JP2000012300A - 高周波電子銃 - Google Patents
高周波電子銃Info
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Abstract
し、かつ設計が容易でよりコストの低い多段の加速空洞
を備えた高周波電子銃を提供する。 【解決手段】 加速空洞間を仕切るディスク内に電子ビ
ーム軸7を中心とする結合空洞3を設けてπ/2モード
で運転できるようにした高周波空洞の第1加速空洞2に
電子源1を配備した高周波電子銃。さらに、加速空洞と
結合空洞を仕切るディスク5、6にビーム軸に対して軸
対称の位置に磁気結合のためのスロット11、12を設
けて、結合定数k1/k2を調整するようにすることが
好ましい。
Description
電子ビームを射出する高周波電子銃に関し、特に電子源
の劣化を防止し安定に運転することができる高周波電子
銃に関する。
として、電子源となる陰極材から放出された電子を加速
空洞内の高周波により加速して高速な電子ビームを進行
方向に射出する高周波電子銃が用いられ、光陰極型高周
波電子銃や熱陰極型高周波電子銃がある。
く用いられるレーザドライブの高周波電子銃は、印加す
る高周波の位相にタイミングを合わせて陰極材表面をレ
ーザで照射して電子を放出させて、高周波加速するもの
である。この光陰極型高周波電子銃は、高輝度でありバ
ンチャー部が不要で小型になる等の長所があるが、まだ
陰極材料の寿命が短いこと、ビームのマクロパルス幅を
長くできないこと、ドライブ用レーザ装置が高価で大型
になるなどの短所もある。
電子を加速空洞で加速して高速な電子ビームを射出する
熱陰極型高周波電子銃では、加速空洞内の電子が加速用
高周波の位相の関係によって逆方向に加速されて電子源
に衝突する現象(バックボンバードメント)が起こり、
電子源劣化の要因となっている。
ントによる陰極劣化を低減させる方法として、特開平6
−86680号公報に、凹面に形成した高周波空洞の底
面の中心に電子源を設置することにより、高周波電流の
位相が反転したときには電子ビームが電子源周囲の凹壁
面に向かって漸次拡径するように流れて電子源に集中し
ないようにした方法が開示されている。この方法では、
高周波空洞の形状が特殊であるため複雑な設計と工作を
必要とする。
は、電子源近傍に加速高周波に同調させるグリッドを設
け、高周波位相に対する電子放出タイミングを制御する
方法が開示されている。この方法によれば、高周波入力
が逆位相の時に加速空洞に電子が存在しないようにして
バックボンバードメントを防止することができる。しか
し、高周波位相とグリッドパルスの同期をとる装置を必
要とする。
る別の方法として、ビーム軸上に設けた連結部を介して
電磁気的に結合した多段の高周波空洞を用い、電子源が
ある第1加速空洞の電場強度を小さくすることにより、
逆位相の時に電子源に衝突する電子の力を弱めて衝撃を
緩和する方法もある。しかしこの方法では、加速空洞に
おける高周波位相と電子ビームの入射タイミングが整合
しないと適当な加速性能が得られないうえ、隣接する加
速空洞間の結合定数が小さく、普通例えば0.15%程
度なので、πモードと0モードが混成し易いため、各段
加速空洞の形状を極めて精密に設計しなければならず、
また、わずかな空洞寸法誤差があっても電子の走行と高
周波位相の不整合が生じ適正な加速電場が得られない欠
点がある。
波数が近いため、電子ビームの電流が大きい場合にも両
者の混成が起こりやすく、電流値が変化すると加速電場
が不安定になり、共振周波数のチューニングも難しいと
いう問題がある。なお、電子銃から放出された直後の電
子ビームは相対論的速度には遙かに及ばずエネルギが小
さいため電場の非対称性により受ける影響が大きく、ビ
ームの質が劣化しやすい。
電場が同じ方向に向いていて波の位相差がない場合を0
モード、反対の方向を向いていて波の位相差がπの場合
をπモードという。なお、1個おいた領域同士の位相差
がπのときをπ/2モードという。また、結合定数とは
隣り合う加速空洞同士の結合の度合いを示す係数kをい
い、πモードの角周波数をω(π)、0モードの角周波
数をω(0)とすると、結合孔が十分に小さいときに
は、 k=2×{ω(π)−ω(0)}/{ω(π)+ω
(0)} で表すことができる。なお、等価回路を用いてリラクタ
ンスLと容量Cの直列接続で高周波空洞を表し、結合に
より新たに相互容量C’が直列に入ったものと解したと
きには、この結合定数は、k=2C/C’で表すことが
できる。ここで、結合孔が十分小さければ、C’>>C
が成立する。
洞式高周波電子銃では、各空洞の加速電場比は空洞形状
により決定される。加速電場比と空洞形状は共に電子ビ
ームの質やバックボンバードメントの大きさに影響する
ので、空洞形状の設計に自由度が小さく、ビームの質を
向上させるため空洞の一部形状を変更しようとしても制
約があり、運転条件の変化にも対応しにくい。
安定性を解消する手段として、加速空洞相互の結合に依
らず全ての空洞にそれぞれ隣との位相差がπになる高周
波電力を入力して用いる方法がある。しかし、この方法
では高周波伝送回路が複雑になりコストがかかる上、伝
送回路での損失が大きくなり、実用としがたい。また、
電子源を備える第1加速空洞にも高周波電力入力ポート
を設けるため、ここに励起される電子ビーム軸に対して
非対称な電場が電子銃から放出されたばかりでまだエネ
ルギ水準の低い電子ビームの質に深刻な影響を与えるこ
とがある。
しようとする課題は、電子源の寿命を長期化し安定な運
転を可能とし、かつ設計が容易でよりコストの低い多段
の加速空洞を備えた高周波電子銃を提供することであ
り、特に熱陰極型高周波電子銃に適用して高い効果を得
ることができる高周波電子銃の改良技術を提供すること
である。
め、本発明の高周波電子銃は、電子源を設置した第1の
加速空洞を含み複数の高周波加速空洞を有する高周波電
子銃であって、加速空洞間を仕切るディスク内に電子ビ
ーム軸を中心とする結合空洞を設けてπ/2モードで運
転できるようにしたことを特徴とする。また、加速空洞
と結合空洞を仕切るディスクに磁気結合のためのスロッ
トを設けてもよい。この磁気結合スロットはビーム軸に
ついて対称に設けられることが好ましい。
速空洞には真空引き用ポートを高周波電力入力ポートに
対向する位置に設けることが好ましい。特に、第1加速
空洞と結合空洞を介して隣接する第2加速空洞に高周波
電力入力ポートを設置することが好ましい。なお、第1
加速空洞と結合空洞の間の第1結合定数を、結合空洞と
第2加速空洞の間の第2結合定数より大きくすることが
より好ましい。また、結合空洞と加速空洞との間に設け
られる中心軸上の結合穴を使用して結合定数の調整を行
うことができる。
用いるものであっても良い。さらに、この電子源の近傍
にグリッド電極を設けることが好ましい。また、電子源
の中心部にファラデーカップを設けることによりバック
ボンバードメントを吸収するようにしても良い。なお、
熱陰極型高周波電子銃においては、第1結合定数と第2
結合定数の比が1.5:1ないし4:1であることが特
に好ましい。本発明の自由電子レーザ装置は上記発明の
高周波電子銃を電子源とすることを特徴とする。
電子銃では、加速空洞間を仕切るディスク内に電子ビー
ム軸を中心とする結合空洞を設けてπ/2モードで運転
するようにすると、電子源から放出された電子群が第1
加速空洞に生じる高周波電界により加速され結合空洞を
通過して第2加速空洞に入射するときに、第2加速空洞
の高周波電界が加速方向に電子を加速する位相になって
いるから、電子が第1加速空洞の電子源に向かって逆方
向に加速されることはない。第2空洞以降の空洞につい
ても同様に電子群が逆行することはない。
り、πモードにおけるような空洞寸法に対する高度な精
度要求やビーム電流値に敏感に依存する適正形状などの
制約が少なくなるので、共振周波数やQ値など空洞の性
能を決める諸元の設計がより容易になり、運転条件の変
化に対しても格段に安定な運転が可能で、またチューニ
ングも容易になる。
スクにスロットを開けて磁気結合を加えると、結合定数
kが大きくなって、寸法誤差やビーム電流値変化に対す
る安定性とチューニングの容易性が向上する。なお、磁
気結合スロットを中心軸に関して対称に設けるようにす
ると、ビーム軸における電場が軸対称性を保つため、ス
ロットの存在が中心軸上を走行する電子ビームに非対称
的な影響を与えることを防ぐことができる。
を変えることで空洞間結合定数を調整することができ
る。例えば、加速空洞中の磁場強度は中心軸から離れる
ほど強くなるので、結合定数を大きくするためには外周
に近いところに開孔を設けるようにする。なお、2つの
加速空洞の加速電場比は各加速空洞と結合空洞間の結合
定数の比に逆比例する。したがって結合定数の調整を行
うことにより、ビームの質とバックボンバートメントに
影響が大きい空洞形状と加速電場比をそれぞれ独立に設
計することができるため、高周波空洞の自由度が大きく
なって設計が容易になる。
波電力の逆位相でバックボンバードメントを受けて電極
が消耗することがカソードの寿命を制限する要因となっ
ている。そこで、電子源に対するバックボンバードメン
トを低減するために、第1加速空洞における電場が小さ
くなるような設計を行う。第1加速空洞における軸上加
速電場強度の最大値E1と第2加速空洞における軸上加
速電場強度の最大値E2の比E1/E2は、第1加速空
洞と結合空洞の第1の結合定数k1と第2加速空洞と結
合空洞の第2の結合定数k2の比k1/k2に逆比例
し、E1/E2=c×k2/k1の関係が成立する。し
たがって、第1加速空洞と結合空洞間のスロットを第2
加速空洞と結合空洞間のスロットより大きくするなどし
て、第1結合定数k1が第2結合定数k2より大きくな
るようにすると、第1加速空洞における加速電場が小さ
くなってバックボンバードメントが減少する。
降の加速空洞に設けることが好ましい。高周波入力ポー
トは加速空洞の外周に設けられ、ここから高周波電力が
供給されるので、空洞の電場の対称性を乱す要因とな
る。第1加速空洞中の電子ビームのエネルギーはまだ小
さいため、電場に僅かな非対称性が存在するだけでも大
きな影響を受けてビームの質が劣化する。しかし、第2
段目以降の加速空洞中では、電子は既にかなり加速され
ていて電子ビームのエネルギも高くなっており、多少の
非対称性があっても大きな影響を受けることはない。
速空洞の、高周波入力ポートと軸対称の位置に真空引き
ポートを備えるようにすることが好ましい。真空吸引ポ
ートも加速空洞の形状を非対称にするものであって、電
場の対称性を乱す原因となる。そこで、高周波電力入力
ポートと対称の位置に真空ポートを設けることにより両
者を相殺して加速空洞に励起する電場の非対称性を小さ
くする。
近傍に高周波加速電場に同調するグリッドパルサを設け
て、加速位相時にのみ電場中に電子を供給するようにす
れば、バックボンバードメントを大幅に低減することが
可能である。また、1バンチあたりの電荷量を増やして
強い電子ビームを生成させることができる。
を参照して説明する。図1は本発明の高周波電子銃の第
1実施例を表すブロック図、図2は本発明第2の実施例
を示す図面、図3は第2実施例の別の仕様態様を表すブ
ロック図、図4はそれに用いる結合空洞ディスクのスロ
ット形状を示す側面図、図5はそれに用いる別の結合空
洞ディスクを示すブロック図、図6は本実施例における
結合定数の変化を示す線図、図7は本発明の第3の実施
例を示すブロック図、図8は本発明の高周波電子銃の第
4実施例を示すブロック図、図9は本発明の高周波電子
銃の第5実施例における電子源部分を示す断面図であ
る。
装置などにおける電子ビーム源として用いることができ
る電子銃で、図1に示すように、第1加速空洞2と第2
加速空洞4を備えている。第1加速空洞2と第2加速空
洞4の間には結合空洞3が設けられている。第1加速空
洞2と結合空洞3は第1のディスク5で仕切られてお
り、第2加速空洞4と結合空洞3は第2のディスク6で
仕切られている。
洞4は、電子ビームの軸7に関して対称に構成されてい
る。図面では、最も基本的な円筒導波管の一部に対応す
るいわゆるピルボックス空洞が3個接続されたものとし
て表示したが、発明の技術的思想を説明する便宜のため
で、さらに複雑な形状を有するものであっても良いこと
は言うまでもない。
が供給され、高周波空洞のディメンジョンに適合した共
振周波数を有する定在波が発生する。供給する高周波電
力の周波数を適当に選ぶと、第1加速空洞2中に励起さ
れる電磁場の位相と第2加速空洞4中に発生する電磁場
の位相の間にπのずれを持たせたπ/2モードの状態に
することができる。このときは、例えば図1の下側部分
に示したように、軸上の加速電場強度がある瞬間におい
て点線8で表されるとすれば、高周波RFの1/2周期
後における加速電場強度は実線9で表されたようにな
る。
けられており、対向する壁の中心に開孔が設けられてい
る。電子ビーム7は電子源1から開孔の中心を通って結
合空洞3、さらに第2加速空洞4に射入する。高周波空
洞はπ/2モード状態になっている。電子ビームは第1
加速空洞2における電界が正方向の時に引き出され、電
界が0である結合空洞3を通過し、今度はπだけ進んで
正方向に電界がかかる位相になっている第2加速空洞4
中の高周波により継続的に加速力を受けて増速する。
モードを用いるため空洞内の高周波電力は十分な群速度
を持ち、第1加速空洞と第2加速空洞を直接結合させて
πモードを用いる場合と比べて、ビーム負荷や周波数誤
差に対する許容性が格段に大きくなる。このため、周波
数のチューニングが非常に容易になり、また空洞の温度
変動などに起因する周波数の変動に対して安定な運転が
可能となる。
おける加速空洞と結合空洞を仕切るディスクにスロット
を設けて結合定数を大きくしたもので、図2(a)はそ
の断面図、図2(b)はディスクに設けたスロットの部
分を第1ディスクの左側から見た側面図である。したが
って実線は第1ディスクのスロット、点線は第2ディス
クのスロットを表す。なお以下の各実施例の説明におい
て、図1に示したものと同じ機能を有する要素には同じ
参照番号を付して説明を簡約化する。
軸から離れた位置にそれぞれスロット11とスロット1
2が開口されている。加速空洞における磁場強度は中心
軸から遠ざかるほど大きくなるので、中心軸から離れた
位置に開口されたスロット11、12により加速空洞と
結合空洞の間に強い磁気的結合が加わり、両者間の結合
定数が大きくなる。結合定数が大きいと、各モードの分
離が容易になり、安定な運転が可能になる。
り、結合定数を調整して希望する特性を具現化した高周
波電子銃を示すブロック図である。図4(a)(b)に
示したように、第1ディスク5に開口したスロット13
より小さいスロット14を第2ディスク6に開口するこ
とにより、第1加速空洞と結合空洞の間の第1結合定数
k1を第2加速空洞と結合空洞の間の第2結合定数k2
より大きくすることができる。
ることで第1結合係数k1が第2結合係数k2より大き
くなるように調整して電気的結合したものである。第1
ディスク5の結合穴径を第2ディスク6よりも大きくす
ることにより第1結合係数k1は第2結合係数k2より
大きくなる。このようにすると、希望する電界強度比が
得られるばかりでなく、第1ディスクの結合穴径が大き
くなるので低速電子に対してもビーム軸に垂直な方向の
電場を小さくでき、エミッタンスを向上させることが可
能である。なお、第2加速空洞と結合空洞間は電気結合
であっても磁気結合であっても良い。
り第1加速空洞2中の電界強度を相対的に弱くして、電
子源1へのバックボンバードメントを減少させて電子源
の寿命を長期化することができる。すなわち、第1加速
空洞における軸上加速電場強度の最大値E1と第2加速
空洞における軸上加速電場強度の最大値E2の比E1/
E2がk1/k2に逆比例するから、図3の下側のグラ
フに示すように、電子源1の存在する第1加速空洞2に
おける最大電界強度が第2加速空洞4のものより小さく
なる。したがって、第1加速空洞2中に存在する電子が
逆行して電子源1に衝突する力の原因である第1加速空
洞2中の逆位相電界が弱くなり、バックボンバードメン
トも減少するのである。
ほどバックボンバードメントが減少するが、一方この結
合定数比は電子ビームのエミッタンスにも影響を与える
のでビームの質を確保する必要を考慮すると、結合定数
比k1/k2は小さ過ぎても大き過ぎてもよくない。図
6は、結合定数比k1/k2とこれらの関係を示した図
面で、横軸を結合定数比にとり、縦軸にバックボンバー
ドメントパワー(単位:W)とエミッタンス(単位:π
・mm・mrad)をとって表したものである。この図
から、バックボンバードメントを抑制しかつエミッタン
スを劣化させない領域として結合定数比k1/k2が
1.5から4程度の範囲が適当であることが分かる。
に高周波電力入力ポートと真空引きポートを備えるもの
である。図7(a)は本実施例の側面断面図、図7
(b)は図7(a)におけるA−A断面を表す図面であ
る。高周波電力入力ポート21は第2加速空洞4に設け
られている。電子ビームのエネルギは電子源1から放出
されて間もない第1加速空洞2にあるときより、第2加
速空洞4におけるときの方が大きいため、高周波電力入
力ポート21による非対称性の影響を受けにくいからで
ある。
きポート22も設けられている。高周波電力入力ポート
21と真空引きポート22は電子ビームの軸7に関して
軸対称の位置に配設されていて、これらポートが高周波
空洞内の電場分布に与える乱れを相殺し、電場の非対称
性を緩和するようになっている。本実施例の高周波電子
銃では、安定性が良くビーム質が高い電子ビームを発生
することができる。
を用いるものであって、電子源の近傍にグリッド電極を
設けたものである。図8は本実施例を表すブロック図
で、第1加速空洞2の壁面に設けられた熱陰極型電子源
1の前面にグリッド極31が設けられている。グリッド
極31は負電位に保持され、第1加速空洞2内に電子が
送出されるのを抑制しており、これに高周波電場が重畳
されることで、加速位相の正方向電場がかかるときにの
み第1加速空洞2内に電子が送出される。このように、
逆位相期間は第1加速空洞2中に逆行する電子が存在し
ないようにしてバックボンバードメントを減少させる。
また、本実施例の高周波電子銃は熱放出された電子を適
正な加速を得られる位相にのみ送出するので、いたずら
に空洞へのビーム負荷を増やすことなく1バンチあたり
の電荷量を増やして強い電子ビームを生成させることが
できる。
源の中心部に小型のファラデーカップを設けたものであ
る。図9は本実施例の電子源部分を表す断面図で、円筒
状カソード33の中心空洞部にファラデーカップ34が
配設された電子源1が示されている。バックボンバード
メントのパワー密度はカソード中心が高くなることが多
いので、カソードの中心部に穴を開け電子を吸収するフ
ァラデーカップを埋設することでバックボンバードメン
ト電子の多くをファラデーカップで吸収し、カソードの
ダメージを低減することができる。
バックボンバードメントが減少するので電子源寿命の長
い安定な運転が可能な高周波電子銃が得られる。しか
も、動作上の余裕があるため、設計が容易でよりコスト
の低い加速空洞を用いるので、より経済的な高周波電子
銃を得ることができる。
場強度との関係と共に示すブロック図である。
である。
共に示すブロック図である。
ト形状を示す側面図である。
ある。
である。
である。
である。
子源部分を示す図面である。
Claims (12)
- 【請求項1】 電子源を設置した第1の加速空洞を含ん
で少なくとも2個の加速空洞を有する高周波電子銃であ
って、前記加速空洞の間に電子ビーム軸を中心とする結
合空洞を設けてπ/2モードで運転できるようにしたこ
とを特徴とする高周波電子銃。 - 【請求項2】 前記加速空洞と結合空洞を仕切るディス
クに磁気結合のためのスロットを設けたことを特徴とす
る請求項1記載の高周波電子銃。 - 【請求項3】 前記磁気結合スロットがビーム軸につい
て対称に設けられることを特徴とする請求項2記載の高
周波電子銃。 - 【請求項4】 高周波電力入力ポートを設置した加速空
洞に真空引き用ポートを該高周波電力入力ポートとビー
ム軸について対称の位置に設けたことを特徴とする請求
項1から3のいずれかに記載の高周波電子銃。 - 【請求項5】 前記第1加速空洞に隣接する第2の加速
空洞に高周波電力入力ポートを設置したことを特徴とす
る請求項1から4のいずれかに記載の高周波電子銃。 - 【請求項6】 前記第1加速空洞と隣接する結合空洞の
間の第1の結合定数を、該結合空洞と前記第2加速空洞
の間の第2の結合定数より大きくしたことを特徴とする
請求項1から5のいずれかに記載の高周波電子銃。 - 【請求項7】 前記結合空洞と第1加速空洞との間の中
心軸上の結合穴を前記第2加速空洞との間の中心軸上の
結合穴より大きくしたことを特徴とする請求項6記載の
高周波電子銃。 - 【請求項8】 前記電子源が熱放出型電子源であること
を特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の高周波
電子銃。 - 【請求項9】 前記電子源の近傍にグリッド電極を設け
たことを特徴とする請求項8記載の高周波電子銃。 - 【請求項10】 前記電子源の中心部にファラデーカッ
プを設けたことを特徴とする請求項8記載の高周波電子
銃。 - 【請求項11】 前記第1結合定数と第2結合定数の比
が1.5:1ないし4:1であることを特徴とする請求
項6から10のいずれかに記載の高周波電子銃。 - 【請求項12】 請求項1から11のいずれかに記載の
高周波電子銃を電子源とする自由電子レーザ装置。
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- 1998-06-26 JP JP18007298A patent/JP3707932B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP3707932B2 (ja) | 2005-10-19 |
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