JP3294861B2 - 電力ケーブル - Google Patents

電力ケーブル

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JP3294861B2
JP3294861B2 JP02687391A JP2687391A JP3294861B2 JP 3294861 B2 JP3294861 B2 JP 3294861B2 JP 02687391 A JP02687391 A JP 02687391A JP 2687391 A JP2687391 A JP 2687391A JP 3294861 B2 JP3294861 B2 JP 3294861B2
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虎一 石川
光隆 谷田
享 高橋
勇 都丸
満 五十嵐
健二 永井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、架橋ポリエチレン絶
縁ケーブルなどの電力ケーブルに関し、その半導電層の
剥離性を良好にしたものである。
【0002】
【従来の技術】架橋ポリエチレン絶縁ケーブル(CVケ
ーブル)などの電力ケーブルにあっては、ケーブル間の
接続時などに行われる端末処理作業を容易にするため
に、架橋ポリエチレンや架橋エチレンプロピレンゴムな
どからなる絶縁層から半導電層を剥ぎ取り易くする必要
がある。また、同時に電力ケーブルに曲げ外力が加った
際に、絶縁層と半導電層とが界面剥離を起さないことも
必要である。よって、半導電層は絶縁層に対して適度の
剥離性と適度の密着性を併せ持つことが必要となる。
【0003】このため、従来はポリ塩化ビニル、塩素化
ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの極
性ポリマーやフッ素樹脂、シリコーン樹脂などにポリエ
チレンなどのポリオレフィン樹脂を適量配合してベース
ポリマーとし、これに導電性カーボンブラックを配合し
た樹脂組成物から半導電層を構成し、架橋ポリエチレン
や架橋エチレンプロピレンゴムなどのポリオレフィン系
樹脂からなる絶縁層に対して適度の剥離性および密着性
が得られるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記樹
脂組成物からなる半導電層にあっては、この樹脂組成物
がポリオレフィン樹脂と本来このポリオレフィン樹脂に
対して相溶性の乏しい極性ポリマーとのブレンド物であ
ることから、混練時に均一に分散されにくく、したがっ
てこの樹脂組成物から得られる半導電層を絶縁層から剥
離する際には、方向性が発現し、任意の方向に剥離する
ことができず、電力ケーブルの端末処理作業を容易に行
うことができない問題があった。
【0005】また、良好な剥離性を得るために、酢酸ビ
ニル含量が40重量%以上の高酢酸ビニル含量のエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体を用いる場合は、材料および製
品ペレットのブロッキングが発生し、ハンドリング等に
問題が生じる。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明では、半導電層
をなす樹脂組成物として、エチレン−酢酸ビニル共重合
体に酢酸ビニルをグラフト化した第1のグラフト樹脂
(以下、第1のグラフト樹脂と略記する。)とエチレン
−酢酸ビニル共重合体にスチレンをグラフト化した第2
のグラフト樹脂(以下、第2のグラフト樹脂と略記す
る。)とのブレンドポリマー100重量部に対して、導
電性カーボンブラック10〜100重量部を配合したも
のを使用することによって、上記問題点を解決するよう
にした。
【0007】以下、この発明を詳しく説明する。
【0008】図1は、この発明の電力ケーブルの一例を
示すもので、図中符号1は導体である。この導体1の外
周には内部半導電層2が被覆されている。この内部半導
電層2は、ボンドタイプの半導電層であり、本発明での
剥離性良好なものとタイプが異なるものである。さらに
この内部半導電層2上には、絶縁層3が被覆されてい
る。この絶縁層3は、架橋ポリエチレン、架橋エチレン
プロピレンゴムなどのポリオレフィン樹脂を押出被覆し
たのち加熱して架橋させた樹脂組成物から構成されてい
る。さらにこの絶縁層3上には、外部半導電層4、遮蔽
層5およびシース6が順次被覆されて電力ケーブルとさ
れている。
【0009】外部半導電層4は、第1のグラフト樹脂5
0重量%以上と、第2のグラフト樹脂50重量%以下と
のブレンドポリマー100重量部に対して導電性カーボ
ンブラック10〜100重量部を配合した樹脂組成物を
絶縁層3上に押出被覆して形成されたものである。
【0010】ここで用いられるベースポリマーの一方の
成分である第1のグラフト樹脂は、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体に酢酸ビニルをグラフト重合してグラフト化
したものであり、通常のエチレン−酢酸ビニル共重合体
では得られなかった高酢酸ビニル含量でしかも高結晶性
のものが得られる特長がある。この第1のグラフト樹脂
の具体例としては、下記の表1に示すような三菱油化
(株)製のものが挙げられる。
【0011】
【表1】
【0012】この第1のグラフト樹脂としては、なかで
も酢酸ビニル含量が40%以上のものを選択するのが好
ましい。
【0013】また、ベースポリマーの他方の成分である
第2のグラフト樹脂は、エチレン−酢酸ビニル共重合体
にスチレンをグラフト重合してグラフト化したものであ
る。このような第2のグラフト樹脂の具体例としては、
下記の表2のような三菱油化(株)製のものがある。
【0014】
【表2】
【0015】この第2のグラフト樹脂としては、なかで
もスチレンをグラフトする前のエチレン−酢酸ビニル共
重合体の酢酸ビニル量が33%前後のものが好ましい。
【0016】また、第1のグラフト樹脂と第2のグラフ
ト樹脂との混合割合は、第1のグラフト樹脂が50重量
%以上で第2のグラフト樹脂が50重量%以下の割合と
される。第2のグラフト樹脂が50重量%を越えると導
電性カーボンブラックの分散が悪くなり、加工性が低下
する。
【0017】このようなベースポリマーには導電性を付
与するために導電性カーボンブラックが添加される。こ
こでの導電性カーボンブラックとしては、アセチレンブ
ラック、ファーネスブラック等の周知のカーボンブラッ
クが使用できる。導電性カーボンブラックのペースポリ
マーに対する混合量は、外部半導電層4に要求される導
電性を考慮して定められ、ベースポリマー100重量部
に対して10〜100重量部の範囲で決められる。
【0018】また、上記ベースポリマーとカーボンブラ
ックとの混合物よりなる樹脂組成物には、必要に応じて
架橋剤、架橋助剤、老化防止剤等を加えることができ
る。架橋剤としては、ジクミルパーオキサイド(DC
P)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキシン−3等の通常の過酸化物架橋剤が好適
に使用できる。架橋剤の配合量はベースポリマー100
重量部に対して0.2〜3重量部程度とされる。また、
架橋助剤としては、トリアリルイソシアヌレート、トリ
アリルシアヌレート、テトラアリルオキシエタン、N,
N’−m−フェニレンビスマレイミド、p,p’−ジベ
ンゾイルキノンジオキシム、p−キノンジオキシム等が
使用でき、ベースポリマー100重量部に対し0.5〜
3重量部程度配合できる。これらの架橋剤および架橋助
剤は両者を併用するか、またいずれかが単独で使用され
る。架橋助剤を単独で使用する場合には、絶縁体中の架
橋剤が一部半導電層に架橋時移行してこの移行架橋剤と
反応して架橋する。また、老化防止剤としては、4,
4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノー
ル)等が使用でき、その他必要に応じてステアリン酸亜
鉛、酸化亜鉛、マグネシアなどを添加することもでき
る。
【0019】そして、このような組成物を用いた外部半
導電層4を形成するには、従来方法と同様に押出被覆法
を適用して行うことができる。
【0020】このような電力ケーブルにあっては、外部
半導電層4が、第1のグラフト樹脂と第2のグラフト樹
脂とのブレンドポリマーを主体とする樹脂組成物からな
るため、架橋ポリエチレンや架橋エチレンプロピレンゴ
ムなどからなる絶縁層3に対して、適度の密着性と適度
の剥離性とを備えるとともに、ベースポリマー自体が均
一分散系となり、半導電層剥離の際に、特定の方向に剥
離しやすいなどの不都合が生じず、任意の方向に必要な
だけ容易に剥離することができる。
【0021】すなわち、第1および第2のグラフト樹脂
が有している特性、接着性、結晶性などにより、絶縁層
3に対する外部半導電層4の密着性と剥離性とがバラン
スして、後述する実施例からも明らかなように、最適の
密着性と剥離性が得られることになる。以下、実施例を
示してこの発明の作用効果を明確にする。
【0022】(実施例)表3〜表4に示す配合の樹脂組
成物を外部半導電層として用意した。導体(500mm
2)上に、内部半導電層(厚さ1mm)、絶縁層(架橋
ポリエチレン、厚さ11mm)、外部半導電層(厚さ
0.5mm)を3層同時押出被覆によって被覆し、つい
で遮蔽層、シースを順次施して電力ケーブルを製造し
た。
【0023】得られた電力ケーブルについて、外部半導
電層の剥離の際の方向性の有無について検討した。ま
た、別にこの樹脂組成物と架橋ポリエチレンからなる二
層構造のシート片を押出成形し、これの剥離力を求め
た。さらに、樹脂組成物のペレット相互のブロッキング
性について調べた。結果を表3〜表4に併せて示した。
【0024】なお、表3〜表4において、*1は第1の
グラフト樹脂(酢酸ビニル量50%,メルトインデック
ス1)、*2は第1のグラフト樹脂(酢酸ビニル量48
%,メルトインデックス18)、*3は第2のグラフト
樹脂(スチレン量50%,メルトインデックス1)、*
4は第2のグラフト樹脂(スチレン量50%,メルトイ
ンデックス2)、*5はエチレン−酢酸ビニル共重合体
(酢酸ビニル量45%,バイエル社製)、*6はエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル量28%,三井デ
ュポンポリケミカル(株)製)、*7はエチレン−酢酸
ビニル共重合体(酢酸ビニル量33%,三井デュポンポ
リケミカル(株)製)、*8はアセチレンブラック(電
気化学工業(株)製)、*9は「ノクラック300」
(大内新興化学(株)製)、*10はジクミルパーオキ
サイド(日本油脂(株)製)、*11はトリアリルイソ
シアヌレート(日本化成(株)製)であることを示す。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】表3〜表4から明らかなように、この発明
の電力ケーブルにあっては、半導電層の剥離時において
方向性がなく、任意の方向に剥離できることがわかり、
かつ絶縁層に対する剥離力と密着力とがバランスしてい
ることがわかる。また、樹脂組成物ペレットのブロッキ
ングがなく、取扱い等に支障をきたさないこともわか
る。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の電力ケ
ーブルは、第1のグラフト樹脂と第2のグラフト樹脂と
のブレンドポリマー100重量部に対して、導電性カー
ボンブラック10〜100重量部を配合した樹脂組成物
からなる半導電層を有するものであるので、端末処理作
業等において絶縁層から半導電層を剥離する際に任意の
方向に必要なだけ剥離することができ、したがって端末
処理作業を容易に行うことができる。また、この半導電
層は架橋ポリエチレンなどからなる絶縁層に対して、適
度の密着性と適度の剥離性を有するものとなる。さら
に、上記樹脂組成物はブロッキング性がなく、そのペレ
ットが相互に固着することがなく、ハンドリング等に支
障を来すこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の電力ケーブルの一例を示す概略断面
図である。
【符号の説明】
4 外部半導電層
フロントページの続き (72)発明者 都丸 勇 東京都江東区木場一丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)発明者 五十嵐 満 東京都江東区木場一丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)発明者 永井 健二 東京都江東区木場一丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−80909(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 9/02 H01B 1/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−酢酸ビニル共重合体に酢酸ビ
    ニルをグラフト化して得られた第1のグラフト樹脂と、
    エチレン−酢酸ビニル共重合体にスチレンをグラフト化
    して得られた第2のグラフト樹脂とのブレンドポリマー
    100重量部に対して導電性カーボンブラック10〜1
    00重量部配合した樹脂組成物からなる半導電層を有す
    る電力ケーブル。
  2. 【請求項2】 第1のグラフト樹脂が50重量%以上、
    第2のグラフト樹脂が50重量%以下である請求項1記
    載の電力ケーブル。
JP02687391A 1991-01-28 1991-01-28 電力ケーブル Expired - Lifetime JP3294861B2 (ja)

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