JP3080788B2 - ボイスコイルボビン - Google Patents

ボイスコイルボビン

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JP3080788B2
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coil bobbin
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秀一 市川
貴 三国谷
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フオスター電機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量で高弾性を有し、
かつ耐熱性のよい電気音響変換器用のボイスコイルボビ
ンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気音響変換器用のボイスコイル
ボビンはクラフト紙が多く使用されている。しかし、ク
ラフト紙は軽量であるが、耐熱性と弾性率が小さいとい
う欠点がある。
【0003】この欠点を除去するために、アルミニウム
等の金属板もボイスコイルボビンとして使用されている
が、金属板はボビンとしては重量が重くなり、スピーカ
としての能率が低下するばかりではなく、立ち上り特性
等が悪くなり音質をも悪化させる欠点がある。又、軽量
で耐熱性のあるボイスコイルボビンとしてノーメックス
ペーパー(デュポン社製)がある。更に、ノーメックス
ペーパーと同等な耐熱性を有し、かつ水分に対して安定
なボイスコイルボビン基材としてポリイミド系樹脂フィ
ルム、芳香族ポリアミド樹脂フィルムが使用されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ノーメックス
ペーパーはメタ系芳香族ポリアミド繊維で構成されてい
るため、相対湿度変化に対して寸法変化が大きく、高湿
度の雰囲気で使用することが困難である。
【0005】更に、ポリイミド系樹脂フィルム、芳香族
ポリアミド樹脂フィルムは、接着性が悪く、フィルムと
線材との接着性を改善するために、コロナ放電処理等の
表面処理が必要となり、品質の安定性とボイスコイルが
高価となるという欠点がある。
【0006】本発明は上記欠点を解決するためになされ
たもので、その目的は、比弾性率が大きく内部損失の大
きな微生物セルロースを基材として用いることで、軽量
で高弾性を有するボイスコイルボビンを安価に提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、微生物セル
ロースのゲル状物質を乾燥し、防湿処理等を行い、軽量
で高弾性があり、かつ、耐水性の良好なボイスコイルボ
ビンを作製するか、上記ゲル状物質をミキサーで離解
し、微生物セルロースに樹脂加工して抄造しボビンを作
製するか、又は、離解ゲルと他の繊維状物質と混合して
抄造後、樹脂加工して作製するか、又は、皮膜形成材の
補整材として微生物セルロースを添加したコーティング
剤を作製し、ボビンの基材に表面コート、又は含浸して
ボイスコイルボビンを作製することで上記目的を達成し
ている。
【0008】
【作用】本発明に使用されるセルロース性物質は微生物
が産出するものであれば、どのようなものでも使用でき
る。上記セルロース性物質のうち、例えば酢酸菌を用い
た培養におけるゲル状膜は20〜50mmのまっすぐに伸長し
たフィブリルがランダムに走り網目構造を作りあげてい
る。フィブリルの長さは10μm 程度である。フィブリル
は独立のものと分岐のものもある。このゲル状膜は水分
が99%以上含有している。ゲル状膜を乾燥すると固いセ
ルロースのフィルムが得られる。
【0009】一方、上記ゲル状膜をミキサー等で離解し
抄造すると、紙状のシートが作製できる。このようにし
て作製されたフィルムとシートの物質を、ボイスコイル
ボビンに使用されているアルミニウム、紙と比較した値
を表1に示す。
【0010】以上により、高弾性で音速が速く、かつ適
当な内部損失を有する微生物セルロースをボイスコイル
ボビン材として使用しているので、上記欠点を改善する
ことができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。微生物セ
ルロースの作製方法は下記のものを使用した。培地組成
はシュクロース(sucrose)50g 、酵素エキス(Difco)5g
、硫酸アンモニウム((CNH4)2SO4 )5g 、リン酸水素カ
リウム(KH2PO4 )3g 、硫酸マグネシウム(MgSO4 ・7H2O)
0.5g、蒸留水1リットル、PH5.0 のものであった。この
培地を用いて静置培養を行い、生産されたゲル状膜を流
水洗浄と2%水酸化ナトリウム溶液で煮沸洗浄を組み合
わせて精製し、ゲル状膜に含まれている細胞や吸着して
いる各種の培地成分などを取り除いて作製した。
【0012】上記ゲル状膜を室温にて、含水率が80〜20
0 %になるまで加圧して脱水した。脱水後110℃〜150
℃に加熱した金型にて、プレス乾燥し微生物シートを作
製した。ボイスコイルボビンに使用したシートの物性は
密度が1.42で厚さが約50μm、ヤング率は36GPa であ
る。
【0013】このシートは、未処理の木材パルプシート
と比較すると、湿度による影響は半分であり、この状態
にてもボイスコイルボビンとして使用することは可能で
あるが、このシートに、尿素系樹脂、メラミン系樹脂等
の熱硬化性樹脂をコーティングすると、耐水性と耐熱性
は向上した。
【0014】上記実施例では、微生物セルロースのみで
作製したシートに樹脂加工を施した場合について説明し
たが、下記に示すように、他の材料を複合化して用いる
こともできる。
【0015】まず、上記ゲル状膜をミキサー等で離解
し、25°スラリーまで叩解したNBKP(Non Bl
eaching Kraft Pulp)に対して微生
物セルロースを20%添加し、均一に混合した。このスラ
リーに紙用のサイズを添加後抄造して、ボイスコイルボ
ビン用シートを作製し、ボイスコイルボビンに加工して
ボイスコイルボビンとした。
【0016】
【発明の効果】この発明は、以上説明した通り、微生物
セルロースを含有する基材にて作製したことにより、こ
の微生物セルロースは比弾性率が大きく内部損失が大き
いため、軽量で高弾性を有するボイスコイルボビンを安
価に得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 9/04 104

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物セルロースを含有する基材にて作
    製したことを特徴とする電気音響変換器用のボイスコイ
    ルボビン。
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