JP2690104B2 - スピーカ用コーン及び同コーンを備えたスピーカ - Google Patents

スピーカ用コーン及び同コーンを備えたスピーカ

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JP2690104B2 JP63117742A JP11774288A JP2690104B2 JP 2690104 B2 JP2690104 B2 JP 2690104B2 JP 63117742 A JP63117742 A JP 63117742A JP 11774288 A JP11774288 A JP 11774288A JP 2690104 B2 JP2690104 B2 JP 2690104B2
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晃明 小野
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加藤 義之
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] この発明はダイナミック型コーンスピーカのコーンに
関するものである。
[従来の技術] 従来、ダイナミック型スピーカ用の振動板としてパル
プを円錐状に形成したコーン紙が多用されている。ま
た、近年カーボン繊維強化プラスチックあるいはガラス
繊維強化プラスチック通を芯材とするコーンも実用化さ
れている。
[発明が解決しようとする課題] スピーカの振動板素材に求められる物性は高剛性かつ
低密度で適度の内部損失を有していることである。上記
パルプによるコーン紙は適度な内部損失を有し、かつ軽
量である。しかし、剛性が低くまた木材を砕いて均質な
パルプを形成するために複数回のビーティングが必要と
なるという問題点がある。一方、上記のような新素材で
は高剛性であるが内部損失が小さく、その内部損失を高
めるための加工に手間がかかりコストが上昇するという
問題点があった。さらに、コーンの質量が増大するため
それにともなって磁気回路を大型化する必要があり、こ
の点もコストが上昇する要因となった。この発明の目的
は軽量かつ高剛性で適度な内部損失を有し、製造が容易
で安価であるスピーカ用コーンと、そのコーンを備える
ことにより磁気回路を小形化し得るスピーカを提供する
にある。
発明の構成 [課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、スピーカ用コーンに関す
る本願第1の発明は、振動板素材を円錐状に形成したス
ピーカ用コーンであって、前記振動板素材が複数枚の扇
形状をなす木目薄板からなり、各薄板はその木目方向が
扇形状の中心線に対し略平行となるようにして切り出さ
れるとともに、各薄板における扇形状の中心線がコーン
の中心方向へ向くように配置された状態で、各木目薄板
が貼り合わされていることを要旨とした。
また、スピーカに関する本願第2の発明は、上記第1
の発明に係るスピーカ用コーンを備え、同コーンに対し
磁気回路の磁力に基づき振動するボイスコイルの振動を
伝達するように構成したことを要旨としている。
[作用] 従って、スピーカ用コーンに関する本願第1の発明で
は、振動板素材が木目薄板であるため、軽量かつ安価で
ある上に適度な内部損失と高剛性が確保される。また、
各薄板は木目方向がコーンの中心方向を向くことになる
ため、ヤング率が向上する。さらに、上記コーンは低密
度で軽量なため、このようなコーンを使用したスピーカ
にあっては磁気回路を小形化し得る。
[実施例] 以下、この発明を具体化した一実施例を図面に従って
説明すると、第1図に示すコーン1はシトカスプルース
材の薄板で形成されている。すなわち、コーン1はシフ
トカスプルース材を沸騰した水で約70時間煮沸した後横
突きスライサで木目が柾目状をなす薄板に切削し、その
薄板から扇形状のコーン材3を木目方向が扇形状の中心
線に対し略平行となるようにして複数枚切り出す。そし
て、そのようにして切り出したコーン材3を、第2図に
示すように、各コーン材3における扇形状の中心線がコ
ーンの中心方向へ向くように配置するとともに、各コー
ン材3両端部の糊代にラテックス系接着剤を塗布し、そ
の配置状態において、各コーン材3を貼り合わせること
により円錐状に形成されている。
このような製法により厚さ0.260mm、0.415mm、0.974m
mで形成された3種類のコーンと厚さ0.424mmの紙のコー
ンとの特性を振動リード法で測定して第3図に示す第一
のデータ群Dで示す。木材は木目方向に沿う直交異方性
材料であり、そのデータ群Dで方向を示すLは木目方
向、Rは木目と直交する方向である。紙のコーンでもそ
の抄紙時の水流の方向により異方性が存在している。こ
のデータ群Dによればシトカスプルースの薄板によるコ
ーンはシトカスプルース材の平均的密度ρ=0.427±0.0
42とほぼ同一若しくはこれより低くなり、紙のコーンで
は0.415mmのシトカスプルースコーンと比較して45%増
加する。
ヤング率では3種のシトカスプルースコーンはL方向
においてシトカスプルース材の平均値E=(1.25±0.2
4)×1011dyn/cm2の下限の値でほとんど変化していな
い。R方向においては平均値ER=8.93×109dyn/cm2に対
し3.5倍以上増加している。また、紙コーンのヤング率
は0.415mmのシトカスプルースコーンの約60%である。
3種類の厚さのシトカスプルースコーンの内部損失は
紙コーンと大差ないが、シトカスプルース材のL方向の
内部損失の平均値はQ▲-1 L▼=(6.35±0.88)×1
0-3、R方向の内部損失の平均値は▲Q-1 R▼=1.33×10
-2である。よって、L方向の内部損失では0.260mmでは
6.2倍、0.415mmでは5倍、0.974mmでは11.3倍に増加
し、R方向の内部損失では2.5倍以上増加している。
従って、シトカスプルース材を煮沸して薄く切削する
ことによりヤング率及び内部損失に優れたコーン1が形
成され、そのコーン1は木材をパルプに加工する必要が
ある紙コーンに比して容易にかつ安価に製造することが
できる。
上記のようなコーン1を使用したスピーカ5は第4図
に示すようにそのコーン1を除いて通常のコーンスピー
カと同一構造である。すなわち、リード線6に信号電流
が流れるマグネット7とボイスコイル8との間に作用す
る磁力によりボイスコイル8が信号電流の波形に応じて
前後方向に振動され、そのボイスコイル8の振動がコイ
ル巻枠9を介してコーン1に伝達される。このようなス
ピーカ5ではコーン1が低密度で軽量に形成されている
ので、磁気回路を小形化することができるとともに、そ
の音は上記特性により周波数特性が平坦で音楽的に優れ
たソフトな音質である。
次に、この発明は次に示す態様で実施することもでき
る。
上記コーンに物理的あるいは化学的耐湿処理を施すこ
と。木材を振動板としたときその周囲の湿度の上昇によ
りその振動板が水分を吸収すると密度の増加、ヤング率
の低下及び内部損失の大幅な上昇を招く。また、物性変
動による振動モードのずれ、含有する内部水分の不均一
による振動板の反り等も生じ、これらが音響特性等に悪
影響を及ぼす。そこで、実記実施例のコーンに物理的あ
るいは化学的耐湿処理を施すことにより上記音響特性の
低下を防止することができる。
物理的耐湿処理としては、ナイロン、テトロン、ポリ
プロピレン等の熱可塑性樹脂のフィルムでコーンの表面
を覆う構成や速乾ニス等の塗料でコーンの表面に塗膜を
形成する構成がある。また、化学的処理としては木材を
疎水性とするアセチル化処理と塩化水素等を触媒として
ホルムアルデヒドを木材構成成分間に架橋させて分子構
造を凝集させるホルマール処理がある。
上記のような物理的処理では湿度が変化しても表面に
形成された膜により水分の吸収は緩慢となりコーンの重
量変化や機械的変形が抑制される。また、アセチル化さ
れたコーンでは水分の吸収による重量の変化は無処理の
コーンに比して約60%となり、湿度の変化によるコーン
の重量差はアセチル化されたコーンでは無処理のコーン
に比して1/3程度となる。さらに、アセチル化されたコ
ーンに上記物理的耐湿処理を施すと耐湿性がさらに向上
し、湿度の変化によるコーンの重量変化あるいは機械的
変形等が抑制される。
なお、コーンの材料は前記実施例のシトカスプルース
材以外にエゾマツ、トドマツ、カラマツ、アカマツ、ト
ウヒ、モミ、ツガ等の松科針葉樹材、あるいはシナ、ト
チ、ブナ、ナラ、ニレ、カバ等の各種広葉樹材を使用し
てもよい。
発明の効果 以上詳述したように、スピーカ用コーンに関する本願
第1の発明によれば、振動板素材を複数枚の木目薄板に
て構成したことにより、コーンを軽量かつ安価にできる
とともに、同コーンには適度な内部損失と高剛性を確保
でき、更には、各薄板と木目方向がコーンの中心方向を
向くようにして貼り合せたので、ヤング率を向上するこ
とができるという効果を奏する。
又、スピーカに関する本願第2の発明によれば、低密
度で軽量なコーンを使用したことにより、磁気回路を小
形化し得るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明を具体化した一実施例を示すスピーカ
用コーンの斜視図、第2図はその扇形状の各コーン材を
配置した状態を示す平面図、第3図はシトカスプルース
材のコーンと紙のコーンとの特性を示す説明図、第4図
はそのコーンを使用したスピーカの説明図である。 コーン1、コーン材3、スピーカ5。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動板素材を円錐状に形成したスピーカ用
    コーンであって、前記振動板素材が複数枚の扇形状をな
    す木目薄板からなり、各薄板はその木目方向が扇形状の
    中心線に対し略平行となるようにして切り出されるとと
    もに、各薄板における扇形状の中心線がコーンの中心方
    向へ向くように配置された状態で、各木目薄板が貼り合
    わされているスピーカ用コーン。
  2. 【請求項2】振動板素材を円錐状に形成したスピーカ用
    コーンであって、前記振動板素材が複数枚の扇形状をな
    す木目薄板からなり、各薄板はその木目方向が扇形状の
    中心線に対し略平行となるようにして切り出されるとと
    もに、各薄板における扇形状の中心線がコーンの中心方
    向へ向くように配置された状態で、各木目薄板が貼り合
    わされているスピーカ用コーンを備え、同コーンに対し
    磁気回路の磁力に基づき振動するボイスコイルの振動を
    伝達するように構成したスピーカ。
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