JPH0736636B2 - 音響用振動板 - Google Patents

音響用振動板

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JPH0736636B2
JPH0736636B2 JP12281885A JP12281885A JPH0736636B2 JP H0736636 B2 JPH0736636 B2 JP H0736636B2 JP 12281885 A JP12281885 A JP 12281885A JP 12281885 A JP12281885 A JP 12281885A JP H0736636 B2 JPH0736636 B2 JP H0736636B2
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paper
bacterial cellulose
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cellulose
diaphragm
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正俊 井口
重信 三橋
美緒 西
勝 瓜生
茂 山中
乙比古 渡部
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Ajinomoto Co Inc
Sony Corp
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Ajinomoto Co Inc
Sony Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、スピーカの振動板のような音響用振動板に関
するものであり、さらに詳細にはセルロース系繊維を使
用した、いわゆる紙振動板の改良に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、音響用振動板の分野においては、スピーカ等の音
響用振動板材料として、高分子材料や金属,セラミック
ス等の紙以外の素材が使用されるようになっているが、
製造が容易であること、適度な内部損失を有すること、
音質を左右する要因(パルプの種類,フリーネス,サイ
ズ剤,紙力増強剤等)が非常に多いため多様な音質要求
に対応し得ること等から、紙を主体とする紙振動板の占
める割合は依然として高く、音響用振動板の過半数を占
めている。
ところで、上述の紙振動板では、強度(剛性)の点で不
満足な場合が多く、再生周波数帯域が狭いという欠点を
有している。このため、従来は、これを解決するため
に、セルロース系繊維にカーボン繊維やアラミド繊維の
如き強化繊維を混抄することが行われていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、これら強化繊維は、セルロース系繊維と
異なり、水素結合を行わないため、その効果を発揮させ
るためには結合剤を多量に使用する必要が生じ製造方法
が煩雑になる等の問題が発生する。さらに、このような
強化繊維を多量に混抄すると、これら強化繊維の添加に
よる内部損失の低下や非セルロース系素材(上記バイン
ダを含めて)の混入による音質的異質感・違和感等の問
題が生ずる。
そこで本発明は、強化繊維やバインダ等の非セルロース
系素材をあまり使用せずに紙振動板の特性,特に強度の
向上を図り、再生周波数帯域の拡大を図るとともに、強
度の向上に伴う内部損失の低下を防止することが可能な
音響用振動板を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、強度が高く再生周波数帯域の広い紙振動
板を開発せんものと長期に亘り鋭意研究の結果、ある種
のバクテリアによって微生物学的に生産されるセルロー
スを含む多糖類(以下、バクテリア・セルロースと呼
ぶ。)が結晶性の高いセルロースで構成され高強度を有
するとともに、通常のセルロース系繊維と同様に水素結
合を行い非セルロース系素材を使用することなくコーン
紙等に加工することができるという知見を得るに至っ
た。
本発明は、このような知見に基づいて完成されたもので
あって、セルロース系繊維を主体とする音響用振動板に
おいて、上記セルロース系繊維の少なくとも一部がバク
テリアを用いた醗酵法により生産されるセルロースを含
む多糖類(バクテリア・セルロース)であることを特徴
とするものである。
本発明のセルロース性物質とは、セルロース及びセルロ
ースを主鎖としたヘテロ多糖を含むもの及びβ−1,8、
β−1,2等のグルカンを含むものである。ヘテロ多糖の
場合のセルロース以外の構成成分は、マンノース,フラ
クトース,ガラクトース,キシロース,アラビノース,
ラムノース,グルクロン酸等の六炭糖、五炭糖及び有機
酸等である。
なお、これ等の多糖が単一物質である場合もあるし、2
種以上の多糖が水素結合等により混在してもよい。
本発明において使用されるバクテリア・セルロースは、
所定の条件下である種のバクテリアを培養することによ
り微生物学的に生産されるものであって、結晶性の高い
α−セルロースで構成されること、非常に表面配向性が
強いこと、等から極めて高強度を有し、またその太さは
200〜500Åと極めて微細なものである。
このようなバクテリア・セルロースを産出するバクテリ
アとしては、酢酸菌が代表的なものであり、例えばアセ
トバクター・アセチ(Acetobacter aceti),アセトバ
クター・キシリナム(Acetobacter xylinum),アセト
バクター・ランセンス(Acetobacter rancens),ザル
チナ・ベントリクリ(Sarcina ventriculi),バクテ
リウム・キシロイヂス(Bacterium xyloides)等が挙
げられる。
これら酢酸菌を、有機物,無機塩類等を含む培池を用い
て培養することにより、極めて純度の高いセルロースが
産出される。なお、上述の各酢酸菌は、好気性菌である
ので、その培養にあたっては酸素の供給が必要であり、
したがって、上記バクテリア・セルロースを産出させる
方法としては、培地と空気の界面にある程度の厚さをも
ったゲル状物質として産出させる方法や、通気攪拌培養
法等によるのがよい。
本発明においては、上述のようにして得られるバクテリ
ア・セルロースを、プレス乾燥したり、離解して抄紙す
る等の手法によりシート状に加工し、音響用振動板とす
る。この場合、木材あるいは非木材(樹皮等)より得ら
れる天然のセルロース繊維と併用することも可能であ
る。
〔作用〕
このように、紙振動板のセルロース系繊維としてバクテ
リア・セルロースを使用することにより、紙振動板の利
点を確保したまま強度が向上される。
〔実施例〕
バクテリア・セルロース調製例. シュクロース5g/dl,酵母エキス0.5g/dl,硫安0.5g/dl,リ
ン酸水素カリウム(KH2PO4)0.3g/dl,硫酸マグネシウム
(MgSO47H2O)0.05g/dlからなる組成の培地(pH5.0)50
mlを容量200mlの三角フラスコに張り込み、120℃で20分
間蒸気殺菌して培養液を作成した。
次いで、この培養液に、酵母エキス0.5g/dl,ペプトン0.
3g/dl,マンニトール2.5g/dlからなる組成の試験管斜面
寒天培地(pH6.0)で30℃,3日間生育させたアセトバク
ター・アセチ・サブスピーシス・キシリナム(ATCC 10
821)を1白金耳ずつ接種し、30℃で培養した。
上記条件で30日間培養したところ、培養液の上層に白色
のバクテリアセルロース性多糖類を含むゲル状の膜が形
成された。このセルロース性多糖類のゲル状膜を水洗し
てバクテリア・セルロースを得た。
実施例1 先のバクテリア・セルロース調製例で得られたバクテリ
ア・セルロースを金属板間に挟み、130℃でプレス乾燥
してバクテリア・セルロースシートを得た。
このバクテリア・セルロースシートの物理特性を振動リ
ード性により測定したところ、第1表に示すような結果
が得られた。
次いで、このバクテリア・セルロースシートを振動板と
するペーパーハニカムを作成した。なお、ここでコアと
しては、セルサイズ3mm,フェノール6%含浸,厚さ2.8m
mのKCM2.8を使用した。
得られたペーパーハニカムを使用して60mm角の平面スピ
ーカを作製し、サンプル1とした。
比較のため、サンプル1と同様のコアを用いクラフト紙
を振動板とするペーパーハニカムを作成し、これを用い
て先のサンプル1と同様の平面スピーカを作製し、比較
サンプル1とした。なお、ここで用いたクラフト紙の物
理特性は第2表に示す通りであった。
これらサンプル1及び比較サンプル1の周波数特性を測
定した。結果を第1図に示す。
この第1図より、バクテリア・セルロースシートをスキ
ン材とするサンプル1にあっては、高域再生限界周波数
が高周波数側にシフトするとともに、このピークが小さ
くなり、再生周波数帯域が大幅に拡大されたことがわか
る。
実施例2 先のバクテリア・セルロース調製例で得られたバクテリ
ア・セルロースを、離解機を用いて離解し、サイズ材と
してロジンサイズを4%(固形分比),硫酸ばん土を4
%(固形分比)をそれぞれ加えた後、通常の抄紙プロセ
スによりコーン紙を作製した。得られたコーン紙の物理
特性を振動リード法により測定したところ、第3表に示
すような結果を得られた。
次いで、このコーン紙を用いて口径12cmのフルレンジ・
スピーカユニットを試作した。これをサンプル2とし
た。
比較のため、通常のクラフトパルプにより作製されるコ
ーン紙を用いて先のサンプル2と同様のフルレンジ・ス
ピーカユニットを作製し、比較サンプル2とした。な
お、ここで用いたコーン紙の物理特性は第4表に示す通
りであった。
これらサンプル2及び比較サンプル2の周波数特性を測
定した。結果を第2図に示す。
この第2図より、バクテリア・セルロースを用いたコー
ン紙により作製されたサンプル2にあっては、高域再生
限界周波数が高周波数側にシフトし、再生周波数帯域が
拡大されたことがわかる。
実施例3 通常のコーン紙に使用する木材パルプの一部を第5表に
示すように先のバクテリア・セルロース調製例で得られ
たバクテリア・セルロースで置き換え(5%及び15
%)、TAPPI法により抄紙してコーン紙(サンプル3及
びサンプル4)を得た。なお、ここで木材パルプとして
はN.U.SP(濾水度570ml Csf)を使用し、バクテリア・
セルロースは離解したものを添加した。また、木材パル
プのみを抄紙して得られたコーン紙を比較サンプル3と
した。
これら各サンプルの物理特性を振動リード法により測定
した。結果を第5表に示す。
この第5表より、バクテリア・セルロースの添加によ
り、内部損失を維持したまま強度の向上を図れることが
わかる。また、第3図に、サンプル3、サンプル4、比
較サンプル3のコーン紙を用いた16cmダイナミックスピ
ーカの周波数特性を示す。この第3図を見ると明らかな
ように、バクテリア・セルロースの増加とともに高域再
生周波数(fh)が高周波側に拡大している。これは、第
5表に示したように、バクテリア・セルロースの増加に
よって振動板のヤング率が高くなることによる効果であ
る。
なお、第3図においては、各サンプルの周波数特性が上
下3本に分けて記載されているが、これは周波数特性の
高域周波数の伸びを確認し易くするために図面上レベル
を変えただけで、出力音圧レベルはほぼ同一レベルにあ
る。
以上、本発明の具体的な実施例について説明したが、本
発明がこれら実施例に限定されるものでないことは言う
までもない。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明の音響用振動
板においては、セルロース系繊維の少なくとも一部にバ
クテリア・セルロースを用いているので、極めて高強度
の紙振動板が得られ、再生周波数帯域の拡大を図ること
が可能である。
また、本発明の振動板においては、水素結合しない非セ
ルロース系素材を多量に使用する必要がないので、内部
損失の低下や音質の違和感等の問題が生じる虞れもな
い。
【図面の簡単な説明】
第1図はバクテリア・セルロースシートをスキン材とす
る平面スピーカの周波数特性を比較サンプルのそれと比
べて示す特性図、第2図はバクテリア・セルロースを抄
紙したコーン紙により作製されるコーン型フルレンジス
ピーカの周波数特性を比較サンプルのそれと比べて示す
特性図である。第3図はバクテリア・セルロースを木材
パルプと混抄したコーン紙により作製されるダイナミッ
クスピーカの周波数特性を木材パルプのみを抄紙したコ
ーン紙により作製されるダイナミックスピーカのそれと
比べて示す特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三橋 重信 茨城県新治郡桜村吾妻2丁目1320番地709 棟312号 (72)発明者 西 美緒 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 瓜生 勝 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 山中 茂 神奈川県横浜市南区大岡3丁目40番13号 (72)発明者 渡部 乙比古 神奈川県川崎市川崎区観音2丁目20番8号 審査官 河口 雅英

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロース系繊維を主体とする音響用振動
    板において、上記セルロース系繊維の少なくとも一部が
    酢酸菌からなるバクテリアを用いた醗酵法により生産さ
    れるセルロースを含む多糖類であることを特徴とする音
    響用振動板。
JP12281885A 1985-04-16 1985-06-07 音響用振動板 Expired - Lifetime JPH0736636B2 (ja)

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JP12281885A JPH0736636B2 (ja) 1985-06-07 1985-06-07 音響用振動板
DE3689940T DE3689940T2 (de) 1985-04-16 1986-04-14 Formmasse auf Basis von bakteriell hergestellter Cellulose.
EP86302755A EP0200409B1 (en) 1985-04-16 1986-04-14 Moulded material comprising bacteria-produced cellulose
PH33644A PH23612A (en) 1985-04-16 1986-04-14 Moulded material comprising bacterial-produced cellulose
US06/852,838 US4742164A (en) 1985-04-16 1986-04-16 Bacterial cellulose-containing molding material having high dynamic strength
KR1019860002925A KR950001311B1 (ko) 1985-04-16 1986-04-16 세균 생성-셀룰로오스를 함유하는 성형된 재료의 제조방법

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