JP2021078100A - スピーカー装置 - Google Patents

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Kinpei Yokohama
金平 横濱
正己 濱岡
Masami HAMAOKA
正己 濱岡
益久 小林
Masuhisa KOBAYASHI
益久 小林
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Abstract

【課題】振動装置と振動板を備えたスピーカー装置において、音響特性と外観性に優れ、また、振動装置から発生した振動を効率よく振動板に伝達することができるスピーカー装置を提供する。【解決手段】スピーカー装置1は、振動板2と振動装置3とを備え、振動装置3から伝達された振動を振動板2から音として放射する装置であり、振動板2は、丸太を輪切りにした略同心円状の年輪を有する板状体であり、年輪の中心が位置する芯材部21と、芯材部21と辺材部23との間の白線帯22とを含み、芯材部21の外周全体が白線帯22に覆われており、振動装置3が、芯材部21に直接的または間接的に当接されて振動板2に振動を伝達している。【選択図】図1

Description

本発明は、スピーカー装置に関するものである。
木材は、機能性や加工性に優れるため、古くから、家屋、家具、道具などの材料として広く用いられてきた。例えば、木材をスピーカー装置に利用するものとして、特許文献1が提案されている。特許文献1には、自然そのままの素材を活かしたスピーカー装置として、内部をくりぬいてなる中空状丸太に、スピーカー本体を、該スピーカー本体の前面部が中空状丸太の側面に設けた開口部に密接するように内蔵させた装置が提案されている。このスピーカー装置は、自然素材のインテリアになることに加えて、密閉度が高く、音の反射や割れが少なくなることが記載されている。
また、他のスピーカー装置として、特許文献2には、アクチュエーターのボイスコイルを保護する弾性材でできたキャップに一端が設けられた筒状の駆動部材の他端に駆動部材を覆うように設けられた増幅手段と、増幅手段に設けられた伝達手段とからなり、ボイスコイルの端部と駆動部材の端部はキャップを挟んで対向して配置されている。
実開平5−55685号公報 特開2015−156605号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたスピーカー装置は、振動板を含めたスピーカー本体自体は既存のものを使用し、これを中空状丸太に内蔵しているため、音の反射などの面での優位性があるとしても、スピーカー本体自体の特性の改善にはならない。また、木材を振動板とする技術として、柾目または板目の薄板を複数枚重ね合わせたものがあるが、音響特性や量産性に主眼をおいた構成であり、市場には、音響特性に加えて外観性に優れるなど、より嗜好性の高いスピーカー装置のニーズが存在する。
また、特許文献2に記載されたスピーカー装置は、放射板に連結され振動を発生した場合に、放射板に連結された駆動軸の動作方向以外の動きを阻止する方策は施されていないため、音量を得ようとした場合に、駆動軸の動作方向以外の動きが発生して、音の伝達効率が低下する傾向がある。
本発明はこのような背景に鑑みてなされたものであり、振動装置と振動板を備えたスピーカー装置において、音響特性と外観性に優れ、また、振動装置から発生した振動を効率よく振動板に伝達することができるスピーカー装置を提供することを目的とする。
本発明のスピーカー装置は、振動板と振動装置とを備え、該振動装置から伝達された振動を上記振動板から音として放射するスピーカー装置であって、上記振動板は、丸太を輪切りにした略同心円状の年輪を有する板状体であり、上記年輪の中心が位置する芯材部と、該芯材部と辺材部との間の白線帯とを含み、上記芯材部の外周全体が上記白線帯に覆われており、上記振動装置が、上記芯材部に直接的または間接的に当接されて上記振動板に振動を伝達していることを特徴とする。
上記振動板は、丸太を輪切りにし、芯材部および辺材部に対して白線帯の厚みを薄くした板状体の乾燥体であることを特徴とする。
上記スピーカー装置は、上記振動装置を囲むように上記振動板または補助振動板に設けられた枠体と、上記枠体と上記振動装置を挟んで上記振動板または補助振動板に対向して設けられた弾性体とを備えてなり、上記枠体は、上記振動装置の外周との間に隙間を有して設けられ、上記弾性体は、上記枠体と上記振動装置に跨って、該枠体と該振動装置に固着されており、上記枠体と上記振動装置と上記弾性体とが一体化されていることを特徴とする。
上記振動装置の外周形状が、略円柱状であり、上記振動装置の駆動軸が該振動装置の中央に設けられ、上記枠体の内周と上記振動装置の外周との間の径方向隙間が、周方向全域で略一定であることを特徴とする。
上記振動装置および上記枠体における、上記振動板または上記補助振動板の対向側の面全体が、上記弾性体に固着されていることを特徴とする。
上記振動装置は、該振動装置の作動時に該振動装置の駆動軸の軸方向に付勢力が発生するように、該駆動軸の端部が、上記振動板の上記芯材部に直接に当接されている、または、上記振動板に接触させた上記補助振動板に直接に当接され、該補助振動板を介して上記振動板の上記芯材部に間接的に当接されていることを特徴とする。
本発明のスピーカー装置は、振動板と振動装置とを備え、振動装置から伝達された振動を振動板から音として放射する装置であり、振動板が、丸太を輪切りにした略同心円状の年輪を有する板状体であり、年輪の中心が位置する芯材部と、芯材部と辺材部との間の白線帯とを含み、芯材部の外周全体が白線帯に覆われており、振動装置が、芯材部に直接的または間接的に当接されて振動板に振動を伝達しているので、振動板の外観が略同心円状の年輪を含む自然の風合いであり、外観性に優れる。また、年輪により形成された音響的ランダムな振動形態により、振動板周辺部などでの周波数の特性変化は起こりにくく、自然で柔らかな音を奏でることができ、音響特性に優れる。
また、振動板は、丸太を輪切りにし、芯材部および辺材部に対して白線帯の厚みを薄くした板状体の乾燥体であるので、使用時における割れなどを防止できる。
スピーカー装置において、振動装置を囲むように振動板または補助振動板に設けられた枠体と、枠体と振動装置を挟んで振動板または補助振動板に対向して設けられた弾性体とを備えてなり、枠体は、振動装置の外周との間に隙間を有して設けられ、弾性体は、枠体と振動装置に跨って、該枠体と該振動装置に固着されており、枠体と振動装置と弾性体とが一体化されているので、弾性体において、振動装置の作動時に振動装置の駆動軸方向の動作に追従した動作が発生し、この弾性体が、振動装置と枠体との並設方向への振動装置の動きを阻止するとともに、振動装置に対して該振動装置の駆動軸方向の付勢力を付加させる。これにより、振動装置に直接に当接された振動板または補助振動板に、該振動装置から発生した振動が効率よく伝達され、音量が確保され、広い音域のクリアな音を出すことができる。
また、振動装置の外周形状が、略円柱状であり、振動装置の駆動軸が該振動装置の中央に設けられ、枠体の内周と振動装置の外周との間の径方向隙間が、周方向全域で略一定である構成の場合では、弾性体による上記付勢力の歪みがなくなり、該振動装置から発生した振動が、より効率よく振動板に伝達される。このため、音量がより確保され、広い音域のよりクリアな音を出すことができる。
また、振動装置および枠体における、振動板または補助振動板の対向側の面全体が、弾性体に固着する構成の場合では、弾性体が振動装置と枠体との並設方向への振動装置の動きをより防止でき、かつ、振動装置に対して該振動装置の駆動軸方向の付勢力を無駄なく付加できる。
また、振動装置が、その作動時にその駆動軸の軸方向に付勢力が発生するように、駆動軸の端部が、振動板の芯材部に直接に当接されている、または、振動板に接触させた補助振動板に直接に当接され、この補助振動板を介して振動板の芯材部に間接的に当接されている構成の場合では、振動板または補助振動板に当接する駆動軸の端部が浮上せず、振動装置で発生した振動が振動板または補助振動板に継続的に伝達される。また、駆動軸の端部の当接部分の接触点において点音源となり、振動装置で発生した振動を集中的に受けて強い振動となる。特に、この接触点が芯材部(好ましくは年輪の中心)であるため、音の振動が年輪に沿って波紋のように広がり、優れた音響特性を有する。
本発明のスピーカー装置の第1実施例を示す平面図である。 図1のスピーカー装置の断面図である。 本発明のスピーカー装置の第2実施例を示す平面図である。 図3のスピーカー装置の断面図である。 本発明のスピーカー装置の第3実施例を示す平面図である。 本発明のスピーカー装置の第4実施例を示す断面図である。 本発明のスピーカー装置の第5実施例を示す断面図である。 本発明のスピーカー装置の第6実施例を示す断面図である。
木材を振動板とする技術は、従前より提案されている。この従前の振動板は、柾目または板目の薄板を複数枚重ね合わせて、これをプレス成型して製造されている。これにより振動板の全体が構造的に均一化されている。音響特性を調整する場合、この構造板にヒダや突起を加工して設ける場合がある。なお、この種の振動板では、取り扱い性の観点などから柾目や板目の木材を使用するため、木部繊維の配向が、板に対して主に水平方向となる。
これに対して、本発明における振動板は、自然木材の年輪を利用して得られる。本発明における振動板は、丸太を所定の厚みに輪切りにした板状体であり、振動板の両平面は木口面であって略同心円状の年輪が見られる。また、この振動板において、少なくとも、年輪の中心である樹芯が位置する芯材部の全体と、該芯材部の外周全体を覆う白線帯とが存在した状態とされている。なお、この丸太輪切り振動板では、木部繊維の配向が、板に対して主に垂直方向となる。本発明のスピーカー装置は、中心部となる芯材部に振動装置を直接的または間接的に当接させて振動を伝達している。
丸太輪切り面は、柾目板と同様に均一のようであるが、微妙な不均一性が存在する。この不均一性(バラツキ)は、木質や密度、年輪の微妙な不揃いなどの極小さなものであり、樹芯を中心として放射状に面全体に渡り波紋を描くように広がっている。密度の大小などが、規則的に交互に放射状に広がっている。本発明における振動板では、このような波紋状に広がるという規則性の中において上記の不均一性が存在することで、音響的ランダムな振動形態を形成している。この音響的ランダムな振動形態は、音響上好ましい特性を引き出すと考えられる。
一般的な製材による柾目板と大きく異なる点は、上記のように、樹芯を中心として放射状に面全体に渡り成長量の適度な密度(質量)のランダムなバラツキが波紋を描くように広がっていることである。このため、高音域の周波数において特性変化は起きにくい。柾目板のような一般的な平面振動板の周辺部では特性変化が起きる。一方、丸太輪切り振動板は、年輪により形成された音響的ランダムな振動形態により周波数の特性変化は起こらず、自然で柔らかな音を奏でる。平面振動板でありながら、斜め45度においても高音域まで特性の変化が少ない。また、指向特性に関して、木材としてのランダムさと年輪の規則的な均一さが程よくブレンドした振動の特性が加わり、複雑な指向特性を示す周波数領域がある。これは聴感での音響効果にとっては極めて好ましいといえる。このような音響効果は、波紋のように形成された木目以外の板材では得られないと考えられる。
本発明のスピーカー装置の第1実施例を図1および図2に基づいて説明する。図1はこの形態のスピーカー装置の平面図(表の面)であり、図2は図1のスピーカー装置の断面図である。
この形態のスピーカー装置1は、振動板2の一方の面側に振動装置3が当接され、振動装置3から伝達された振動を振動板2から音として放射する装置である。振動板2は、丸太を輪切りにした略同心円状の年輪を有する板状体である。図1に示すように、この形態の振動板2は、樹芯が位置する芯材部21と、辺材部23と、芯材部21と辺材部23との間の白線帯22を含む。振動板2において、年輪の中心である樹芯が位置する芯材部21の全体が残っており、芯材部21の外周全体が白線帯22に覆われている。また、白線帯22の外周全体が、辺材部23に覆われている。図2に示すように、この形態では、振動装置3が、芯材部21に当接されて振動板2に振動を伝達している。
一般的に、芯材部21は、丸太横断面の中心部で色の赤みがかった部分であり「赤身」とも呼ばれ、辺材部23は丸太横断面で外周部の色の白い部分であり「白太」とも呼ばれる。また、白線帯22は、芯材部21から辺材部23への「移行部」とも呼ばれる。白線帯22が、芯材部21と辺材部23との間の水分の移動を制限するため、芯材部21と辺材部23の含水量は異なる。各部位の密度や硬さについては、充分に乾燥した状態で、辺材部23、芯材部21、白線帯22の順に大きくなる。白線帯22の部分は、細胞の密度が高く、芯材部21よりも密度が高く、硬くなる。全体的にはこのような傾向であるが、より狭い範囲では、上述のとおりランダムなバラツキがある。芯材部21、辺材部23、白線帯22の区別は、丸太横断面の目視観察で色調差により可能である。また、樹種によっては色調差がなく、外観状での区別が困難な場合には、含水率差などによる区別も可能である。なお、辺材部23までを含めれば、少なくとも白線帯22までは含むこととなる。
振動板2は、少なくとも、年輪の中心である樹芯が位置する芯材部21の全体と、芯材部21の外周全体を覆う白線帯22を含めばよく、必要に応じて辺材部23をカットしてもよい。年輪の繊維によって振動は伝達され、振動板2の全体で増幅され音として放射されるので、成長量の小さい冬目の硬い部分からは高音が出やすく、成長量の大きい夏目の柔らかい部分からは低音が出やすくなり、高音と低音がミックスされた振動が発生しやすい。振動板2は、年輪中心を含む芯材部21から白線帯22までを含むことで、振動源から波紋状に広がるような密度差や硬度差と上述のランダム性とを有し、1枚の振動板で低音域から高音域までの広い範囲の音を出すことができる。これに加えて、外周側が硬質の白線帯22で固定されるため、芯材部21の応答性や追従性に優れ、広い音域のクリアな音を出すことができる。本発明のスピーカー装置は、木の成長の中で自然と備えられた、年輪の芯材部とその周囲を囲む白線帯や辺材部を利用することで、バッフルのような固定部材を不要とできる。
振動板2の厚みは、特に限定されないが、概ね0.3mm〜50mmとする。振動板2の厚みは、薄いほど、応答性や追随性に優れて高音特性がよくなるが、薄すぎる場合には低音特性に劣る。振動板2の厚みの好適範囲は、15mm〜30mmである。この範囲であると、低音域と高音域の特性のバランスに優れる。また、丸太輪切り薄板を複数枚貼り合わせた形状としてもよい。例えば、0.3〜1.0mmの薄板を2枚張り合わせた形状とできる。また、この張り合わせ間に別材(例えば、和紙)を挟んだ形状とできる。
振動板2の外周縁形状は、特に限定されない。自然の外周縁(辺材部)を残した形状とすることで、より自然の風合いが得られる。また、樹皮は、取り除いても残した状態としてもよい。振動板は、上述の厚みを有する板状であるが、完全な平板状である必要はなく、撓んだ形態であってもよい。
振動板2の原料となる丸太の樹種は、特に限定されず、一般的な樹種(針葉樹、広葉樹)を利用できる。年輪が分かりやすく、また周波数特性の乱れも軽減しやすいことから、針葉樹が好ましい。針葉樹としては、具体的には、マツ科、スギ科、ヒノキ科、マキ科、ナンヨウスギ科、イチイ科、イヌガヤ科などの樹種が挙げられる。
振動板2は、丸太を所定の厚みに輪切りにした板状体である。この板状体は、充分に乾燥された硬質材である。大気の温度や湿度に応じて一定の含水率で平衡状態に達したものであり、充分な乾燥によって木材の細胞は収縮する。振動板2の気乾比重(g/cm3)は、0.3〜0.65程度が好ましく、0.3〜0.5程度がより好ましい。このような硬質の振動板2は、振動装置3の当接部分の接触点において点音源となりやすく、振動装置3で発生した振動を集中的に受けて強い振動となり、振動板2の全体にスムーズに振動が伝達される。また、振動板2は、適度な粘性を有しており、表面の反発係数は金属製や硬質プラスチック製のものよりも低い。このため、瞬間的な外力による加振と、継続的な励振とのいずれによって振動板2を振動させた場合でも、放射される音は高周波成分の少ない「柔らかい音」の音量が得られる。
丸太の乾燥は、公知の乾燥方法を採用できる。例えば、天然乾燥と人工乾燥があり、人工乾燥としては除湿式、高温式、誘導加熱式などが利用できる。丸太のような芯材のある木材は、上述のとおり、部位により含水量が異なるため、乾燥させると、芯材部と辺材部との収縮率の差による内部応力の違いで割れ(クラック)が発生するおそれがある。本発明における振動板2は、割れの有無は特に大きな影響はないが、割れがないものが外観状などの面で好ましい。
振動板2は、丸太を輪切りにし、芯材部および辺材部に対して白線帯の厚みを薄くした板状体を乾燥させた乾燥体とすることが好ましい。乾燥後に芯材部21、辺材部23、白線帯22となる、乾燥前の板において、白線帯の部分を芯材部および辺材部に対して薄くなるように、一方面または両面から削った後に、これを乾燥することで乾燥時の割れを防止しやすくなる。また、内部応力が小さくなり、スピーカーとしての使用時における割れなどを防止できる。
振動装置3は、特に限定されず、芯材部21に当接させて振動を伝達できる装置であればよい。例えば、後述する振動装置のほか、圧電素子アクチュエーター、磁歪アクチュエーターなどであってもよい。振動装置3の芯材部21に当接させる部位は、接触面積を小さくして点音源に近い形態が好ましい。また、芯材部21における年輪の中心である樹芯に、この部位を当接させることで、上述の本発明の各効果が得られやすくなる。また、振動装置3と芯材部21との間に、密着する形であれば、別部材を介在させてもよい。
本発明のスピーカー装置の第2実施例を図3および図4に基づいて説明する。図3はこの形態のスピーカー装置の平面図(裏の面)であり、図4は図3のスピーカー装置の断面図である。
この形態のスピーカー装置1は、振動板2と、振動装置3と、振動装置3を取り囲むように振動板2に設けられた枠体4と、枠体4と振動装置3を挟んで振動板2に対向して設けられた弾性体5とを備えている。振動板2は、図1および図2の実施形態と同様であり、振動板2以外の構成が図1および図2の実施形態と異なる。枠体4は、振動装置3の外周との間に隙間32を有して設けられている。弾性体5は、枠体4と振動装置3に跨って、枠体4と振動装置3に固着されている。これにより、枠体4と振動装置3と弾性体5とが一体化されている。振動装置3は、駆動軸31を有し、この端部が振動板2の芯材部21に当接されている。駆動軸31は、振動装置3に固定され、振動装置3と一体化されている。なお、この形態では、振動板2に対して振動装置3が1つ設けられているが、これに限定されず、当接箇所が芯材部21の範囲内であれば、小型の振動装置を複数設けることも可能である。
図3および図4に示すように、振動板2には、振動装置3の振動の中心軸上の近傍に設けられた略円柱状の駆動軸31が当接されている。この駆動軸31は、振動板2の芯材部21の中でも年輪の中心である樹芯Oに当接させることが好ましい。駆動軸31は、その軸方向が図中のZ方向に沿った方向であり、振動板2の平面(XY方向平面)とは、その端部が略垂直に当接している。振動装置3で発生した振動は、振動板2における駆動軸31の当接した部分(芯材部21の樹芯O)に集中するように設計されている。このため、振動装置3は、微弱振動であっても効率よく振動板2に振動を伝達することができる。また、振動板2には、振動装置3を取り囲むように配置された枠体4と、振動装置3とが、振動装置3の振動板2に当接された駆動軸31の側と反対側の面が弾性体5を介して枠体4に連結されて設けられている。弾性体5は、駆動軸31の動作に追従して動作するようになっており、振動板2と枠体4と振動装置3と弾性体5は一体化されている。このようにした場合は、振動装置3から発生した振動を継続的に効率よく振動板に伝達することができ、音量が確保され、広い音域のクリアな音を出すことができる。特に、駆動軸31の接触点が芯材部21の樹芯Oであるため、音の振動が年輪に沿って波紋のように広がり、優れた音響特性を有する。
仮に、枠体4と振動装置3と弾性体5とを一体化しなかった場合は、振動装置3は、振動装置3が作動した時に振動板2に当接された駆動軸31の当接箇所を支点として振り子のような動作が発生して駆動軸31のZ方向の駆動軸上の動作を阻害することが懸念される。この結果、振動装置3から発生した振動を継続的に効率よく振動板に伝達することができなくなるおそれがある。
振動装置3の駆動軸31は、振動板2に当接した箇所が固定されていても、固定されずに静置した状態でも、弾性体5が設けられていることによって、駆動軸31と振動板2とが密着されており、同等の効果が得られる。
図3および図4に示すように、弾性体5は、振動板2に設けられた枠体4と、振動装置3の外周に均一になるように配置された隙間32と、振動装置3とを覆うように、振動板2に対して枠体4を挟んで対面する側の振動装置3と枠体4のX方向およびY方向の全面にわたって設けられている。詳細には、振動装置3の外周形状が、略円柱状であり、枠体4の振動装置3側の内周形状が、振動装置3の外周形状に対向する略円筒状であり、振動装置3の駆動軸31が振動装置3の中央に設けられ、枠体4の内周と振動装置3の外周との間の径方向の隙間32が、周方向全域で一定である。振動装置3および枠体4における振動板2の平面側(振動装置が当接する側)の対向側の面全体(X方向およびY方向の全面)が、弾性体5に固着されている。このような均一な隙間を設けることで、弾性体による後述の付勢力の歪みがなくなり、該振動装置から発生した振動が、より効率よく振動板に伝達される。
本発明のスピーカー装置では、内部応力(張力や撓み)が無い状態で、枠体4と振動装置3とを、弾性体5に固着させることで連結している。固着方法は特に限定されないが、接着剤の塗布による接着、両面テープによる接着、部材間の溶融接着など、任意の方法を採用できる。特に、振動装置3および枠体4における振動板2の平面側の対向側の面全体(X方向およびY方向の全面)を、接着剤や両面テープを用いて均一な接着力で、弾性体5に固着することが好ましい。なお、ビスなどでの数か所のみの固定の場合、弾性体による後述する付勢力が十分に得られない、または、該付勢力に歪み(X方向やY方向)が生じるおそれがある。枠体4および振動装置3との固着の際に、弾性体5の全面に両面テープなどを貼り付けておくことで、弾性体5の隙間32にかかる部分は、その粘着剤などがそのまま露出した状態となる。この部分に、振動板2と枠体4と弾性体5で囲まれた空間内に混入した小さなゴミなどが吸着され、音への悪影響を低減できる。
上記構成の如く弾性体5を設けた場合、振動装置3が作動しない状態では弾性体5のX方向、Y方向、およびZ方向のいずれの方向にも付勢力となる応力は働かず振動装置3は安定している。振動装置3の作動時には、弾性体5にX方向、Y方向、およびZ方向に動作が加わり内部応力が発生し、振動装置3のX方向およびY方向の動作には隙間32に張力と撓みになるような動作が同時に働く。弾性体5に発生した内部応力は隙間32の部分で緩和され、振動装置3と枠体4との並設方向(X方向およびY方向)の振動装置3の動きは阻止され安定する。一方、振動装置3で発生した振動の駆動軸31のZ方向(図4)の動作に弾性体5は追従して動作するので、弾性体5に内部応力が発生する。弾性体5は、枠体4および振動装置3と均一な接着力の全面接着などによって固着されているので、内部応力に対する反発力が発生して、この反発力が振動装置3に対する付勢力となる。
また、上述のように、弾性体5は、振動装置3の作動時に、振動装置3の駆動軸31のZ方向の動作に連動して追従した動作が発生し、弾性体5には内部応力が発生して、該内部応力のZ方向(図4)の反発力が振動装置3に付加される付勢力として働く。この付勢力により、振動装置3の振動板2に当接する部分が浮上せず、振動装置3で発生した振動を振動板2の芯材部21に継続的に伝達させるようにできる。また、上記付勢力は、X方向やY方向へのずれがなく、駆動軸31の振動方向であるZ方向への力である。これらの結果、振動装置3で発生した振動を効率よく振動板2に伝達することができ、音量が確保され、広い音域のクリアな音を出すことができる。特に、振動装置の振動が微弱振動である場合でも、広い音域のクリアな音を出すことができる。
弾性体5としては、上述の振動装置3と枠体4との並設方向の振動装置3の動きの阻害と、振動装置3の駆動軸31の振動動作への追従が可能であれば特に限定されない。例えば、ゴムを用いて所定厚みのシート状に形成されたものがよい。より具体的な例としては、ゴムを用いた厚み1mmから10mm程度のシート状であり、好ましくは厚み3mmに調整された発泡性の天然ゴムをシート状に形成した材料を用いて、枠体4の外形に合わせた形状に加工されたものがよい。また、類似の機能を有する材料を用いて形成することも可能である。
枠体4としては、木材、木質材料、竹、石膏ボード、金属、ガラス、硬質プラスチックなどを採用できる。また、振動板2と同質材を用いることが好ましい。形状としては、図3および図4に例示するようなものが好ましい。すなわち、静置時における弾性体5が振動板2と略平行な平板シート状であり、弾性体5の枠体4および振動装置3との固着面が振動板2に平行な面である。詳細には、枠体4のZ方向の寸法は、振動装置3を振動板2に静置させた時に得られる振動装置3の駆動軸31が設けられた面と反対側の面が、振動板2と平行になり、枠体4の振動板2の側の面と反対側の面と同一面になるようにして、弾性体5を設けた場合に、弾性体5のZ方向に内部応力が加わらないようにした寸法とすることが好ましい。また、枠体4の平面形状は、振動装置3の平面寸法の概2倍程度の寸法を一辺とする正方形に形成されたものが好ましい。
本発明のスピーカー装置の第3実施例を図5に基づいて説明する。図5はこの形態のスピーカー装置の平面図である。
この形態のスピーカー装置1は、枠体4の振動装置3側の内周形状を8角形状としている例である。枠体4の内周形状以外の構成は図3および図4の実施形態と同様である。振動装置3の外周形状が、略円柱状である。振動装置3の駆動軸31が振動装置3の中央に設けられ、枠体4の内周と振動装置3の外周との間の径方向の隙間32が、周方向全域で略一定となる。隙間の均一性は、図3の場合と比較例すれば劣るが、この場合でも、略均一な隙間により、弾性体による付勢力の歪みがなくなり、該振動装置から発生した振動が効率よく振動板に伝達される。その他、振動装置3の外周形状が略円柱状である場合には、枠体4の振動装置3側の内周形状は、8角形以上の多角形であってもよい。
本発明のスピーカー装置の第4実施例を図6に基づいて説明する。図6はこの形態のスピーカー装置の断面図である。
この形態のスピーカー装置1は、振動板2と振動装置との間に補助振動板6を設けた例である。補助振動板6を設ける以外の構成は図3および図4の実施形態と同様である。振動装置3は、振動板2に接触させた補助振動板6に直接に当接され、補助振動板6を介して振動板2の芯材部21に間接的に当接されている。補助振動板6と振動板2とは、振動の伝達ロスがないように密着して固定される。この形態により、丸太輪切り材である振動板2以外の部分をユニット化でき、生産性に優れる。
本発明のスピーカー装置の第5実施例を図7に基づいて説明する。図7はこの形態のスピーカー装置の断面図である。
この形態のスピーカー装置1は、駆動軸31の端部が振動板2に当接する面積を大きくして振動装置3を振動板2に静置した例である。駆動軸31以外の構成は、図3および図4の実施形態と同様である。駆動軸31は、略円柱状の本体の一端に円板状の鍔部が設けられた構造である。この鍔部が駆動軸31の端部であり、該鍔部の円板平面が振動板2の芯材部21に当接している。
また、全ての実施形態の場合において、振動板2に駆動軸31の端部に対応する凹部を形成し、これに駆動軸31の端部を嵌合させてもよい。これにより組み立て時の位置決めが容易となり、作業性が向上する。
本発明のスピーカー装置の第6実施例を図8に基づいて説明する。図8はこの形態のスピーカー装置の断面図である。
この形態のスピーカー装置1は、駆動軸31の端部が振動板2に当接する面積を大きくして振動装置3を振動板2に固定し、かつ、枠体4に補助部材41を設けた例である。駆動軸31と枠体4と補助部材41以外の構成は、図3および図4の実施形態と同様であり、駆動軸31の詳細構成は、図7の実施形態と同様である。補助部材41は、枠体4において、振動装置3を振動板2に静置させた時に得られる振動装置3の駆動軸31が設けられた面と反対側の面が、振動板2と平行になり、枠体4の振動板2の側の面と反対側の面と同一面になるように簡易に寸法が調整できるようにする部材である。補助部材41は、樹脂材、ゴムやウレタンのような弾性材などを採用できる。振動板2として自然材である丸太輪切りの薄板の振動板を採用するため、振動板に撓みなどが生じる場合がある。この場合でも、上記補助部材を設けることで、枠体および駆動軸の端部を振動板に密着させやすくなる。
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記各例の実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更を行うことが可能である。
本発明のスピーカー装置は、音響特性と外観性に優れ、また、振動装置から発生した振動を効率よく振動板に伝達することができるので、原料とする丸太のサイズや風合いを適宜選択することで、様々な用途におけるスピーカー装置として広く利用できる。また、本発明のスピーカー装置は、ガラスや金属、樹脂などのフレームに固定する、振動板の一部に穴を空けて吊るす、皿立てに載置するなど、種々の設置方法で利用できる。
1 スピーカー装置
2 振動板
21 芯材部
22 白線帯
23 辺材部
3 振動装置
31 駆動軸
32 隙間
4 枠体
41 補助部材
5 弾性体
6 補助振動板

Claims (6)

  1. 振動板と振動装置とを備え、該振動装置から伝達された振動を前記振動板から音として放射するスピーカー装置であって、
    前記振動板は、丸太を輪切りにした略同心円状の年輪を有する板状体であり、前記年輪の中心が位置する芯材部と、該芯材部と辺材部との間の白線帯とを含み、前記芯材部の外周全体が前記白線帯に覆われており、
    前記振動装置が、前記芯材部に直接的または間接的に当接されて前記振動板に振動を伝達していることを特徴とするスピーカー装置。
  2. 前記振動板は、丸太を輪切りにし、芯材部および辺材部に対して白線帯の厚みを薄くした板状体の乾燥体であることを特徴とする請求項1記載のスピーカー装置。
  3. 前記スピーカー装置は、前記振動装置を囲むように前記振動板または補助振動板に設けられた枠体と、前記枠体と前記振動装置を挟んで前記振動板または補助振動板に対向して設けられた弾性体とを備えてなり、
    前記枠体は、前記振動装置の外周との間に隙間を有して設けられ、
    前記弾性体は、前記枠体と前記振動装置に跨って、該枠体と該振動装置に固着されており、
    前記枠体と前記振動装置と前記弾性体とが一体化されていることを特徴とする請求項1記載のスピーカー装置。
  4. 前記振動装置の外周形状が、略円柱状であり、
    前記振動装置の駆動軸が該振動装置の中央に設けられ、前記枠体の内周と前記振動装置の外周との間の径方向隙間が、周方向全域で略一定であることを特徴とする請求項3記載のスピーカー装置。
  5. 前記振動装置および前記枠体における、前記振動板または前記補助振動板の対向側の面全体が、前記弾性体に固着されていることを特徴とする請求項3記載のスピーカー装置。
  6. 前記振動装置は、該振動装置の作動時に該振動装置の駆動軸の軸方向に付勢力が発生するように、該駆動軸の端部が、前記振動板の前記芯材部に直接に当接されている、または、前記振動板に接触させた前記補助振動板に直接に当接され、該補助振動板を介して前記振動板の前記芯材部に間接的に当接されていることを特徴とする請求項3記載のスピーカー装置。
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