JPH0737440A - 剥離性外部半導電層用樹脂組成物及びこれを被覆した電力ケーブル - Google Patents
剥離性外部半導電層用樹脂組成物及びこれを被覆した電力ケーブルInfo
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- JPH0737440A JPH0737440A JP19992793A JP19992793A JPH0737440A JP H0737440 A JPH0737440 A JP H0737440A JP 19992793 A JP19992793 A JP 19992793A JP 19992793 A JP19992793 A JP 19992793A JP H0737440 A JPH0737440 A JP H0737440A
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- ethylene
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 剥離性外部半導電性樹脂組成物を提供する。
【構成】 本発明の樹脂組成物は、(a)酢酸ビニール
含有量25〜45重量%のエチレン−酢酸ビニール共重
合体100重量部、(b)エチレン系樹脂100重量部
に対してオルガノポリシロキサン70〜130重量部お
よび有機過酸化物0〜1重量部を添加し、加熱混練して
得たゲル含量10%以上のエチレン系樹脂−オルガノポ
リシロキサン混練物30〜70重量部、(c)アセチレ
ンブラック70〜100重量部、および(d)有機過酸
化物1.0〜2.2重量部からなる。電力ケーブルのポ
リオレフィン絶縁層上に外部半導電層として被覆され、
適度の剥離性を有する。
含有量25〜45重量%のエチレン−酢酸ビニール共重
合体100重量部、(b)エチレン系樹脂100重量部
に対してオルガノポリシロキサン70〜130重量部お
よび有機過酸化物0〜1重量部を添加し、加熱混練して
得たゲル含量10%以上のエチレン系樹脂−オルガノポ
リシロキサン混練物30〜70重量部、(c)アセチレ
ンブラック70〜100重量部、および(d)有機過酸
化物1.0〜2.2重量部からなる。電力ケーブルのポ
リオレフィン絶縁層上に外部半導電層として被覆され、
適度の剥離性を有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外部半導電層用樹脂組
成物及びそれをポリオレフィンからなる絶縁層上に被覆
してなる電力ケーブルに関する。この電力ケーブルの外
部半導電層は、通常の使用条件では絶縁層と密着して剥
離することなく、工事等で絶縁層からはがす場合は容易
に剥離できるので省力化に役立つ効果がある。
成物及びそれをポリオレフィンからなる絶縁層上に被覆
してなる電力ケーブルに関する。この電力ケーブルの外
部半導電層は、通常の使用条件では絶縁層と密着して剥
離することなく、工事等で絶縁層からはがす場合は容易
に剥離できるので省力化に役立つ効果がある。
【0002】
【従来の技術】通常の架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブ
ルは、内部から外部に向けて導体、内部半導電層、絶縁
層、外部半導電層、保護層から構成されており、外部半
導電層は、外部からの屈曲や、ヒートサイクル等により
架橋ポリエチレン絶縁層との部分的剥離や空隙の発生に
より生ずるコロナ劣化や、他の絶縁劣化を防止するため
体積固有抵抗値100Ω・cm程度の導電性にしてあ
る。外部半導電層を上記の体積固有抵抗値にし、かつ架
橋ポリエチレン絶縁層との密着性をよくし、外部からの
屈曲や、ヒートサイクル等に追随し、部分的剥離や空隙
の発生を防ぐには、柔軟で、架橋ポリエチレンに対して
密着性がよく、かつ大量のカーボンブラックの充填にも
かかわらず機械的強度、伸び、柔軟性、加工性が低下し
ないポリマーが必要であり、従来代表的なものとしてエ
チレン−酢酸ビニール共重合体、エチレン−エチルアク
リレート共重合体、アイオノマー、酸変性ポリエチレン
等が使用されてきた。しかしながら、架橋ポリエチレン
絶縁電力ケーブル同志を接続する場合、端末処理作業を
容易にするため架橋ポリエチレン絶縁層から外部半導電
層を剥ぎ取らなければならず、この作業を容易にするた
めには、剥離性のよい外部半導電層としなければならな
い。上記エチレン−酢酸ビニール共重合体、エチレン−
エチルアクリレート共重合体、アイオノマー、酸変性ポ
リエチレン等は密着性は良好であるが、逆に剥離性が不
十分である。従って、剥離性をよくするため、種々のポ
リマー組成物が提案されてきた。しかしながら、剥離性
が不十分であったり、機械的強度、伸び、耐熱性、耐寒
性、加工性等が悪かったりし、すべての条件を満足する
剥離性と密着性を有する外部半導電層用樹脂組成物およ
びそれで作った電力ケーブルはなかった。
ルは、内部から外部に向けて導体、内部半導電層、絶縁
層、外部半導電層、保護層から構成されており、外部半
導電層は、外部からの屈曲や、ヒートサイクル等により
架橋ポリエチレン絶縁層との部分的剥離や空隙の発生に
より生ずるコロナ劣化や、他の絶縁劣化を防止するため
体積固有抵抗値100Ω・cm程度の導電性にしてあ
る。外部半導電層を上記の体積固有抵抗値にし、かつ架
橋ポリエチレン絶縁層との密着性をよくし、外部からの
屈曲や、ヒートサイクル等に追随し、部分的剥離や空隙
の発生を防ぐには、柔軟で、架橋ポリエチレンに対して
密着性がよく、かつ大量のカーボンブラックの充填にも
かかわらず機械的強度、伸び、柔軟性、加工性が低下し
ないポリマーが必要であり、従来代表的なものとしてエ
チレン−酢酸ビニール共重合体、エチレン−エチルアク
リレート共重合体、アイオノマー、酸変性ポリエチレン
等が使用されてきた。しかしながら、架橋ポリエチレン
絶縁電力ケーブル同志を接続する場合、端末処理作業を
容易にするため架橋ポリエチレン絶縁層から外部半導電
層を剥ぎ取らなければならず、この作業を容易にするた
めには、剥離性のよい外部半導電層としなければならな
い。上記エチレン−酢酸ビニール共重合体、エチレン−
エチルアクリレート共重合体、アイオノマー、酸変性ポ
リエチレン等は密着性は良好であるが、逆に剥離性が不
十分である。従って、剥離性をよくするため、種々のポ
リマー組成物が提案されてきた。しかしながら、剥離性
が不十分であったり、機械的強度、伸び、耐熱性、耐寒
性、加工性等が悪かったりし、すべての条件を満足する
剥離性と密着性を有する外部半導電層用樹脂組成物およ
びそれで作った電力ケーブルはなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、外部半導電
層として必要な下記の条件を満す樹脂組成物及びそれを
被覆した電力ケーブルの提供を課題とする。 1.体積固有抵抗値が100Ω・cm以下の半導電性で
あること。 2.電力ケーブルを屈曲したり、ヒートサイクルをかけ
たとき、架橋ポリエチレン層との部分的剥離や空隙が発
生しない事。即ち柔軟性、伸びがあり、モジュラス値が
小さいこと。 3.架橋ポリエチレン層と外部半導電層との界面が平滑
であり、微小な突起がないこと。 4.外部半導電層を引き剥すとき、半導電層が弱い引張
力で切断しないこと。即ち、一定の引張強度があるこ
と。 5.耐熱性、耐寒性があること。 6.外部半導電層を架橋ポリエチレンから剥離すると
き、ナイフで外部半導電層が比較的弱い力で切れ目が入
れられ、架橋ポリエチレン層を傷つけない程度に容易に
切断作業ができ、かつ容易に剥離でき、剥離した後の架
橋ポリエチレン層の表面に残渣や、傷が残らない事。 7.外部半導電層を内部半導電層およびポリエチレン絶
縁層との三層同時被覆を行うとき、加工性がよく、界面
が平滑であり、微小な突起も生じることなく高温で架橋
を行う場合にも、熱分解を起こし、界面に突起や割れを
生じないこと。
層として必要な下記の条件を満す樹脂組成物及びそれを
被覆した電力ケーブルの提供を課題とする。 1.体積固有抵抗値が100Ω・cm以下の半導電性で
あること。 2.電力ケーブルを屈曲したり、ヒートサイクルをかけ
たとき、架橋ポリエチレン層との部分的剥離や空隙が発
生しない事。即ち柔軟性、伸びがあり、モジュラス値が
小さいこと。 3.架橋ポリエチレン層と外部半導電層との界面が平滑
であり、微小な突起がないこと。 4.外部半導電層を引き剥すとき、半導電層が弱い引張
力で切断しないこと。即ち、一定の引張強度があるこ
と。 5.耐熱性、耐寒性があること。 6.外部半導電層を架橋ポリエチレンから剥離すると
き、ナイフで外部半導電層が比較的弱い力で切れ目が入
れられ、架橋ポリエチレン層を傷つけない程度に容易に
切断作業ができ、かつ容易に剥離でき、剥離した後の架
橋ポリエチレン層の表面に残渣や、傷が残らない事。 7.外部半導電層を内部半導電層およびポリエチレン絶
縁層との三層同時被覆を行うとき、加工性がよく、界面
が平滑であり、微小な突起も生じることなく高温で架橋
を行う場合にも、熱分解を起こし、界面に突起や割れを
生じないこと。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、密着性、
柔軟性、伸び、低モジュラス、表面平滑性、耐熱性、耐
寒性、カーボンブラック充填性等にすぐれている特定の
エチレン−酢酸ビニール共重合体を選択し、これに不足
している剥離性、引張強度等を付与するため、数多くの
ポリマーを選択し、実験を行ったところ、特定のポリマ
ーの特定量を選択し、更に特定のカーボンブラックと有
機過酸化物を選択し特定量を配合した場合にのみ、前記
の本発明の課題が解決できることを実証し、本発明を完
成させた。
柔軟性、伸び、低モジュラス、表面平滑性、耐熱性、耐
寒性、カーボンブラック充填性等にすぐれている特定の
エチレン−酢酸ビニール共重合体を選択し、これに不足
している剥離性、引張強度等を付与するため、数多くの
ポリマーを選択し、実験を行ったところ、特定のポリマ
ーの特定量を選択し、更に特定のカーボンブラックと有
機過酸化物を選択し特定量を配合した場合にのみ、前記
の本発明の課題が解決できることを実証し、本発明を完
成させた。
【0005】即ち、本発明は、(a) 酢酸ビニール含有量
25〜45重量%のエチレン−酢酸ビニール共重合体1
00重量部、(b) エチレン系樹脂100重量部に対して
式(A)
25〜45重量%のエチレン−酢酸ビニール共重合体1
00重量部、(b) エチレン系樹脂100重量部に対して
式(A)
【化2】 (式中、R1 は脂肪族不飽和基、R2 は脂肪族不飽和基
を含まない非置換または置換1炭化水素基、0≦a<
1、0.5<b<3.1<a+b<3)で表されるオル
ガノポリシロキサン70〜130重量部および有機過酸
化物0〜1重量部を添加し、加熱混練して得たゲル含量
10%以上のエチレン系樹脂−オルガノポリシロキサン
混練物30〜70重量部、(c) アセチレンブラック70
〜100重量部、(d) 有機過酸化物1.0〜2.2重量
部からなる剥離性外部半導電層用樹脂組成物;ならびに
上記の外部半導電層用樹脂組成物をポリオレフィンから
なる絶縁層上に被覆してなる電力ケーブルを提供する。
を含まない非置換または置換1炭化水素基、0≦a<
1、0.5<b<3.1<a+b<3)で表されるオル
ガノポリシロキサン70〜130重量部および有機過酸
化物0〜1重量部を添加し、加熱混練して得たゲル含量
10%以上のエチレン系樹脂−オルガノポリシロキサン
混練物30〜70重量部、(c) アセチレンブラック70
〜100重量部、(d) 有機過酸化物1.0〜2.2重量
部からなる剥離性外部半導電層用樹脂組成物;ならびに
上記の外部半導電層用樹脂組成物をポリオレフィンから
なる絶縁層上に被覆してなる電力ケーブルを提供する。
【0006】本発明において使用するエチレン−酢酸ビ
ニール共重合体は、酢酸ビニール含有量が25〜45重
量%のものが適当であり、25重量%未満であると剥離
性、柔軟性、伸び、カーボンブラック充填性が悪くな
り、界面状態、加工性等が悪くなるため望ましくない。
45重量%以上であると引張強度が弱くなり、剥離作業
がうまく行われず、またこれを用いて製造されたケーブ
ル表面同志がくっつき望ましくない。
ニール共重合体は、酢酸ビニール含有量が25〜45重
量%のものが適当であり、25重量%未満であると剥離
性、柔軟性、伸び、カーボンブラック充填性が悪くな
り、界面状態、加工性等が悪くなるため望ましくない。
45重量%以上であると引張強度が弱くなり、剥離作業
がうまく行われず、またこれを用いて製造されたケーブ
ル表面同志がくっつき望ましくない。
【0007】本発明においてゲル含量10%以上のエチ
レン系樹脂−オルガノポリシロキサン混練物とは、エチ
レン系樹脂100重量部に対し、式(A)
レン系樹脂−オルガノポリシロキサン混練物とは、エチ
レン系樹脂100重量部に対し、式(A)
【化3】 (式中、R1 は脂肪族不飽和基、R2 は脂肪族不飽和基
を含まない非置換又は置換1炭化水素基、0≦a<1、
0.5<b<3.1<a+b<3)で表されるオルガノ
ポリシロキサン70〜130重量部及び有機過酸化物0
〜1重量部を添加して、加熱混練して得たゲル含量10
%以上のエチレン系樹脂−オルガノポリシロキサン混練
物である。上記エチレン系樹脂とは、エチレンの単独重
合体、又はエチレンとプロピレン、ブテン−1、メチル
ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、ノネン−
1、デセン−1、ドデセン−1などのα−オレフィンビ
ニルエステル、不飽和カルボン酸エステル等との共重合
体であって、このようなものとしては例えば高圧法低密
度ポリエチレン、中低圧法高密度、中密度ポリエチレ
ン、気相法ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合
体などを挙げることができる。前記式(A)で表される
オルガノポリシロキサンにおいて、R1 基としては例え
ばビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基など
を、またR2 基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基などのア
リール基、シクロヘキシル基、シクロブチル基などのシ
クロアルキル基や、これら炭化水素基の炭素原子に結合
した水素を部分的にハロゲン原子、シアノ基、メルカプ
ト基などで置換した基などをそれぞれ挙げることがで
き、これらはその同種又は異種の組み合わせでもよい。
また、aが0であるとエチレン系樹脂との反応が起こら
ず望ましくないし、また1以上であると本発明の組成物
が硬くなりすぎ、加工性が低下し望ましくない。bは
0.5より大きく、3未満であることが必要であり、好
ましくは1〜2である。yが0.5以下であると本発明
の組成物の混練が困難で加工性が低下するし、3以上で
あると本発明の組成物より製造されたケーブルが硬くな
りすぎて望ましくない。本発明において使用されるオル
ガノポリシロキサンの分子構造は式(A)の範囲内であ
れば、直鎖状、分岐鎖状、環状、網状、立体網状などの
いずれのものであってもよいが、鎖状のものが好適であ
る。このオルガノポリシロキサンの重合度は特に限定さ
れないが、エチレン系樹脂との混練に支障をきたさない
程度の重合度が必要であり、250以上の重合度が望ま
しい。
を含まない非置換又は置換1炭化水素基、0≦a<1、
0.5<b<3.1<a+b<3)で表されるオルガノ
ポリシロキサン70〜130重量部及び有機過酸化物0
〜1重量部を添加して、加熱混練して得たゲル含量10
%以上のエチレン系樹脂−オルガノポリシロキサン混練
物である。上記エチレン系樹脂とは、エチレンの単独重
合体、又はエチレンとプロピレン、ブテン−1、メチル
ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、ノネン−
1、デセン−1、ドデセン−1などのα−オレフィンビ
ニルエステル、不飽和カルボン酸エステル等との共重合
体であって、このようなものとしては例えば高圧法低密
度ポリエチレン、中低圧法高密度、中密度ポリエチレ
ン、気相法ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合
体などを挙げることができる。前記式(A)で表される
オルガノポリシロキサンにおいて、R1 基としては例え
ばビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基など
を、またR2 基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基などのア
リール基、シクロヘキシル基、シクロブチル基などのシ
クロアルキル基や、これら炭化水素基の炭素原子に結合
した水素を部分的にハロゲン原子、シアノ基、メルカプ
ト基などで置換した基などをそれぞれ挙げることがで
き、これらはその同種又は異種の組み合わせでもよい。
また、aが0であるとエチレン系樹脂との反応が起こら
ず望ましくないし、また1以上であると本発明の組成物
が硬くなりすぎ、加工性が低下し望ましくない。bは
0.5より大きく、3未満であることが必要であり、好
ましくは1〜2である。yが0.5以下であると本発明
の組成物の混練が困難で加工性が低下するし、3以上で
あると本発明の組成物より製造されたケーブルが硬くな
りすぎて望ましくない。本発明において使用されるオル
ガノポリシロキサンの分子構造は式(A)の範囲内であ
れば、直鎖状、分岐鎖状、環状、網状、立体網状などの
いずれのものであってもよいが、鎖状のものが好適であ
る。このオルガノポリシロキサンの重合度は特に限定さ
れないが、エチレン系樹脂との混練に支障をきたさない
程度の重合度が必要であり、250以上の重合度が望ま
しい。
【0008】本発明において使用されるオルガノポリシ
ロキサンとしては、例えば、シリコーンゴムの引き裂き
強度改良材として市販されているいわゆるシリコーンガ
ムストックが挙げられる。また、本発明で使用される直
鎖状のオルガノポリシロキサンは、次式
ロキサンとしては、例えば、シリコーンゴムの引き裂き
強度改良材として市販されているいわゆるシリコーンガ
ムストックが挙げられる。また、本発明で使用される直
鎖状のオルガノポリシロキサンは、次式
【化4】 (式中Rは非置換または置換1価炭化水素基を表し、n
は10以上の数を表す)で表される。一般にシリコーン
オイルと呼称されるものがある。核式中のRは、アルキ
ル基、アリール基、及び水素から選ばれる基であり、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、
n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、フェニル
基、水素が代表的なものであるが、全ての基が同一基で
あっても、一部のRが別の基であってもよく、Rの一部
がビニル基、水酸基であってもよい。nは10〜100
00であり、100〜1000が好適である。nが10
よりも小さいとポリエチレンとの混練が困難であり、n
が10000よりも大きいと成形が困難となり望ましく
ない。本発明で使用される式(A)のオルガノポリシロ
キサン系重合体の23℃における粘度は、10CS以
上、好ましくは1000から1000000CSのもの
が望ましい。10CSよりも低い粘度の場合、加熱混練
が難しく、また成形品の表面からオルガノポリシロキサ
ン系重合体が滲み出す場合もある。
は10以上の数を表す)で表される。一般にシリコーン
オイルと呼称されるものがある。核式中のRは、アルキ
ル基、アリール基、及び水素から選ばれる基であり、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、
n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、フェニル
基、水素が代表的なものであるが、全ての基が同一基で
あっても、一部のRが別の基であってもよく、Rの一部
がビニル基、水酸基であってもよい。nは10〜100
00であり、100〜1000が好適である。nが10
よりも小さいとポリエチレンとの混練が困難であり、n
が10000よりも大きいと成形が困難となり望ましく
ない。本発明で使用される式(A)のオルガノポリシロ
キサン系重合体の23℃における粘度は、10CS以
上、好ましくは1000から1000000CSのもの
が望ましい。10CSよりも低い粘度の場合、加熱混練
が難しく、また成形品の表面からオルガノポリシロキサ
ン系重合体が滲み出す場合もある。
【0009】本発明に従うエチレン系樹脂−オルガノポ
リシロキサン混練物の製造に用いる有機過酸化物は、分
解温度が半減期10分間で100〜220℃のもの、即
ち、10分間半減温度が100℃〜220℃のものが好
ましく、このようなものとしては、例えば次のものを挙
げることができる。ただし、括弧内は分解温度(℃)で
ある。コハク酸ペルオキシド(110)、ベンゾイルペ
ルオキシド(110)、t−ブチルペルオキシ−2−エ
チルヘキサノエート(113)、p−クロロベンゾイル
オキシド(115)、t−ブチルペルオキシイソブチレ
ート(115)、t−ブチルペルオキシイソプロピルカ
ーボネート(135)、t−ブチルペルオキシウラレー
ト(140)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾ
イルペルオキシ)ヘキサン(140)、t−ブチルペル
オキシアセテート(140)、ジ−t−ブチルジペルオ
キシフタレート(140)、t−ブチルペルオキシマレ
イン酸(140)、シクロヘキサノンペルオキシド(1
45)、t−ブチルペルオキシベンゾエート(14
5)、ジクミルペルオキシド(150)、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン
(155)、t−ブチルクミルペルオキシド(15
5)、t−ブチルヒドロペルオキシド(158)、ジ−
t−ブチルペルオキシド(160)、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3
(170)、ジ−イソプロピルベンゼンヒドロペルオキ
シド(170)、p−メンタンヒドロペルオキシド(1
80)、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロ
ペルオキシド(213)。
リシロキサン混練物の製造に用いる有機過酸化物は、分
解温度が半減期10分間で100〜220℃のもの、即
ち、10分間半減温度が100℃〜220℃のものが好
ましく、このようなものとしては、例えば次のものを挙
げることができる。ただし、括弧内は分解温度(℃)で
ある。コハク酸ペルオキシド(110)、ベンゾイルペ
ルオキシド(110)、t−ブチルペルオキシ−2−エ
チルヘキサノエート(113)、p−クロロベンゾイル
オキシド(115)、t−ブチルペルオキシイソブチレ
ート(115)、t−ブチルペルオキシイソプロピルカ
ーボネート(135)、t−ブチルペルオキシウラレー
ト(140)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾ
イルペルオキシ)ヘキサン(140)、t−ブチルペル
オキシアセテート(140)、ジ−t−ブチルジペルオ
キシフタレート(140)、t−ブチルペルオキシマレ
イン酸(140)、シクロヘキサノンペルオキシド(1
45)、t−ブチルペルオキシベンゾエート(14
5)、ジクミルペルオキシド(150)、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン
(155)、t−ブチルクミルペルオキシド(15
5)、t−ブチルヒドロペルオキシド(158)、ジ−
t−ブチルペルオキシド(160)、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3
(170)、ジ−イソプロピルベンゼンヒドロペルオキ
シド(170)、p−メンタンヒドロペルオキシド(1
80)、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロ
ペルオキシド(213)。
【0010】本発明においてオルガノポリシロキサンの
量はエチレン系樹脂100重量部に対し70〜130重
量部である。本発明において使用するエチレン系樹脂−
オルガノポリシロキサン混練物は、ゲル分率が10%以
上のものである。10%未満のものは引張強度が不十分
であり、また界面状態を悪くし、70重量部以下である
と剥離性が不十分となり望ましくなく、130重量部以
上であると加工性、界面状態、引張強度が低下し望まし
くない。
量はエチレン系樹脂100重量部に対し70〜130重
量部である。本発明において使用するエチレン系樹脂−
オルガノポリシロキサン混練物は、ゲル分率が10%以
上のものである。10%未満のものは引張強度が不十分
であり、また界面状態を悪くし、70重量部以下である
と剥離性が不十分となり望ましくなく、130重量部以
上であると加工性、界面状態、引張強度が低下し望まし
くない。
【0011】本発明においては、カーボンブラックとし
てアセチレンブラックを使用する。アセチレンブラック
は、界面での平滑性にすぐれ、電力ケーブルの品質をよ
くするのでこれを選択した。ファーネスブラックを使用
すると界面の平滑性が低下し望ましくない。エチレン−
酢酸ビニール共重合体100重量部に対してアセチレン
ブラックは70〜100重量部配合する。70重量部未
満であると、電力ケーブルの外部半導電層として必要な
体積固有抵抗値が100Ω・cm以上となり望ましくな
い。100重量部以上であると引張強度、加工性、柔軟
性、伸び等が悪くなり望ましくない。
てアセチレンブラックを使用する。アセチレンブラック
は、界面での平滑性にすぐれ、電力ケーブルの品質をよ
くするのでこれを選択した。ファーネスブラックを使用
すると界面の平滑性が低下し望ましくない。エチレン−
酢酸ビニール共重合体100重量部に対してアセチレン
ブラックは70〜100重量部配合する。70重量部未
満であると、電力ケーブルの外部半導電層として必要な
体積固有抵抗値が100Ω・cm以上となり望ましくな
い。100重量部以上であると引張強度、加工性、柔軟
性、伸び等が悪くなり望ましくない。
【0012】本発明の樹脂組成物において有機過酸化物
とは、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、クメンハイ
ドロパーオキサイド等、分子内に(0−0)結合をもつ
有機化合物であり、加熱によりラジカルを発生し、エチ
レン−酢酸ビニール共重合体、エチレン系樹脂−オルガ
ノポリシロキサン混練物等を架橋し、引張強度や耐熱性
をよくするものであり、本発明においては半導電層を引
き剥す時、切断されることなく剥離できる効果がある。
有機過酸化物の配合量は、エチレン−酢酸ビニール共重
合体100重量部に対して、1.0から2.2重量部で
あり、1.0重量部未満であると架橋効果が上がらず半
導電層の引張強度が不十分となり、剥離が行われる前に
切断し、2.2重量部以上であると架橋が進みすぎ、加
工中にスコーチ、やけを発生させ、界面状態を悪化し、
電力ケーブルの品質を低下させるので望ましくない。
とは、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、クメンハイ
ドロパーオキサイド等、分子内に(0−0)結合をもつ
有機化合物であり、加熱によりラジカルを発生し、エチ
レン−酢酸ビニール共重合体、エチレン系樹脂−オルガ
ノポリシロキサン混練物等を架橋し、引張強度や耐熱性
をよくするものであり、本発明においては半導電層を引
き剥す時、切断されることなく剥離できる効果がある。
有機過酸化物の配合量は、エチレン−酢酸ビニール共重
合体100重量部に対して、1.0から2.2重量部で
あり、1.0重量部未満であると架橋効果が上がらず半
導電層の引張強度が不十分となり、剥離が行われる前に
切断し、2.2重量部以上であると架橋が進みすぎ、加
工中にスコーチ、やけを発生させ、界面状態を悪化し、
電力ケーブルの品質を低下させるので望ましくない。
【0013】本発明において、エチレン−酢酸ビニール
共重合体100重量部に対してエチレン系樹脂−オルガ
ノポリシロキサン混練物を30〜70重量部使用する。
30重量部以下であると、剥離強度が大きくなりすぎ、
剥離性が不十分となり望ましくなく、70重量部以上で
あると加工性が悪くなり、界面状態も悪く、引張強度も
弱くなり望ましくない。本発明の樹脂組成物には必要に
応じて架橋助剤、老化防止剤、加工助剤等を配合しても
よい。
共重合体100重量部に対してエチレン系樹脂−オルガ
ノポリシロキサン混練物を30〜70重量部使用する。
30重量部以下であると、剥離強度が大きくなりすぎ、
剥離性が不十分となり望ましくなく、70重量部以上で
あると加工性が悪くなり、界面状態も悪く、引張強度も
弱くなり望ましくない。本発明の樹脂組成物には必要に
応じて架橋助剤、老化防止剤、加工助剤等を配合しても
よい。
【0014】本発明の電力ケーブルは、導体上にまず内
部半導電層とポリエチレン絶縁層を同時に押出被覆し、
その上に外部半導電層を被覆するか、または導体上に内
部半導電層、ポリエチレン絶縁層および外部半導電層を
三層同時押出被覆してもよい。前記方法のいずれかによ
って製造された未架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル
は、次に連続架橋装置によって架橋された後、通常ポリ
塩化ビニール組成物よりなるシース層が被覆形成され、
架橋ポリエチレン絶縁ケーブルが得られる。
部半導電層とポリエチレン絶縁層を同時に押出被覆し、
その上に外部半導電層を被覆するか、または導体上に内
部半導電層、ポリエチレン絶縁層および外部半導電層を
三層同時押出被覆してもよい。前記方法のいずれかによ
って製造された未架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル
は、次に連続架橋装置によって架橋された後、通常ポリ
塩化ビニール組成物よりなるシース層が被覆形成され、
架橋ポリエチレン絶縁ケーブルが得られる。
【0015】
【実施例】下記の実施例は本発明を例示するためのもの
であって、これらに限定されない。
であって、これらに限定されない。
【0016】エチレン系樹脂−オルガノポリシロキサン
混練物の準備(1) メルトフローレート20g/10分、酢酸ビニール含量
28重量%のエチレン−酢酸ビニール共重合体(日本ユ
ニカー製DQDJ−3269)30g、23℃における
粘度が300000CSで、メチルビニルシリコーン含
量1.0%のシリコーンガムストック(日本ユニカー
製)30g、ジクミルペルオキシド0.01g、及びイ
ルガノックス1010(チバガイギー製酸化防止剤)
0.01gをブラベンダープラストグラフで、100℃
で5分間混練後、160℃で15分間混練した。得られ
た混練物のゲル含量は62%であった。
混練物の準備(1) メルトフローレート20g/10分、酢酸ビニール含量
28重量%のエチレン−酢酸ビニール共重合体(日本ユ
ニカー製DQDJ−3269)30g、23℃における
粘度が300000CSで、メチルビニルシリコーン含
量1.0%のシリコーンガムストック(日本ユニカー
製)30g、ジクミルペルオキシド0.01g、及びイ
ルガノックス1010(チバガイギー製酸化防止剤)
0.01gをブラベンダープラストグラフで、100℃
で5分間混練後、160℃で15分間混練した。得られ
た混練物のゲル含量は62%であった。
【0017】実施例1 メルトインデックス20g/10分、密度0.95g/
cm3 、酢酸ビニール含有量28重量%のエチレン−酢
酸ビニール共重合体(日本ユニカー製DQDJ−326
9)100重量部、準備(1)のエチレン樹脂−オルガ
ノポリシロキサン混練物50重量部、老化防止剤として
テトラキスメチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシヒドロシンナメート)(チバガイギー製イルガ
ノックス1010)0.3重量部およびアセチレンブラ
ック(電気化学製デンカブラック)80重量部を130
℃で10分間混練し、直径3mmのストランドとしてダ
イから押出し、水温40℃の水中で冷却後、カッターで
切断し、直径3mm、長さ3mmのペレットを得た。こ
のペレットを撹拌器中60℃で30分間かき混ぜた後、
ペレット100重量部に対して有機過酸化物として2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キシン(日本油脂製パーヘキシン25B、1分の半減期
を得るための分解温度193℃、活性酸素量11.7
%、活性化エネルギー36.7Kcal/mol)1.
0重量部を添加し、70℃で10時間かき混ぜペレット
内部へ含浸させた。このペレットを熱プレス成形機で1
20℃、150Kg/cm2 、10分間の成形条件で厚
さ2.0mm、縦150mm、横180mmの(外部半
導電層に相当)を得た。このシートと架橋ポリエチレン
絶縁層との密着性、剥離性等を試験するため、メルトイ
ンデックス3.2、密度0.922g/cm3 の高圧法
低密度ポリエチレン(日本ユニカー製NUC−902
5)100重量部に有機過酸化物(日本油脂製パーヘキ
シン25B)2.0重量部、老化防止剤(チバガイギー
製イルガノックス1010)0.2重量部をソーキング
法で配合し、熱プレス成形機で120℃、150Kg/
cm2 、10分間の成形条件で厚さ2.0mm、縦15
0mm、横180mmのシートを得た。上記の両シート
を重ね合わせ、熱プレス成形機を用いて250℃、20
0Kg/cm2 、15分間の条件で加熱、加圧し、接
着、積層して二層シート(架橋ポリエチレン絶縁体と外
部半導電からなる電力ケーブルに相当する二層シート)
を得た。この二層シートから巾12.7mm、長さ12
0mmの試験片を打ち抜き、引張試験機を用いて剥離試
験を行った。剥離試験は23℃において500mm/分
の引張速度で行い、外部半導電層を架橋ポリエチレン絶
縁層に対し、90℃の角度で引き剥すときの力を剥離強
度(Kg/0.5inch)とした。各種の試験結果を
以下に要約する。 引張強度 : 架橋した半導電層用樹脂シートの引張強
度は1.2Kg/mm2 であり、剥離強度1.5Kg/
0.5inch以下では半導電層が引きちぎれる事がな
い事を示す。 伸 び : 架橋した半導電層用樹脂シートの伸びは
350%であり、ケーブルを曲げたとき、十分曲げに追
随し得る事を示す。 体積固有抵抗:架橋した半導電層用樹脂シートの体積固
有抵抗値は40Ω・cmであったので電力ケーブル用と
して適当な半導電性の性質を持っている事を示す。 モンサントレオメーターによるトルク : 未架橋の半
導電層用樹脂組成物ペレット50gを試料とし、モンサ
ントレオメーターを用いて温度180℃、回転角3度の
条件で時間とトルクとの関係を測定した。トルクが最低
から10%上昇するまでの時間をスコーチ時間として測
定したところ、21分であり、スコーチが実用機押出条
件で起こらない事を示す。 ゲル分率 : 架橋した半導電層用樹脂シートから試料
を取り、110℃キシレン24時間後抽出残渣をゲル分
とした。ゲル分率は55%であり、十分架橋している事
を示す。 剥離強度 : 0.8Kg/0.5inchであり、外
部半導電層が容易に架橋ポリエチレン層から剥離する事
を示し、剥離強度が1.5Kg/0.5inch以上で
あると剥離性が悪い事を示す。 耐熱性 : Perkin Elmer社製Thermobalance TGS
−1を用いて窒素雰囲気中で架橋半導電層用シート2m
gを試料とし、320℃まで1分間に160℃の速度で
上昇させ、320℃に保って1時間後の重量減少させた
ところ7.3%であり、耐熱性が十分ある事を示す。
cm3 、酢酸ビニール含有量28重量%のエチレン−酢
酸ビニール共重合体(日本ユニカー製DQDJ−326
9)100重量部、準備(1)のエチレン樹脂−オルガ
ノポリシロキサン混練物50重量部、老化防止剤として
テトラキスメチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシヒドロシンナメート)(チバガイギー製イルガ
ノックス1010)0.3重量部およびアセチレンブラ
ック(電気化学製デンカブラック)80重量部を130
℃で10分間混練し、直径3mmのストランドとしてダ
イから押出し、水温40℃の水中で冷却後、カッターで
切断し、直径3mm、長さ3mmのペレットを得た。こ
のペレットを撹拌器中60℃で30分間かき混ぜた後、
ペレット100重量部に対して有機過酸化物として2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キシン(日本油脂製パーヘキシン25B、1分の半減期
を得るための分解温度193℃、活性酸素量11.7
%、活性化エネルギー36.7Kcal/mol)1.
0重量部を添加し、70℃で10時間かき混ぜペレット
内部へ含浸させた。このペレットを熱プレス成形機で1
20℃、150Kg/cm2 、10分間の成形条件で厚
さ2.0mm、縦150mm、横180mmの(外部半
導電層に相当)を得た。このシートと架橋ポリエチレン
絶縁層との密着性、剥離性等を試験するため、メルトイ
ンデックス3.2、密度0.922g/cm3 の高圧法
低密度ポリエチレン(日本ユニカー製NUC−902
5)100重量部に有機過酸化物(日本油脂製パーヘキ
シン25B)2.0重量部、老化防止剤(チバガイギー
製イルガノックス1010)0.2重量部をソーキング
法で配合し、熱プレス成形機で120℃、150Kg/
cm2 、10分間の成形条件で厚さ2.0mm、縦15
0mm、横180mmのシートを得た。上記の両シート
を重ね合わせ、熱プレス成形機を用いて250℃、20
0Kg/cm2 、15分間の条件で加熱、加圧し、接
着、積層して二層シート(架橋ポリエチレン絶縁体と外
部半導電からなる電力ケーブルに相当する二層シート)
を得た。この二層シートから巾12.7mm、長さ12
0mmの試験片を打ち抜き、引張試験機を用いて剥離試
験を行った。剥離試験は23℃において500mm/分
の引張速度で行い、外部半導電層を架橋ポリエチレン絶
縁層に対し、90℃の角度で引き剥すときの力を剥離強
度(Kg/0.5inch)とした。各種の試験結果を
以下に要約する。 引張強度 : 架橋した半導電層用樹脂シートの引張強
度は1.2Kg/mm2 であり、剥離強度1.5Kg/
0.5inch以下では半導電層が引きちぎれる事がな
い事を示す。 伸 び : 架橋した半導電層用樹脂シートの伸びは
350%であり、ケーブルを曲げたとき、十分曲げに追
随し得る事を示す。 体積固有抵抗:架橋した半導電層用樹脂シートの体積固
有抵抗値は40Ω・cmであったので電力ケーブル用と
して適当な半導電性の性質を持っている事を示す。 モンサントレオメーターによるトルク : 未架橋の半
導電層用樹脂組成物ペレット50gを試料とし、モンサ
ントレオメーターを用いて温度180℃、回転角3度の
条件で時間とトルクとの関係を測定した。トルクが最低
から10%上昇するまでの時間をスコーチ時間として測
定したところ、21分であり、スコーチが実用機押出条
件で起こらない事を示す。 ゲル分率 : 架橋した半導電層用樹脂シートから試料
を取り、110℃キシレン24時間後抽出残渣をゲル分
とした。ゲル分率は55%であり、十分架橋している事
を示す。 剥離強度 : 0.8Kg/0.5inchであり、外
部半導電層が容易に架橋ポリエチレン層から剥離する事
を示し、剥離強度が1.5Kg/0.5inch以上で
あると剥離性が悪い事を示す。 耐熱性 : Perkin Elmer社製Thermobalance TGS
−1を用いて窒素雰囲気中で架橋半導電層用シート2m
gを試料とし、320℃まで1分間に160℃の速度で
上昇させ、320℃に保って1時間後の重量減少させた
ところ7.3%であり、耐熱性が十分ある事を示す。
【0018】エチレン系樹脂−オルガノポリシロキサン
混練物の準備(2) 準備(1)のエチレン−酢酸ビニール共重合体に代えて
メルトインデックス2.20g/10分、エチルアクリ
レート含量35wt%のエチレン−エチルアクリレート
共重合体(日本ユニカー製MB−730)を用いた以外
は、準備(1)と同様な実験を行ったところ、得られた
混練物のゲル含量は58%であった。
混練物の準備(2) 準備(1)のエチレン−酢酸ビニール共重合体に代えて
メルトインデックス2.20g/10分、エチルアクリ
レート含量35wt%のエチレン−エチルアクリレート
共重合体(日本ユニカー製MB−730)を用いた以外
は、準備(1)と同様な実験を行ったところ、得られた
混練物のゲル含量は58%であった。
【0019】実施例2 メルトフローレート35g/10分、密度0.96g/
cm3 、酢酸ビニール含有量35重量%のエチレン−酢
酸ビニール共重合体(日本ユニカー製MB−600)1
00重量部、準備(2)のエチレン系樹脂−オルガノポ
リシロキサン混練物65重量部に代えた以外は実施例1
と同様な実験を行った。試験結果は次の通りである。 引張強度 :0.9Kg/mm2 伸 び :370% 体積固有抵抗 :45Ω・cm トルク(スコーチ):25分 ゲル分率 :52% 剥離強度 :1.1Kg/0.5inch 耐熱性 :5.8% (重量減少)
cm3 、酢酸ビニール含有量35重量%のエチレン−酢
酸ビニール共重合体(日本ユニカー製MB−600)1
00重量部、準備(2)のエチレン系樹脂−オルガノポ
リシロキサン混練物65重量部に代えた以外は実施例1
と同様な実験を行った。試験結果は次の通りである。 引張強度 :0.9Kg/mm2 伸 び :370% 体積固有抵抗 :45Ω・cm トルク(スコーチ):25分 ゲル分率 :52% 剥離強度 :1.1Kg/0.5inch 耐熱性 :5.8% (重量減少)
【0020】比較例1 実施例1のエチレン−酢酸ビニール共重合体に代えて、
酢酸ビニール含有量20重量%のエチレン−酢酸ビニー
ル共重合体以外は実施例1と同様な実験を行ったところ
剥離強度が1.6Kg/0.5inchであり剥離性が
不十分であった。比較例2 実施例1において、酢酸ビニール含有量55重量%のエ
チレン−酢酸ビニール共重合体(大日本インキ製、エス
バレン431P)に代えた以外は実施例1と同様な実験
を行ったところ、引張強度が0.5Kg/mm2 であ
り、剥離する前に試験片が切断し剥離する事ができなか
った。比較例3 実施例1において、エチレン系樹脂−オルガノポリシロ
キサン混練物の量を50重量部から25重量部に代えた
以外は実施例1と同様な実験を行ったところ、剥離強度
が1.7Kg/0.5inchになり、剥離性が不十分
となった。比較例4 実施例1において、エチレン系樹脂−オルガノポリシロ
キサン混練物の量を75重量%に代えた以外は実施例1
と同様な実験を行ったところ、引張強度が0.4Kg/
mm2 となり、剥離する前に、試験片が切断して剥離で
きなかった。比較例5 実施例1において、アセチレンブラックの量を65重量
%に代えた以外は実施例1と同様な実験を行ったとこ
ろ、体積固有抵抗値が120Ω・cmとなり、導電性が
やや不十分となった。比較例6 実施例1において、アセチレンブラックの量を105重
量部に代えた以外は実施例1と同様な実験を行ったとこ
ろ、引張強度が0.3Kg/mm2 となり剥離する前
に、試験片が切断して剥離できなかった。また、加工
性、柔軟性、伸び等も不十分であった。比較例7 実施例1において、アセチレンブラックに代えてファー
ネスブラック(中部カーボン製HTC#100)を使用
した以外は実施例1と同様な実験を行ったところ、剥離
性は十分よかったが、絶縁層と外部半導電層の界面に微
小な突起が多数あり界面全体が平滑でなく不十分であっ
た。比較例8 実施例1において有機過酸化物の使用量を0.1重量部
に代えた以外は、実施例1と同様な実験を行ったとこ
ろ、引張強度が0.5Kg/inchとなり剥離する前
に試験片が切断して、剥離できなかった。
酢酸ビニール含有量20重量%のエチレン−酢酸ビニー
ル共重合体以外は実施例1と同様な実験を行ったところ
剥離強度が1.6Kg/0.5inchであり剥離性が
不十分であった。比較例2 実施例1において、酢酸ビニール含有量55重量%のエ
チレン−酢酸ビニール共重合体(大日本インキ製、エス
バレン431P)に代えた以外は実施例1と同様な実験
を行ったところ、引張強度が0.5Kg/mm2 であ
り、剥離する前に試験片が切断し剥離する事ができなか
った。比較例3 実施例1において、エチレン系樹脂−オルガノポリシロ
キサン混練物の量を50重量部から25重量部に代えた
以外は実施例1と同様な実験を行ったところ、剥離強度
が1.7Kg/0.5inchになり、剥離性が不十分
となった。比較例4 実施例1において、エチレン系樹脂−オルガノポリシロ
キサン混練物の量を75重量%に代えた以外は実施例1
と同様な実験を行ったところ、引張強度が0.4Kg/
mm2 となり、剥離する前に、試験片が切断して剥離で
きなかった。比較例5 実施例1において、アセチレンブラックの量を65重量
%に代えた以外は実施例1と同様な実験を行ったとこ
ろ、体積固有抵抗値が120Ω・cmとなり、導電性が
やや不十分となった。比較例6 実施例1において、アセチレンブラックの量を105重
量部に代えた以外は実施例1と同様な実験を行ったとこ
ろ、引張強度が0.3Kg/mm2 となり剥離する前
に、試験片が切断して剥離できなかった。また、加工
性、柔軟性、伸び等も不十分であった。比較例7 実施例1において、アセチレンブラックに代えてファー
ネスブラック(中部カーボン製HTC#100)を使用
した以外は実施例1と同様な実験を行ったところ、剥離
性は十分よかったが、絶縁層と外部半導電層の界面に微
小な突起が多数あり界面全体が平滑でなく不十分であっ
た。比較例8 実施例1において有機過酸化物の使用量を0.1重量部
に代えた以外は、実施例1と同様な実験を行ったとこ
ろ、引張強度が0.5Kg/inchとなり剥離する前
に試験片が切断して、剥離できなかった。
【0021】各実施例および比較例で得られた試験結果
を下記の表1に要約する。
を下記の表1に要約する。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明においては、特定のエチレン−酢
酸ビニール共重合体、エチレン系樹脂−オルガノポリシ
ロキサン混練物をそれぞれ特定の配合比で使用し、アセ
チレンブラック、有機過酸化物を特定量使用しているの
で、使用時には密着性があり剥離時には極めて容易に剥
離できる外部半導電層を有する電力ケーブルを提供する
ことができる。又、この電力ケーブルは製造時の加工性
がよく、耐熱性、柔軟性、伸び、耐寒性、耐コロナ劣化
性、耐絶縁劣化性に優れている。
酸ビニール共重合体、エチレン系樹脂−オルガノポリシ
ロキサン混練物をそれぞれ特定の配合比で使用し、アセ
チレンブラック、有機過酸化物を特定量使用しているの
で、使用時には密着性があり剥離時には極めて容易に剥
離できる外部半導電層を有する電力ケーブルを提供する
ことができる。又、この電力ケーブルは製造時の加工性
がよく、耐熱性、柔軟性、伸び、耐寒性、耐コロナ劣化
性、耐絶縁劣化性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 1/24 E 7244−5G //(C08L 23/08 83:07)
Claims (2)
- 【請求項1】 (a) 酢酸ビニール含有量25〜45重量
%のエチレン−酢酸ビニール共重合体100重量部、 (b) エチレン系樹脂100重量部に対して式(A) 【化1】 (式中、R1 は脂肪族不飽和基、R2 は脂肪族不飽和基
を含まない非置換または置換1炭化水素基、0≦a<
1、0.5<b<3.1<a+b<3)で表されるオル
ガノポリシロキサン70〜130重量部および有機過酸
化物0〜1重量部を添加し、加熱混練して得たゲル含量
10%以上のエチレン系樹脂−オルガノポリシロキサン
混練物30〜70重量部、 (c) アセチレンブラック70〜100重量部、 (d) 有機過酸化物1.0〜2.2重量部 からなる剥離性外部半導電層用樹脂組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の外部半導電層用樹脂組成
物をポリオレフィンからなる絶縁層上に被覆してなる電
力ケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19992793A JPH0737440A (ja) | 1993-07-20 | 1993-07-20 | 剥離性外部半導電層用樹脂組成物及びこれを被覆した電力ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19992793A JPH0737440A (ja) | 1993-07-20 | 1993-07-20 | 剥離性外部半導電層用樹脂組成物及びこれを被覆した電力ケーブル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0737440A true JPH0737440A (ja) | 1995-02-07 |
Family
ID=16415915
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19992793A Pending JPH0737440A (ja) | 1993-07-20 | 1993-07-20 | 剥離性外部半導電層用樹脂組成物及びこれを被覆した電力ケーブル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0737440A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001167634A (ja) * | 1999-09-27 | 2001-06-22 | Nippon Unicar Co Ltd | 化学架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル外部半導電層用剥離性半導電性樹脂組成物 |
JP2013505555A (ja) * | 2009-09-22 | 2013-02-14 | ユニオン カーバイド ケミカルズ アンド プラスティックス テクノロジー エルエルシー | 柔軟性の成形又は押出製品及びそれらを製造するための半導電性化合物(関連出願の相互参照)本願は、参照によりその内容が全体として本明細書に組み込まれる2009年9月22日に出願された米国特許仮出願第61/244,618号明細書の利益を主張するものである。 |
-
1993
- 1993-07-20 JP JP19992793A patent/JPH0737440A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2001167634A (ja) * | 1999-09-27 | 2001-06-22 | Nippon Unicar Co Ltd | 化学架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル外部半導電層用剥離性半導電性樹脂組成物 |
JP4533506B2 (ja) * | 1999-09-27 | 2010-09-01 | 日本ユニカー株式会社 | 化学架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル外部半導電層用剥離性半導電性樹脂組成物 |
JP2013505555A (ja) * | 2009-09-22 | 2013-02-14 | ユニオン カーバイド ケミカルズ アンド プラスティックス テクノロジー エルエルシー | 柔軟性の成形又は押出製品及びそれらを製造するための半導電性化合物(関連出願の相互参照)本願は、参照によりその内容が全体として本明細書に組み込まれる2009年9月22日に出願された米国特許仮出願第61/244,618号明細書の利益を主張するものである。 |
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