JP3133162B2 - 電気音響変換器用振動板 - Google Patents

電気音響変換器用振動板

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JP3133162B2
JP3133162B2 JP04215569A JP21556992A JP3133162B2 JP 3133162 B2 JP3133162 B2 JP 3133162B2 JP 04215569 A JP04215569 A JP 04215569A JP 21556992 A JP21556992 A JP 21556992A JP 3133162 B2 JP3133162 B2 JP 3133162B2
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diaphragm
film
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microbial cellulose
internal loss
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秀一 市川
一樹 名古屋
清孝 宮下
英一郎 鈴木
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フオスター電機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紙製振動板並びに合成樹
脂フィルム振動板等の電気音響変換器用振動板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電気音響変換器用に使用される振
動板は、プラスチックフィルム、金属板、織布等を成形
加工して作るか、あるいは天然繊維、合成繊維等に樹脂
加工を施し、それを成形加工したものが多く用いられて
いる。しかし、これらは比弾性率が小さいため、良好な
周波数特性を得ることができなかった。
【0003】これらを改善するために、チタンやアルミ
ニウムを基材とし、ダイヤモンド等を基材表面に形成さ
せた振動板がある。しかし、これらは内部損失が小さい
ため、振幅の大きな振動板としては使用方法が煩雑とな
る。
【0004】一方、比弾性率が大きく、内部損失の大き
な材料として微生物セルロースを振動板に用い、軽量で
高弾性、高内部損失の振動板を得る方法が提案され実用
化されている(特開昭61−281800)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のもので
は基材を100〜900℃程度に加熱してプラズマCV
D法で表面コートしているため、コーティング膜の厚さ
は最大でも2μm程度となり、振動板として十分な効果
が得られないことと、内部損失が小さいため、音響用振
動板としては使用が限定され、かつ、工程が煩雑とな
り、コストアップの要因となる等の課題がある。
【0006】又、前記の特開昭61−281800は、
微生物セルロースが一般の木材パルプに比較して水分の
影響は半分程度と小さいが、分子中にOH基が存在する
ため、水分の影響を受けるという課題があった。本発明
は上記のことに鑑み提案されたもので、その目的とする
ところは、振動板基材にコーティング剤を塗布し、耐候
性があり、高弾性、高内部損失を有する振動板を安価に
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、天然繊維等の繊維状物質、合成樹脂発泡
体又はプラスチックフィルム、金属発泡体又は金属板、
セラミック発泡体又はセラミックス板等で構成された振
動板基材に、無機物質を皮膜形成材とし、かつ少なくと
も一部に微生物セルロースを内部損失付与剤として用い
てなるコーティング剤を表面コートするか若しくは含浸
させ、加熱乾燥することを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明では、上記のように高弾性で内部損失の
大きな皮膜補整材としての微生物セルロースを添加した
皮膜形成材料を、織布や紙等で構成された振動板基材に
表面コートするか、若しくは含浸しており、このように
弾性率が小さく内部損失が大きな基材に上記コーティン
グ剤を塗布すると、高弾性で適度の内部損失を有し、か
つ耐候性の良い振動板を得ることができる。又、振動板
基材が金属、セラミックス等で構成され、このように弾
性率が大きく、内部損失が小さい基材に、上記コーティ
ング剤を塗布すると、高弾性で適度な内部損失を有し、
かつ耐候性の良い振動板が得られる。
【0009】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。本発明に
使用した微生物セルロースは次のように作製したものを
用いた。培地組成はシュクロース(sucrose)5
0g,酵母エキス(Difco)5g,硫酸アンモニウ
ム((NH SO )5g,リン酸水素カリ
ウム(KH PO )3g,硫酸マグネシウム(M
gSO ・7H O)0.5g,蒸留水1リット
ル,PH5.0のものである。この培地を用いて静置培
養を行い、生産されたゲル状膜を流水洗浄と2%水酸化
ナトリウム溶液で煮沸洗浄を組み合わせて精製し、ゲル
状膜に含まれている細胞や吸着している各種の培地成分
などを取り除いて作製した。
【0010】上記ゲル状膜を乾燥後、適度の大きさに加
工し、皮膜形成材に添加するか、又は水溶性皮膜形成材
にゲル状膜を投入し、ミキサー等で微生物セルロースを
分散して、コーティング剤を作製した。
【0011】有機溶剤系のコーティング剤は皮膜形成材
として、セラック「GSA」(岐阜セラック製作所製)
を用い、まずメタノールにて固形分12.5%の溶液を
作製し、この溶液に微生物セルロースの粉体をセラック
と同量添加して作製した。コーティング剤に皮膜補整材
としての微生物セルロースを添加した場合のヤング率
(硬度)の上昇効果を測定するために、セラック単独の
コーティング剤と微生物セルロースを添加したコーティ
ング剤をガラス板に流し塗りし、スオードロッカーにて
硬度を測定し比較した。その結果を表−1に示す。
【表−1】 コーティング剤 硬度 GSA 100% 40 GSA 100%,微生物セルロース50% 115 表−1から明らかなように硬度は著しく上昇した。
【0012】上記のようにして作製した有機溶剤系のコ
ーティング剤を紙製コーンに塗布した場合のスピーカ
(口径10cm)の周波数特性を図1に示す。図1より
明らかなように、微生物セルロースを添加したものは高
域部が拡大し、歪みが小さく、音質の良好なものが得ら
れた。
【0013】上記のように、一部に微生物セルロースを
含むコーティング剤をアルミニウム製振動板に塗布した
場合のスピーカ(口径10cm)の周波数特性を図2に
示す。図2より明らかなように、微生物セルロースを添
加したものは、未添加品に対してヤング率が大きいた
め、高域部が拡大している。一方、アルミニウム単板に
比較して、微生物セルロースを添加したコーティング剤
を塗布した振動板の伝播速度は約3,500m/sと速
く、内部損失も0.06と大きいので、高域部の再生周
波数の減少は少なく、特性のピーク、デイップが小さ
い。セラミックスのような高弾性で低内部損失の基材
に、上記微生物セルロース添加のコーティング剤を塗布
した場合、アルミニウムと同様な効果が得られた。
【0014】
【発明の効果】この発明は、以上説明した通り、天然繊
維等の繊維状物質、合成樹脂発泡体又はプラスチックフ
ィルム、金属発泡体又は金属板、セラミック発泡体又は
セラミックス板等で構成された振動板基材に、無機物質
を皮膜形成材とし、かつ少なくとも一部に微生物セルロ
ースを内部損失付与剤として用いてなるコーティング剤
を表面コートするか若しくは含浸させ、加熱乾燥して所
定の形状に加工後、振動板を構成することにより、耐候
性があり、高弾性かつ高内部損失を有する振動板を安価
に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】紙製コーンと、コーティング剤を塗布した紙製
コーンのスピーカの周波数特性を示す図である。
【図2】アルミニウム製振動板と、コーティング剤を塗
布したアルミニウム製振動板のスピーカの周波数特性を
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 英一郎 東京都昭島市宮沢町512番地 フォスタ ー電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−7393(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 7/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然繊維等の繊維状物質、合成樹脂発泡
    体又はプラスチックフィルム、金属発泡体又は金属板、
    セラミック発泡体又はセラミックス板等で構成された振
    動板基材に、無機物質を皮膜形成材とし、かつ少なくと
    も一部に微生物セルロースを内部損失付与剤として用い
    てなるコーティング剤を表面コートするか若しくは含浸
    させ、加熱乾燥することを特徴とする電気音響変換器用
    振動板。
JP04215569A 1992-07-21 1992-07-21 電気音響変換器用振動板 Expired - Lifetime JP3133162B2 (ja)

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CN204721598U (zh) * 2012-10-31 2015-10-21 松下知识产权经营株式会社 振动板、扬声器及移动体装置

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