JPH10233123A - レントゲンケーブル - Google Patents

レントゲンケーブル

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JPH10233123A
JPH10233123A JP3350497A JP3350497A JPH10233123A JP H10233123 A JPH10233123 A JP H10233123A JP 3350497 A JP3350497 A JP 3350497A JP 3350497 A JP3350497 A JP 3350497A JP H10233123 A JPH10233123 A JP H10233123A
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JP
Japan
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layer
insulating layer
adhesive
thermoplastic elastomer
semiconductive layer
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Application number
JP3350497A
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English (en)
Inventor
Tetsurou Oigo
哲朗 老後
Seiji Ito
政治 伊藤
Masahiro Minowa
昌啓 箕輪
Katsuhiro Teshirogi
勝洋 手代木
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SWCC Corp
Original Assignee
Showa Electric Wire and Cable Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁層と半導電層との接着力が良好な低静電
容量のレントゲンケーブルを提供する。 【解決手段】 導体1の外周に半導電層3を設け、さら
にその上に熱可塑性エラストマーからなる絶縁層4を設
けてなるレントゲンケーブルであって、前記半導電層3
が接着性を有する熱可塑性樹脂または接着性を有する熱
可塑性エラストマーを含むか、前記絶縁層4が、接着性
を有する熱可塑性樹脂を含む接着層7を介して半導電層
3上に設けられていることを特徴とする前記レントゲン
ケーブル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導電体と低静電
容量の絶縁体とにより被覆された電力ケーブルに係わ
り、特に被覆絶縁体の静電容量を低く維持しながら、他
の電気的特性にも優れたレントゲンケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】高電圧下で使用される場合の電界を緩和
するために導体の外周に半導電層を介して絶縁層を設け
たケーブルは従来から知られており、例えばレントゲン
撮影用のX線装置等の直流高電圧回路に使用されるX線
用高電圧ケーブル(レントゲンケーブル)はこのような
構造を有している。
【0003】X線装置においては、CTスキャナ等の開
発に伴い、連続的に撮影を行うX線装置が使用されるよ
うになり、撮影間隔を短くする要求が高まっている。こ
のため、直流高圧での残留電荷時間を短縮するためにケ
ーブルの絶縁体の静電容量を小さくする必要がある。絶
縁体の静電容量は一般に、ケーブルのコアサイズ、絶縁
層の厚さ、及び絶縁体材料の誘電率εにより決まるの
で、例えばエチレン−プロピレンゴム(EPゴム)等の
ように誘電率εの低いゴムや、エチレン系熱可塑性エラ
ストマー等のようなプラスチックを用いることが有効で
ある。
【0004】しかし、EPゴムは単独では2.3〜2.
4程度の低い誘電率を有するものの、機械的強度及び押
し出し加工性が低いため無機充填剤を配合しなければケ
ーブル用被覆材料としては使用できない。ところが、無
機充填剤を添加すると誘電率は3.0〜3.3程度まで
上がってしまう。
【0005】一方、熱可塑性エラストマーは、架橋剤を
添加すると電気特性が著しく低下するものの、通常の使
用温度である100℃以下においては架橋剤の添加は必
要ないため、このような電気特性の低下は問題とならな
い。しかし、熱可塑性エラストマーを絶縁層として使用
すると半導電層との接着が非常に悪くなり、これにより
ケーブルの繰り返し屈曲等の機械的外力を受けた場合に
半導電層と絶縁層との間に剥離を生じ、耐電圧を始めと
する電気特性が著しく低下する。これに対処するため、
熱可塑性エラストマーに、エチレン/酢酸ビニル共重合
体にスチレン基を導入したもののような接着性樹脂を添
加すると、接着性は向上するものの熱可塑性エラストマ
ーの誘電率εが大きくなってしまうという問題が生じ
る。
【0006】熱可塑性エラストマーからなる半導電層と
絶縁層との間の接着性を改善するため、両層をポリエチ
レンワックスを配合したエチレン系熱可塑性エラストマ
ーからなるものとしたケーブルが提案されているが(特
開平2−65005号)、熱可塑性エラストマーを使用
する利点を維持しつつさらに両層の接着性を改善するこ
とが求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、導体
の外周に半導電層を設け、さらにその上に熱可塑性エラ
ストマーからなる絶縁層を設けてなるレントゲンケーブ
ルであって、両層の高い接着性を有するケーブルを提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究の結
果、導体の外周に半導電層を介して絶縁層を設けてなる
ケーブルにおいて、絶縁層に熱可塑性エラストマーを使
用し、それに接着性樹脂あるいはエラストマーを添加す
ると上記のように誘電率が大きくなるが、接着性を有す
る樹脂等を絶縁層には使用せず、半導電層との界面、即
ち絶縁層と接着される側に接着性を有する樹脂等を使用
すれば、接着性樹脂中の極性基が絶縁層の熱可塑性エラ
ストマーと結合することにより半導電層と絶縁層との接
着性が向上し、従って上記のように電気特性を低下させ
ることがなく、しかも絶縁層は実質的に熱可塑性エラス
トマーからなるので静電容量を低く維持できることを見
出した。本発明はこのような知見に基づいて完成された
ものである。
【0009】本発明によれば、上記の通り、絶縁層には
接着性を有する樹脂等を使用せず、それと接着される半
導電層側に接着性を有する樹脂等を使用する。半導電層
側の接着性を有する樹脂等は、半導電層自体を構成する
樹脂として使用することにより絶縁層との接着面に提供
されてもよく、あるいは接着性を有する樹脂を含む接着
層を半導電層上に設けることにより絶縁層との接着面に
提供されてもよい。
【0010】従って本発明の1つの態様によれば、導体
の外周に半導電層を設け、その上に熱可塑性エラストマ
ーからなる絶縁層を設けてなるレントゲンケーブルであ
って、前記半導電層が接着性を有する熱可塑性樹脂また
は接着性を有する熱可塑性エラストマーを含むことを特
徴とする前記レントゲンケーブル(第1の態様)が提供
される。
【0011】また本発明の別の態様によれば、導体の外
周に半導電層を設け、その上に熱可塑性エラストマーか
らなる絶縁層を設けてなるレントゲンケーブルであっ
て、前記絶縁層が、接着性を有する熱可塑性樹脂を含む
接着層を介して半導電層上に設けられていることを特徴
とする前記レントゲンケーブル(第2の態様)が提供さ
れる。
【0012】上記の本発明のレントゲンケーブルにおい
ては、半導電層と絶縁層との間の接着力が0.3kgf
/cm以上であることが好ましい。第2の態様において
は、半導電層と接着層との間、及び接着層と絶縁層との
間の接着力がいずれも0.3kgf/cm以上であるこ
とが好ましい。
【0013】また、上記の本発明のレントゲンケーブル
においては、接着性を有する熱可塑性樹脂または接着性
を有する熱可塑性エラストマーが、ポリオレフィン系ポ
リマーにエポキシ基またはスチレン基を導入した接着性
を有する熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性エラストマーで
あることが好ましい。
【0014】さらに、上記の本発明のレントゲンケーブ
ルにおいては、絶縁層の熱可塑性エラストマーがエチレ
ン系熱可塑性エラストマーであることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明のレントゲンケーブ
ルについて詳細に説明する。
【0016】本発明のレントゲンケーブル1つの態様
は、導体の外周に半導電層を設け、その上に熱可塑性エ
ラストマーからなる絶縁層が設けられており、前記半導
電層が接着性を有する熱可塑性樹脂または接着性を有す
る熱可塑性エラストマーを含むレントゲンケーブルであ
る(第1の態様)。
【0017】このようなケーブルの一例を図1に断面図
として示す。このケーブルは、導体1及び低圧絶縁体2
を被覆した導体1の各2本ずつからなる例えば外径1.
75mmの撚り線導体の外周に半導電層3を設け、その
外周に絶縁層4を設け、さらにこの上に外部半導電層
5、最外層にシース6を形成したものである。
【0018】本発明の上記の態様においては、半導電層
3は接着性を有する熱可塑性樹脂または接着性を有する
熱可塑性エラストマーに導電性物質、例えばカーボンブ
ラックを配合したものから形成する。
【0019】本発明に使用する接着性を有する熱可塑性
樹脂は、ベースポリマーとして直鎖状低密度ポリエチレ
ン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、
ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合
体(EVA)等のポリオレフィン系ポリマーを使用し、
これらのポリマーの炭素鎖に極性基を付加して接着性を
付与したものである。例えば上記のようなポリマーにエ
ポキシ化合物を反応させることによりエポキシ基を導入
したり、スチレンを反応させることによりスチレン基を
導入したり、無水フタル酸基、マレイン酸無水物等を反
応させて酸無水物基を導入すること等により接着性を付
与することができる。
【0020】このような接着性を有する熱可塑性樹脂自
体は公知の材料であり、例えば特公平4−20939
号、特公平6−41544号等に記載された樹脂を例と
して挙げることができる。また市販品として入手するこ
とも可能であり、例えばボンドファースト2B(住友化
学製、EVAにエポキシ基を導入したもの)やアドマー
VE300(三井石油化学工業製、EVAにスチレン基
を導入したもの)等を接着性を有する熱可塑性樹脂とし
て本発明に好適に使用することができる。
【0021】熱可塑性エラストマーは、分子中にゴム弾
性を有する柔軟性成分(ソフトセグメント)と、加硫ゴ
ムの架橋点に相当して塑性変形を防止するための分子拘
束成分(ハードセグメント)を含有するポリマーであ
り、ハードセグメントが加熱により可塑化し、冷却する
と再硬化する。熱可塑性エラストマーとしては、ハード
セグメントとしてポリスチレン、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニル成分等を含み、ソフトセグメ
ントとしてポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン
/プロピレンゴム成分等を含むものが知られており、各
種のものが市販されている。
【0022】接着性を有する熱可塑性エラストマーは、
上記のような熱可塑性エラストマーのソフトセグメント
またはハードセグメントに、前記のような接着性を有す
る熱可塑性樹脂に使用される極性基を同様に導入したも
のであり、上記のような各種の熱可塑性エラストマーを
ベースとしたものが市販されており、いずれも本発明に
好適に使用できる。
【0023】また、熱可塑性エラストマーに接着性を有
する樹脂を混合した場合、上記のような接着性を有する
熱可塑性エラストマーと同様の接着特性を有する熱可塑
性エラストマーが得られるので、このような組成物を上
記の接着性を有する熱可塑性エラストマーとして使用す
ることができる。このような組成物に使用される熱可塑
性エラストマー及び接着性を有する樹脂は上記に挙げた
ものと同様のものでよく、樹脂の種類にもよるが、通常
は熱可塑性エラストマーの100重量部に対して接着性
を有する樹脂を5〜40重量部程度加える。
【0024】半導電層に導電性を付与する導電性物質と
しては、カーボンブラックを好適に使用することがで
き、カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、
ファーネスブラック、ケッチェンブラック、あるいは中
空カーボン等の導電性カーボンを単独でまたは2種以上
の混合物として使用できる。
【0025】導電性物質の配合量は、接着性を有する熱
可塑性樹脂または接着性を有する熱可塑性エラストマー
100重量部に対して通常20〜100重量部以下であ
る。20重量部未満では十分な導電性が得られにくく、
100重量部を超えると半導電層の機械的特性が劣化す
る。
【0026】半導電層の厚さは特に限定されず、同様の
構造の公知のケーブルと同様な厚さとすることができ、
一般的には0.1〜0.5mm程度である。
【0027】本発明のケーブルの絶縁層(図1及び図2
の絶縁層4)は熱可塑性エラストマーからなるものとす
る。このような熱可塑性エラストマーは上記に半導電層
に使用するものとして説明したものと同様のものでよ
く、従来からケーブル被覆用に用いられているものを使
用することができる。誘電率εの低いものが好ましく、
例えば、動的架橋(混練機、押出機中で混練しながらゴ
ム成分を加硫する)されたエチレン系エラストマー等の
オレフィン系エラストマー、ポリエーテルセグメントと
ポリエステルセグメントからなるブロック共重合体、ス
チレン/ブタジエン共重合体、スチレン/エチレン/ブ
チレン共重合体等のスチレン系エラストマー、塩化ビニ
ル系エラストマー等を用いることができ、特にオレフィ
ン系、特にエチレン系エラストマーが電気的特性の観点
から好適である。
【0028】具体的には、スチレン/エチレン/ブチレ
ン共重合体熱可塑性エラストマーのクレイトンG、エレ
クサー(シェル化学)等、ポリオレフィン系熱可塑性エ
ラストマーのサーモラン(日本イーピーラバー)、住友
TPE(住友化学)、動的架橋型のポリオレフィン系熱
可塑性エラストマーのサントプレーン(AESジャパ
ン)、ハードセグメントがポリエチレンまたはポリプロ
ピレンでソフトセグメントがエチレン/プロピレンコポ
リマー(EPM)のミラストマー(三井石油化学)等が
挙げられる。
【0029】絶縁層の厚さは同様の構造の公知のケーブ
ルと同様なものとすることができ、一般には2〜6mm
程度で良好な電気特性を得ることができる。
【0030】本発明のレントゲンケーブル別の態様は、
導体の外周に半導電層を設け、その上に熱可塑性エラス
トマーからなる絶縁層を設けてなり、前記絶縁層が、接
着性を有する熱可塑性樹脂を含む接着層を介して半導電
層上に設けられていることを特徴とする(第2の態
様)。
【0031】このようなケーブルの一例を図2に断面図
として示す。このケーブルは、導体1及び低圧絶縁体2
を被覆した導体1の各2本ずつからなる例えば外径2.
35mmの撚り線導体の外周に半導電層3を設け、その
外周に接着層7を設け、さらに前記の態様と同様にその
外周に絶縁層4を設け、この上に外部半導電層5、最外
層にシース6を形成したものである。
【0032】この態様における半導電層(図2の半導電
層3)は、熱可塑性エラストマーにカーボンブラック等
の導電性物質を配合してなる。この態様においては半導
電層と絶縁層との間の接着力は後述する接着層により確
保されるので、半導電層の熱可塑性エラストマーは接着
性を有している必要はない。
【0033】半導電層に用いられる熱可塑性エラストマ
ーは、上記第1の態様において絶縁層に使用されるもの
として挙げたものを使用することができる。
【0034】また、導電性物質及びその使用量も上記第
1の態様と同様のものでよい。
【0035】接着層(図2の接着層7)に用いられる接
着性を有する樹脂は、上記第1の態様の半導電層を製造
するのに使用したものを使用することができ、ベースポ
リマーとして直鎖状低密度ポリエチレン(LLDP
E)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレ
ン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
等のポリオレフィン系ポリマーを使用し、これに上記の
ようにエポキシ基、スチレン基、酸無水物基等を導入す
ること等により接着性を有するようにしたものである。
例えば、前記のボンドファースト2B(住友化学製)や
アドマーVE300(三井石油化学工業製)等を好適に
使用することができる。
【0036】また接着層は上記のような熱可塑性エラス
トマーに上記のような接着性を有する樹脂を加えたもの
とすることもできる。
【0037】接着層には前記のような導電物質を添加
し、半導電性としてもよい。
【0038】半導電層の厚さは上記第1の態様と同様の
ものでよく、またこれを被覆する接着層の厚さは特に制
限されないが、一般には0.05〜0.1mm程度で十
分な接着性が得られる。
【0039】また、絶縁層を形成する材料及び厚さ等は
上記第1の態様の絶縁層と同様なものでよい。
【0040】上記のように半導電層に接着性を有する熱
可塑性の樹脂またはエラストマーを使用してその上に絶
縁層を設けるか、半導電層と絶縁層との間に接着性を有
する樹脂を含む接着層を設けることにより、半導電層と
絶縁層の界面の十分な接着力が得られ、ケーブルを繰り
返し曲げても両層は剥離せず、このため電気特性が低下
することもない。また、絶縁層は熱可塑性エラストマー
からなるため誘電率εが低く、低静電容量を維持するこ
とができる。
【0041】本発明においては、上記第1の態様におい
ては半導電層と絶縁層の間、第2の態様においては半導
電層と接着層、及び接着層と絶縁層との間の接着力が、
引張試験機で測定して0.3kgf/cm以上であるこ
とが好ましい。このような接着力により、半導電層と絶
縁層との間の接着不良による電気的性能の低下を十分に
防止し得る。
【0042】上記のような本発明のレントゲンケーブル
は従来の絶縁体被覆ケーブルと同様の製造法により製造
することができ、例えば、被覆していないかまたは半導
電性被覆を被覆した導体の単数または複数本、あるいは
低圧絶縁体を被覆した導体を複数含む撚り線導体の外周
に、上記のような各成分からなる半導電層、第2の態様
の場合はその外周に接着層を押し出し、そしてその外側
に絶縁層を押し出し、さらにこの上に外部半導電層とシ
ースを順に設けて形成することができる。外部半導電層
とシースとの間、あるいは外部半導電層の代わりに遮蔽
層を設けてもよい。外部半導電層及びシースも従来の絶
縁体被覆ケーブルのものと同様のものでよく、例えば、
前記のように形成された絶縁層の上に半導電性ポリエチ
レン、次いでポリエチレン、ポリ塩化ビニル等を押し出
し成形することにより外部半導電層とシースを設けるこ
とができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明す
る。
【0044】実施例1 直径0.32mmの銅線及び低圧絶縁体を被覆した同様
の銅線各2本からなる外径1.75mmの撚り線導体の
外周に、表1に示す比で接着性樹脂とカーボンブラック
を配合した半導電層を0.25mmの厚さで押出し、そ
の外周に同じく表1に示す熱可塑性エラストマーの絶縁
層を4mmの厚さで押出して被覆した。さらにこの上に
外部半導電層として導電性ポリエチレンを押出し、最外
層にポリ塩化ビニルシースを設けて図1に示すような構
造のケーブルを製造した。
【0045】得られたケーブルを切断して試料を得、そ
の半導電層と絶縁層とを500mm/分の速度で剥離
し、それらの間の接着力を剥離強度としてオートグラフ
(島津製作所)で測定した。また、絶縁層の誘電正接
(tanδ)及び誘電率については、別途厚さ1mmで
約100mm四方の絶縁層材料の試料を作製し、自動シ
ェーリングブリッジ(総研電機)により測定した。結果
を表1に示す。
【0046】実施例2 実施例1と同様の撚り線導体の外周に、表1に示す比で
熱可塑性エラストマーとカーボンブラックを配合した半
導電層を0.25mmの厚さで押出し、その外周に同じ
く表1に示す接着性樹脂の接着層を0.1mmの厚さで
押し出して被覆した。さらにその上に絶縁層を4mmの
厚さで押出して被覆した。絶縁層の上に外部半導電層と
して導電性ポリエチレンを押出し、最外層にポリ塩化ビ
ニルシースを設けて図2に示すような構造のケーブルを
製造した。
【0047】実施例1と同様に、得られたケーブルの半
導電層と絶縁層との間の接着力をオートグラフ(島津製
作所)により測定し、絶縁層の誘電正接(tanδ)及
び誘電率を自動シェーリングブリッジ(総研電機)によ
り測定した。結果を表1に示す。
【0048】比較例1 半導電層に接着性樹脂を配合することなく、表1に示す
配合で熱可塑性エラストマーとカーボンブラックを用
い、絶縁層には熱可塑性エラストマーを用い、実施例1
と同様にしてしてケーブルを製造した。
【0049】実施例と同様に半導電層と絶縁層との間の
接着力、絶縁層の誘電正接(tanδ)及び誘電率を測
定した。結果を表1に示す。
【0050】比較例2 半導電層に接着性樹脂を配合することなく、表1に示す
配合でエチレンプロピレンゴムとカーボンブラックを用
い、絶縁層にはエチレンプロピレンゴムを用い、実施例
1と同様にしてしてケーブルを製造した。
【0051】実施例と同様に半導電層と絶縁層との間の
接着力、絶縁層の誘電正接(tanδ)及び誘電率を測
定した。結果を表1に示す。
【0052】
【表1】 上記表1に示した結果から明らかなように、実施例1及
び2においては、半導電層と絶縁層との間の接着力に優
れ、しかも絶縁層が低い誘電率を有するケーブルが得ら
れた。これに対し、絶縁層と半導電層に熱可塑性エラス
トマーを使用したが、半導電層に接着性樹脂を使用して
いない比較例1では誘電率は実施例と同等であるが、両
層の接着力が極めて弱いケーブルしか得られなかった。
絶縁層と半導電層にエチレンプロピレンゴムを使用した
比較例2のケーブルでは、両層の接着力は実施例と同等
であるが、絶縁層の誘電率は極めて高くなった。
【0053】
【発明の効果】本発明の低静電容量ケーブルは、被覆絶
縁体の静電容量を小さく保ちながら、半導電層と絶縁層
の界面の高い接着性が得られる。従って、ケーブルの繰
り返し屈曲等の機械的外力によっても半導電層と絶縁層
との間に剥離を生ずることもなく、耐電圧を始めとする
電気特性の低下を防止できる。
【0054】また、絶縁体にEPゴム等のゴムを使用し
ていないので加硫工程が必要なく、このため容易かつ低
コストで製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のレントゲンケーブルの一つの態様の
一実施例の概略断面図である。
【図2】 本発明のレントゲンケーブルの別の態様の一
実施例の概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・導体 2・・・・・・低圧絶縁体 3・・・・・・半導電層 4・・・・・・絶縁層 5・・・・・・外部半導電層 6・・・・・・シース 7・・・・・・接着層
フロントページの続き (72)発明者 箕輪 昌啓 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 手代木 勝洋 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体の外周に半導電層を設け、その上に
    熱可塑性エラストマーからなる絶縁層を設けてなるレン
    トゲンケーブルであって、前記半導電層が接着性を有す
    る熱可塑性樹脂または接着性を有する熱可塑性エラスト
    マーを含むことを特徴とする前記レントゲンケーブル。
  2. 【請求項2】 半導電層と絶縁層との間の接着力が0.
    3kgf/cm以上であることを特徴とする請求項1に
    記載のレントゲンケーブル。
  3. 【請求項3】 半導電層が、ポリオレフィン系ポリマー
    にエポキシ基またはスチレン基を導入した接着性を有す
    る熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーを含むこと
    を特徴とする請求項1または2に記載のレントゲンケー
    ブル。
  4. 【請求項4】 絶縁層の熱可塑性エラストマーが、エチ
    レン系熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載のレントゲンケーブル。
  5. 【請求項5】 導体の外周に半導電層を設け、その上に
    熱可塑性エラストマーからなる絶縁層を設けてなるレン
    トゲンケーブルであって、前記絶縁層が、接着性を有す
    る熱可塑性樹脂を含む接着層を介して半導電層上に設け
    られていることを特徴とする前記レントゲンケーブル。
  6. 【請求項6】 半導電層と接着層との間、及び接着層と
    絶縁層との間の接着力が0.3kgf/cm以上である
    ことを特徴とする請求項5に記載のレントゲンケーブ
    ル。
  7. 【請求項7】 接着層が、ポリオレフィン系ポリマーに
    エポキシ基またはポリスチレン基を導入した接着性を有
    する熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項5ま
    たは6に記載のレントゲンケーブル。
  8. 【請求項8】 絶縁層の熱可塑性エラストマーが、エチ
    レン系熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請
    求項5〜7のいずれかに記載のレントゲンケーブル。
JP3350497A 1997-02-18 1997-02-18 レントゲンケーブル Pending JPH10233123A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004178867A (ja) * 2002-11-25 2004-06-24 Mitsubishi Cable Ind Ltd 電力ケーブル
JP2008516396A (ja) * 2004-10-08 2008-05-15 ゾフト インコーポレーテッド 縮小型x線管用高電圧ケーブル

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