a〜7cを参照すると、第2の実施形態は、このセクタ(図7a)で単一ビームレットを使用する代わりに、各セクタがミニMBKのように動作し、したがってスーパーMBK(SMBK:Super MBK)を作成するように、複数のミニビームレット(mini−beamlets)を使用する。この状況では、磁気的なシステムならびに第2高調波空洞は、あらゆるミニMBKすなわち各セクタに対して、一義的なままである。
こうしたSMBKは、2つの構成のうちの1つを有することがある。第1の方式(図7b)は、少なくとも6本のミニビームレットを内蔵することができる、より半径の大きいビームパイプを使用する。この構成では、環状ビームも非常に良好な候補と見なされてもよいが、残念なことには、第2高調波空洞はいくぶん非効率になる。第2の方式(図7c)は、各ミニビーム(mini beam)向けに個々のビームパイプを使用する。この例では、6本のミニビーム、したがって6本のミニビームパイプが示されている。
SMBKを使用する場合、著しく低い陰極電圧が使用されてもよく(約2倍)、約3倍低い単一ビーム電流しか必要にならないことが分かる。
MBK装置またはSMBK装置のどちらかに長い電圧パルス(約100μs)を供給する変調器は、同じピークビーム電力を生成する。しかし、各ビーム電圧レベルは互いに異なる。パルストランスを使用する古典的な変調器が考慮される場合、2次巻線での巻線数が少なくて済むため、低電圧システムは、より早い立上り時間を可能にする。パルストランスはまた、ボルト秒がより低いために、よりコンパクトであり、各巻線の漏れインダクタンスおよび自己容量の両方が低減される。これによって、この電圧パルスの立上りおよび立下りでの損失を低減させることにより、パルス応答時間およびエネルギー効率を改善する。しかし、MBKおよびSMBKの両方に対する電圧レベルは、同じ出力電力、パルス幅およびデューティサイクルを有する同等な単一ビームクライストロンの場合よりも著しく低い。
本発明を実施するクライストロンのいくつかの実施形態をここで説明してきた。しかし、本発明は、各実施形態の特徴のどんなものにも限定されず、代わりに添付の特許請求の範囲の全範囲に及ぶものである。
本発明を実施するクライストロンの側面図である。 クライストロン空洞についての可能な電磁界分布を示す図である。 クライストロン空洞についての可能な電磁界分布を示す図である。 クライストロン空洞についての可能な電磁界分布を示す図である。 クライストロン空洞についての可能な電磁界分布を示す図である。 図1のクライストロンの円盤形空洞の断面図である。 図1のクライストロンの円盤形空洞の断面図である。 入力/出力空洞の定在波動作モード、および入力/出力空洞の回転波動作モードについての電磁界分布を示す図である。 入力/出力空洞の定在波動作モード、および入力/出力空洞の回転波動作モードについての電磁界分布を示す図である。 出力導波管を貫く複数の窓を有する出力空洞、および窓の取付の詳細を示す図である。 出力導波管を貫く複数の窓を有する出力空洞、および窓の取付の詳細を示す図である。 図1のクライストロンとともに使用するための第2高調波空洞部材を示す図である。 本発明を実施する第2のクライストロンの電磁界パターンを示す図である。 本発明を実施する第2のクライストロンの電磁界パターンを示す図である。 本発明を実施する第2のクライストロンの電磁界パターンを示す図である。

Claims (13)

  1. 複数の電子ビーム経路を定める手段と、複数の円盤形減衰空洞を定める手段とを備えるクライストロン増幅器であって、前記複数の電子ビーム経路は前記各空洞と交差し、前記クライストロンは環状の入力導波管および環状の出力導波管をさらに備え、前記入力導波管および前記出力導波管は、それぞれの円盤形空洞の実質上円形の外周部の周りに配置され、そしてその円盤形空洞と連通しており、前記出力導波管は前記複数の電子ビーム経路における電子ビームからRFパワーを受け取るように構成されている、クライストロン増幅器であって、
    前記各空洞は、ウィスパリングギャラリーモードにおける単一の共振回転波、およびウィスパリングギャラリーモードにおける単一の共振定在波のうちの1つをサポートするように構成されていることを特徴とするクライストロン増幅器。
  2. 実質上円盤形の空洞を定める壁をさらに備えるクライストロンであって、前記壁は、電子ビームエネルギーが結合するための1つまたは複数の開口を有し、前記空洞壁は、実質上環状の前記入力導波管または出力導波管への結合を可能にする実質上円形の外周部を有し、前記結合は、前記円盤形空洞の前記外周部に沿って分散された複数の窓によってもたらされる、請求項1に記載のクライストロン。
  3. 各窓は、導波管壁に固着されたセラミック部材を備える、請求項2に記載のクライストロン。
  4. 入力導波管と、2つの利得空洞と、第2高調波空洞と、出力導波管とを備える、請求項1−3の1つに記載のクライストロン。
  5. 少なくとも1つの空洞は、その中に配置されたRF吸収体部材を有する、請求項1−4の1つに記載のクライストロン。
  6. 各空洞は、真空孔を有する、請求項1−5の1つに記載のクライストロン。
  7. 前記孔は、軸方向である、請求項6に記載のクライストロン。
  8. 円形のRF吸収体部材を有する、請求項6または7に記載のクライストロン。
  9. 前記吸収体は、SiCからなり、前記空洞の動作モードが事実上影響を受けないような量だけ前記孔から外側に延びる、請求項8に記載のクライストロン。
  10. TMm,n,qモードで動作するように構成された、請求項1−9の1つに記載のクライストロン。
  11. 複数のビーム管を有する、請求項1−10の1つに記載のクライストロン。
  12. ビーム管ごとに1つの焦点合わせ用ソレノイドを有する、請求項11に記載のクライストロン。
  13. 空洞内での横ビーム間隔は半波長である、請求項1−12の1つに記載のクライストロン。
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