JPH04202890A - 菌糸体離解物、該離解物を含有するシート状成型物およびそれらの製造方法 - Google Patents

菌糸体離解物、該離解物を含有するシート状成型物およびそれらの製造方法

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JPH04202890A
JPH04202890A JP32997990A JP32997990A JPH04202890A JP H04202890 A JPH04202890 A JP H04202890A JP 32997990 A JP32997990 A JP 32997990A JP 32997990 A JP32997990 A JP 32997990A JP H04202890 A JPH04202890 A JP H04202890A
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JP
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mycelium
sheet
paper
fibers
molded product
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JP32997990A
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English (en)
Inventor
Otohiko Watabe
乙比古 渡部
Shigeru Yamanaka
茂 山中
Yasuyuki Oku
恭行 奥
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Ajinomoto Co Inc
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は糸状菌の産生ずる菌糸体の離解物、又はその離
解物を含有するシート状成型物およびそれらの製造方法
に関する。本発明の成型物はシート状の形態をとるもの
、あるいはシートを加工して得られるもの、例えば紙、
不織布等に利用可能なものである。
〔従来の技術〕
従来、パルプを製紙するにあたっては、叩解工程が必要
であった。パルプを叩解しないで用いると、繊維間の結
合が不十分で紙として実用上充分な強度を得ることがで
きない。このため、叩解を行いパルプをフィブリル化さ
せ、表面積を増加させることにより、パルプ繊維同士の
水素結合部分を増加させることで、紙に強度を与えてい
る。しかしながら、叩解には専用の設備や多量のエネル
ギーが必要である。また、叩解が進むと、紙は高密度化
し、湿度による寸法変化の増大および不透明性の低下等
の欠点も生じてくる。
また、近年、地球規模での森林資源の保全の必要性が叫
ばれており、故紙を原料として作った再生紙の使用が促
進されている。ところが、故紙を用いた紙は、元の紙と
比較して強度が出ないという欠点もあり、あるいは故紙
をパルプ化する工程で繊維が脱落し、歩留まりが悪くな
り、抄紙工程に於て新しいパルプの混合が必要になる。
これとは別に、近年天然パルプ以外の合成パルプや各種
有機・無機繊維を単独もしくは混合し、シート化して用
いられている。この場合、繊維自身が接着性を有しない
場合、新たに液状、粒子状、繊維状バインダーを加える
必要がある。この場合シート内で主体となる繊維の性能
を発揮させるためには、バインダーの量はできるだけ少
ないことが好ましく、新規バインダーの開発が行われて
いる。
この様な森林資源保護の観点、および新規バインダー開
発の観点から、森林資源以外の製紙原料および新規バイ
ンダーとして、特開昭62−36467号公報にバクテ
リアセルロースの利用が述べられているが、バクテリア
セルロースは酢酸菌等の菌を培養しその菌体外に生産さ
れた物質を利用している。
これとは異なり、菌体自身を利用している例として、特
公昭57−10280号公報で工業排水や人工培養基を
用い糸状菌を培養し、パルプに混合し紙を製造する方法
が開示されている。しがし、ここでは菌糸は培養直後洗
浄されただけで、パルプの増量剤として利用されている
に留まり、紙の強度向上に関しては寄与していない。ま
た、機能性シートのバインダーとしての利用に関しては
何等記述はない。
また、イギリス公開特許第2165865号公報では培
養して得られる糸状菌をアルカリで積極的に洗浄するこ
とで菌糸表面を被うキチン質以外の物質を除外し、キチ
ン・キトサンを露出させ、キチン・キトサンそのものの
特徴をいがし、傷病用不織布、イオン交換体としての利
用法を開示している。しかし、ここではキチン・キトサ
ンの特徴をいかすことについて述べられ、糸状菌が少量
でバインダー効果を発揮することに関しては何等記述は
ない。
さらに、特公昭64−520号公報で淡水性藻類を漂白
した後、抄紙する方法が開示されている。
しかし、この方法においても、淡水性藻類は増量剤とし
ての利用に留まっている。
また、これらの製紙用材料はいずれも培養後直ちに、滅
菌あるいは洗浄されただけで用いられており、機械的せ
ん断力を加え、離解・均質化されたものではない。
これらの製紙用材料を、パルプや繊維と混合した場合、
例えば菌糸の場合は菌糸の径は細いため、目だって大き
な結束ができている場合以外は、外見上判断できない。
しかしながら、菌糸の離解が不十分であると、この様な
菌糸体を混合した成型物の強度は充分ではなく、例えば
パルプ、繊維状物へ混合し、シート化しても強度アップ
は望めないし、紙、シートの地合も悪くなり実用上問題
がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、糸状菌の産生ずる菌糸体を利用し、こ
れを繊維状シート成型物の強度向上剤、機能性シートの
バインダーとして活用する菌糸体離解物、これを用いた
シート状成型物及びこれらの製造方法を提供することで
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記の課題を解決するため鋭意研究を行っ
た。その結果、糸状菌の産生ずる菌糸体を機械的に離解
均質化し、結合剤、あるいは添加剤として少量添加する
ことで均一な高強度の成型物が得られることを見いだし
た。また、菌糸体を所定の繊維長に調整すること、特定
の繊維径の菌糸体を用いることで均一で強度の大きいシ
ート状成形物を得ることができることを見いだした。シ
ート状成型物に用いる菌糸体以外のものとしては繊維状
物を用いることで均一で強度の大きいシート状成型物が
得られることを見いだし本発明を完成した。
すなわち、 (1)糸状菌の産生ずる菌糸体を機械的せん断力により
離解してなる菌糸体離解物であり、(2)糸状菌の産生
ずる菌糸体を離解した繊維の繊維長がJAPAN  T
APPI  紙パルプ試験法No、52−89に記載の
方法で測定した重量平均繊維長が0.1mm〜6mmも
しくは、数平均繊維長が0.1mm〜5mmである前項
(1)記載の菌糸体離解物であり、 (3)前項(1)または(2)記載の菌糸体離解物を含
有してなるシート状成型物であり、 (4)天然繊維又は天然繊維より製造したパルプを含有
してなる前項(1)記載のシート状成型物であり、 (5)無機繊維、有機繊維から選ばれた少なくとも1種
の繊維を含有してなる前項(3)又は(4)記載のシー
ト状成型物であり、 (8)樹脂が含浸されてなる前項(3)(4) (5)
のいずれかに記載のシート状成型物であり、 (7)糸状菌の産生ずる菌糸体をそのまま、あるいはそ
れに水、溶質を溶解した水溶液および親水性溶媒から選
ばれた少なくとも1種の液体を加えた状態で機械的せん
断力を加えることを特徴とする前項(1)又は(2)記
載の菌糸体離解物の製造方法であり、 (8)糸状菌の産生ずる菌糸体をそのまま、あるいはそ
れに水、溶質を溶解した水溶液および親水性溶媒から選
ばれた少なくとも1種の液体を加えた状態で機械的せん
断力を加えることにより得られる菌糸体離解物と繊維状
物とを含有する水性スラリーを調製し、湿式抄紙法を用
い抄紙することを特徴とする前項(3) 、(4) 、
(5) 、(6)の、いずれかに記載のシート状成型物
の製造方法である。
以下、本発明の詳細な説明を行う。
本発明で用いられる糸状菌の産生ずる菌糸体とは、カビ
(セルコスポーラ属、トリコシラウメ属、ペニシリウム
属、トリコデルマ属、ノイロスポラ属、ボトリティス属
、トリコツアイトン属、チェートミウム属、エンドシイ
ア属、デイプロブイア属、アスペルギルス属、リゾプス
属、フザリウム属、サブロレグニア属、ムコール属等)
、酵母(カンディダ属等)、放線菌(ストレプトミセス
属等)、バクテリア(マイコバクテリウム属等)、担子
菌類(ヘテロバシジョン属、ラエティボルス属、ティロ
ミセス属等)、藻類(ホトリブイウム属、スピルリナ属
)等、菌糸状になる全ての生物をさす。
培地は、有機及び無機栄養分を含む各菌糸体に適した培
地(例えば、カビの場合には、YM培地)を用いる。こ
の際、培地の有機栄養分の濃度は、通常の1/10〜1
/100でも可能で、経済的にも優れている。
攪拌は、菌糸体が、玉状に固まってしまうこともあるの
で、緩やかな攪拌、あるいは、静置条件が望ましいが、
玉状になる恐れがない場合は、生育を促進するために、
振盪を行なってもよい。玉状に固まったものであっても
、後述する方法で離解可能であれば、培養方法に特に制
限はない。温度は、5〜95℃、期間は、1日間〜90
日間の範囲にて行う。
培養により得られた菌糸体は、そのまま使用することも
できるが、菌糸体はセルロース、キチンのような多糖類
の他に、タンパク質、核酸、脂質、無機塩類等種々の成
分を含有しているので適当な処理でそれらを除去するこ
ともできる。例えばタンパク質の場合はアルカリ溶液、
脂質の場合は有機溶剤、無機塩類の場合は酸溶液等にそ
れぞれ浸漬することにより除去が可能である。また菌糸
体には色が着いている場合があるが、これは目的に応じ
て上記の処理や漂白等で脱色する事が可能である。通常
、本発明の菌糸体に対する処理は、通常のパルプ精製工
程、すなわちアルカリ処理や漂白処理などの工程をその
まま使用することができる。
この様にして得られた菌体は、機械的なせん断力を利用
し、離解して利用することができる。離解方法は、通常
、抄紙工程で用いられる、ビータ−、リファイナー等の
回転式の離解機、パルバーあるいはミキサー、ホモジナ
イザー、高圧ホモジナイザー等で容易に離解できる。分
散中に起泡がある場合、或は起泡があると予想される場
合は、消泡剤を適宜混合してもよい。
離解濃度は特に制限はなく、均一に離解てきる濃度を適
宜選択することができる。濃度を調整するために水;硫
酸バンド、塩化カルシウム、塩化ナトリウム等の電解質
、顔料、活性炭素微粒子等の無機化合物、及び/又はサ
イズ剤、歩留り向上剤、蛍光剤、防カビ剤、染料、帯電
防止剤、ラテックス等の有機化合物を含有する水溶液又
は分散液:及び親水性溶媒から選ばれた少くとも1種を
加えて機械的なせん断力を加えることができる。
菌糸体の分散を補助する目的で、分散剤を混合し離解を
行うことも効果的である。
離解は菌糸単独とは限らない。例えば、繊維状物と菌糸
体を混合し離解を行っても良LA L、ま戸こ繊維状物
と菌糸を培地中へ混合後、培養し、繊維状物に菌糸体を
生成せしめ繊維状物と菌糸体の複合体を形成後、離解を
行ってもよい。し力・し、繊維状物が離解によりダメー
ジを与えられる場合&よ、これを避けるため、菌糸だけ
を予め離解するの力(好ましい。
菌糸体の繊維長は菌糸体が枝別れ構造を取る場合同定し
にくが、JAPAN  TAPPI  紙パルプ試験法
No、52−89による試験法で繊維長を測定すること
が可能である。この測定法の原理は、偏光特性を持った
繊維を偏光が通過することにより、光の振動の方向が変
わる性質を利用している。すなわち、光源からの光は集
光レンズ群および赤外線吸収フィルター、円筒状レンズ
を経て偏光フィルター、スリットプレートを通過して、
集光レンズおよび測定範囲切り換え用倍率レンズを通り
フォトセルに到達する。そこで繊維中の映像が同時に感
知されるフォトダイオードの数に基づいて繊維の長さを
測定する。
本発明に用いる離解された糸状菌の産生ずる菌糸体は、
この方法で測定した重量平均繊維長0゜1〜6.Omm
でさらに好ましくは1.0mm〜5.0.mmである。
0.1mm以下ではシート強度が得られないし、例えば
抄紙する場合はワイヤーから落下するため歩留まりが悪
くなる。6.0mmより長いと分散が悪くなり好ましく
ない。
上記、重量平均繊維長0.1〜6.Ommの範囲は数平
均繊維長で表わすと0.1mm〜5mmに相当する。
本発明で用いる離解された菌糸体の短繊維径は0.5〜
30μm以下で、更に好ましくは2〜15μmである。
径が30μmより大きいとシート状成型物の強度向上効
果は減少する。また、径が0.5mmより細いと菌糸体
の強度が弱く、やはりバインダー効果は低下する。
バクテリアセルロースも少量でバインダー効果を発揮す
るが、バクテリアセルロースは菌を培養しその菌体外に
生産されたセルロース性物質を利用しているのに対し、
本発明で用いられる糸状菌の産生ずる菌糸体とは菌体自
身が生長し繊維状になったもの、すなわち菌体そのもの
を利用しており、バクテリアセルロースとは異なるもの
であることを付は加えておく。また、バクテリアセルロ
ースを用いたものより、繊維状物などと混合したときの
分散性がよく、シートにしたときは地合が良いことが特
徴として上げられる。
成型物内の菌糸体の含有量は、1%〜30%で好ましく
は3%〜20%である。1%より少ないと成型物の強度
が小さくなり、30%を超えると成型物の性能を阻害す
るため好ましくない。しかし、紙として用いる場合は菌
糸体が増量剤として作用するので、パルプを減少させる
という観点からも好ましく、30%を超えても特に問題
ではない。
本発明で用いる繊維状物としては天然繊維、無機!l維
、有機繊維等が上げられる。さらに具体的に説明すると
、天然繊維としては、木材パルプ、麻パルプ、木綿パル
プ等が例示され、故紙パルプは本発明の主旨から特に好
適である。無機繊維としてはセラミック繊維、炭素繊維
、活性炭素繊維、ロックウール繊維、セピオライト、ガ
ラス繊維、ウィスカー、金属繊維等が例示される。有機
繊維としては、レーヨン繊維、ポリエステル繊維、ポリ
オレフィン繊維、ポリアクリロニトリル繊維1、フェノ
ール繊維、芳香族ポリアミド繊維等が例示される。
これらの繊維を単独または2種類以上混合し用いること
ができる。
繊維状物に上記の菌糸体を混合して、各種成型法を用い
本発明の成型物を得ることが可能である。
成型法の例として湿式抄紙法が上げられる。離解された
菌糸体と繊維状物を水中に均一に分散する。
この様にして離解、分散されたスラリーを長網、短網、
丸網あるいはこれらのコンビネーションの抄紙機を用い
抄紙し、プレス、乾燥を行い成型物を得ることができる
これらの成型物は、紙、特殊紙、機能紙、含浸用基材、
不織布などシート状をとるもので有れば広く利用できる
これらの成型物は後加工が可能で、折り曲げたり、波型
に型付けを行い、成形し、あるいは積層して利用できる
また、樹脂を含浸することも可能であるし、これらを積
層後、熱圧成型して利用することもできる。
〔作 用〕
糸状菌の産生ずる菌糸体を、機械的せん断力を用い離解
したものは、シート状成型物の強度を向上させ、また機
能性シートのバインダーとして有効に作用する。
〔実施例〕
以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本
発明は本実施例に限定されるものではない。
実施例において記載の部、%はすべで重量によるもので
ある。
(菌糸体調製例) 菌糸体を以下の通り調製した。
培地として以下の2種類の組成のものを用いた。
(培地I)イーストエキストラクト0.3g、マルトエ
キストラクト0.3g、  ポリペプトン0゜5g、グ
ルコース1.Og、水道水1.0リツトル、pHは7.
0に調整した。
(培地■)イーストエキストラクト3g、マルトエキス
トラクト3g1ポリペプトン5g1グルコース10g1
寒天20g1水道水1.0リツトル、pHは7.0に調
整した。
培地■上で、30℃で、3日間、カビ(アスペルギウス
、オリゼー ATCC15240)を前培養した。前培
養したカビを生理食塩水に懸濁した。吸光度を2. 5
3 (600n m)にし、これを、培地!に対して2
%の割合で接種した。マグネチックスターヨーにより、
30rpmの緩やかな回転を行いながら、30℃で2日
間培養した。
培養後に、培養液から生成した菌糸体を十分量の水で吸
引ろ過しながら水洗した。以下実施例1〜4ではこの菌
糸体を用いた。
(実施例1) 先に調製した菌糸体に水を加え、約1%濃度となるよう
に調整し、家庭用ミキサー(サンヨー社製)で30秒攪
拌し、離解した。JAPANTAPPI  紙パルプ試
験法No、52−89に従い、カヤ二FS100 (カ
ヤ二社製)で測定した重量平均繊維長は1.05mmで
あった。また、光学顕微鏡観察より平均繊維径は約3μ
mであった。
乾燥重量で未叩解LBKP80部に対し、菌糸20部を
混合し、SV型往復反転式攪拌機アジター(島端製作所
社製)で緩やかに攪拌、均一に分散後、乾燥重量で60
g/rr?のシートを角型手抄装置(金網80メツシユ
一金網寸法25cmX25C■)で抄紙後、ロールプレ
スでウェットプレスを行い、シリンダードライヤーで乾
燥し、紙を得た。
(比較例1.2.3) 菌糸体を攪拌せず、カヤニFS100で繊維長を測定し
ようとしたが、キャピラリーに繊維がつまり、繊維長を
測定することができなかった。繊維の塊をいくつかピン
セットで選択し、スライドガラス上に広げると、その長
さは10mmを超えたものであった。
この菌糸を用い、実施例1と同様の方法で紙を得た(比
較例1)。
また、未叩解LBKPのみの紙を実施例1と同じ方法で
作製した(比較例2)。
さらに、カナダ標準濾水度400m1のLBKPのみの
紙を実施例1と同し方法で作製した(比較例3)。
(比較例4) 菌糸の培養時、マグネチックスクーラーの回転数を8O
r pmで培養を行った。カヤニFSでCI定した重量
平均繊維長は1.10mmであった。
この菌糸を用い比較例1と同様に抄紙した。
以上の紙の物性を表1に示す。なお、不透明度はJIS
−P91318の方法に従い測定した。
表1 実施Mlの紙は比較例3、叩解を行った場合と同等の強
度を示した。また同じ菌糸体を加えた紙でも、実施例1
と比較例1を比較すれば、離解を行った菌糸体を用いた
紙が大きい強度を示した。
また、比較例4では菌糸体の繊維長がほぼ同じであって
も、離解を行っていない菌糸を用いた場合、離解を行っ
た実施例1より、強度が劣るものであった。また、比較
例2と実施例1を比較すれば離解した菌糸体を含有する
紙は未叩解LBKPのみの紙に比べ、約2倍の強度を示
す。また、不透明度も向上していることが判る。
(実施例2) 実施例1のLBKPを故紙パルプに代え抄紙を行い、紙
を得た。
比較例5 故紙パルプのみを抄紙し紙を得た。
以上の紙の物性を表2に示す。
表  2 故紙のみから抄紙した紙より、強度の大きい紙を得るこ
とができた。また、両方の紙をコピー機に通したところ
、比較例5のシートに比べ、ぼこつき、カールも少なか
った。
(実施例3) 活性炭素繊維(比表面積1500rrr/g、繊維長6
mm、東邦レーヨン社製)を乾燥重量で90部、予め調
製した実施例1で調製した菌糸体を乾燥重量で10部混
合し、均一に分散後、抄紙乾燥し、坪量70g/rrf
のシートを得た。シートの比表面積を測定したところ、
1330rrr/gと活性炭素繊維(比表面積理論値1
350rf/g)の表面積の殆どが有効であった。
(比較例6) 実施例3と同じ方法で、比較例1て用いた菌糸体を用い
シートを得た。実施例2のシートに比べ、地合が悪く、
坪量のばらつきが見られ、この影響によると考えられる
強度のばらつきが見られた。
(比較例7) 実施例3と同じ方法で、菌糸の代わりにNBKP(カナ
ダ標準濾水度350m1)を用いた。ただし、パルプの
配合量は30部とした。
以上のシートの物性を表3に示す。なお、圧力損失はJ
 I 5−B12O3の形式1により風速5゜3cm/
秒で測定した。
表  3 これらのシートを波型に加工し、平板シートと貼合わせ
て、片面段ボールを作製し、積層し、ユニットを作製し
た。実施例3は加工の段階で問題は全くなく、シートか
らの活性炭繊維の脱落は全く見られなかった。比較例7
は加工段階で活性炭素繊維の脱落が見られた。
(実施例4) ガラス繊維(6μX6mm、旭ファイバーグラス社製)
を78部、マイクロガラス繊維(平均繊維径0.65μ
m1ジヨンマンビル社製)14部、実施例1で用いた菌
糸体を8部を水中に均一に分散し、抄紙、プレス、乾燥
を行い、坪量75g/耐の中性能フィルター用濾材を得
た。
(比較例8) ガラス繊維(6μX5mm、旭ファイバーグラス社製)
を85部、マイクロガラス繊維(平均繊維径0.65μ
m、ジョンマンビル社製)15部を水中に均一に分散し
、抄紙した。このシートにアクリル系のエマルジョンを
含浸し、150℃で乾燥した。シート内の灰分を測定し
たところ、92%であった。
以上のシートの物性を表4に示す。なお、圧力損失はJ
 I 5−B12O3の形式1により風速5゜3cm/
秒で測定した。また、捕集効率の測定はDOPエアロゾ
ル(フタル酸ジオクチル、粒径0゜3μm)を用いて測
定した。
表  4 (実施例5) 実施例3と同じ方法で、活性炭素繊維を全芳香族ポリア
ミド繊維(ケブラー49、デュポン社製)にかえ、坪量
50 g/rdのシートを得た。
このシートにビスマスレイイミド−トリアジン樹脂(B
Tレジン、三菱ガス化学社製)のメチルエチルケトン溶
液(固形分濃度60%)に含浸し、145℃で8分乾燥
し、ついでこのシートを4枚積層し、175℃、20 
k g f / cIで14間熱圧成形し、プリント配
線盤用シートを得た。
(比較例9) 比較例6で用いたNBKPを用いシートを作製し、実施
例5と同様に樹脂を含浸したが、樹脂含浸工程でシート
が切断した。
以上のプリント配線盤用シートの物性を表5に示す。な
お、IPCFC241法により150℃、30分後の寸
法変化率を求めた。耐/%ンダ性はJ I 5−C64
81により膨れ、色の変化を観察した。
表  5 (実施例6) 菌糸体を以下の通り調製した。
培地として以下の2種類の組成のものを用いた。
(培地■)ポテトデキストロース寒天培地(栄研化学社
製)39g、寒天5gに水道水を加え、pHを5.6に
調整しく塩酸および苛性ソーダ使用)全体を1リツトル
にフィルアップした。150mLずつルーフラスコに分
注し、120℃、20分オートクレーブによる殺菌を行
った。
(培地■)イーストエキストラクト3g1マルトエキス
トラクト3g(以上デイフコ社製)、ポリペプトン5g
(大五栄養社製)、グルコース20gに水道水を加え、
pH7,0に調整しく塩酸および苛性ソーダ使用)全体
をILにフィルアップした。培地1.5Lを3L容量コ
ルベンに分注し、120℃、20分オートクレーブによ
る殺菌を行った。
培地■上で、28℃で3日間、カビ(フザリウム・ソラ
ーニ)を培養した。培養後、1つのル−あたり生理食塩
水を30mL加えて、生育したカビ菌体をよく懸濁させ
た。懸濁物を滅菌した綿:こ透過させ、得られた胞子懸
濁液を1mLずつ分注し、−80℃下で保存し、以後必
要な時に溶力)して用いた。培地■に、胞子懸濁液を、
ILあたり1mLの割合で接種し、28℃、2日間、8
0ストロ一ク/分で培養した。培養液を200メツシユ
のふるいを用いて濾過し、さらに純水で洗浄を繰り返し
た。菌糸体の繊維径は2μmであった。
この菌糸体を実施例1と同様にして、紙を作製した。菌
糸体の重量平均繊維長1.30mmであった。
(実施例7) 菌糸体を以下の通り調製した。
培地としては、培地■と培地■の2種類を用いた。
培地■上で、28℃で、3日間、カビ(デイプロプイア
・ナタレンシス)を培養した。培養後、生理食塩水を加
えて、生育したカビ菌糸をよく懸濁させ得られた懸濁液
を、培地■に接種し、28℃、2日間、80ストロ一ク
/分で培養した。接種割合は、1リツトルあたり、スラ
ント1本分であった。培養液を200メツシユのふるい
を用いて濾過し、さらに純水で洗浄を繰り返した。この
菌糸体を実施例1と同様にして、紙を得た。菌糸体の重
量平均繊維長1.03mm、繊維径4μmであった。
(比較例10.11) 実施例6.7の比較例として、離解を行わない菌糸を混
合した紙を作製した。
以上の紙の物性を表6に示す。
(実施例8〜17) 実施例7と同様にして、カビ(セルコスポーラ・オリゼ
ー)(実施例8)、カビ(トリコテシウム・ロゼラム)
(実施例9)、カビ(ムコールΦロイキシアヌス、IF
O5773)(実施例10)、カビ(ペニシリウム・シ
トリナム、ATCC9849)(実施例11)、カビ(
トリコデルマ・リーゼイ、ATCC117109)(実
施例12)、カビ(ノイロスポラ・クラッサ、ATCC
36373)(実施例13)、カビ(ボトリティス・シ
ネリー、CB5241.62)(実施例14)、カビ(
トリコツアイトン・メンタグロファイテス、IFO75
22)(実施例15)、カビ(チェートミウム・アナへ
リシナム)(実施例16)、カビ(エンドシイアφパラ
シティ力、CB51411.13)(実施例17)を用
いて、以下、実施例7にならい、菌糸体を調製して、紙
を得た。
以上実施例7〜17で得られた紙の物性を表7に示す。
表  7 以上から、いずれの離解された菌糸体も、ノくインダー
効果を発揮することが確認された。本発明で用いる菌糸
の属は限定されず、菌糸をもつ生物の菌糸体であれば有
効である。
(実施例18〜21) 実施例3と同じ方法で、シート状成型物を作製した。但
し、繊維をノボロド繊維(カイノール繊維、14μmX
3mm、群栄化学社製)(実施例18)、カーボン繊維
(トレカT008、繊維径5mm、東し社製)(実施例
19)、アルミナ繊維(アルセン・バルク、デンカ社製
)(実施例20)、ステンレス繊維(ナスロン、8μm
XIQmm、日本精線社製)(実施例21)に代えて抄
紙乾燥し、シートを作製した。
いずれのシートも、強度は充分で取扱上問題は見られな
かった。
〔発明の効果〕
本発明の菌糸体離解物は繊維状成型体の強度向上及び機
能性シートのバインダーとして極めて有効である。
本発明のシート状成型物は、離解された菌糸体を少量用
いることでシート形成が可能である。紙として利用した
ときは、叩解したパルプを用いた紙と同等の強度を示し
、パルプを叩解することなく用いることができる。機能
紙、不織布としては、シート内のバインダー量が少なく
、シートの特性を充分発揮させることが可能である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)糸状菌の産生する菌糸体を機械的せん断力により
    離解してなる菌糸体離解物。
  2. (2)糸状菌の産生する菌糸体を離解した繊維の繊維長
    がJAPANTAPPI紙パルプ試験法No.52−8
    9に記載の方法で測定した重量平均繊維長が0.1mm
    〜6mmもしくは、数平均繊維長が0.1mm〜5mm
    である請求項(1)記載の菌糸体離解物。
  3. (3)請求項(1)または(2)記載の該菌糸体離解物
    を含有してなるシート状成型物。
  4. (4)天然繊維又は天然繊維より製造したパルプを含有
    してなる請求項(3)記載のシート状成型物。
  5. (5)無機繊維、有機繊維から選ばれた少なくとも1種
    の繊維を含有してなる請求項(3)又は(4)記載のシ
    ート状成型物。
  6. (6)樹脂が含浸されてなる請求項(3)(4)(5)
    のいずれかに記載のシート状成型物。
  7. (7)糸状菌の産生する菌糸体をそのまま、あるいはそ
    れに水、溶質を溶解した水溶液および親水性溶媒から選
    ばれた少なくとも1種の液体を加えた状態で機械的せん
    断力を加えることを特徴とする請求項(1)又は(2)
    記載の菌糸体離解物の製造方法。
  8. (8)糸状菌の産生する菌糸体をそのまま、あるいはそ
    れに水、溶質を溶解した水溶液および親水性溶媒から選
    ばれた少なくとも1種の液体を加えた状態で機械的せん
    断力を加えることにより得られる菌糸体離解物と繊維状
    物とを含有する水性スラリーを調製し、湿式抄紙法を用
    い抄紙することを特徴とする請求項(3)、(4)、(
    5)、(6)のいずれかに記載のシート状成型物の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010529832A (ja) * 2006-12-15 2010-09-02 レンセラー ポリテクニク インスティチュート 成長材料の生産方法及びそれによって作製される製品

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014110795A (ja) * 2006-12-15 2014-06-19 Rensselaer Polytech Inst 成長材料の生産方法及びそれによって作製される製品

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