JPH073705U - カートリッジフィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】製作容易で、しかも濾過効率の良好なカートリ
ッジフィルタを提供する。 【構成】合成樹脂製スパイラルカンバス基布上に２種の
成分からなる分割型複合繊維の繊維ウェブが濾過層とし
て配されてなる濾過布で、少なくとも表面層が分割交絡
された濾過布が用いられ、該濾過布が多孔通液性芯筒上
に渦巻き状に順次捲回されたり、円筒状あるいはひだ状
に形成されてなるカートリッジフィルタ。 【効果】基布がスパイラルカンバスであるため自由な変
形が可能であり、スパイラルカンバス基布は厚みがある
ため圧搾時においても内部に空間を確保して良好な通液
性を保持するという効果があり、表面層の分割された複
合繊維は緻密な組織となり、しかも断面形状がシャープ
な鋭角を持つ異型断面になるため溶液中の固形分微粒子
をも効率よく捕捉するという効果がある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は合成樹脂製のスパイラルカンバスを基布に用いた濾過布を加工して製 作したカートリッジフィルタに関するものである。

【従来の技術】

繊維を構成成分に用いたカートリッジタイプのフィルタは通常、目的とする対 象物が濾過層を外側から内側に向けて通過するか、またはその逆方向で、目的と する対象物が濾過層を内側から外側に向けて通過するという２つの使用方法があ り、筒状あるいはひだ状あるいは渦巻き状のカートリッジフィルタは各種の業界 において広く利用されている。

【０００２】 通常、筒状カートリッジフィルタの濾過層は繊維不織布シートや繊維糸が多孔 性芯筒に捲回形成されており、その代表例としてとしては、多孔管に紡績糸や紡 毛糸を巻き付けた糸巻きタイプのもの（実開昭61-12922号公報）、ひだをつけた 濾過布を多孔質の内筒と外筒との間に装着したプリーツタイプのもの（実開昭58 -86211号公報）、あるいは熱接着性複合繊維を円筒状に成形してなるもの（特公 昭53-43709号公報）等が挙げられる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところがこの種のフィルタは液圧が高いと濾過材には外圧が掛かり、幾重にも 積層されている不織布が圧力により密着一体化して、繊維間空隙が小さくなり、 圧力損失が大きくなるとともに見掛け上の濾過精度が上昇して必要以上に細かい 粒子を捕捉してしまい濾過寿命を短くするという不都合があり、また、濾過機の 種類に応じて円筒状の径が異なったり、濾過面積を増加する必要が生じた際ひだ 状に変形させるといった変化に富んだ対応が出来ないという不都合がある。

【０００４】 本考案はかかる不都合を解決することを目的として提供されたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案のカートリッジフィルタは合成樹脂製のスパイラルカンバス基布上に２ 種の成分からなる分割型複合繊維の繊維ウェブが濾過層として配されてなる濾過 布において、該濾過布の繊維ウェブの少なくとも表面層が分割手段により分割さ れ、多孔通液性芯筒上に渦巻き状に順次捲回されてなることを特徴とするカート リッジフィルタであり、また一つには合成樹脂製スパイラルカンバス基布上に２ 種の成分からなる分割型複合繊維の繊維ウェブが濾過層として配されてなる濾過 布において、該濾過布の繊維ウェブの少なくとも表面層が分割手段により分割さ れ、基布が内層あるいは外層として一重のエンドレス形状をなし、円筒状あるい はひだ状に形成されてなることを特徴とするカートリッジフィルタである。

【０００６】 上記カートリッジフィルタに用いられる濾過布における濾過層の分割型複合繊 維の繊維ウェブは既に分割加工された分割型複合繊維の不織布シートをも含むも のをいい、濾過層と基布との一体化手段はニードルパンチングでも、接着のいず れであってもよく、それぞれの用途に応じて濾過層に最適の分割加工手段が用い られ、最適の一体化手段が用いられればよい。

【０００７】

【作用】

基布上の分割型複合繊維の繊維ウェブからなる表面層は分割手段により極細単 繊維群に分割され３次元的に交絡されて緻密な組織となり、しかも極細単繊維の 断面形状がシャープな鋭角を持つ異型断面になるため、溶液中の固形分微粒子を も効率よく捕捉して、通過するのを阻止する作用があり、フィルタに外圧が加わ ると繊維ウェブ濾過層に外圧方向への力が加わるがスパイラルカンバス基布層は 厚みがあるため圧搾時においても空間を確保するスペーサの作用をなして空隙を 保持し、分割型複合繊維の濾過層が圧縮により密着一体化されるのを防止する。 また、スパイラルカンバス基布は相隣接する合成樹脂製のコイル同士が半分づつ 重ね合わされて生じる共通孔に合成樹脂製の芯線を挿通して製作されるため各芯 線部分で曲げることが出来て自由な変形が可能であり、濾過効率を上昇させるた めにプリーフ状にしたりひだ状にしたりと自由な変形が可能となる。

【実施例】

以下本考案の実施例を図に基づいて説明すると、図１は実施例１における構成 を示す断面図、図２は実施例２における構成を示す断面図、図３は実施例３にお ける構成を示す断面図であり、図５はＡとＢの２種の成分からなる分割型複合繊 維の一つのパターンを示す断面図である。

【０００８】 ［実施例１］この実施例１は図１に示すようにスパイラルカンバス基布（２）上 に、濾過層として２種の成分からなる分割型複合繊維の繊維ウェブ（３）が配さ れ、ニードルパンチングにより一体接合された後、濾過層側の表面層が高圧水流 によって極細単繊維群に分割され３次元的に交絡されてなる濾過布であり、該濾 過布を多孔通液性芯筒（４）上に渦巻き状に指定の径になるまで順次捲回されて 製作されたカートリッジフィルタ（１）である。

【０００９】 ［実施例２］この実施例２は実施例１と同様の濾過布を用いて指定の長さに切断 し、基布の両端部を接合して接合芯線を挿通し、図２の場合は一重のカートリッ ジフィルタとなしたものであり、図３の場合は濾過効率を上げるためにフィルタ 内をひだ状に形成させてカートリッジフィルタとなしたものである。

【００１０】 また実施例１、２における濾過布の仕様については表１に示す通りである。

【００１１】

【表１】

【００１２】

【考案の効果】

本考案のカートリッジフィルタは基布がスパイラルカンバスで相隣接する合成 樹脂製のコイル同士が半分づつ重ね合わされて生じる共通孔に合成樹脂製の芯線 を挿通して製作されるため各芯線部分で曲げることが出来て自由な変形が可能で あり、濾過機の種類に応じて濾過筒の径が異なったりする場合には捲回量を増減 することにより対応することが出来るという効果があり、スパイラルカンバス基 布は厚みがあるため圧搾時においても内部に空間を確保して良好な通液性を保持 するという効果がある。

【００１３】 また、表面層の分割型複合繊維の繊維ウェブは分割手段により極細単繊維群に 分割されて３次元的に交絡して緻密な組織となり、しかも断面形状がシャープな 鋭角を持つ異型断面になるため溶液中の固形分微粒子をも効率よく捕捉するとい う効果がある。

【００１４】

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１における構成を示す断面図

【図２】実施例２における構成を示す断面図

【図３】実施例２におけるもう一つの構成を示す断面図

【図４】分割型複合繊維の断面図

【符号の説明】

（１）: カートリッジフィルタ、（２）：基布、
（３）: 繊維ウェブ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂製スパイラルカンバス基布上に
   ２種の成分からなる分割型複合繊維の繊維ウェブが濾過
   層として配されてなる濾過布において、該濾過布の繊維
   ウェブの少なくとも表面層が分割手段により分割され、
   多孔通液性芯筒上に渦巻き状に順次捲回されてなること
   を特徴とするカートリッジフィルタ
2. 【請求項２】 合成樹脂製スパイラルカンバス基布上に
   ２種の成分からなる分割型複合繊維の繊維ウェブが濾過
   層として配されてなる濾過布において、該濾過布の繊維
   ウェブの少なくとも表面層が分割手段により分割され、
   基布が内層あるいは外層として一重のエンドレス形状を
   なし、円筒状あるいはひだ状に形成されてなることを特
   徴とするカートリッジフィルタ