JPH01288100A - スピーカ用コーン及び同コーンを備えたスピーカ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 ［産業上の利用分野］ この発明はダイナミック型コーンスピーカのコーンに関
するものである。

［従来の技術１ 従来、ダイナミック型スピーカ用の振動板としてパルプ
を円錐状に形成したコーン紙が多用されている。また、
近年カーボン１！、Ｉｌｉ強化プラスチックあるいはガ
ラス繊維強化プラスチック等を芯材とするコーンも実用
化されている。

［発明が解決しようとする課題１ スピーカの振動板素材に求められる物性は高剛性かつ低
密度で適度の内部損失を有していることである。上記パ
ルプによるコーン紙は適度な内部損失を有し、かつ軽量
である。しかし、剛性が低くまた木材を砕いて均質なパ
ルプを形成するために複数回のビーティングが必要とな
φという問題点がある。一方、上記のような新素材では
高剛性であるが内部損失が小さく、その内部損失を高め
るための加工に手間がかかりコストが上昇するという問
題点があった。さらに、コーンの質量が増大するためそ
れにともなって磁気回路を大型化する必要があり、この
点もコストが上昇する要因となった。この発明の目的は
軽量かつ高剛性で適度の内部損失を有し、製造が容易で
安価であるとともに耐湿性に優れたスピーカ用コーンと
、そのコーンを備えることにより磁気回路を小形化し得
るスピーカと、そのスピーカ用コーンの製造方法を提供
す、るにある。

発明の構成 ［課題を解決するための手段］ この発明は上記問題点を解決するために、木材で円錐状
のスピーカ用コーンを形成し、そのコーンに物理的耐湿
処理及び化学的耐湿処理の少なくともいずれか一方を施
し、また少なくとも１枚の扇形状の薄板の両端を貼り合
わせて円錐状のスピーカ用コーンを形成し、また木材の
薄板で円錐状に形成したコーンを各コーンの木目が交差
する方向に複数枚貼り合わせてスピーカ用コーンを形成
し、また、これらのスピーカ用コーンを備えたスピーカ
を形成している。さらに、木材を煮沸し、その煮沸した
木材を薄板に切削し、その薄板を円錐状に成型するスピ
ーカ用コーンの製造方法を実現している。

〔作用］ 上記手段により、木材を円錐状に成型して適度な内部損
失と剛性を備えたスピーカ用コーンが形成され、そのコ
ーンに耐湿処理を施して同コーンの重量変動あるいは機
械的変形が抑制され、そのようなコーンは少なくとも１
枚の扇形状の薄板の両端を貼り合わせたり、ざらに円錐
状に形成したコーンを複数枚貼り合わせてスピーカ用コ
ーンが°”容易に形成され、このようなコーンでは低密
度で軽量となるのでこれらのコーンを使用したスピーカ
は磁気回路を小形化できる。また、上記製造方法により
木材を薄く切削可能であるとともに内部損失を高め、か
つ薄板の木目に直行する方向の剛性が向上したコーンが
製造可能となる。

［実施例］ 以下、この発明を具体化した一実施例を図面に従って説
明すると、第１図に示すコーン１はシトカスプルース材
の薄板で形成されて、いる。すなわち、コーン１はシト
カスプルース材を沸騰した水で約７０時間煮沸した後横
突きスライサで第２図に示すような薄板２に切削し、そ
の薄板２から扇形状のコーン材３を切り出す。そして、
糊代４部分にラテックス系接着剤を塗布して加熱接着す
ることにより円錐状に形成されている。

このような製法により厚さ０．２６０ｆ１１１１０゜４
１５ｍｍ、０．９７４＋＋ｖ＋で形成された３種類のコ
ーンと厚さ０．４２４ｎ＋ｍの紙のコーンとの特性を振
動リード法で測定して第３図に示す第一のデータ群りで
示す。木材は木目方向に沿う直交異方性材料であり、そ
のデータ群りで方向を示すＬは木目方向、Ｒは木目と直
交する方向である。紙のコーンでもその抄紙時の水流の
方向により異方性が存在している。このデータ群りによ
ればシトカスプルースの薄板によるコーンはシトカスプ
ルース材の平均的密度ρ−０，４２７±０．０４２とほ
ぼ同−若しくはこれより低くなり、紙のコーンでは０．
４１５＋＋＋ｍのシトカスプルースコーンと比較して４
５％増加する。

ヤング率では３種のシトカスプルースコーンはし方向に
おいてシトカスプルース材の平均値Ｅ−（１，２５±０
．２４）Ｘ１０　　ｄｙｎ／ｃｍの下限の値でほとんど
変化していない。Ｒ方向においては平均値Ｅ／、−８，
９３ｘ１０　　ｄｙｎ／ｃ＋ｎに対し３．５倍以上増加
している。また、紙コーンのヤング率は０．４１５１１
１のシトカスプル−スコーンの約６０％である。

３種類の厚さのシトカスプルースコーンの内部損失は紙
コーンと大差ないが、シトカスプルース材のし方向の内
部損失の平均値はＱＬ−（６，３−！ ５±０．８８）Ｘ１０　　、Ｒ方向の内部損失の平均値
はＱＡ＝１．３３Ｘ１０　　である。よって、Ｌ方向の
内部損失では０．２６０１１１では６．２倍、０．４１
５＋ｕ＋では５倍、０．９７４ｍｍでは１１．３倍に増
加し、Ｒ方向の内部損失では２．５倍以上増加している
。

従って、シトカスプルース材を煮沸して薄く切削するこ
とによりヤング率及び内部損失に優れたコーン１が形成
され、そのコーン１は木材をパルプに加工する必要があ
る紙コーンに比して容易にかつ安価に製造することがで
きる。

上記のようなコーン１を使用したスピーカ５は第４図に
示すようにそのコーン１を除いて通常のコーンスピーカ
と同一構造である。すなわち、リード線６に信号電流が
流れるとマグネット７とボイスコイル８との間に作用す
る磁力によりボイスコイル８が信号電流の波形に応じて
前後方向に振動され、そのボイスコイル８の振動がコイ
ル巻枠９を介してコーン１に伝達される。このようなス
ピーカ５ではコーン１が低密度で軽量に形成されている
ので、磁気回路を小形化することができるとともに、そ
の音は上記特性により周波数特性が平坦で音楽的に優れ
たソフトな音質である。

次に、この発明は次に示す態様で実施することもできる
。

イ）第５図に示すように、前記実施例のコーン１をラテ
ックス接着剤で複数枚張り合わせてコーン１０を形成す
ること。このようなコーン１０ではその貼り合わせによ
り内部損失がさらに増大し、各コーンの木目が交差する
゛ように貼り合わせるとコーンの異方性が緩和されてヤ
ング率も増大するので、さらに周波数特性の平坦なコー
ンとすることができる。

０）前記実施例では扇形状のコーン材３の端部をＩＩＩ
して円錐状のコーン１を形成したが、薄板状のコーン材
をプレス成型により第６図に示すような円錐状に成型し
て継ぎ目のないコーン１１を形成すること。また、この
コーン１１をその木目が交差するように複数枚貼り合わ
せること。

ハ）第７図に示すように、扇形状に切出された多数枚の
コーン材１２を貼り合わせてコーン１３を形成すること
。このとき、木目がコーンの中心方向に向かうように貼
り合わせるとコーンのヤング率が向上する。

二）上記コーンに物理的あるいは化学的耐湿処理を施す
こと。木材を振動板としたときその周囲の湿度の１昇に
よりその振動板が水分を吸収すると密度の増加、ヤング
率の低下及び内部損失の大幅な上昇を招く。また、物性
変動による振動モードのずれ、含有する内部水分の不均
一による撮動板の反り等も生じ、これらが音響特性等に
悪影響を及ぼす。そこで、上記実施例のコーンに物理的
あるいは化学的耐湿処理を施すことにより上記音響特性
の低下を防止することができる。

物理的耐湿処理としては、ナイロン、テトロン、ポリプ
ロピレン等の熱可塑性樹脂のフィルムでコーンの表面を
覆う構成や速乾ニス等の塗料でコーンの表面に塗膜を形
成する構成がある。また、化学的処理としては木材を疎
水性とするアセチル化処理と塩化水素等を触媒としてホ
ルムアルデヒドを木材構成成分間に架橋させて分子構造
を凝集させるホルマール処理がある。

上記のような物理的処理では湿度が変化しても表面に形
成された膜により水分の吸収は緩慢となりコーンの重量
変化や機械的変形が抑制される。

また、アセチル化されたコーンでは水分の吸収による重
色の変化は無処理のコーンに比して約６０％となり、湿
度の変化によるコーンの重量差はアセチル化されたコー
ンでは無処理のコーンに比して１７３程度となる。さら
に、アセチル化されたコーンに上記物理的耐湿処理を施
すと耐湿性がざらに向上し、湿度の変化によるコーンの
重量変化あるいは機械的変形等が抑制される。

なお、コーンの材料は前記実施例のシトカスプルース材
以外にニジマツ、トドマツ、カラマツ、アカマツ、トウ
じ、モミ、ツガ等の松科針葉樹材、あるいはシナ、トチ
、ブナ、ナラ、ニレ、カバ等の各種広葉樹材を使用して
もよい。

発明の効果 以上詳述したように、この発明は製造が容易で安価なス
ピーカ用コーンを提供することができるとともに、木材
の持つ異方性を緩和して高剛性で適度の内部損失を有す
るスピーカ用コーンを提供することができる。そして、
そのコーンに耐湿処理を施すことにより湿度の変化によ
るコーンの重量変動あるいは機械的変形を抑制して音響
特性の低下を防止することができる。また、木材の薄板
の木目に対し直行する方向の剛性を高めて異方性を緩和
し、かつ内部損失を向上させ得る製造方法を提供するこ
とができるとともに、上記のようなコーンを備えたスピ
ーカは紙コーンに比して磁気回路を小形化して軽量かつ
安価に製造することができる優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を具体化した第一の実施例を示すスピ
ーカ用コーンの斜視図、第２図はその扇形状のコーン材
を切出す薄板の正面図、第３図はシトカスプルース材の
コーンと紙のコーンとの特性を示す説明図、第４図はそ
のコーンを使用したスピーカの断面図、第５図はこの発
明の第二の実施例のコーンの分解斜視図、第６図は第三
の実施例のコーンを示す斜視図、第７図は第四の実施例
のコーンを示す正面図である。 コーン１，１０．１１．１３、薄板２、コーン材３，１
２゜

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、木材で円錐状に形成したことを特徴とするスピーカ
   用コーン。 ２、木材で円錐状に形成したコーンを備えたことを特徴
   とするスピーカ。 ３、木材を煮沸し、その煮沸した木材を薄板に切削し、
   その薄板を円錐状に成型するスピーカ用コーンの製造方
   法。 ４、木材で円錐状に形成したコーンに物理的耐湿処理及
   び化学的耐湿処理の少なくともいずれか一方を施したこ
   とを特徴とするスピーカ用コーン。 ５、少なくとも１枚の扇形状の薄板の両端を貼り合わせ
   て円錐状に形成したことを特徴とするスピーカ用コーン
   。 ６、木材の薄板で円錐状に形成したコーンを各コーンの
   木目が交差する方向に複数枚貼り合わせて形成したこと
   を特徴とするスピーカ用コーン。