JPH10287774A - シラン架橋性半導電樹脂組成物 - Google Patents

シラン架橋性半導電樹脂組成物

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JPH10287774A
JPH10287774A JP9896597A JP9896597A JPH10287774A JP H10287774 A JPH10287774 A JP H10287774A JP 9896597 A JP9896597 A JP 9896597A JP 9896597 A JP9896597 A JP 9896597A JP H10287774 A JPH10287774 A JP H10287774A
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JP
Japan
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silane
resin composition
base resin
carbon black
semiconductive
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JP9896597A
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English (en)
Inventor
Akimasa Ogata
昭雅 緒方
Makoto Masuda
誠 増田
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Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形後の絶縁層との密着性が良好で、か
つ、カーボンブラックの受容性に優れたシラン架橋性半
導電樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 シングルサイト触媒を用いて製造され
たオレフィン系共重合体、カーボンブラック、有機シラ
ン化合物、及びシラノール縮合触媒とを有するシラン架
橋性半導電樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力ケーブルの半
導電層などに用いられるシラン架橋性半導電樹脂組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来高圧用架橋ポリエチレンケーブルの
押出半導電層としては、低密度ポリエチレン或いはエチ
レン系共重合体をベース樹脂に用い、導電性付与剤とし
てのカーボンブラック、及び架橋剤(有機酸化物)、架
橋助剤等とからなる架橋性半導電樹脂組成物により構成
される。一方、低圧用架橋ポリエチレンケーブルにおい
て、通常行われてきた有機過酸化物架橋や、電子線架橋
は、生産性が低く、また、設備が大がかりでかつその管
理に手間が掛かるため、これら欠点のないシラン架橋の
応用が検討されて製品化されるようになってきた。最
近、高圧用架橋ポリエチレンケーブルにおいても上述の
ように優れたシラン架橋法を応用することも検討される
ようになってきたが、その場合、高圧用ケーブルの半導
電層に求められる絶縁層と半導電層との密着性の点で問
題があることが判った。
【0003】ここで高圧用ケーブルの遮蔽層付絶縁線心
の断面図(概念図)を図1に示す。図中符号1が金属導
体、2が内部半導電層、3は絶縁層で架橋ポリエチレン
で構成される。符号4は外部半導電層、5は金属遮蔽層
であって銅などの金属で構成される。なお、これら半導
電層は金属導体と絶縁層との間、及び、絶縁層と金属遮
蔽層との間の隙間を埋め、部分放電を抑止し、かつ、電
界を緩和することが目的であるので、特に剥離性が要求
される場合を除き、通常、これらとの密着が良好である
ことが求められる。
【0004】しかし、従来用いられてきた架橋性半導電
樹脂組成物の系について、シラン架橋の検討を行ったと
ころ、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−エチ
ルアクリレート共重合体などを使用した場合では上述の
密着性に劣り、半導電層用の樹脂組成物として用いるこ
とができないことが判った。また低密度ポリエチレンを
ベース樹脂として用いた系では密着性はある程度改善さ
れるもののカーボンブラックの受容性に劣るため、機械
的特性が不充分となると云う欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術における課題を解決する、すなわち、成形後の密着性
が良好で、かつ、カーボンブラックの受容性に優れた高
圧架橋ポリエチレンケーブルの半導電層用シラン架橋性
半導電樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は請求項1に記載
の通り、シングルサイト触媒を用いて製造されたオレフ
ィン系共重合体、カーボンブラック、有機シラン化合
物、及びシラノール縮合触媒とを有するシラン架橋性半
導電樹脂組成物である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いるベース樹脂として
は、シングルサイト触媒を用いて製造されたオレフィン
系共重合体であることが必要である。ここで低密度ポリ
エチレンや従来のマルチサイト触媒を用いて製造された
直鎖状低密度ポリエチレンをベース樹脂として用いる
と、カーボンブラックの受容性が不足し、その結果電力
ケーブルの半導電層として求められる機械的特性を満足
しない。
【0008】一方、一般にカーボンブラックの受容性に
優れているとされるエチレン−酢酸ビニル共重合体やエ
チレン−エチルアクリレート共重合体などでは充分な密
着性が得られない。本発明において、カーボンブラック
とは導電性付与に用いられる一般のカーボンブラック、
すなわち、アセチレンブラック、導電性ファーネスブラ
ック等を用いることができる。なお、添加量としては、
半導電層として求められる体積抵抗率(105Ω・cm
以下)を満足するよう添加する。一般には、上記ベース
樹脂を100重量部としたときに、10重量部以上80
重量部以下で配合することが望ましく、10重量部未満
であると充分な導電性が得られにくく、また、80重量
部超であると最終製品の機械的特性が低下することがあ
る。
【0009】本発明において、有機シラン化合物とは、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルメチルジエトキシシランなどのビニルトリア
ルコキシシラン、或いは、ビニルフェニルジメトキシシ
ラン、ビニルトリス(β−メトキシ)シラン、ビニルト
リアセチルシラン等の一般に知られたシランカップリン
グ剤を指す。これら有機シランのうち代表的なものとし
て使用されているビニルトリメトキシシラン及びビニル
トリエトキシシラン等を好適に使用できる。これら有機
シラン化合物の配合量としては、ベース樹脂の配合量を
100重量部とした場合に、0.5重量部以上10重量
部以下とすることが望ましい。ここで0.5重量部未満
の添加では本発明の効果が得られず、また10重量部超
配合してもその効果は飽和してしまい不経済となる。
【0010】また、シラノール縮合触媒としては、金属
化合物、例えばジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ア
セテート、ジブチル錫ジオクトエート等が挙げられる。
これらのうち、ジブチル錫ジラウレートを用いると本発
明の目的上充分な性能が得られ、かつ、入手が容易で安
価であるため好ましい。なお、配合量としては上記ベー
ス樹脂成分を100重量部とした場合に0.01重量部
以上3重量部以下であることが望ましい。0.01重量
部未満であると架橋反応が充分に進行せず、一方3重量
部超添加してもその効果は飽和してしまって無駄とな
る。
【0011】本発明のシラン架橋性半導電樹脂組成物に
は上記の必須成分の他、有機過酸化物、酸化防止剤等を
適宜配合してもよい。有機過酸化物は遊離ラジカル発生
剤として機能するが、これは例えばジクミルパーオキサ
イド、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロ
ピル)ベンゼン、ジラウロイルパーオキシド、tert−ブ
チルパーオキシイソプロピルカルボネート、ジイソプロ
ピルパーオキシジカルボネート、過酸化ベンゾイルおよ
びアゾ化合物等が挙げられる。これらのうちジクミルパ
ーオキサイドが適度な反応速度をもたらし、かつ、本発
明の目的上充分な性能が得られるため好ましい。なお、
配合量としては上記ベース樹脂成分を100重量部とし
た場合に0.01重量部以上10重量部以下であること
が望ましい。0.01重量部未満であると発生するラジ
カル量が少なすぎて架橋反応が充分に進行しないことが
あり、一方10重量部超添加してもその効果は飽和して
しまって無駄となる。
【0012】本発明のシラン架橋性半導電樹脂組成物は
上記各成分を通常用いられるバンバリーミキサーやニー
ダー、あるいはロールミル等の混合手段によって混合し
て得られる。なお、あらかじめベース樹脂の配合比のみ
少ないマスターバッチを作製しておき、使用寸前にベー
ス樹脂を加えて、最終的に目的の配合比の樹脂組成物と
しても良い。本発明のシラン架橋性半導電樹脂組成物
は、押出成形によって容易に高圧ケーブルの半導電層と
することができる。その際三層同時押出成形を行うこと
により、各層間に不純物が混入することを防止でき、ま
た、各層間の密着性も更に良好となるので望ましい。
【0013】この三層同時押出成形において、半導電性
樹脂組成物の種類や成形条件によっては半導電層成形時
にスコーチ(早期架橋)を生じることがあり、スコーチ
によって生じる突起等に電界が集中して絶縁破壊の起点
となることがある。ここで、本発明のシラン架橋性半導
電樹脂組成物ではシングルサイト触媒によるポリエチレ
ンを用いるが、このシングルサイト触媒によるポリエチ
レンは通常のポリエチレンに比べ低融点のものが選択で
きるため、このような成形時のスコーチの発生を防ぐこ
ともできる。
【0014】
【実施例】次に本発明の実施例及び比較例について説明
する。表1に示すようにベース樹脂としてシングルサイ
ト触媒を用いて製造されたオレフィン系共重合体(表中
「シングルサイト触媒オレフィン系共重合体」と云う。
デュポンダウエストラマー社製ENGAGE)3種(実
施例1〜3)あるいは高圧重合法で製造された低密度ポ
リエチレン1種またはエチレン系共重合体2種(これら
3種は比較例)を用い、カーボンブラック2種を混練
し、次にヘンシェルミキサーにて有機シラン化合物とし
てビニルトリメトキシシラン、及びシラノール縮合触媒
としてジブチル錫ジラウレート、酸化防止剤としてペン
タエリスリトール−テトラキス、有機過酸化物としてジ
クミルパーオキサイドをそれぞれ表2の実施例1〜3、
比較例1〜3及び参考例1、2に示すような重量比とな
るよう常温から80℃になるまで混合してシラン架橋性
半導電樹脂組成物とした。なお、表1中dは密度を、M
FRはメルトフローレート、VAはエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体における酢酸ビニルユニットの存在比(重量
%)を、EAはエチレン−エチルアクリレート共重合体
におけるエチルアクリレートユニットの存在比(重量
%)を表す。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】これら8種類のシラン架橋性半導電樹脂組
成物と、電力ケーブルの絶縁層として用いられる一般的
な絶縁層用シラン架橋性樹脂組成物との密着性を調べ
た。すなわち、絶縁層用樹脂組成物、すなわち、日本ユ
ニカー製直鎖状低密度ポリエチレンにビニルトリメトキ
シシラン、有機過酸化物、錫触媒及び酸化防止剤を添加
してなるペレットを140℃でプレス成形して厚さ2m
mのシートとした。一方、表2に示す実施例1〜3及び
比較例1〜5の8種のシラン架橋性半導電樹脂組成物を
それぞれ厚さ1mmのシートとし、それぞれを絶縁層用
シラン架橋性樹脂組成物シートと評価部分のみを接触さ
せて重ね合わせ、かつ、剥離試験のつかみ部分は離型紙
で接着を防止しながら140℃でプレス成形し、これら
を水分の存在する雰囲気下(60℃)で架橋させ、剥離
試験サンプルとし、サンプル幅12.7mm、引張速度
500mm/minで密着部分の剥離強度を測定した。
【0018】ケーブル長さ方向に12.7mm間隔を有
する2本の切れ目を外部半導電層に入れ、ついで12.
7mm幅の外部半導電層を端部より適当な長さ剥ぎ、こ
の部分をつかんで、ケーブル長さ方向と90°の角度を
保ちながら500mm/minで剥離させたとき、外部
半導電層が剥離しなかったり、途中で切れた場合には充
分な密着性を有するとして「○」、外部半導電層が剥離
してしまった場合には密着性に劣るとして「×」として
評価した。
【0019】一方、導電特性としては別途表2の8種類
のシラン架橋性半導電樹脂組成物のみを水分の存在する
雰囲気下で架橋して得られた架橋後の樹脂組成物シート
(厚さ1mm)についてそれぞれASTM・D991に
準拠し測定したときの体積抵抗率が105Ω・cm以下
であるものを半導電層として用いる充分な導電特性を有
するとして「○」、105Ω・cm超であるときを不充
分な導電特性として「×」として評価した。
【0020】また、カーボンブラック受容性の目安であ
る機械的特性としては、引張伸びについて評価を行っ
た。すなわち導電特性評価時と同様に表2の8種類のシ
ラン架橋性半導電樹脂組成物のみを水分の存在する雰囲
気下で架橋して得られた架橋後の樹脂組成物シート(厚
さ1mm)について、JIS・C3005に記載された
方法にしたがって引張伸び(%)を測定し、経年劣化に
よる特性低下も考慮し、伸びの初期値(サンプル製作直
後での伸び測定値)が200%以上のものを「○」、そ
れ未満のものを「×」として評価した。(通常電線材料
としては伸びが50%以上あれば取り扱いによってひび
割れ等の障害が生じることがないと考えられるが、経年
劣化を考慮すると製作当初の伸びとしては200%以上
あることが望ましいと考える。)これら密着性、導電特
性及び機械的特性の評価結果について表2に併せて記載
した。
【0021】表2より、本発明に係る実施例1〜3にお
いては、密着性、導電特性及び機械的特性すべてを満足
する優れたシラン架橋性半導電樹脂組成物であることが
判る。なお、参考例1及び2により、カーボンブラック
の配合量にはその種類によって最適値があり、適宜調整
する必要があることが判る。
【0022】
【発明の効果】本発明のシラン架橋性半導電樹脂組成物
は、シラン架橋性絶縁樹脂組成物との密着性に優れ、か
つ、カーボンブラックの受容性に優れているため良好な
導電特性を付与しながらも優良な機械的特性が保持でき
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】高圧用ケーブルの金属遮蔽層付絶縁線心の断面
図(概念図)である。
【符号の説明】
1 金属導体 2 内部半導電層 3 絶縁層 4 外部半導電層 5 金属遮蔽層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シングルサイト触媒を用いて製造された
    オレフィン系共重合体、カーボンブラック、有機シラン
    化合物、及びシラノール縮合触媒とを有することを特徴
    とするシラン架橋性半導電樹脂組成物。
JP9896597A 1997-04-16 1997-04-16 シラン架橋性半導電樹脂組成物 Pending JPH10287774A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1170116A1 (de) * 2000-07-05 2002-01-09 REHAU AG + Co Feuchtigkeitsvernetzbare Profile aus Polyolefinelastomeren

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1170116A1 (de) * 2000-07-05 2002-01-09 REHAU AG + Co Feuchtigkeitsvernetzbare Profile aus Polyolefinelastomeren

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